2016年10月09日

解散時期の攻防戦<本澤二郎の「日本の風景」(2502)

<与党は1月解散>
 政治も経済も期待も希望もないまま、来年1月解散へと突き進んでいるかにみえる。野党第一党の無茶苦茶人事で、自民党の老いた策士・二階幹事長も覚悟の解散へと舵を切ったようだ。周辺では「健康不安」が消えない。もともとは「二階起用は解散なし」のはずだったが、野党のやるきなしの人事に対して、「TPP強行」で信を問う方針に転換したものだ。「1月解散なら公明党も反対しない」という事情もある。




<野党は都議選時期に合わせて連立分断>
 野党は先延ばしに懸命である。開会中の臨時国会で、安倍・自公内閣を徹底的に叩く作戦である。「足腰が立てないほど批判することで、解散を先延ばしにして、都議会選挙に連動させる」というものだ。
 なによりも都議選を重視する公明党である。これは巧妙な自公分断策である。結果、自公の改憲勢力3分の2作戦を封じ込めようというものだ。
 どうするのか、政府与党のTPP強行策を封じるために、石原の首をはねる作戦を成功させる必要が出てくる。都政の石原事件との連動追及でもある。「野党が結束すれば可能」というが、民進党の野田ではどうか。
<安倍の稲田撃墜に自信>
 当面は「安倍の稲田」撃墜の行方に注目が集まっている。
 中国では、いま稲田の不人気が安倍を上回っている。比例して台湾籍の蓮舫が話題になっている。蓮舫の国会質問に、本心を隠して、先生に叱られた生徒のように、しおしおになって答弁する稲田の映像が繰り返し、国際ニュース番組に登場している。
 これを見つめる中国人の多くは「日本に人材はいないのか。いくらなんでも、安倍はこんな女を起用するなんて情けない」と冷たく同情されている。
 「こんな幼稚な女が防衛・軍事の責任者。ということは安倍の完全ロボット。何をしでかすか」という警戒心を強めることにもなる。
 野党は稲田撃墜に自信を持っている。安倍が必死で救援の手を差し伸べているが、背後の日本会議がどう出るか。野党攻勢は石原と稲田に絞られて、国会論戦を面白くさせている。
<民進党野田懐柔に自信>
 もっとも、攻める側が大嘘付きの野田であることが、自民党にとって救いとなっている。
 最終的は大日本帝国憲法に執着する日本会議だが、当面は改憲への足掛かりを野田に活路をつかもうとしている。「そのための野田幹事長就任」とみられているためだ。
 自民党の改憲工作にとって、これほど好都合な局面はない。
 自民は、さっそく塀を低くして「肥えた豚でも飛び越えられる低さにした」と政界では解説されている。これには、自民OBの野中広務らは警戒を強めている。
<財政危機どこ吹く風の狂気の与野党>
 行政改革なしの財政危機は、肥えた予算案が想定される中、どうしようもないほど地獄へと進行している。質素倹約の風潮はみられない。政治屋と役人が肥える国が、この地球上にあるのだろうか。
 この国の外側では波高し、というのにである。
2016年10月9日記(政治評論家・日本記者クラブ会員)

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