2015年03月25日

本澤二郎の「北京の街角から」(34)

<ニュースにならない自公幹事長の北京訪問>
 日中与党間の交流協議は、インターネット情報で小さく報じられたが、テレビの国際ニュースにならなかった。中国の新聞の扱いも同じだったと思われる。
 もともと自公幹事長の北京パイプはない。応対した党の要人はNO4である。国粋主義首相が、70年談話で反省を見せればだが、二人は官邸の暴君に振り回されているだけの人物である。


 「こんな状態では、創価学会としては支援しない」と開き直れれば立派だが、公明幹事長にその力はなく、影は薄い。茶坊主レベルと見られている。加藤紘一を突き放した自民党幹事長に対して、信頼感など北京にない。
 中国の報道関係者は、13億の人民に伝えるだけの価値ないと判断したのであろう。協議再開を受け入れた中国側としては、いわば「飛んで火にいる夏の虫」という扱いだったのではないだろうか。
<柳の枝に小さな芽>
 3月25日の北京は、晴れているが、大気はやや霞んでいる。マスクをつけて散歩したのだが、少し歩くと、本格的な春到来ゆえに体が汗ばんできた。用意したマフラーは不要である。
 北京を代表するヨウジュとかいう木の幹は黒ずんでいて、春を知らせる雰囲気はない。しかし、名物の柳の枝が黄緑に衣替えしている。小さな芽が出ていて綺麗だ。
 貧しい時代は、この柳の葉を食べたという。確かに柔らかそうで、うってつけの健康野菜として通用しそうである。
<咲きだした迎春花>
 昨日、近くの高級マンション内を散策していると、黄色い花を咲かせる迎春花が咲き誇っていた。
 白い壁をふんだんに用いたしゃれたマンションである。およそ1000世帯はあろうか。管理組合・管理会社がしっかりしているせいか、ゴミはほとんどない。
 いったん、マンションの外へ出ると、タバコの吸殻や犬の糞に閉口させられる。高給を取り、高級車を乗り回す中国人マンションである。それでいて、自分の領域を一歩出ると、他人や社会のことは関心を向けない。
 一人っ子政策のせいなのか?テレビや幼稚園・小中高での教育で、簡単に改善できるはずである。無理ならシンガポールのように「つばを吐いたら100元の罰金、タバコのポイ捨て100元、犬の糞の放置に100元」という法律を作るといいかもしれない。すぐにも改善できるだろう。
 そういえば、今回の両会で徹底して法治を貫く、権力の乱用禁止・抑制が打ち出されたと聞いたばかりである。袖の下が発覚すれば、即逮捕されるだろう。
<出稼ぎ農民もマンション・車所有>
 経済成長は、農民の生活を大きく変化させている。
 住んでいるここ北京郊外は、10年ほど前は農地ばかりだった。それが住宅地や工場地帯に変身してしまった。農地を捨てた農民は、高層の農民マンションに入った。
 1度は彼らの様子を聞いてみたいものである。
 出稼ぎ農民というと、北京の農民が建てた簡素な貸家に住んで、細々と生活をしていたが、見事に成功した農民は、現在マンションに住み、車を所有して、新しいビジネスに挑戦している。
 友人は「われわれの方が貧しい」といって肩をすぼめた。たくましい出稼ぎ農民は、北京の新しい住民として一翼を形成している。その点で、実にダイナミックそのものの北京である。
<廃品回収でも月数万元>
 友人が部屋の整理を始めた。すると、不要になった本や資料がたくさん出てきた。どうするか?
 なんとすぐさま廃品回収の若者が飛んできた。15元支払って引き取ってくれた。資源のリサイクルに中国は熱心である。月に数万元の稼ぎという。
 僕も何度か経験した。日本だと資源ごみでも、業者に頼むと、大金を取られるのだ。
<おいしい安いマンゴーやパパイヤ>
 スーパーに行くと、野菜も果物も豊富だ。中国人の食文化のいいところは、果物と野菜を多く取ることだ。これは健康にいい。日本人はご飯と味噌汁と漬物があればいい、という生活に慣れてきた僕にとって、北京の食生活は格段にレベルアップしたことになる。
 熱帯・亜熱帯の野菜や果物が、冬でも店頭に並んでいる。日本も沖縄からそれらしいものもあるのであろうが、北京の方がはるかに豊富である。本日はリンゴや梨に代わって、マンゴーとパパイヤを食べた。
 これは果物の王様ではないか、と感じ入ってしまった味である。
<冬でも柔らかい春キャベツ>
 ひとつ忘れていた野菜というと、キャベツである。既に東京では柔らかい春キャベツが出回っているだろうが、北京では1月や2月から、この柔らかい春キャベツが登場した。
 刻んで薄い醤油をかけて食べると、葉の悪いお年寄りでもおいしい。
2015年3月25日記

jlj001 at 19:22 この記事をクリップ!
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