かえんだん

タグ:清澄

和「何といわれましても」

京太郎「いや、麻雀が得意なのはわかるけどさ、他にも趣味とか、あるだろ?」

咲「私も気になる」

和「そんなにですか?」

咲「家でも麻雀してるの?」

和「そうですね、インターネットで」

京太郎「部活でやったらもういいわ~俺」

咲「他は?」

和「他ですか…」

京太郎「当ててみようか。読書!」

咲「それ私だよ」

和「たまにしますけどね。ただ趣味と言えるほどでは…。それこそ咲さんほどではありませんから」

京太郎「咲は本の虫だからな」

咲「京ちゃんはもうちょっと読んだ方がいいと思うよ」

京太郎「じゃあ~料理か?」

和「料理もできなくはないですけど…」

咲「ピアノとか、楽器は?」

和「縁がないですね」

京太郎「テレビ見たりとか」

和「自分の部屋にはありませんから…」

京太郎「マンガ読んだりとか」

咲「京ちゃんじゃん。和ちゃんはそういうことしませんから」

和「…私、普段何をしているんでしょう」ウーン

咲「悩みこんじゃった!?」

和「勉強して、ご飯を食べて、ネット麻雀をして、お風呂に入って…」

和「私って無趣味なんでしょうか?」

京太郎「聞かれてもなぁ…。ホントに何にもないの?」

和「思いつきません…」

京太郎「帰ってからやりたいことがあった方が、もっと楽しくないか?人生」

咲「人生って」

和「そうなんでしょうか」

京太郎「麻雀以外で何か始めてみたら?それこそテレビでドラマ見るくらいの」

和「何がいいでしょうか…。考えてみます」

咲「楽しみ作るのに悩ませてどうするの!」

京太郎「まあ最初のうちだけだって!こういう真面目ちゃんだからこそ、一息つけるポイントが必要なんだよ。分かる?」

咲「普段ダラダラな人に言われても」

京太郎「今日冷たくない!?」

咲「言ってることはすごく分かったよ」




和「手始めに読書をしてみようかと思いまして」

咲「うんうん。楽しいよ!」

和「何かおすすめの本がありましたら貸していただけないかと…」

咲「そうだなー……今日ちょうど読んでたこの本、結構面白いよ。こないだ賞も獲った人が書いてる本なんだ」

和「ふむ、手堅そうですね。今日中に読んでお返しします」

咲「ゆ、ゆっくりでいいよ!自分のペースで読んで!」

和「そ、そうですか」

~数日後~

咲「和ちゃん、どうだった?」

和「す、すみません。1/3ほどは読めているのですが」

~また数日後~

和「半分くらいは読めました…」

~さらに数日後~

和「読み終わりました…」

咲「あ、ありがとう。どうだった?」

和「面白かったと思います…けど」

咲「?」

和「早く返さなければ、と思いすぎて焦ってしまって…」

咲「何かごめんね?」

和「いえ…自分で買えばまた違うのかもしれませんが、どうも向いていないようです」シュン

京太郎「取っ掛かりならもっと気楽なのがいいんだって!ほら、和でも読めそうなマンガ持ってきた」

咲「校則違反だー」

和「須賀君、マンガは持ってきてはいけませんよ?」

京太郎「そんなー」

久「そうね、没収」

京太郎「」

久「で、何の話?」

咲「和ちゃんの趣味探しです」

和「何かやっておいた方がいい趣味ってありますか?」

久「資格みたいなこと言うのね」

久「普通にテレビ見てるのとかはダメなわけ?旅番組とかいいわよ~?」

京太郎「おじさんみたいなこと言いますね」

久「馬鹿にできないのよ?心空っぽにして見れるし」

和「父が良く見ていますが、そういうものですか」

久「行った気になれるっていうのもいいわよね」

和「今度見てみます」

久「今日さっそくあるわよ?私がいつも見てるやつ」

和「分かりました」

~翌日~

久「お、和!どうだった?昨日の。鎌倉特集だったけど」

和「…すみません」ペコリ

久「え」

和「父と一緒に見ていたら『勉強しなさい』と追い出されまして…」

久「あー…『いつも見ているんですよね!私も見たいです!キラキラ!』みたいなこと言わなかった?」

和「誰ですかその人」

まこ「なんじゃ、こないだのまだ続いちょったんか」

和「染谷先輩」

まこ「テレビもダメっちゅうとハードル高いのう」

久「まこは何かないの?」

まこ「そう言われるとわしもパッと出てこん…料理とか?」

和「女子ですね」

久「そりゃ女子よ、これでも」

まこ「最後の、ニュアンスが違う」

まこ「でも弁当作ってきちょるじゃろ」

和「まあ母が不在だからというものありますから…。日常的に作るわけではないので」

久「お菓子作りとかしてみてよ。そして私にちょーだい」

まこ「ずうずうしい」

~翌日~

和「作ってきてみました。クッキー」

京太郎「和の手作り…」

久「須賀君は最後。私が頼んだんだもの」

優希「ずるいー!」

和「た、たくさんありますから…」

久「ん、普通に美味しい」モグモグ

咲「サクサクだね」モグモグ

和「」ホッ

まこ「で?趣味にはなりそう?」

和「…正直、手間暇がかかって、何とも…」

まこ「確かに、そこも含めて楽しめる人とほうじゃない人とおるのう」

和「食べてもらうと思うとなんとなく不安でしたし」

京太郎「十分うまいのに。また作ってきてよ」モグモグ

優希「彼氏でもない男にやる飯はないじぇ」モグモグ

京太郎「頑固親父か」

咲「優希ちゃん、和ちゃんに合うものとか、思いつかない?」

久「付き合い長いしね」

優希「うーん……結局麻雀じゃないか?」

京太郎「それを言い出したら元も子も」

優希「麻雀が一番好きで麻雀やってても嫌だ!ってならないんだから、麻雀が趣味でいいと思うじょ」

まこ「…何か名言っぽいのう」

優希「私だってタコスが一番好きでタコス食べ続けてても嫌ってならないからな!」

咲「食品そのものが趣味…」

和「…色々やってみて結論がこれって、何だか寂しいというか切ないというか」シュン

久「まー合わないもんやっててもしんどいってことよね」

和「」グサッ

まこ「フォローになってない」

和「わかりました。麻雀以外にも、私に合う趣味見つけてみせます!」

咲「変なスイッチ入ったね」

久「わお。いつまでに?」

和「えっ」

和「………」

和「部長が卒業なさるまでには」

まこ「」ズルッ

まこ「だいぶ余裕持ったな」

和「結構な仕事ですから、ちょっとお時間を…」

京太郎「息抜き見つけるのに義務感が生まれてしまった…」

咲「原因京ちゃんにもあるんだからちゃんと手伝うんだよ?」

京太郎「わ、わかってるよ」

優希「手始めにタコスづくりを極めてみないかのどちゃん」

和「それはゆーきがやってください。それか須賀君に頼んでください」

優希「えー」

京太郎「え、何で俺に振った?」

京太郎「咲的にはさ」

咲「うん?」

京太郎「最近の実写化ブームはどうなのよ?」

咲「漫画とかのってこと?別にいいと思うけどなぁ」

京太郎「あ、そう」

咲「私そもそも漫画もテレビも見ないし。京ちゃんと違って」

京太郎「暇があれば見ちゃうもんだろー。咲の場合は…小説になんのかこの場合」

咲「小説は、ドラマになることに抵抗ないよね」

京太郎「絵が付いてないからな」

咲「容疑者Xとか半沢直樹は逆に見てから原作買ったよ」

京太郎「見てんじゃん」

咲「……なんか有名だったし」

京太郎「え、じゃあさ、原作読んでて実写化したものもあるだろ?」

咲「結構あるね」

京太郎「そういうのは『うわ、想像してた人と違う!』ってなることねーの?」

咲「まあ、少しはあったかも?」

京太郎「それに怒ったりしないわけ?」

咲「しないよ!私の見方的に違和感感じたっていうだけだし、それにすそ野が広がるならいいと思うから」

京太郎「作品の?」

咲「うん」

京太郎「大人だなー咲は」

咲「ドラマではまってくれた人が原作も見て、って流れ、私は好きだし」

京太郎「俺絶対『ないない無理無理!』って思っちゃうわ」

咲「ビジュアル的にってこと?」

京太郎「それもあるけど、やっぱ漫画にしか出せない雰囲気とかってあんじゃん?『○○実写化!』ってなった時点で『いやいや』って思っちゃう」

咲「世界観を再現っていうのは漫画から実写だと難しいかもしれないね」

京太郎「まあリアルを実写化も難しいけどな」

咲「何それ?」

京太郎「選手の半生を描いた~、的なヤツにその選手使わずにイケメン俳優使ってみたりするみたいな」

咲「それ実写じゃないよ京ちゃん(笑) 再現でしょ」

京太郎「まあそういう言い方もあるな。どうよ、実写版咲は?」

咲「えー。私そんな立派な人生じゃないよ」

京太郎「浜辺美波ちゃんで咲の華麗な半生をさ」

咲「誰浜辺ちゃんって?」

京太郎「俺が次来るとにらんでいる若手女優だよ。朝ドラ出てたんだぜ?」

咲「へー。京ちゃんがそう言うなら相当に可愛い子なんだろうねー。私をやってもらうには忍びないよねー」

京太郎「何か棘あるな」

咲「京ちゃんはねー、誰かな………」

咲「…」

京太郎「思いつかないんかい」ペシッ

咲「痛っ」

京太郎「いるじゃん神木君とか菅田君とか」

咲「京ちゃんをやってもらうには忍びないよ」

京太郎「そっすか…」

和「こんにちは」

咲「あ、和ちゃん」

京太郎「…エトペン実写化するならリアルペンギンだな」

咲「抱えて麻雀できないでしょ!」

和「話の前後が見えませんが…たぶんどうでもよいお話でしたね?」

京太郎「どうでもよいお話とか言わないで」

京太郎「いや好きで裸足なわけじゃないですよ。水たまりにハマったんで」

久「それで窓際に干してあるわけ」

京太郎「そうです」

久「咲の真似かと思ったわ」

京太郎「靴下脱いだだけで強くなれたらみんなやってますって」

ガチャ

まこ「おう、来とったんか」

久「ん、おはよー」

まこ「しかし雨全然止まんのう」

京太郎「行きはもっと酷かったですからね」

まこ「わしのカバンもやられたわ」

久「ああ、あれね。でも降ってたら乾かないでしょ、あそこに置いといても」

まこ「気休めじゃ」

久「まこはカバンを水たまりに放り投げたの?」

まこ「通学中にそんな奇行に走りゃあせん。車の水はねをカバンでガードしたらああなったんじゃ」

久「あーそういうね」

京太郎「学校前のあのガッタガタの道路っすよね?」

まこ「ほうじゃ」

京太郎「あれ何とかならないですかねー…。穴に水たまってそこを車が走るもんだから水しぶきがこっち来るんですよね」

まこ「工事して欲しいのう。…こういうのは目安箱に入れてええんか?」

久「残念だけどウチ土木課じゃないのよ。市役所に行ってちょうだい」

京太郎「市役所受け付けてるんすか」

ガチャ

咲「こんにちは…」

久「はいこんにちはー。やる気満々じゃない?もう裸足なの?」

咲「いえあの、来るとき水たまりに」

京太郎「そのくだり俺が済ませたわ。ごめん」

咲「何、京ちゃんもハマったの?」

京太郎「俺は反対側から自転車来たから端に避けたらそこが水たまりだったんだ」

咲「…私大きめの水たまり飛び越すのに失敗してハマった」

まこ「いやかわして行けばよかったのに」

咲「その道しかなかったんですよ…。飛び越せるなんて思ってなかったんですけどつい」

久「そういう時『濡れてもいいから早く辿り着きたい』って思うのよね。分かる分かる」

咲「そうなんですよ。替えの靴下持ってきとくんだった…」

京太郎「あそこに干しとけば?俺のもあるぞ」

咲「…違うとこに干す」

京太郎「えっ」

咲「帰り間違えられそうだから」

京太郎「見りゃどっちが自分のなのか分かるわい」

ガチャ

優希「遅れたじぇ~」

和「」ペコリ

まこ「おう。…2人とも肩濡らしとる」

和「ゆーきが傘を壊すから私のと一緒に入りながら来たんですけど」

優希「のどちゃん持ってたの折り畳みだったから小さくて小さくてな」アハハ!

和「貸してもらった人の態度ですか!」プンプン

和「まったく、足元も濡れるし大変でした…」

久「…何みんな、雨が苦手なの?私も濡れてきた方がいいの?」

まこ「…ネタ被りしない方向じゃと全身ダイブかのう」

久「…さすがにハイリスクノーリターンだわ」

和「宮永さんっ!」

ザーッ

咲「…」スタスタ

和「あ、あれ…。宮永さんっっっ!!!!」

ザーッ

咲「…!」クルリ

ザーッ!!

和「3連続プラマイゼロ…。わざとですか?」

ザーッ!!

咲「…なにー?ちょっと聞こえない!」

和「3連続プラマイゼロ!!わざとですか!!??」

ザーッ!!

咲「転勤族がなにー!?」

和「いや、転勤族ではなく3連続です!!」

ザーッ!!!

咲「えーっ!?雨が強くて全然聞こえないよー」

和「3連続!!!!プラマイゼロ!!!!わざとですか!!!!????」

ザーッ!!!!

咲「3連続疑いテロ、サバトですか!?」

和「……も、もういいです!!また明日改めて聞きますー!!」タタッ

咲「…何が聞きたかったんだろう?」

ザーッ!!!!!

咲「…これ以上酷くなる前に帰らなきゃ」



和(私ったらあんな往来で大声出して恥ずかしい…///)

~IH期間中~

咲「ケータイ持たせてもらったのはいいけどやっぱり分かんないや」

咲「どれが何のボタンなんだろうね」

ポポン♪

咲「!? な、なに」

ポポン スミマセン、ヨクワカリマセン

咲「…」

周りの人「フフッ…」

咲「す、すすすみません!!///」ダッ

咲「もー、急に喋りだす機能があるなんて聞いてないよ!」タタターッ



咲「ということがありました!すっごく恥ずかしかったんですから!」

和「咲さん真ん中のボタン長押ししましたね…」

まこ「その喋ったんは音声ガイドなんじゃ」

ポポン♪

まこ「長野の今の天気は?」

ポポン ナガノケンナガノシハ タイヘンヨイテンキデス

まこ「こんな感じで教えてくれるんよ」

咲「ええー!すごい!」

久「これから道案内もスマホに任せちゃったら?」

京太郎「無理ですよ、まずこいつ地図読めないし」

咲「馬鹿にして!ガイドしてくれるなら分かるもん!」

京太郎「ホントかよー」

咲「何ならコンビニまでお遣い行ってきてもいいよ?この人に聞くから帰ってこれる!」

優希「無理だと思うじぇ」

咲「じゃあ全員分のシュークリーム買ってきますよ!見ててください!」バタン

久「行っちゃった」

和「お、お気を付けて…」




咲「さあ、早速やってみましょう。真ん中のボタンを長押しして…」

ポポン♪

咲「ここから一番近いコンビニに連れてってください」

ポポン ハイ、ミツカッタノハコチラデス

咲「おおー!すごい!」

咲「それじゃあ、そこまでの道順を教えて」

ポポン オシラベシテイマス…

咲「あ、地図が出てきた」

咲「今いるのは…このホテルだったっけ」

咲「行って帰ってくるだけならできる!ガンバレ自分!」

………

咲「」グスン

京太郎「暑い中よく頑張ったと思う、俺は」ポンポン

久「充電のこと伝えるの忘れてたわね」

咲「コンビニから出たときにはもう画面が真っ暗で…怖かった…」

まこ「お店の人から電話があったときは何かと思ったわ」

咲「調子に乗ってすみませんでした…」ペコリ

久「気にしない気にしない!それよりさ、道案内とかもできるんだけど、もっと楽しいこともできるのよ?」

ポポン♪

久「ダジャレを言って」

ポポン フトンガフットンダ

久「ね?」

咲「え!?すごい!!会話もできるんですか?」

和「会話というか、これも聞かれたことに答えるという機能の1つですね。ユーモアがあっていいと思います」

咲「へー。便利なケータイだねー」



~夜~

ポポン♪

咲「歌を歌って?」

ポポン キクニタエナイデショウカラヤメテオキマス

咲「そんなことないよ。歌って?」

ポポン ソレハムリデス

咲「じゃあじゃあ、好きな本は?」

ポポン ワタシハホンハヨメマセン

咲「あなたは何歳ですか?」

ポポン ヒミツデス

咲「えー」

優希「咲ちゃん…」

和「そろそろ寝ましょう?何だか色々と悲しいです…」

咲「もうちょっとだけ遊んだら!お願い!」

優希「このままじゃ友達いなくなっちゃうじぇ」

このページのトップヘ