2012年01月27日
本澤二郎の「日本の風景」(970)
<市民と科学者の内部被曝問題研究会の設立会見>
表題の研究会の設立会見があるというので、1月27日午後、日本記者クラブへと急いだ。政府お抱えの東電原発事件の原因追及は全く信用できない。これは民間の真面目な市民と科学者が立ち上げた研究会という触れ込みだ。是非とも会見の様子を直接見聞しておく価値があると判断した。ジャーナリストの勘である。既に3・11から10カ月も経過している。多くの内部被曝者は今も放置されている。チェルノブイリ以下だ。
表題の研究会の設立会見があるというので、1月27日午後、日本記者クラブへと急いだ。政府お抱えの東電原発事件の原因追及は全く信用できない。これは民間の真面目な市民と科学者が立ち上げた研究会という触れ込みだ。是非とも会見の様子を直接見聞しておく価値があると判断した。ジャーナリストの勘である。既に3・11から10カ月も経過している。多くの内部被曝者は今も放置されている。チェルノブイリ以下だ。
判断に間違いはなかった。95歳の被爆医師・肥田舜太郎、名古屋大名誉教授・澤田昭二、岐阜環境医学研究所・松井英介、琉球大名誉教授・矢ケ崎克馬、第五福竜丸元乗組員・大石又七、市民放射能測定所理事・岩田渉の6氏が記者会見場に現れた。
このうち岩田を除く5人は若くはない。勇気ある日本人は現役に少ない。とはいえ、民間の有識者が決起したことは称賛に値する。まだ、日本にも希望の光が残っている証拠だ。しかも、この種の記者会見を日本記者クラブが実施したことも、当たり前とはいえ誉められよう。快挙である。
久しぶりに、すがすがしい気分でプレスセンターを後にすることが出来た。
<内部被曝研の提言>
矢ケ崎が代表して研究会の提言を行った。「内部被曝の拡大と健康被害を防ぐために政府が取るべき安全対策」がそれである。
「深刻な事故は深刻な被害をもたらしている」と断定、既に「収束した」とする野田内閣との認識落差は天と地ほどもある。「人間は核と共に生きていける」との考えを根本的に改めよ。汚染地域に住み得ず、農林水産業はできない、との前提で国家100年の計を策定せよ、と総論部分で迫っている。
<汚染地域には住めない>
チェルノブイリの教訓から以上のことは、当然過ぎる指摘であろう。「汚染地域に人間は住めない、住んではならない」という当たり前の政策に蓋をしている野田内閣である。
<プルトニウムの測定をしない政府>
「呼吸と飲食を通しての内部被曝」が深刻な被害なのだが、政府と政府に助言する専門家は「測定しやすいガンマ線に頼っている」と鋭く指摘する。さすがは真面目な科学者だ。問題点を突いている。
「ベータ線やアルファ線は、ガンマ線よりもはるかに大きな影響を与える」のだが、政府は「ベータ線を放出するストロンチウム90やアルファ線を放出するプルトニウム239などの測定をほとんどやっていない」というのだ。正にゆゆしい事態である。3・11から10カ月も経ちながら測定していない。これを議会でも問題にしていないらしい。むろん、マスコミも報道していない。
<国民の命よりワシントン重視>
その理由を科学者は「アメリカの核戦略や原発推進政策」と決めつける。したがって、これらの政策のもとで組織された国際放射線防護委員会(ICRP)、国際原子力機関(IAEA)、国連科学委員会(UNSCEAR)などの一般に信用されている機関は、広島・長崎の放射性降下物による被曝影響を無視している、というのだ。これも驚きだ。対米従属というよりも屈米そのものではないか。
結論を言うと、日本政府は人間の命を守ろうとしていない。生命と財産を守るのが政府だが、日本政府はそれを果たしていない。恐ろしい日本ではないか。
<放射能汚染は全国に広がっている>
提言は、住民の命を犠牲にする棄民政策と決めつける。それも「10カ月を経過、被害は全住民に広がろうとしている。いまなお拡大している。放射能汚染は福島にとどまらず日本全域に広がっている。海の汚染も深刻だ。「今後、長期間続き、被曝の被害はますます深刻になることが予測される」「中でも放射性物質を含んだ食物が全国に流通している」というのだ。
そう認識してきた筆者も、科学者がこう断定してくれると、それは確信につながってゆく。
<野田収束宣言は論外>
野田の収束宣言(2011年12月16日)に対して「圧力容器の下部にはメルトスルーで生じた穴が空いており、肝心の核燃料の状態も把握されていない。4号機の倒壊も懸念されている。汚染水は垂れ流し、いつまた核分裂などの暴走が起こるかわからない」と指摘して、その無責任な対応を真っ向から批判している。
<政府に対して5項目提言>
ひどすぎる野田内閣の原発事件対応に対して内部被曝研は、緊急の5項目の提言を行った。
1、住民の安全を保障できる体制の確立2、子供と被爆弱者を守る3、安全な食品確保と汚染のない食料大増産4、除染・がれきなどの汚染物処理5、精度の高い検診・医療体制の確立。
矢ケ崎の鋭い認識も頷くほかない。それは「アメリカの核戦略を隠そうとしている日本政府を正すことが重要。問題はアメリカの政治支配にある」「それを日本の科学者が屈して蓋をしてきた。これを明らかにする」「被爆の科学の確立によって、市民・主権者の生存権を確定させる」ことである。政治支配に屈した日本の科学者の正体を暴く必要を訴えたのだ。屈米の政府・科学者に解決の鍵があるというのだ。
2012年1月27日21時50分記(続く)
このうち岩田を除く5人は若くはない。勇気ある日本人は現役に少ない。とはいえ、民間の有識者が決起したことは称賛に値する。まだ、日本にも希望の光が残っている証拠だ。しかも、この種の記者会見を日本記者クラブが実施したことも、当たり前とはいえ誉められよう。快挙である。
久しぶりに、すがすがしい気分でプレスセンターを後にすることが出来た。
<内部被曝研の提言>
矢ケ崎が代表して研究会の提言を行った。「内部被曝の拡大と健康被害を防ぐために政府が取るべき安全対策」がそれである。
「深刻な事故は深刻な被害をもたらしている」と断定、既に「収束した」とする野田内閣との認識落差は天と地ほどもある。「人間は核と共に生きていける」との考えを根本的に改めよ。汚染地域に住み得ず、農林水産業はできない、との前提で国家100年の計を策定せよ、と総論部分で迫っている。
<汚染地域には住めない>
チェルノブイリの教訓から以上のことは、当然過ぎる指摘であろう。「汚染地域に人間は住めない、住んではならない」という当たり前の政策に蓋をしている野田内閣である。
<プルトニウムの測定をしない政府>
「呼吸と飲食を通しての内部被曝」が深刻な被害なのだが、政府と政府に助言する専門家は「測定しやすいガンマ線に頼っている」と鋭く指摘する。さすがは真面目な科学者だ。問題点を突いている。
「ベータ線やアルファ線は、ガンマ線よりもはるかに大きな影響を与える」のだが、政府は「ベータ線を放出するストロンチウム90やアルファ線を放出するプルトニウム239などの測定をほとんどやっていない」というのだ。正にゆゆしい事態である。3・11から10カ月も経ちながら測定していない。これを議会でも問題にしていないらしい。むろん、マスコミも報道していない。
<国民の命よりワシントン重視>
その理由を科学者は「アメリカの核戦略や原発推進政策」と決めつける。したがって、これらの政策のもとで組織された国際放射線防護委員会(ICRP)、国際原子力機関(IAEA)、国連科学委員会(UNSCEAR)などの一般に信用されている機関は、広島・長崎の放射性降下物による被曝影響を無視している、というのだ。これも驚きだ。対米従属というよりも屈米そのものではないか。
結論を言うと、日本政府は人間の命を守ろうとしていない。生命と財産を守るのが政府だが、日本政府はそれを果たしていない。恐ろしい日本ではないか。
<放射能汚染は全国に広がっている>
提言は、住民の命を犠牲にする棄民政策と決めつける。それも「10カ月を経過、被害は全住民に広がろうとしている。いまなお拡大している。放射能汚染は福島にとどまらず日本全域に広がっている。海の汚染も深刻だ。「今後、長期間続き、被曝の被害はますます深刻になることが予測される」「中でも放射性物質を含んだ食物が全国に流通している」というのだ。
そう認識してきた筆者も、科学者がこう断定してくれると、それは確信につながってゆく。
<野田収束宣言は論外>
野田の収束宣言(2011年12月16日)に対して「圧力容器の下部にはメルトスルーで生じた穴が空いており、肝心の核燃料の状態も把握されていない。4号機の倒壊も懸念されている。汚染水は垂れ流し、いつまた核分裂などの暴走が起こるかわからない」と指摘して、その無責任な対応を真っ向から批判している。
<政府に対して5項目提言>
ひどすぎる野田内閣の原発事件対応に対して内部被曝研は、緊急の5項目の提言を行った。
1、住民の安全を保障できる体制の確立2、子供と被爆弱者を守る3、安全な食品確保と汚染のない食料大増産4、除染・がれきなどの汚染物処理5、精度の高い検診・医療体制の確立。
矢ケ崎の鋭い認識も頷くほかない。それは「アメリカの核戦略を隠そうとしている日本政府を正すことが重要。問題はアメリカの政治支配にある」「それを日本の科学者が屈して蓋をしてきた。これを明らかにする」「被爆の科学の確立によって、市民・主権者の生存権を確定させる」ことである。政治支配に屈した日本の科学者の正体を暴く必要を訴えたのだ。屈米の政府・科学者に解決の鍵があるというのだ。
2012年1月27日21時50分記(続く)
jlj001 at 21:45 

