2015年05月23日

東芝負の源流発覚<本澤二郎の「日本の風景」(1991)

<土光敏夫が始めた悪魔の原発事業>
 東芝の不正会計の闇は深い。社長の田中久雄の謝罪で納得する株主などいないだろう。時の右翼的政権と提携して毒花を開かせた原発ビジネスが、その実、途方もないリスクを抱えていることが、三菱重工の事例で発覚した。東芝・三菱・日立の原発3社は、まんまとワシントンの罠にはまってしまったのだ。危険で高額な原発技術を、アメリカから喜んで手に入れ、その挙句の果てに今後、廃炉に向けて、そこから生じる見当もつかないリスクを背負うことになる。東芝の場合、その巨大すぎる負の源流が、中興の祖といわれた土光敏夫だったことが、今回の事件に関連した、当時の関係者証言をネットで目にすることが出来た。

<化けの皮がはがれた経団連会長>
 筆者を含めて、東芝の土光を間違って評価してしまっていたようだ。「めざし大好きな清廉な経済人」という土光イメージは、本人と周辺が創造した偽りのものだった。
 それは「丁稚奉公から松下を立ち上げた幸之助」も、同様に創られたものだったが、ややそれと同じである。政治屋もそうだが、政治屋には政敵からの攻撃によって、創られたイメージは常に破壊される。
ところが、財界人にはそれがない。新聞テレビを使って別人格を容易に宣伝、人々を騙すことができる。中国の書店に、幸之助本がたくさんあったのを記憶している。騙された人間は中国人も、だった。金さえあれば、自己宣伝は簡単なのだ。軍需産業に食い込んで、戦争責任を取らされた松下は、いち早くPHPという出版社を立ち上げて、イメージチェンジに成功したものだろう。ずる賢いのだ。
1966年に原子力本部を設立した東芝は、土光社長の直属のもとで羽を広げてきたことが今回わかった。東芝の原発ビジネスは長い。
<中曽根との深い仲>
 原発ビジネスで土光は、原発派の政治屋・中曽根と結びついた。原発推進新聞の読売とも特別の間柄となったことが推論できる。
 中曽根が原発担当の大臣になったのは、かなり前のことである。原発利権と軍事利権を集中させることで、天下を取ったものである。専門家であれば、容易に理解できるだろう。
 原発は原子炉だけではない。原子炉を保管する建造物・無数の配管はゼネコンのビジネスだ。これに中曽根の親類である鹿島がほぼ独占した。東芝と鹿島、鹿島と三菱という利権の結びつきに筆者を含めて、気づかなかった。
<中曽根内閣で土光臨調>
 ちなみに東電福島原発の1号機は、GE・東芝・日立・鹿島である。東芝と日立が三菱を出し抜いたことが、素人でも分かる。
 三井財閥傘下の東芝は、原発分野でNO1を目指すことになる。土光が経団連会長や中曽根内閣の行革(土光臨調)に居座ることで、その政治力を遺憾なく発揮する。54基もの原発を建設した日本であるが、これを強行に推進した中曽根・読売グループと東芝の土光という太い腐敗人脈を見て取れそうだ。
 余談だが、安倍の国会答弁では、北朝鮮などの国のミサイルがアメリカを攻撃した場合、自衛隊がこれを打ち落とすという漫画のような話を披瀝した。お笑いである。日本は54基の原発を守る力などない。むろん、アメリカも、である。
<小泉ーブッシュ人脈でWH高額買収>
 東芝は、小泉内閣で主要な役割をになった。経済政策や日米関係で主導権を発揮した。小泉ーブッシュ人脈を利用して、遂に悲願のWH買収に成功する。どっこい、実際のところ、アメリカは厄介者の原発技術を日本に売り渡そうとしており、そのワナにはまってしまったのである。
 原発は悪魔ビジネスである。人間はコントロールできない。危険で途方もないコストがかかる。使用済み燃料の保管さえできない。
<巨大なリスクを抱えた東芝>
 東電福島原発3号機は、東芝単独の原発、それも核兵器原料となるプルトニウムの加工燃料(MOX)を使用したものだ。
 ここで繰り返し指摘するのだが、3号機は核爆発を起している。その結果、中性子を放出しているが、いまだその被害データは秘匿されている。
 まともな政府が誕生すれば、東芝の幹部も逮捕・取り調べの対象者となろう。民主的な法治国家では東芝は破綻する。どうだろう、違うだろうか。
 既に経済専門家の中には「東芝は堕ちた巨艦」と決め付ける者もいる。「上場廃止の可能性もある」とも。東芝にも、正義の内部告発者が現れ、彼らの決起を予想させる。
<東芝の西室泰三は「70年談話」に謝罪不要と判断>
 5月23日に官邸で5回目の「70年談話」に関する有識者会議を開催した東芝OBの西室泰三座長は「安倍首相の70年談話に謝罪は不要」との判断を記者団に明らかにした。
 「21世紀構想懇談会」という私的な安倍信者で固めた懇談会の結論に過ぎないが、しかし、これが安倍談話となる。中国や韓国などの反発を強めることになろう。同日の第7回太平洋・島サミットで、安倍は「法が支配する民主社会」という中国を叩く内容の演説をぶつ。
 東芝は内部に不正会計と原発問題を抱えながら、それゆえに強力な極右政府支援で生き延びようとの魂胆であろう。
<見え隠れする核武装への野望>
 古く身分制社会では、財閥は士農工商の一番最後に位置づけられている。もっとも卑しい職業とされた。そのため商人は誠と信を基本にした。「嘘はつかない」、そうして事業は拡大した。破れば破産した。恥のビジネス文化があった。
 東芝には恥の文化もない。知識・技術はあるが、誠信文化がない。息子が東芝病院で殺されても「適切な治療をした」と開き直っている。原発輸出と原発再稼動、武器輸出の東芝に大義はない。その先に核武装が見え隠れしている。
2015年5月23日記(武漢大学客員教授・日本記者クラブ会員)

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