かえんだん

タグ:本内成香

爽「揺杏はいいよな~、今年流行る前からルーティン持ってんだもんな」

揺杏「トイレで気合入れるやつな」

爽「五郎丸の先駆けだよな」

誓子「なんておこがましい発言」

由暉子「それにルーティンなんて昔からあるんじゃ」

爽「…昨日みんなの分も考えてきたから」シレッ

誓子「スルーしたわ」

由暉子「というよりルーティンいりませんけど」

爽「今より強くなりたくないの!?」

成香「やったから強くなるというものでもないのでは…」

爽「特に成香ちゃん、あなたはメンタルが課題なんだからもっとかなきゃダメよ」

成香「私ですか!?」

爽「決まった形で試合に臨めばメンタルも強くなるって。たぶん」

誓子「プロなら納得できるけど私たち高校生だし…」

成香「ちなみにどういった…?」

爽「対局前には必ずメロンパンを食す」ドン

成香「べ、別にメロンパン好きではないんですが…」

爽「いや、このあと練習で1局打って成香に勝たせてやるからさ、その前にメロンパン食べといて。勝った時のいいイメージをメロンパンに宿すんだ」

揺杏「ヤラセじゃねーか」

爽「でもできなくないだろー?」

成香「…まあ、確かに」

爽「次チカな」

誓子「いらないんだけど…」

爽「チカは会場手前までうさぎ跳びで向かう」

誓子「嫌!そして無理!」

爽「こうさ、これから困難に立ち向かうけど『跳ね返すぞ!』っていう意思を見せるわけ」

誓子「文化部が何でうさぎ跳びよ!運動部でもやってないわよ!」

爽「可能なら対局前は野菜スティックを食べてもらいたいぞ」

誓子「不可能」

由暉子「やたら食べさせますね」

爽「んで、揺杏には引き続きトイレ個室で咆哮してもらうとして」

揺杏「待て待て咆哮はしてない。静かに気を溜めんの」

爽「大差ないよ」

誓子「大差あるよ」

爽「ユキな」

由暉子「はい。衣装着て出てくのではダメなんでしょうか?」

爽「そりゃそれだけじゃ不十分さ。野球選手だってユニフォーム着て終わりじゃないだろ?」

揺杏「そーゆーことか?」

爽「ユキはアイドルだから前口上を文章化してみた」ペラ

由暉子「はぁ」

きゃるーん!!私、真屋由暉子!有珠山高校の1年生!(1回転してダブルピース)
普段は麻雀が大好きな女の子だけど、(背中で手を組んで恥じらうように)
今日はちょっと大胆になっちゃう♡(小ジャンプ)
な、ぜ、な、ら、大事な大事な場面だから!
変身、マジカル雀士ユキコちゃん!(4回転して決めポーズ→これはテキトーに決めて)


由暉子「」ポイッ

爽「ちょい、捨てんな!何がご不満か?」

由暉子「これを毎試合前にやれと」

爽「そう」

由暉子「覚えられませんしそんなに器用じゃないです」

爽「そっかー。もっと簡単にしないとか」

由暉子「まあ簡単にしてもやりませんが」

爽「せっかく考えたのに」チェッ

誓子「せっかくって」

成香「獅子原先輩のはないんですか?」

爽「おーあるよ。全員分だからね」

揺杏「へー。どんなん?」

爽「前の日ライオンキングを見て王になるイメージを膨らませる。当日は力水しか飲まないで、対局前にソーラン節を2分やる」

成香「ええっと」

揺杏「自分のキャラとゲン担ぎとルーティンとごっちゃになってんね」

由暉子「強くなりたいっていうのは何となく伝わります」

爽「これやってたの深夜2時とかだからもう覚えてないんだよね実際」ハハハ

誓子「じゃあルーティンはなしね。やりたかったら五郎丸さんの拝借すれば」

爽「チカちゃん冷たい~…一緒にやろうよ~」ゴロウマルポーズ

誓子「嫌!」

前回のあらすじ:ツムツム。



ー2階・教室ー

爽「おーい!!」

ー校門前ー

誓子「ん、爽?」クルリ

誓子「何ー!?」

爽「えー?チカじゃなくて、呼んだの○○さんだよ!」

誓子「は」

○○さん「なにー、獅子原さーん!?」

爽「ケータイ忘れてってるぞー!!」

○○さん「あっマジじゃん!ありがとー!取り行くわー!」

誓子「///」プルプル

………

………

………

ヅカヅカヅカ

ガラララッ

誓子「さーわーやー!」

爽「な、何だよぅ」

誓子「呼び止めるなら誰を呼んでるのか分かるようにしなさいよ!」

爽「あ、あれはだってチカがかんちが」

誓子「はいぃ?」

爽「いえ何でもありませんハイ」

誓子「赤っ恥よもう!」

爽「それだけチカの生活の中に私が大きなウェートを占めてるってことだな」アハハ

誓子「そんなわけないでしょ!」

爽「私のことばっか考えて電柱ぶつかんなよー」

誓子「アンタはホントに…」イラッ


~部室~

由暉子「放課後校門の近くで絶叫していたのって桧森先輩ですか?」

誓子「な、なぜそれを…。っていうか絶叫はしてない!」

成香「3階にも聞こえてきましたよ」

揺杏「な」

爽「声張り上げすぎなんだよな」

誓子「そこまで大声だった意識なかったわ…///」

成香「何と?」

爽「成香を飼いたいんだ!」

成香「お断りします!」

爽「何でだよ!」

成香「ぎゃ、逆になぜ飼いたいと思われたんですか…?」

爽「そりゃあ成香んちは牧場やってるだろ?」

成香「え、ええ」

爽「だからだよ」

成香「意味不明で怖いです」ガーン

爽「なんっつーか、動物の世話してる家の子供が小動物っぽいのって何かいいなって思ったのさ」

成香「よく爽先輩それ仰ってますけど、具体的にどんな動物なんですか、私?」

爽「鬼太郎」

成香「妖怪じゃないですか!」ガーン

爽「冗談冗談。ウサギとかハムスターかな。人間に近しいところにいるやつら」

成香「理由とかあります?」

爽「まず何と言っても体からあふれ出る庇護欲オーラっしょ。『孤独にしたら死んじゃうかも!』みたいな不安があるわけよ」

成香「1人でも大丈夫ですよ!?」

爽「あとは愛でたい欲な。愛玩したい、なでたりとか一緒に寝たりとかしてさ」

成香「愛でたいって……。それに一緒に寝るのは恥ずかしいです…///」

爽「要するに成香から癒しを感じたいわけだ。例えばさ、一仕事終えて夜遅くに帰宅するとするよ?」

成香「は、はい」

爽『あー疲れたなあ…。しかしご飯も用意してないしお風呂も沸いてない』ガックリ

爽「さらに迎えもない、と思った次の瞬間」

爽(成香)『○○さん、お帰りなさい!』トテトテ

爽(成香)『今日は一段と遅かったですね…。でも○○さんは1人じゃないですから!ゆっくり休みましょう』ギューッ

爽「ペットの成香が励ましてくれるわけだ」

成香(今の小芝居は…)

爽「つ・ま・り。成香を飼うことで元気になる人がいる、ということさ!」バーン

成香「そんなうまいこといくでしょうか…」

爽「だからまずうちで実験しよう!な!」

成香「癒されたいんですか、爽先輩?」

爽「いろいろあるんだ、私にだって!受験のストレス、勉強のストレス、進路のストレス…」

成香「ずいぶん方向が似てる気がしますが…」

爽「なーうちでお泊まりしよーぜー」ユサユサ

成香「あうあう」ガクガク

成香「わ、分かりました…。先輩も大変みたいですし、私で良ければお力になりますよ」

爽「ホントか!?ありがとう」ニッ

成香「家に連絡しなくちゃ…」スマホトリダシ

爽「言ってなかったけど、ペットになるからには鳴き声でしか喋っちゃダメだぞ」

成香「な、何ですかそれ!?」ガーン

成香「嫌ですよお…」

爽「ウサギの鳴き声な」

成香「ウサギ…。ウサギに鳴き声とかあるんですか…?」

爽「あるぞー。『ウサギ』って鳴くんだ」

成香「さすがに嘘です!」

爽「ネットで見たもん」

成香「ホントなんですか…?」

揺杏「Twitterの代打くんの奴だろ~」

爽「そうそう」

爽「やっぱ掃除の時間は野球ごっこするに限るな!」

爽「ほら、揺杏ピッチャーやってよ!雑巾丸めて」ポイッ

揺杏「おーけー」

爽「タケダマサルだ(笑)」

爽「じゃあ私はオガサワラー」

揺杏「様になってんね~。いくぞー」ポイッ

爽「らあいっ」ブンッ

揺杏「マジで振り切るのやめてくんね!怖い!」

爽「飛んでくの雑巾だしいいでしょ」

揺杏「ホウキも飛んできそうなの!しかも毛先で雑巾打つって卑怯!」

爽「面の広い特注バットさ!さあもう一球!」

揺杏「第2球ー」ポイッ

爽「ほっ」パスッ

揺杏「当てた!」

ガチャ

誓子「」バフッ

爽「え゙っ」







由暉子「何してるんですか先輩たち」

爽「正座さ」

誓子「ホント信じられない!子どもじゃないんだから!」プンプン

由暉子「何で正座?」

成香「ちかちゃんの顔に雑巾をぶつけたらしいです」

由暉子「直接ですか」

揺杏「んなことしたら極刑だよ!野球ごっこしてたの、ホウキと雑巾で!」

爽「落下地点がちょうどチカの顔面だったのさ」

誓子「全くもう!」

成香「掃除道具で遊んだりしました?ユキちゃん」

由暉子「小学生の低学年のときはやりましたけど…」

爽「へー、意外」

由暉子「ホウキにまたがって魔法使い、とか」

揺杏「マジカル雀士ユキコちゃんか!アリじゃん!」

由暉子「なしです」

揺杏「衣装作るよ」

由暉子「…」←ちょっと気になる

誓子「…」←ちょっと気になる

成香「作れるのがすごいです」ワー

爽「必殺技は何だ?三角巾でペシってやるアレ?」

誓子「あのしなりで攻撃するやつね!」

由暉子「痛いのは嫌いです」

成香「しかも魔法少女なのに物理攻撃…」

爽「…ッもう限界!」ペタン

揺杏「…同じくギブー」ペタン

誓子「ちょっと!全然反省してないでしょう!?」

爽「揺杏ー」

揺杏「何~?」

爽「アレ貸してくんない?」

揺杏「はい」スッ

爽「サンキュー!」カチカチ

揺杏「後ろの消しゴム使うなよ~」

爽「ケチだな」

由暉子「……」



誓子「なるか!アレってどこにやったっけか」

成香「昨日までは棚の上に置いておいたはずですけど…」

誓子「その後よね」

成香「私が使った後は…」

誓子「あ、私だ」

成香「うーん…。あ、本棚にありますよ!」

誓子「ここにしまったんだ私。ありがと!」

成香「教則本ですし本棚が正しい配置ですよね」

由暉子「……」


由暉子(先輩ばかり『こそあど言葉』で通じ合えています。前々からつながりがあるからなのでしょうか)

由暉子(…うらやましい)



~後日~

由暉子「本内先輩」

成香「ユキちゃん、どうかしましたか?」

由暉子「アレが欲しいのですが…」

成香「アレ?」

由暉子「」ジッ

成香「うーん?…あ、アレですか…」

由暉子「」ジッ

成香「ええっとお…」キョロキョロ

由暉子「」ジッ

成香「」ウルウル

揺杏「おっす~……って何やってんの」

成香「ゆ、揺杏ちゃあん…」

由暉子「岩館先輩、アレが欲しいのですが」

揺杏「アレってどれさ」

由暉子「」ジッ

揺杏「うーん…。ごめん、分かんねえや。その名前分かる?」 

由暉子「」ガックリ

由暉子「……はたきです」

揺杏「はたきか!ユキその年ではたきが出てこないのはやばいって~。ちょっと待ってな」アハハ

成香「はたきでしたか…。ごめんなさい分からなくて…」

由暉子「いえ。ちょっとほこりが気になって」

由暉子(まだまだ一緒にいる時間が短かったようですね…) 

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