~チーム事務所~

良子「Sponsorさんから、ということでしょうか」

マネージャー「そうだね、それも地元の企業さん」

良子「ふむ」

マネ「みかんジュースを作ってるんだけど、その新作を出すにあたって、戒能さんに出て欲しいと」

良子「私にできますか?演技とかあまり得意ではないのですが」

マネ「まあね、俳優さんでもないわけだし、大根でも構わないよ」

良子「? なぜ大根?」

マネ「演技がへたっぴな人のこと、『大根役者』っていうでしょ?」

良子「Oh、なるほど」

マネ「今回オファーが来たのはさ、地元出身・地元チーム所属の有名選手だから、ってとこが大きいと思うんだ」

マネ「だから自然体の戒能さんでさ、ぜひ出て欲しいんだけど…」

良子「…Imageが湧きにくいので、一度持ち帰ってもいいですか?」

マネ「あ、はい。前向きな返事を待ってますよ」




良子「というわけで、CMを撮ろうかどうか迷っているのですが」

はやり「地元企業さんなんでしょ?地域密着、って感じでいいね♪」

良子「はやりさんはいっぱい出られてますね?」

はやり「まぁアーティストでもあるしそれはねー。もう慣れっこだよ」

良子「Youtubeでも見れました」

はやり「はやー。何か恥ずかしいね(笑) 今まで出たのは… お菓子とか、電話とか、スマホのゲームとか
、旅行、化粧品……」

良子「よくそんなにたくさん顔をお持ちで」

はやり「…ちょっと棘ない?」

良子「私、やるとしたらできるでしょうか?」

はやり「うーん、そのポーカーフェイスじゃ厳しいかもよ?スマイルスマイル」グイグイ

良子「痛いです」

はやり「表情筋が鍛えられてないなー。もし撮影まで時間あるなら、顔の筋肉和らげとくといいよ!良子ちゃんは素材はいいから、そこがOKなら撮れると思う!」

良子「さすがentertainerですね」フム





健夜「…それ、たぶん私参考にならないと思う…」

良子「そう言わず」ホラホラ

健夜「ええー… 私そもそも人前出るのとか苦手だしさぁ…」

咏「でも解説とラジオやってんじゃん?」

健夜「あれは、まだ麻雀に関係あるから…」

咏「東京所属だった頃、要は誰も勝てなかった頃ね、そりゃあ名が売れてるからあちこち出てたんだよねぃ」

良子「ほう。探しましたが見つけられませんでした」

咏「何十年も前の映像だから残ってなかったんじゃね?知らんけど」

健夜「昭和の選手じゃないんですけど私!」

健夜「…あの時若かったし、そういうのもよく分からなかったから、とりあえず周りに言われるまま出てみただけで」

咏「今はどーなんすか?それこそ地元の何かあるでしょ」

健夜「あ、うん、まあ、そんな大々的なのじゃなければ出てるけど」

良子「仲間ですね。どんなものにご出演を?」ズイ

健夜「近い近い! ……えっと、信金さんとか。定期預金のCM」

良子「Bankですか」

健夜「ブリージングチキンズ貯金っていうのをやってくれてるから、それの宣伝で」

咏「それはうちの先輩もやってた」

良子「どんな撮影だったんでしょう?」

健夜「うーん、演技はやっぱりやったよね。難しいことは言われなかったけど、1日くらいはかかったかも」

咏「どんな内容?」

健夜「あの、駅降りたら貯金ののぼりが立ってて、それを『何だろ?』ってずーっと辿ってったら銀行の窓口にいた、っていう」

咏「セリフセリフ!」

健夜「やだよ!恥ずかしいから!」

良子「」ジッ

咏「ほら、後輩がメモ取る準備して待ってます」

健夜「う ……じゃあ触りだけね?」

健夜『…何こののぼり? 同じのがどこまでも並んでる!?』

健夜「…はい。で、追っていって入店する、って感じ!」

良子「お上手ですね」パチパチ

咏「確かに」ピッ

健夜「今録音してたでしょ!?消してよ!」

咏「これ聞いて帰ろっと」

健夜「ちょっと!」

良子「咏さんは何かご経験は?」

咏「そうだねぃ、それこそスポンサーのお菓子メーカーとか、ずっと出てんね」

良子「銘菓ですか」

咏「そうそう」

健夜「あ、じゃあ咏ちゃんもやってみなよ!その時の感じ!」←仕返ししたい

咏「んー、やってみると言っても、あんま変わんないっすけどねぃ」

咏『やべー、あめー!うんめー!今年のは抹茶入りなんすね!』

咏「で、ナレが入っておしまい」

健夜「ホントに変わんないじゃん!リテイクとかは?」

咏「いや、知らんけど『感想言ってあとは適当に』って言われるんで、いつも」

良子「ツーカーなんですね」

健夜「よく知ってるねそんな言葉…」







~撮影日、みかん畑~

マネ「今更だけど、ホント大丈夫?」

良子「Trust me.お任せあれですよ」

マネ「確認しときましょうか一応」

・今年のみかんジュースは「つぶつぶ入り」
・CMは30秒
・みかん畑をバックに飲む
・前後に一言二言
・無理に演技せず、自然体で

良子「OKOK」

マネ「監督さんがいらっしゃったらすぐやれるような感じみたいなので、頑張ってくださいね」

良子「ばっちりですよ」


監督「はいじゃあ戒能選手、緊張せずリラックスしてね、いきますよー。3,2,1」カンッ

良子「」スウッ

良子「青い空!白い雲!そしてみかん!」ハキハキ

良子「」カチッカチッ

良子「」カチッカチッ←プルタブ開かない

良子「」カシュッ

良子「」ゴクゴク

良子「うーん!Sweety&flesh!!今年はつぶつぶ入りなんですよ!」ハキハキ

良子「ぜひ飲んで、くださいね」ツクリワライ


監督「カット!……ちょっと打ち合わせましょうか」

良子「おや、どこがいけませんでしたか」スウッ

監督「ど、どこがかぁ…」

マネ(全体的にですよね監督…。普段の戒能さんじゃないもの…。何か別の人入ってませんでした?)