公開中今年初の邦画の傑作の登場。これはアメリカでリメイクされるんじゃないかな?
映画の冒頭で幼い姉妹の殺害事件で未成年の容疑者が逮捕される。そして容疑者の家には警察をはじめさまざまな人間が入り込んでくる。この瞬間から容疑者の家族は、マスコミや世間の目を避けるため警察の保護下に置かれるのだ。中学生の妹の船村沙織は、家を出て、刑事の勝浦が彼女の身を守るために配置につく。ホテルや自宅アパート、友人のマンションを転々とするのだが、マスコミはどこまでも追っかけてくる。そして最後の逃げ場所として、勝浦がかつて担当した事件の被害者家族が営む伊豆のペンションに世話になることになる。だがネットの掲示板を介してこの居場所もわかってしまった。そんなときに沙織のボーイフレンドが会いにきたのだが。。。
とにかく被害者の家族にスポットを当てたのは新鮮で、面白い。いきなり容疑者の両親は、警察の勧めで離婚手続きにサインをして、その後に今度は妻の戸籍に夫が入るという婚姻届にもサイン。当然娘の姓も母のになる。犯人だけが父の姓をなのるのだ。細部までリサーチが行き届いており、脚本家の君塚良一は10年もこの映画を練っていたそうだ。サブプロット勝浦の過去の事件の失敗談もうまく効いていて最後まであきさせない。そして怖いのが2ちゃんねるのような掲示板の存在。犯人の家族の写真、妹の写真もどんどんアップされている。そして映画の後半の沙織の彼氏が現れてからの展開もぞっとする。
勝浦を演じる佐藤浩市(それにしても最近の出演作の多さは凄い)が最近の映画の中では一番の熱演ぶり。家族ともうまくいってなく、容疑者者の妹を自分の娘とだぶらかしたり、沙織を思いやるしぐさなどは涙を誘う。沙織を演じた志田未来の演技を通り越した表情つくりは見ものです。この子いい女優になりそうだ。そして今回一番の収穫は勝浦の助手てきな刑事を演じた松田龍平。やはりかえるの子はかえるだ。時々見せる鋭い目つきが親父にそっくりになってきた。刑事役がうまくはまった。いつものオーバー的な演技を今回はかなり抑えたのが勝算。
手持ちカメラを多用していて、まるでニュース素材を見ているような感じにもなる。今まで我々もたくさんの少年犯罪を見てきたが裏側ではこういったことが起こっていると思ってみると興味深い。我々の税金が容疑者の家族を守っているのに使われていると思うと少し複雑になるが。。。
★★★★★★★★☆☆

