2011年12月25日

本澤二郎の「日本の風景」(940)

<屈米・松下政経塾政権の対中外交>
 もたついた野田訪中に期待を寄せる人々は少ない。「ないよりはまし」の首脳同士の交流にすぎない。屈米政権の松下政経塾内閣では成果など望む方が無理である。信頼されていない政権という点でいうと、靖国参拝を連発した小泉よりも「悪い」と公言する北京の専門家もいるほどである。対中外交を推進する政権としては、余りにも矛盾を抱え過ぎている。


<軍事政策で対決>
 鳩山内閣を退陣に追い込んだ松下政経塾は、中国脅威論を当たり前のように吹聴した。そうして軍事・防衛政策を中国敵視論に切り替えて、自衛隊の布陣を全面的に改めてしまった。財政破たん国家だというのにF35という途方もない高額の戦闘機購入費を来年度予算に組み入れた野田内閣だ。
 屈米政権の矛盾する外交防衛政策である。武器輸出3原則を見直す構えさえ見せている。戦前の関東軍の「いけいけどんどん」もいいところだ。率先して中国に対して軍事的包囲網に突っ込んでいる。自民党でもやれなかった改憲軍拡路線である。
 日本は中国と国交を回復、平和友好条約を結んでいる。対決政策は許されない。それこそ対話・友好で処理する責務を負っている。ワシントンのいいなりにならない中国を、ワシントンのいいなり・屈米政権が食らいつくというのでは、全くお話にならない。
<TPPで封じ込め作戦>
 松下政経塾・屈米の財閥内閣は、あろうことか経済政策でも中国封じのお先棒を買っている。ワシントンが糸を引くTPP(環太平洋経済連携協定)という関税ゼロにするという、正に経済原則を破壊するルールに飛び込もとしている。
 1%富豪国家のアメリカン資本主義の論理を受け入れようというのだ。恐ろしい松下政経塾であろうか。ワシントンはTPPでもって日本の資産を絞り取り、同時に成長する中国経済を叩き潰そうというのである。
 ASEANプラス3(日中韓)の、いうところの東アジア共同体構想潰しである。アメリカは完璧に衰退過程に突入してしまっている。覚醒した市民・若者がウォール街を占拠している。武器弾薬で世界制覇は不可能だが、そのツケが回ってしまって経済は破綻している。第二のソ連を印象付けている。
 民主党も共和党も国民を束ねることが出来ない。クリントン政権が立ち上げたシリコンバレーの再現は見つからない。覇権国の座から滑り落ちるのは時間の問題といっていい。
<価値観外交にしがみつく>
 アメリカが生き残るためには中国との良好な関係が必然である。日本もそうである。日米中の真の友好関係が世界の安全・安定を約束する。歴史はアジアの世紀を約束している。
 もはや20世紀的・冷戦構造的なイデオロギー・価値観を外交・安保の基本にする時代ではない。北朝鮮の金正日死去に伴う世界、とりわけ西側の報道は、価値観をベースに置いた情報操作報道が顕著である。寛容さをひとかけらさえ感じられない。
 そうした北朝鮮に追い込んだ西側外交に反省は見られない。産軍複合体による暴走外交を反省する気配がない。おぞましい権力政治を振りまくだけである。恥ずかしくないのか。拉致は許されないが、そこに追い込んだ日本政治の反省が全くない。解決を長引かせている根源は日中友好が確立していないからだ。
 いまどきワシントンの軍事主導のネオコンのいいなりになって、価値観を振り回す政経塾路線は、断じて間違いである。外交の基本はリベラルが肝要であることを、あえて指摘しておきたい。
<矛盾する日米中の連携論>
 先頃外務大臣の玄葉が日本記者クラブで妙な会見をしていた。やたら「豊かな日本」を連発していた。彼の故郷は原発被曝で泣き叫ぶ人たちばかりだ。追い打ちをかけるようにTPP参加を当たり前のように吹聴する。
 安保外交政策の全てをワシントンに委ね、そのネオコンの指令でASEAN各国を根回ししている。そんな手合いが「日米中の連携」を宣伝していた。大矛盾もいいところである。軍事・経済面で中国を封じこめておきながら、その一方で「連携論」をぶち上げる。
 松下政経塾・PHP研究所の差し金であろうが、こんな罠にはまる中国ではあるまい。
 確かに中国も内政に厳しい試練の渦中にある。上海や北京の見事な高層住宅から眺めているとわからないが、想像を超える複雑な課題を抱えている。中国外交の基本は隣国との安定した関係の維持・構築である。屈米政権のような意向を表明することはない。可能な限り野田訪中にお土産を持たせようとするだろう。
 しかし、真の日中友好は道遠しである。その原因はいつものことだが、東京にある。幸い、TPPと大増税の野田・屈米政権に対して、対米自立派が台頭してきている。
 対米自立派が本物の親米派・親中派になると、東アジアは一変することになろう。2012年はそうして正常化40周年を迎えたいものである。
2011年12月25日9時50分記


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