校内放送「完全下校時刻です。生徒の皆さんは…」

朱里「」ビクッ

朱里「もうそげな時間か…」

朱里(掃除して帰らんと)

ガラガラ

煌「」ゴシゴシ

朱里「は、花田先輩!どうしたんですか?」

煌「あら友清さん」

朱里「1年生はどこに行ったんですか!?こんな、先輩を一人で掃除させるなんて!」

煌「あ、いえこれは」

朱里「上下関係ちゅうもんがなってなか!私も1年やけど!」

煌「あの、私が好きでやってることでして」

朱里「…部室の掃除を好きでやられるお方がおるとですか…」

煌「感謝の気持ちで1日を終えると、明日もいい1日が来る気がしませんか?」

煌「だから部室や牌を掃除するんですよ」スバラッ

朱里「もう並の女子高生やなかですね花田先輩は」

煌「並って(笑)」

朱里「そんな徳の深いこと言ってみたいものです」ウンウン

煌「そんなにいいことは言ってませんよ…?」

朱里「ばってん、頼んでくだされば私がやっておくのに…」

煌「いやいや、1人でも大丈夫ですから」

朱里「いえ、明日からは私が!先輩の分の気持ちも込めて頑張ります!」

煌「え、あの」

朱里「明日、お帰りのときに声かけてくださいね!その後やっておきます!」フンス

煌(…真面目ないい子ですね…)アハハ…

煌「私もどうせ最後でしょうから、2人でやっていくのはどうでしょう?何というか、ルーティーンのような形になっているんですよ、この掃除」

朱里「そ、そうでしたか、それなら無理にお帰りいただくのも良くないですね…」

朱里「先輩のお力になれるように頑張りますね」

煌「ありがとうございます」ニッコリ

朱里「ところで今日は?」

煌「あ、もう終わったところです」

朱里「それだったら一緒に寮に戻りましょう!」

煌「すばらっ!後輩と帰るなんて久しぶりです」

朱里「鍵、返してきますか?」

煌「そうですね、戸締りチェックして、職員室に行きましょうか」



朱里「いつから部室の掃除されてたんですか?」

煌「うーん、中学の時にはもうやってましたかね」

朱里「こ、こないだまで中学生でしたけど、自主的に掃除なんてしたことなか…」

朱里「やっぱり先輩って、仏様…」

煌「そんな、大げさですよ」

朱里「でもでも、人間ができてるというか!とにかくすごいですよ!」

朱里「プロ相手でもひるまず戦うし、勉強もできるし!ソンケーですっ」

朱里「…ボキャ貧ですみません…」

煌「じゅ、十分すぎますよ。褒められなれてないので照れますね…」

朱里「これだけ毎日やってたら、何かいいことありそうですけど」

煌「どうでしょうか…。おかげさまで毎日楽しいですけどね」

朱里「…深みがあるコメント」

煌「ないですよ(笑)」

朱里「やっぱり、自分のお部屋もきれいになさってるんです?」

煌「まめに掃除するようにはしてますねぇ。心の乱れにつながるらしいですから」

朱里「そ、そうなんですね…」

煌「友清さんは」

朱里「」ダラダラ

煌「…カラーボックス、お貸ししましょうか?」

朱里「違うんですよ!やろうと思えばきっとできるんです!ただご飯食べてスマホ見てたら寝ちゃうし、休みの日は遊びに行くし…」

煌「その感じだといつ勉強してるんでしょう…」

朱里「…ぼちぼちやってますよ!」

煌「変な間がありましたが…」




~翌日朝~

朱里「眠い…」フワァ

朱里(今日の朝ごはんはなんやったか…。焼いたシャケがよか…)

朱里「おはようございますー」

煌「あら友清さん、珍しく1番ですね!おはようございます」ペコリ

朱里「へ?はなだ先輩なんで?」

煌「朝からしっかり動くと、スイッチが切り替わりますからね!」

朱里「…もしかして、朝の支度のお手伝いを?」

煌「机の水拭きとか、配膳の準備とかですけどね!」

朱里「」ガーン

朱里(こ、ここまでとは思わんかった… 立派すぎて、何も言えなか…)

朱里「すみませんでした!」

煌「な、何にですか?」

朱里「放課後だけならまだしも早朝まで私たちの縁の下を力持ってもらって…」

煌(力持つ…?)

朱里「明日は私がやります!やらせてください!先輩は最後の方でゆっくり起きてきてくださいね!」

煌「は、はぁ…」

朱里「先輩が朝のんびりできるよう努力します!」

煌「そ、そうですか…」

煌(圧倒されてしまった… 大丈夫でしょうか、5時起きですけど…)




~翌朝5時~

ピピピッ ピピピtゥ

朱里「うるさい」バシッ

シーン

朱里「」ガバッ

朱里「食堂の準備せんといかんかった…」


朱里「ね、ねむすぎる…まだ太陽も出とらんし…」

朱里(とりあえず、水拭きと、掃き掃除と、お箸…)

朱里(毎朝こんなんやったら死んでしまう…花田先輩はすごか…)

ガチャ

煌「おはようございます!どんな調子で…」

朱里「zzz」

煌「ふふ、お疲れ様でした」

煌「焼き魚の匂いがしてくれば目も覚めますかね」

煌「いい後輩に恵まれたものです。すばらでした、友清さん!」




~放課後~

朱里「ほとんどの授業寝てしまいました…」

朱里「これを毎日はできなさそうなので、花田先輩にお返ししますね」

煌「そ、そうですか」