2011年11月14日

本澤二郎の「日本の風景」(919)

<松下政経塾のTPP抱き合い心中>
 最近、覚醒したと思われる元財務官僚が「マスコミとCIA」の深い関係を指摘するようになった。それはまた、アメリカ国民ではなくて、ワシントンCIAと松下政経塾の深い仲と言い換えてもいいだろう。むろん、霞が関の枢要な部署にCIAの強固な網が張られている。一人マスコミに限ったものではない。民意が阻害される戦後日本の、自立できない構造的欠陥と筆者には分析できる。だからこそ亀井静香が「CIAに殺されるまで戦う」と宣言した重大決意を汲み取れるのだ。対米自立派の命がけの決起である。同時に小沢一郎の決戦をも意味している。松下幸之助遺産である松下政経塾は、対米従属派の、今や日本の砦となっている。それが野田のTPP決断の背景なのである。



 対米従属派の元祖は、いうまでもなく岸信介が亡くなった現在、中曽根康弘である。だからこそ、野田が政敵政党であるはずの中曽根詣でをしたのである。レーガンに身売りした人物に対して、だ。経済大国を潰した御仁ではないのか。もう齢93歳だ。正常な判断は無理だろう。そこへと頭を垂れた野田という人間が、いかに小粒な政経塾生であるかの証しではないのか。

 余談だが、中曽根の盟友・ナベツネ85歳だ。たかが球団運営に関係して部下の反乱に「名誉棄損」と子供のようにわめき散らす。狂い始めている証拠ではないか。中曽根やナベツネの周囲には、もはや児玉誉士夫、瀬島龍三ら旧日本軍の仲間はいない。CIAに代行してもらうとでもいうのか?
 対米従属派の牙城はきしみ始めている。それでいて政経塾と司令塔のPHP研究所は、TPPとの抱き合い心中に突進している?
<ワシントンのペット>
 戦後日本の政治指導者の多くがワシントンのペットになって、政敵からの攻撃に対抗した。CIAへの過信からである。岸内閣や佐藤内閣、中曽根内閣、小泉内閣は、確かにそうして彼ら流の成功を収めてきた。
 元財務官僚が公言するように「マスコミの支援」があったからである。郵政改革を強行した小泉内閣は、そのことを如実に示している。中曽根はロッキード事件でも捜査対象から外れることが出来た。リクルート事件の巨悪とされても、である。
 佐藤内閣は沖縄返還を手にした。しかし、核密約という恐ろしい決断を強いられてしまった。それが発覚した現在、歴史の評価に耐えられなくなった。小泉内閣にもいえる。日本を格差社会に追い込んだ小泉政治を、評価する市民は皆無であろう。
 60年安保改定を強行した岸内閣は、未だに沖縄ほか米軍基地周辺住民を泣かせている。日本独立を封じ込んでしまっている元凶だ。ワシントンのペットを「売国奴」と呼んでもおかしくない。もはや日本にペットはいらない。健全な民族主義のもとでは、もっとも軽蔑される政治指導者といえよう。
 今やその地位に松下政経塾政権が就いている。野田はまぎれもなくワシントンのペットなのだ。歴史から吹き飛ばされる運命にあると断言したい。
<売国政権>
 TPPの中身を議論しない。ともかく「参加したい」と言うだけで、日本の姿・形を変えてしまう関税ゼロ・非関税障壁撤廃のTPPに突進するというのである。国会で議論もしない。国会での討論を封じ込んでおいて、その後の記者会見で野田が初めて表明した。こんな民主政治など世の中にあろうはずがない。自民党も驚いている。
 国を売る行為・それを独断で、というのが、野田政経塾・PHP戦略というのであろうが、いかにもひどすぎないか。独裁政権である。対米自立派は断じてTPP批准を認めてはならない。売国奴政権を打倒する使命があろう。
<野田の嘘>
 野田の言い分にはいつも嘘が付きまとうが、それをTPPでも演じた。彼は「アジア太平洋の成長を取り込む」といかにも理屈らしい屁理屈を再三繰り返した。本当だろうか。
 TPP参加国の中に中国もインドも含まれていない。間近に中国の経済力はアメリカをしのぐ。今のアメリカは、中国によるドルと米国債の購入を抜きに存在できない。ことほど中国がアジアの成長の象徴となっている。日本企業もその恩恵を受けている。

 ASEANの多くも、たとえばインドネシアもTPPに関心を示していない。「アメリカの全て」を押し付けてくるTPPルールを歓迎してはいない。
 要するに、野田は嘘つきなのである。本気で「アジアの成長を取り込む」というのであれば、鳩山内閣がぶち上げた東アジア共同体である。ASEANプラス日中韓、ないしはこれにプラスαというアジアの経済連携である。
<反中親米勢力の結集>
 TPPは前原らが言うように軍略的要素から来ている。中国封じである。中国の発展・成長に懸念を抱くグループの結集という狙いが込められている。イデオロギーが関与している。20世紀型の冷戦思考が伏線として存在している。
 実に、愚かな認識であろうか。中国脅威論を前提にしている。時代錯誤も甚だしい。
 反中国派の経済連携ということからすると、これの破綻は目に見えている。中国を抜きにアメリカの将来を予測できないだろう。中国はもはや張り子の虎ではない。眠れる獅子でもない。れっきとしたアジアの巨人である。アメリカをはじめ世界がもっとも重視する中国である。日本にとって米中は共に大事である。
 反共イデオロギーの虜である松下政経塾・PHP研究所は、そこをまともに掴めないのだ。掴もうとしていない。昨今のEUの大混乱で一番期待されている国は、財政と経済が壊れているアメリカではない。中国なのである。アメリカの大量の核兵器でEU経済を救済する力はない。
<浮き草>
 野田ら政経塾の期待は、TPPが反中経済連携だということと、もう一つは絶望的な日本の将来不安から来ているのだろう。彼らの思考からは、日本の将来の図面を描くことはできない。
 バブル経済の崩壊と莫大な借金財政に打つ手はない。とてもではないが、日本にアメリカを助ける力はない。ドイツとてEU問題で身動きとれない。だからこその日本から身ぐるみをはごうというのだろうが、対米自立派が多数を占めてきている。

 野田は、溺れる者藁をもつかむ心境に違いない。幸之助思考の行き着く先なのだろう。彼らが浮き草であることの証明ではないか。イデオロギー政党の悲しい運命なのかもしれない。
<TPP政局本番>
 TPP政局はこれからが本番である。財閥や官閥と連携してきた自民党でさえも、野田打倒に動きだしてきている。
 野田の親衛隊の政経塾は多数とは無縁である。それでいて、新たに10%消費増税を強行するのだという。TPP加盟は困難だが、もしもTPPと消費税10%が連動すると、それだけで日本人の生活は困窮、貧困社会を約束するだろう。
 為すべきことは官僚予算・官僚特別会計に大ナタを振るうことである。議員・公務員の人件費と定員の半減が先である。それをしないで10%消費税とTPP加盟では、本末転倒も甚だしい。
 野田総辞職へとTPP政局は急転回するかもしれない。CIA傘下の朝日・読売は?
2011年11月14日19時15分記


jlj001 at 19:12 この記事をクリップ!
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