2016年07月13日

南シナ海問題の核心<本澤二郎の「日本の風景」(2417)

<フィリピンの沖縄化>
 7月12日にハーグの仲裁裁判所は、日米が仕掛けたフィリピンの申し立てに沿った判断をした。想定した通りの結論であるが、中国はこれに、いささかの変化を見せていない。言下に、否定し続けている。南シナ海問題ではしゃぐ東京とワシントンをしり目に、中ロ関係の深化が注目されよう。ASEANメンバーのカンボジア首相は「ある国はいうことを聞かないと経済援助をしないと脅している」という東京の暴走(金銭外交)を暴露している。それにしても、なぜ、南シナ海問題なのか。それはフィリピンの沖縄化である。韓国に新型ミサイルを押し付けることに成功したワシントンは、沖縄に次いで中国包囲網のさらなる拠点としてのフィリピンの米軍基地化である。正確には日米の、というべきだろう。その先には、軍拡レースによる北京崩壊狙いかもしれない。


<妥協しない中国>
 ワシントンの覇権陰謀は、軍事的にとどまろうとしないかのようだ。NATOを活用してウクライナ問題で、大敵ロシアを経済面でも包囲網を構築、他方でアジア太平洋は、南シナ海問題による中国封じ込め政策の推進である。世界不況のもとでの軍拡路線を、世界を巻き込んでしまった罪は重い。それによる一般の市民生活の衰退は、さらなる格差社会を形成することになる。恐ろしい事態の元凶は、ワシントンの世界的陰謀に尽きよう。

 その足元はどうか。イスラムのテロだけではない。黒人が抵抗を始めて、オバマ大統領をイラつかせている。銃社会の弱点である。日本を含めての分断・分裂は、ワシントンの陰謀に比例している。すべては911から始まるイスラムとの戦いが、さらなるテロを誘発、世界を混迷へと追い込んでいる。陰謀国家の実質的な衰退は、11月に向けた大統領選挙でも露呈している。果たして、ワシントンの陰謀に、世界は抑え込まれてしまうのであろうか。

 東京の国粋主義政権をうまく活用して、彼らはまず、自衛隊を米軍の配下に組み入れることに成功した。そうして日本海から、尖閣から南シナ海へと覇権行動を露骨に展開している。安倍内閣は、この日米合作の軍事行動を利用して、憲法違反の戦争法を隠ぺい、見事に参院選で、改憲に必要な3分の2を確保した。いよいよ9条破壊への路線を敷く構えである。日本の軍国主義化は、日米の国家主義とネオコンの合作である。
 東京の財閥は、一人ほくそ笑んでいる様子が見てとれる。以上のような日米による陰謀が膨らむ南シナ海問題を、北京が妥協することはないだろう。反撃に転じるだろう。ここに危機と危険が生じることになる。
<沖縄の反乱による陰謀家の衝撃>
 安倍・自公内閣にとって、というよりも、ワシントンの陰謀家は、今回の選挙で沖縄担当の大臣が落選したことに大きな衝撃を受けたはずである。沖縄こそが中国封じの要である。そのことに沖縄はNOを突き付けたことになる。
 戦略的にみると、こうした沖縄の意思を支えた4・28の元海兵隊員のレイプ殺人事件の被害者の存在である。オバマを沖縄の島袋里奈さんの遺族のもと行かせていたら、あるいは県民の意思はぐらついたのではなかろうか。沖縄では、まともな創価学会も反政府である。金で動かない。

 沖縄は、今後韓国やフィリピンなどの市民団体との連携を図ることになるだろう。無論のこと、アメリカの団体とも連携することで、沖縄の反米・反基地運動は拡大してゆく。その先頭に、非業の死を遂げた里奈さんの遺影が立つ。ついでに言うと、木更津レイプ殺人事件の被害者となった2014・4・28の戦争遺児の「池田先生は裏切り者の太田を許さない」という叫びが、沖縄・創価学会に伝染している?創価学会が正常に戻れば、国粋主義政権は瓦解することになるのだが。
<日米の操りを拒絶するフィリピン大統領>
 第二の注目点は、フィリピンの新大統領である。彼は韓国の朴大統領ではない。脅しは通用しない。ワシントンの揺さぶりは効果ないだろう。
 麻薬大国を返上しようとして政権を担当したロドリゴ・ドゥテレテは、メディアや組織暴力団を恐れない。「テロはアメリカが作って、それを輸入したものだ」とずばり真実を発言する。今日のテロ問題は、ワシントンの自作自演・自業自得であると決めつけるフィリピン大統領を、韓国大統領と比較すると間違ってしまうだろう。
 南シナ海問題は、利害関係国の話し合いで決めるものだ、との立場である。日米のそそのかしに乗ることはない。フィリピンの動向が注目される。
<ほころびだらけの日米の中国封じ込め策略>
 ASEANを反中拠点にしようとするワシントンと東京の陰謀は、成功するだろうか。ほころびが目立つ。そもそもASEAN各国の経済は、華僑の独壇場である。不可能だろう。
 巨大市場である中国との経済交流を優先する。ワシントンの陰謀によって、だれが利益を手にできるか?ASEANではない。わかりきっている。ワシントンの砲艦外交と東京の金銭外交に委ねることのマイナス面も大きい。経済的に衰退・揺らぐ日米であることに変わりない。

 ワシントンと東京の陰謀が成功するのかどうか、きわめて怪しい。
2016年7月13日記(政治評論家・日本記者クラブ会員)




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