2017年07月08日

総選挙恐怖症の自民党派閥<本澤二郎の「日本の風景」(2662)

<安倍スキャンダルに怒り狂う国会議員>
 都議選での自民党の、壊滅的な敗北は、党員にとって、あたかも豪雨によって、一夜にして党本部が泥土に呑み込まれて姿を消したようなものである。安倍スキャンダルに対して、国民が心底、怒り狂っていることを、証明したものだから、自民党議員の総選挙恐怖症が蔓延している。「安倍憎しは、身内の細田派にも波及している」との現場からの報告が入った。当然であろう、しかも、都議候補が討ち死にしている最中に、安倍は菅と麻生と甘利の4人でフランス料理で乾杯していたことが分かると、それまでの稲田憎しから、4人組に向けられている。地震で、棚に飾ってあった自民党人形が、地面に叩きつけられ、粉々になった場面での、安倍官邸の破廉恥対応が、各派閥に怒りと憎しみを増幅させている。


<安倍の総選挙はない!>
 またしても、大混乱の渦中に安倍は、昭惠と一緒にG20の集まりへと姿を隠した。「安倍は記者会見もしないで、外国に逃亡した」といって怒りだす役員もいる。もはやメディアが吹聴してきた「安倍一強」論は、消えてしまい、物申す議員ばかりだ。
 「今選挙して、議員バッジをつけられる者が100人いるかどうか。えらい事態だよ。安倍人気は、つまるところ、新聞テレビの嘘の調査結果であることが分かってしまった」と歯ぎしりする議員もいるようだ。
 安倍憎しは、目下、頂点に達している。都議選に張り付いた議員ほど、その怒りは大きい。「反応が悪かった。手を振ってくれる都民がいなかった」と嘆き節をぶつける石破の姿を、新聞は報じている。
 特定秘密から戦争法、ついには共謀罪を強行しながら、他方で、私利私欲をさらけだした権力乱用事件と、連日、官房機密費での美食三昧の安倍夫妻に国民は激しく怒っている。
 これでは安倍の首相解散権も竹光そのもので、雑草も切ることが出来ない。解散権を喪失した安倍なのだ。来月の内閣改造が、新たな怒りを生み出すことになるのは必至だ。
<安倍再選は不可能>
 永田町では「安倍の再選に赤ランプ」という分析が常識になっているが、再選はとても無理というものだ。安倍再選は不可能である。
 「国民の怒りの大きさを知った新聞テレビは、今後、勇気を出して報道することになろう。官邸の東京新聞の女性記者のような勇気ある記者が、どんどん増えていく。菅のワルが増幅されることになろう」と指摘する向きも。
 当たり前といえば、当たり前である。建前として日本は、民主主義の国である。読売は見てないので知らないが、NHKでさえも、時には森友や加計の犯罪をカスって報道している。
 タダ同然の国有地払下げを、教育勅語・国家神道のための森友学園にした、という事実を、普通の国民は許さない。怒り狂っている。暴政の最たるもので、これが国際的にも大きく報道された。
 加えて、安倍のスポンサー・政商の加計に400億円もの公共財を提供していたことも発覚、むろんのことで、それを由とする国民はいない。

 それだけではない。安倍側近のTBS記者のレイプ・強姦罪のもみ消しにも官邸がかんでいたことも発覚した。強姦罪は死刑に相当する大罪である。女性の人格・尊厳を奪うやくざの犯罪を、警察庁出向の官邸官僚も関与したことが判明してきた。
 日本の全女性が怒り狂っているのだが、このことに菅も安倍も沈黙している。新聞テレビも質問しないが、アメリカの大手のニュースサイトが、詳しく報道して、各国や国連においても波紋を広げている。犯人は、いまだ雲隠れして恥じない。
 「終身刑が相当」とする声が沸騰していることに、官邸も自民党も耳を塞いでやり過ごそうとしているが、日本の女性は許さないだろう。都議選の結果が証明している。女性を敵にした候補・政党が生き延びることは出来ない。この事件を発覚させた詩織さんの勇気を、右翼はともかく全女性が敬意を表している。TBSも山口という記者も、逃げ切ることは不可能だ。舞台は都議会警察消防委員会に移る。北村情報官もあぶる出されるとの指摘も出ている。
 事件を抑え込んだ検事にも、国会での資格審査を受けさせる動きも。

 安倍事件最大の凶悪犯罪は、強姦もみ消し事件である。「木更津レイプ殺人事件」のやくざと同じように、悪辣すぎる性凶悪犯罪を黙認する国民はいない。女性の全てが注視しているのだから。
<怒りは安倍夫妻・菅・麻生・二階・下村夫妻・萩生田・稲田らに>
 それにしても、安倍夫妻の事件に共犯者よろしく関与した下村夫妻も、自民党関係者の怒りの対象になっている。「下村と萩生田は必ず落選する。野党は統一候補という刺客を用意するだろう」と見られている。
 それは、安倍・麻生・二階・菅・甘利などにも向けられるだろう。

 今回の受け皿は、たまたま小池が用意した「都民ファーストの会」。同じように、総選挙向けの受け皿が出来れば、自民党は壊滅する運命にある。野党にとっての最善の道は、安倍に選挙をさせることだ。
 幸いなことに「安倍は都議選敗北後、しきりと辞めないと口走っている。野党は安倍を追い込んでいけば、自民党を壊滅させ、道を開くことが出来る。追い込む材料はいくらもある。安倍暴政は腐るほどある」というのだから、攻め手にとってこれほど好都合なことはない。
<安倍・細田派は意気消沈>
 3分の2議席の安倍・自民党も、安倍の支え役の細田派は、意気消沈としている。安倍スキャンダルに加えて、安倍チルドレンの2回生の破廉恥な事件が次々と発覚しているためだ。
 「細田はそんなに悪い男ではないと思っていたが、指導力が全然ないことが露見してしまった。いまの派内はガタガタ。問題の豊田をかばって、彼の評価は最悪状態。総裁選に打って出る気迫もない。第二の町村になる」とささやかれている始末。
 党内の怨念が細田派に集中していて、身動きもできないで哀れをかこっている。
<霞が関人事に呆然自失>
 官邸の安倍―菅による霞が関人事が、都議選に加えて、新たな火種になってしまった。森友・加計の事件を、嘘と隠蔽によって安倍救済に貢献した官僚を、次々と出世させるという、国民の怒りを増大させる人事を強行したことだ。

 特に森友事件で、悪役を一身になって引き受けた佐川理財局長の国税庁長官起用には、自民党内もあっけに取られてしまった。
 「あそこまで露骨にやるとはねえ」とため息をもらす党役員は、どう野党攻勢をかわすのか、そう簡単にワル知恵が見つからないため大困惑している。このことも、党内の怒りの空気は、安倍・細田派にむかっている。
<麻生派も二階派もガタガタ>
 小派閥をまとめ上げて第二派閥にした麻生派も、さりとて沈没船を支えるだけの役割だから、元気はない。「単なる数合わせ。安倍支援も格好だけ。みな選挙を考えると、真っ青になる。麻生も年だし、先はないのだから」との悲鳴が聞こえてくる。対抗して、麻生のライバル・古賀誠が宏池会にエンジンをふかし始めたことが、麻生のストレスを高めている。
 「谷垣派から佐藤という曲者を引きずり込んだだけでなく、刑事被告人のような甘利までも。麻生もおかしい。河野太郎がかすんでしまった」とか。

 それは幹事長派閥の二階派も同じ。「ひたすら安倍再選を叫ぶ、二階の米つきバッタではねえ。安倍の首に鈴をつける役割を放棄して、一緒に傷をなめあって責任回避して安倍ヨイショ。派内はまとまっていませんよ。ガタガタですよ」と見られている。
 遠藤三郎秘書時代から知る事情通は「小沢にもペコペコ。いま安倍に。二階は息子の市長選で落選させた実力者?テレビに向かって反転攻勢?どういう意味か、ホラを吹くだけだと、誰も信じていませんよ」「伊吹は頭に来ている。ダメ議員の集まりとね。穏健な河村建夫も不満たらたら」と決めつられている。
<岸田派は反旗>
 都議選大敗を受けて岸田外相も、ようやく腹が座ってきたらしい。「安倍に反旗を突き付けた」との党内評である。古賀も必死、派内も固まってポスト安倍に向かって走り出した。
 だが、かつての佐藤栄作長期政権に噛みついた、三木武夫のようなド迫力はない。安倍・国家主義外交を支えてきた岸田の評価は、宏池会伝統の平和軍縮派からの採点は厳しい。池田勇人・大平正芳・鈴木善幸・宮澤喜一の友好外交路線とは、真っ向から反対してきたことになるわけだから、顧問格の古賀誠も、この点では歯がゆいようだ。
<額賀派に安倍スパイ>
 額賀派もぱっとしない。「野中広務や青木幹雄が多少なりとも影響力があるが、派内には安倍のスパイ・加藤勝信がいる。家族ぐるみで安倍とつながっているため、派内には疑心暗鬼が漂っている」とうがった指摘が党内を覆っている。

 加藤紘一と連携、最後まで支援を惜しまなかった山崎拓の派閥は、石原慎太郎のせがれが仕切っているが、最近は警察官僚出身の平沢が二階に釣られて、これまた元気がない。小池の慎太郎征伐はこれからであることも、気になる点であろう。
<石破派は小池と連携>
 「都連会長だった下村に司直の手が伸びる」ともっぱらのうわさが流布されている。「何もしない検察に世論の不満が爆発している。安倍失墜で、ようやく腰を上げるらしい。標的は下村だ」というのだが、どうなるか。

 都議会の激変が、実は、石破に青ランプを点滅させている?「次の都連会長は鴨下一郎。反安倍の急先鋒で知られる。鴨下は、石破と共に小池支援の重要人物。これが自民党総裁選で、石破に有利に働く」というのである。
 確かに、自民党総裁選での党員投票では、石破が安倍に圧勝したが、国会議員投票で、安倍の資金力が圧倒して、石破は敗れた。次回は違うという。
 「東京の党員選挙で石破が、たとえ安倍が出馬しても、圧勝すると、国会議員レベルの投票でも、今回の安倍で選挙できない都議選結果によって、安倍の三選は厳しい。東京を制した石破有利。安倍三選はゼロだ」という分析が早くも出ている。

 安倍がいかに「改憲実現まで辞めない」と粋がっても、選挙を打てない安倍についてゆくものは、安倍の友達だけということになる。議員は選挙で動くという厳しい現実下、安倍の再選はない。その前に野党攻勢で押しつぶされるか、ストレスで自滅するか、この二つのいずれかであろう。
2017年7月8日記(政治評論家・日本記者クラブ会員)

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