2012年02月10日

No. 1647 日本進出が加速する中国産ゲームソフト

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■ テーマ: 【No. 1647 日本進出が加速する中国産ゲームソフト】

■ 今日のニュース:日本進出が加速する中国産ゲームソフト

・スマートフォン普及に伴い、日本のソーシャル・ネットワーキング・サービス企業が中国企業の開発したゲームソフトを導入するようになり、ソーシャルゲーム市場では競争が白熱している。
・中国には5億人を超えるインターネット利用者がいて、2010年にはオンラインゲームの市場規模が4千億円に達した(日本市場は2365億円)。
・中国にゲームソフト開発拠点を設立した日本企業も多く、今後はゲームなどのコンテンツ産業が中国の輸出産業の柱の一つとなり、製造業に次ぐ中日協力の重点分野になることが予想される。
・日本のゲームサイト運営会社グリーは中国のMOCA社が開発し、中国で人気のゲームソフト「白領昇職記」(日本名:ねばぎば)の導入を準備中。
・昨年の秋には携帯電話関連の技術開発会社KLab(クラブ)が、中国の「胡莱三国」を日本のスマートフォンに導入し大きな成功を収めた。今年も「三国志」ゲームを改編した「三国群英伝」を日本に導入する予定。
・企業の中には、中国にゲームソフト開発拠点を設立するところも出てきている。ゲームサイト運営会社DeNAはネットドラゴン・ウェブソフト(福建網竜計算機軟件技術公司)と合弁会社を設立する計画で、現時点では主に中国市場向けにゲームソフトを開発し、将来的には日本に輸出する可能性もあるとしている。

■ 戦略ポイント: 中国のソーシャルゲームが世界中に普及しそう

■ Skipper Johnのコメント 
中国ゲーム産業年次総会によると、2011年の中国オンラインゲーム市場の実質売上高は428億5千万元で前年比32.4%増加しました。中国オリジナルのオンラインゲームが40%増加し、携帯電話ゲーム市場も増加傾向にあり、実質売上高は17億元で同86.8%増加しています。
オンラインゲーム売上高が428億元突破 2011年

易観智庫によると、11年第4四半期(10-12月)には、中国のダウンロード系オンラインゲーム市場の規模が102億9千万元に達し、前年同期比28.5%増加しました。市場の上位3社は騰訊、網易、盛大、この3社で65.47%のシェアです。
ダウンロード系オンラインゲームが100億元突破

今日のニュースでは、2010年の中国オンラインゲームの市場規模が4千億円で、日本市場の2365億円より大きくなったとし、今後はゲームなどのコンテンツ産業が中国の輸出産業の柱の一つとなり、製造業に次ぐ中日協力の重点分野になると伝えています。

「白領昇職記」や「胡莱三国」など、中国企業が制作して中国でヒットしたゲームを日本市場向けにアレンジして投入する流れができつつあります。中国では「水準が高い歴史・ファンタジー系などの新しいゲームが数多く投入されている」(ソーシャルゲーム大手幹部)とのことで、今後の中国ゲームの日本市場への浸透が加速されます。
グリーなどソーシャル各社、中国製ゲーム 日本投入

スマートフォンの普及でソーシャルゲーム市場が成長、ゲーム提供会社は扱うゲームの種類を増やすことがシェア拡大の決め手です。中国はネットゲームも盛んで、優秀な開発人材も多い。ゲームなどコンテンツ産業を輸出の柱の1つに育成する政策の後押しも期待できます。種類が豊富で品質が高まっている中国のゲームが注目され、獲得競争になっています。
グリー、中国製ゲーム日本投入 DeNAも開発拠点

中国のゲーム開発会社は開発力を強化するため、海外のゲーム開発者の採用にも積極的です。米国で日本のゲームを売り込む関係者は「(中国のゲームは)キャラクターの動きなど品質が同等で、価格が3分の2。強力なライバルになる」としていますが、玉石混交なのが実態とのこと。
中国のオンラインゲーム、海外に照準

急成長してきた中国のゲーム市場ですが、これからも伸び続けるかは見方が分かれています。中国のゲーム各社は一段の成長を目指し、海外に事務所を設立したり、日本など海外のゲーム会社と組み、世界市場での売り込みを加速させています。

違ったアプローチも紹介します。フィンランドのロビオ・モバイル社が開発したモバイルゲームの「アングリーバード」(中国名:憤怒小鳥)は、世界全体でのダウンロード回数が2億回を超え、昨年末にロビオ社がインターネットで売り出した関連グッズは、マスコット人形だけで300万個を売り上げ、関連商品の売上高は5千万ポンド(約65億円)です。
「憤怒の小鳥」中国で世界初の実体店舗を開設する計画

中国には大勢のアングリーバードファンがいて、価格数十元前後の携帯電話カバー、舵機枕、携帯電話保護シール、Tシャツなどの海賊版グッズが売れています。ロビオ・モバイル社は海賊版が多いということは最も人気のあるブランドの証明だと認識しています。

同社は中国で実店舗を年内にもオープン準備中で、アパレル品や文房具などを販売する予定です。今後3年で200軒にまで拡大予定とのこと。このように、アングリーバードのゲームはアイテム課金などのビジネスモデルではないので、商標権を各国で獲得してキャラクター版権ビジネスを展開しようとしています。

john1984jpn at 00:08|PermalinkComments(0)TrackBack(0)この記事をクリップ!中国ビジネス | 中国の日系企業

2012年02月09日

No. 1646 感動の救出劇の中国実習生5人 女川町に戻る

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■ テーマ: 【No. 1646 感動の救出劇の中国実習生5人 女川町に戻る】

■ 今日のニュース:感動の救出劇の中国実習生5人 女川町に戻る

・宮城県女川町の水産加工会社「佐藤水産」で実習中に東日本大震災に遭い、同社専務の佐藤充さん=当時(55)=の避難誘導で命を救われた叢偉さん(30)ら中国実習生5人が、同社で実習を再開するため再来日した。
・叢さんは「女川の人たちがどうなったか気になっていた。佐藤さんのことは今でも思い出す」と語った。
・佐藤水産では震災時、中国人20人が実習していたが、全員がいったん帰国し再来日は初めて。
・佐藤専務は震災発生後、会社の寮から20人を高台へ避難させた後、一人で山を下りて津波に巻き込まれ、亡くなった。中国の各メディアは、危険を顧みず誘導に当たった佐藤専務の話を大きく報道。
・温家宝総理も昨年5月、被災地を訪問した際に、「国籍にかかわらず救助した行為を高く評価している」と称賛した。
・5人は今後、佐藤水産で1年半-2年半の実習を受ける。女川町では震災時、水産加工会社19社が約160人の中国人実習生を引き受けており、これまでに約20人が再来日している。

■ 戦略ポイント: 再び女川に帰ってきた中国人研修生の覚悟は、並大抵ではない

■ Skipper Johnのコメント 
ご存知の方も多いと思いますが、東日本大震災で日中間に伝わった悲劇がありました。宮城県女川町・佐藤水産役員の佐藤充さんは、地震直後に大連出身の中国人女性研修生20人全員を寮から誘導して高台の神社に避難させました。研修生の安全を確認した後、佐藤さんは寮に残した妻と娘を捜しに戻ったものの、残念ながら中国人研修生たちが見ている前で津波にさらわれ、帰らぬ人となりました。
中国人研修生20人を助け 津波にのまれ不明の日本人に感動の嵐

震災当時、甚大な被害を受けた宮城県、岩手県、福島県そして茨城県の4自治体には約3万人の中国人留学生がいました。また、宮城、福島、岩手、茨城、千葉、東京など深刻な被害を受けた10地区に滞在していた中国人研修生は2万2670人もいました。

海外から来て大地震と巨大津波に遭遇し、避難所で暮らした外国人の方も多くいました。外国人の被災者も着の身着のままで避難したのでパスポートや外国人居留証を紛失し、外国人として身分を証明する手段が無くなってしまいました。

これには各国の大使館によるパスポート再発行や、地方自治体による外国人居留証の再発行が必要です。しかし各国の大使館としては、再発行に割ける人数には限りがあります。また、地方自治体は建物自体が津波で流されたりなどしていて、外国人居留証の再発行も困難な状況でした。

在東京の中国大使館及び在新潟中国総領事館は、パスポートを紛失した中国人には臨時帰国証明などを発行し、かつ中国人被災者および被害が甚大な地区に滞在していた中国人を優先的に帰国できるようチケット手配や空港までの交通サポートを行いました。

在日中国人の帰国作業には莫大な労力が必要で、中国大使館などの手配は熾烈を極めました。被災地各地から東京や新潟にチャーターバスを毎日走らせ、在留中国人の安全確保と帰国手配を迅速に行ないました。

このようなサポートもあり、震災から10日目の3月21日時点で、主に被災地域にいた中国人のうち9,300名が無事に中国へと帰国しました。余談ですが、2003年のSARSの時は、北京からおそらく1万人に近い数の日本人が日本に帰国したのではないかと記憶しています。東日本震災直後の中国人の帰国ラッシュは、SARSの時と同程度の規模だったようです。

震災当時に女川の「佐藤水産」で研修していた20名の中国人研修生は、前述の帰国ラッシュである3月18日に中国へ帰国しました。

今日のニュースでは、「佐藤水産」で研修していた20名の研修生のうち5名が、同社での実習を再開するために再来日したと伝えています。また、女川町では震災時に水産加工会社19社が約160人の中国人実習生を引き受けていたそうで、これまですでに約20人が再来日しています。

当時「佐藤水産」で故佐藤専務の避難指示に従って助かった叢偉(そうい)さんも再来日しました。叢さんは、「佐藤さんには感謝の気持ちでいっぱい。避難所でも周りの方々にお世話になり、忘れられません。」と語っています。
中国人研修生20人を助け 津波にのまれ不明の日本人に感動の嵐

このニュースを見て、胸に迫るものを感じたのは筆者だけではないでしょう。福島原発事故の後、中国ではさまざまな流言飛語もあり、危険な地域であるという認識が今でも残っています。研修生本人だけでなく、研修生の両親・親族もこぞって再訪日に反対したであろうことが容易に想像できます。

また、女川は東北電力の原子力発電所がある地域で、万一大きな余震が襲った場合に、最悪は放射能被害に遭遇する可能性もあります。女川への研修生は大連市近辺の方が多いのですが、大連は発展した都市で、それなりの給料を稼げる仕事はいくらでもあります。そんな中、あえて女川で再び仕事するには、収入だけではない大きな覚悟が必要です。

このような震災を通じた日中間の人材交流がより多くの人に知られ、被災地復興の活性化のきっかけの一つとなってほしいと心から願っています。



john1984jpn at 00:08|PermalinkComments(0)TrackBack(0)この記事をクリップ!日中異文化交流 | 安全性(衣食住)

2012年02月08日

No. 1645 北京の戸籍制度改革が始動、暫住証から居住証へ

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■ テーマ: 【No. 1645 北京の戸籍制度改革が始動、暫住証から居住証へ】

■ 今日のニュース:北京の戸籍制度改革が始動、暫住証から居住証へ

・北京市の劉敬民副市長は、「今年、居住証に関する新政策が発表・実施される見通しが高い」と明らかにした。これにより、北京では、暫定居住証(暫住証)から居住証への切り替えが年内にスタートすることとなる。
・劉副市長はメディア取材に対し、「暫住証は北京在勤者が主な対象だったのに対し、居住証は北京に居住している全流動人口を対象とする」と話した。現行の暫住証と異なり、北京に居住する地方出身者は、居住証にもとづき関連公共サービスを享受することが可能となる。
・一方、市関連部門は、居住証にもとづき北京の資源、人口、雇用などの状況を把握することができる。
・北京市居住証の所持者は、教育などで市民と同待遇を受けられるのだろうか?また、北京戸籍の市民と全く同じ条件で、住宅や自家用車を購入することが可能なのだろうか?
・戸籍に詳しい専門家は「居住証所持者は、公共交通、就労、社会保障、医療保険などの面で、北京戸籍を持つ市民とほぼ同じ待遇を受けることができるだろう。ただ、住宅・自動車の購入、子女の入学・大学入試については、市民と同じ待遇が得られる可能性は低い」との見方を示した。

■ 戦略ポイント: 戸籍の不平等は解消すべきだが、一気にやると都市機能が低下

■ Skipper Johnのコメント 
中国では、第6回人口センサス(中国語:「第六次全国人口普査」、日本語:国勢調査)を10年11月から実施しました。中国の総人口は13億3972万4852人で、00年の前回調査時から7390万人増えたこと、65歳以上の人口比率は8.87%で、前回調査の2000年から1.91ポイント上昇したことなどを伝えています。
中国の人口、13億3900万人 10年国勢調査

また、第六次全国人口普査の結果として、「農村から都市部への人口移動を反映して、実際の居住地と戸籍登録地が異なる、あるいは戸籍登録地を離れて半年以上が経過する人口が2.61億人と、2000年(1.17億人)比で81.03%も増加した。」と伝えています。
一人っ子政策見直し議論に弾みをつける中国最新国勢調査(普査)

このように、都市部では流入する農民工の人口が急激に増加し、都市部には2.6億人の農村戸籍保有者が暮らしています。なおかつ農民工は都市戸籍が無いため都市で廉価な教育を受けることができず、多くが子弟を都市部に連れて行くのをあきらめています。しかし都市部で教育や社会福祉を受けるために、農村戸籍を放棄して都市戸籍へ転換するというところまでまだ踏み切れていない農民工がまだ多いというのが事実です。

重慶市ではいち早く、4年前から都市戸籍への転換に着手しました。2007年5月、重慶市人民政府は2012年までに重慶市統一戸籍登記管理制度を確立し、これにより現行の「農業戸籍」「非農業戸籍」の区別を撤廃、全市民の戸籍を一律「重慶市住民戸籍」とすると発表しました。
5年以内に「農業戸籍」「非農業戸籍」をなくします―重慶市

2010年7月に重慶市政府は「重慶市戸籍制度改革総合プラン」を承認、この時点で重慶市の人口の51%は都市部に住んでいるものの、その多くは出稼ぎ農民などの流動人口で都市部戸籍の保有者は28%でした。このプランでは都市部戸籍の保有者比率を2020年までに60-70%に引き上げる計画で、1000万人もの農村戸籍保有者が都市戸籍を取得する計画です。
戸籍制度改革がついに始動=農民1000万人が都市戸籍取得へ―重慶市

その後、重慶市2千万人の農村戸籍者のうち市中心部で5年以上の勤務実績や住宅を持つことなどを条件に戸籍転換政策を実施、一年間で223万人が都市戸籍を取得しました。10年間で1000万人の転換が目標ですので、計画を上回るペースで進んでいます。
1年で農村出身223万人が都市戸籍取得 中国・重慶

ただ重慶市の調査では、調査対象者350人のうち農村の土地を捨てて都市戸籍を取得することを望んだのはわずか30%にとどまっています。主な理由は、農業税の撤廃、低所得者支援、貧困学生の学費・雑費免除など優遇措置の対象から外れるため、そして農民にとっては何よりも大切な故郷の土地を手放したくないと考える人が多いのも事実です。
出稼ぎ農民の80%が都市戸籍取得を望まず=「都市化推進」の国策に戸惑い

今日のニュースでは、北京市も都市戸籍を開放し、暫定居住証(暫住証)から居住証への切り替えを年内にスタート、これにより北京在住の地方出身者は、居住証にもとづき関連公共サービスを享受することが可能になる予定です。

上海市の場合、2010年末時点の上海市の常住人口は2220万8300人、うち上海戸籍は1412万3200人でした。つまり上海には、800万人もの上海以外の戸籍保持者が滞在している計算になります。もちろん、北京や広州から来ている人もいますが、過半数は農村戸籍の人々であると考えられます。
常住人口が2220万人を突破、少子高齢化が顕著に―上海市

戸籍による都市と農村間の差別は上海などの大都市で顕著です。上海に住む出稼ぎ労働者は現在約900万人いて、彼らが育てる学齢期の子供は約40万人で、就学には上海市民とは比較に成らないほど高い学費が必要です。親の世代の安価な労働力が上海などの大都市の経済発展を支えたにもかかわらず、社会的権利はほとんど保障されていないのが現状です。
「中国戸籍制度は時代遅れ」教育制度でも地方出身者差別

都市で働く出稼ぎ農民の子どもたちは地元の学校にも通えず、農民工の子女が通う独自の高い学校に通うしかありません。地元に戸籍がないため地元での大学受験にも参加できず、大部分は生まれながらにして貧困が決定づけられたような人生を送っています。
戸籍制度改革を加速させよ、貧乏人が一生貧乏人のままであってはならない

上記記事は、こうした格差を解消すべく、戸籍制度改革を加速させ、「貧乏人が運命を変える術がない社会」を変えるべきであること、また、人の一生を生まれながらに決めてしまう戸籍制度の改革を加速させ、公共サービスの均等化を促進するべきと主張しています。

広東省増城市で起きた出稼ぎ労働者による暴動で、地元当局が暴動の参加者に関する情報を提供した出稼ぎ労働者に「都市戸籍」と「報奨金」を与えると発表しました。地元公安の「通告」は、暴動参加者に関する情報を提供した市民に報奨金として5000〜1万元(約6万2500〜12万5000円)を支給するほか、情報提供者が出稼ぎ労働者の場合、「優秀出稼ぎ労働者」の称号を与え、同市の「都市戸籍」を与えるというものです。
出稼ぎ労働者による暴動、地元当局が「都市戸籍」をエサに仲間の密告を奨励

このように、都市戸籍の取得が困難なので、密告の報酬として都市戸籍の取得が利用されるなど、戸籍制度の矛盾が大きくなりつつあります。かといって、戸籍を自由にして住居の流動性を高めると、一気に都市人口が増加して都市の機能の多くが効率性を失ってしまいます。不平等縮小と都市機能維持の微妙なバランスを保つ必要もあります。


john1984jpn at 00:08|PermalinkComments(0)TrackBack(0)この記事をクリップ!中国社会 | 安全性(衣食住)

2012年02月07日

No. 1644 中国政府がPM2.5の観測強化、100億元の商機到来

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■ テーマ: 【No. 1644 中国政府がPM2.5の観測強化、100億元の商機到来】

■ 今日のニュース:中国政府がPM2.5の観測強化、100億元の商機到来

・環境保護部が全国規模で大気汚染物質の観測体制を強化中で、粒子状物質PM2.5の観測設備を中心に100億元規模の市場が生まれると期待が高まっている。
・同部の計画では、2012年中に北京市、上海市、江蘇省南京市など全国の重点都市20カ所以上でPM2.5とオゾン濃度を含む大気汚染物質の観測を始める。
・その後、15年までに全国338都市にまで観測範囲を拡大し、16年末には全国規模での監視体制を確立する。この計画に対し、北京市は12年だけで17億元、江蘇省は2.3億元の予算を計上している。
・同部の試算では、PM2.5の観測設備だけで需要は20億元、より大規模な工業用設備や設置工事なども含めれば市場規模は100億元に上る見込み。

■ 戦略ポイント: PM2.5の正確な数値公開で、国民の健康増進を図るべき

■ Skipper Johnのコメント 
北京市衛生局の毛羽副局長は、同市の肺がん発症率は過去10年間で6割近く増加、がん患者の5人に1人が肺がん患者だと明らかにしました。また、35歳以上の発症率が高まっていて、男女比は172対100となっています。
肺がん発症率、10年間で6割増―北京市

毛副局長はまた、肺がんの9割以上は喫煙または受動喫煙によるものだとしつつ、大気汚染や室内空気汚染、調理時の油煙なども肺がんを誘発する要因なので注意が必要だと喚起しています。

甘粛省気象局の張書余局長によると、同省肺がんの発病率は全国で最も多く、特に都市部は農村部を約20%上回っています。肺がんの主因のひとつに大気汚染が挙げられ、特に都市部ではヒートアイランド現象により汚染された空気が還流しているため汚染度合いが高いとのこと。
肺がんの発病率が中国トップに、大気汚染が原因か―甘粛省

PM2.5とは、直径が2.5マイクロメートル以下の超微粒子で大気汚染観測の基準です。現在中国各都市で大気汚染がぜんそくや気管支炎、そして肺がんの原因になると考えられています。

広州市の気象専門家・呉兌氏は、PM2.5の汚染が深刻化してから肺がんの発生率が高まるまで7〜8年の時間差があると指摘、今後タバコに替わり、PM2.5が肺がん発生の主要要因になるとしています。
タバコよりも大気汚染被害が深刻に=将来は肺がんの主要因

ところが、このPM2.5は昨年まで発表されていませんでした。このため、在北京の米国大使館は独自にPM2.5の数値を観測し、その結果を公表しています。

11年11月、環境保護部は大気汚染の評価基準を定めた「環境空気品質標準」について、新たに粒子状物質PM2.5とオゾン 濃度を大気汚染評価の対象に追加しました。PM2.5の濃度上 限、オゾンの8時間平均濃度を追加し、データの記述方法や毎日データを公表することも盛り込まれました。
中国が大気汚染基準を改正、粒子状物質を追加へ、16年に実施

このような大気汚染基準の制定の動きに合わせ、全国の主要都市で大気汚染対策が進みつつあります。北京市の環境保護局は12年1月に、PM2.5の観測データを初めて公表、最高値は1月20日日午後1時の大気1立方メートル当たり62マイクログラムでした。ただ、政府はPM2.5の環境基準を策定中のため、数値の評価は行っていません。
大気汚染物質の数値初公表 北京、春節の花火自粛も

ただ、日本の環境省が02-04年に実施した大規模疫学調査では、PM2.5が1.0立方メートル当り10.0マイクログラム上昇すると、ぜんそくや肺炎などの呼吸器疾患による死亡率が1.0%程度増加すると指摘しています。
環境マップと大気汚染

今日のニュースでは、2012年中に北京市、上海市、江蘇省南京市など全国の重点都市20カ所以上でPM2.5とオゾン濃度を含む大気汚染物質の観測を始め、15年までに全国338都市に観測範囲を拡大させ、その市場規模が100億元に達すると伝えています。

具体的には、『4ステップ』に分けて観測を拡大します。まず、2012年に「京津冀経済圏」、長江デルタ、珠江デルタなどの重点地域や直轄都市、各省都所在地でPM2.5とオゾンのモニタリングを開始、2013年に113の環境保護重点都市と環境保護模範都市でモニタリングを開始、2015年に全ての地方級都市でモニタリング開始、2016年までに全面的な実施を目指します。
PM2.5モニタリングで市場に100億元の利益

中国における大気汚染の観測や汚染物質除去の100億元市場(約1200億円)に参入するのは中国企業だけでなく、外資企業にもチャンスがありそうです。また、正確なPM2.5のデータを公表し続けることで、地元住民の気管系疾患を減少させ、健康の増進が望まれます。


john1984jpn at 00:08|PermalinkComments(0)TrackBack(0)この記事をクリップ!中国の環境問題 | 環境対策

2012年02月06日

No. 1643 世界のオークション界に殴り込みをかける中国

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■ テーマ: 【No. 1643 世界のオークション界に殴り込みをかける中国】

■ 今日のニュース:世界のオークション界に殴り込みをかける中国

・18世紀以来世界の美術品や骨とう品のオークションをけん引してきたサザビーズとクリスティーズだが、この10年余りの間に、中国のオークション会社が新しいライバルとして登場した。
・フランスオークション委員会のデータによると、世界のオークション会社トップ20社中、半数が中国の企業で、うち5社がトップ10に入る。
・6年前までポーリーインターナショナルオークション(北京保利国際拍売有限公司)は存在しなかったが、現在は中国最大かつ世界3位のオークション会社にまで成長している。チャイナ・ガーディアン・オークションズ(中国嘉徳国際拍売有限公司)も開業は93年だが、現在は世界4位となっている。
・中国の億万長者が自国の遺産を求めるのに伴って、中国の美術品市場は過去5年で一気に成長した。多くの人がピカソやアンディ・ウォーホルの作品を購入できるほどの大金で中国画を求めるようになり、最も売れる画家の地位は2011年に中国画家の張大千と斉白石に取って代わられた。
・しかし、このような業界の急速な成長には不当な行為という負の側面ももたらされる。出品者や画家本人が値段をつり上げるために高額で入札したり、売り出された絵が贋作(がんさく)だったということもある。
・代金の未払いや遅延も問題になっている。2011年4月末までで、2010年秋季の落札額1000万元(約1億2000万円)以上のオークション品の5分の2が支払完了していない。

■ 戦略ポイント: 中国による美術品買戻しは、民族の誇りを取り戻す象徴的な行動だ

■ Skipper Johnのコメント 
サザビーズ香港アジア地区の程寿康CEOによると、サザビーズがアジアでオークションを開催するようになってから30 年、これまでは香港の収集家が主力を占めていたものの、中国本土の収集家がサザビーズで落札した合計額がアジア地区全体に占める割合は、2006年の15%から現在は50%にまで上昇し、サザビーズにとって香港はニューヨーク、ロンドンに次ぐ世界第3の重要拠点になったと表明しています。
サザビーズの香港オークション、中国本土の収集家が最大勢力に

オークション大手のクリスティーズによれば、2011年の香港における落札総額は過去最高となる704億円で、前年比25%増加しました。また、サザビーズの香港における落札総額はここ2年間うなぎのぼりで、11年は400億円近くになっています。特に20世紀中国美術の伸びが大きく、落札者の大部分は中国人の収集家や投資家とのこと。
伸びる中国アートの落札額

英国や香港だけではなく、銀座や日本橋に店を構える古美術商でも、数年前から中国人の姿が増加しています。目的は日本に流れた中国古美術の買い戻しで、戦前からバブル期までの長い間、日本にも多くの中国の古美術が集められていて、それを求めるためです。
中国で「美術品収集」が過熱

また、中国の代表的なオークション会社・北京芸融の11年秋のオークションでは、中国の有名画家・呉冠中の「長江万里図」の特別オークションが出品されました。8000万元(約9億6000万円)から始まったオークションは、1億3000万元(約15億6000万円)で落札、手数料を含めると総額1億5000万元(約18億円)になりました。
11年の中国財政収入、法人税好調で24%増 初の10兆元台

このように、中国のオークション会社も大きく伸びています。今日のニュースでは、世界のオークション会社トップ20社中、半数が中国の企業で、うち5社がトップ10に入ると伝えています。ポーリーインターナショナルオークション(北京保利国際拍売有限公司)は中国最大かつ世界3位のオークション会社に成長、チャイナ・ガーディアン・オークションズ(中国嘉徳国際拍売有限公司)は世界4位となりました。

2010年には、英オークションに清朝・乾隆帝時代(18世紀)の磁器の花瓶が出品され、4300万ポンド(当時約56億円)を超える価格で落札、手数料や税金を含めると落札者が支払う金額は5300万ポンドに達しました。これは当時中国美術品史上最高価格と言われました。

このオークションの後半になると、参加者はほぼ全員が中国人でした。中国の美術品はアヘン戦争前後に大量に海外へ流出した歴史があります。今回の花瓶がこれほどの高値で落札された背景には、流出した美術品を取り戻そうとする中国人の「愛国主義」があると言われています。
英のオークション、清代花瓶に中国人が大挙して応札!流出美術品取り戻す愛国心から?

このような、愛国的ともとらえられる中国人による中国美術の買い戻しの一因として考えられるのが、中国政府が2011年1月に打ち出した不動産価格の抑制政策です。購入から5年以内の転売による所得に対する税徴収など、投機目的での土地購入が控えられ、資産運用の矛先が美術品に向いているのではないかと考えられています。
中国で「美術品収集」が過熱(2)

米国・ニューヨークのメトロポリタン美術館の展示品は、キラ星のような世界の名品ばかりで圧倒されます。これは、第一次世界大戦以降、米国が英国に取って代わって世界経済をリードしていく過程で、富の蓄積と共に世界中の美術品を米国に集めた結果です。

アヘン戦争以降、長い期間中国から多くの美術品が海外に流出しました。中国がGDP世界第二位となった今、民族の誇りを取り戻す意味でもいにしえの美術品を買い戻す気持ちは痛いほど理解できます。

美術品は市場価格の変動が大きく、ブームが過ぎると価格が下落することもあります。ただ、現在の中国による中国美術品の買戻しは、投資や投機という目的とは違い、民族の誇りに関わることなので、市場の変動にかかわらずまだしばらく続きます。


john1984jpn at 00:08|PermalinkComments(0)TrackBack(0)この記事をクリップ!中国社会 | 中国ビジネス

2012年02月05日

No. 1642 中国の商品に含まれる税金は日本の3倍以上、国内消費をはばむ元凶に

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■ テーマ: 【No. 1642 中国の商品に含まれる税金は日本の3倍以上、国内消費をはばむ元凶に】

■ 今日のニュース:中国の商品に含まれる税金は日本の3倍以上、国内消費をはばむ元凶に

・世界高級品協会によると、今年の春節(今年は1月23日)期間中に中国人が海外で消費した総額は72億ドル(約5480億円)、国内消費の4倍以上に上った。内需拡大を促進したい中国にとっては何としても改善したい現象だが、そこには中国国内で同じ物を買っても「税金が高すぎる」という問題がある。
・例えば、スイス製の輸入腕時計を中国国内で買った場合、商品の値段2700元(約3万2000円)に17%の増値税(付加価値税)、30%の消費税、11%の関税が加算される。中国の学者が米中の物価を比較した結果、中国から米国に輸出した商品の値段は、同じような商品を中国で買うより50%も安いことも分かっている。
・増値税、消費税、営業税などの「間接税」がモノの値段をつり上げる元凶となっている。中国で売られている商品に含まれる税金は他のどの先進国よりも高く、米国の4.17倍、日本の3.76倍、欧州連合(EU)15カ国の2.33倍。こうした税金を低く抑えれば、モノの値段も下がり、国内消費が増えるのではないだろうか。

■ 戦略ポイント: 増値税を減税し、かつ同税収入の国税分を地方税に回せば地方が活性化する

■ Skipper Johnのコメント 
中国の11年の財政収入が10兆元(約120兆円)を突破し、前年比24.8%増の10兆3740億元(約124兆4880億円)で過去最高を記録しました。中国の財政支出は10兆8930億元(約130兆7160億円)で、21.2%増加しました。
財政収入が初めて10兆元を突破、過去最高を記録―中国

2011年の10兆元を超える財政収入のうち、8兆9720億元は税収で、10年と比べて22.6%増加しました。11年9月から個人所得税の課税最低限の月収を従来の2000元から3500元に引き上げ、所得が少ない人の税負担を減らす方針を打ち出しました。それでも賃上げなどで個人の収入が全般に拡大していることから、通年の個人所得税は25.2%増でした。
11年の中国財政収入、法人税好調で24%増 初の10兆元台

上記ニュースではまた、11年の全国財政支出のうち、住居関連の支出が60.8%増えたとしています。これは不動産価格の高騰に対応して低所得者向けの住宅を1000万戸建設する計画をスタートした影響です。また、医療関連が32.5%増となるなど、社会保障に絡む支出も膨らんでいます。

2010年のデータですが、中国の税収のメインは増値税、消費税、営業税という商品やサービスを購入したときに支払う税金が51%を占めていますが、企業所得税(日本の法人所得税に相当)と個人所得税を足した割合はわずか25%となっていました。

2011年の企業所得税は30.5%増となりましたが、上記のとおりそもそも企業や個人の所得は申告が必要であり所得の把握が難しいのが実態です。徴収しにくい所得税より、商品やサービスの売り上げ時に一定比率で課税するほうが徴収しやすく、処理が簡単です。このような実務優先の考えから、中国の税収の半分が商品やサービスを購入したときに徴収されています。

今日のニュースでは、中国の増値税、消費税、営業税などの「間接税」がモノの値段をつり上げていて、中国で売られている商品に含まれる間接税は他のどの先進国よりも高く、米国の4.17倍、日本の3.76倍、欧州連合(EU)15カ国の2.33倍になっていて、こうした税金を低く抑えれば、モノの値段も下がり、国内消費が増えるのではとしています。

例えば、中国の増値税は日本の消費税に近く、モノの消費に対して税率17%を内税で課税しています。内税なので、中国の消費者は増値税をあまり意識することなく買い物をしていますが、日本の消費税はまだ5%ですし、米国でも10%を越えるセールスタックスを採用している州はまず無いので、相当高い間接税利率になっています。

従って、中国国内消費の拡大という観点では、増値税率を下げると物価が下がり内需を刺激して経済効果が上がるでしょう。しかし、税収という観点では増値税は税収全体の3割ほどを占めていて、増値税の税率低下は税収減に大きく響きます。

また、この増値税は共通税で、国家税務局が徴税し中央政府75%・地方政府25%に増値税収が分配されます。

税収の国税と地方税の比率は、1994年の朱容基時代に国税側へ有利な税制改革(中国では「分税(fen1 shui4)」)を行なってから、地方政府にとって地方税が思うように入ってこない状況となりました。

このため、地方発展のためのお金が足りなくなった地方政府は、農地を宅地や商業地に転換させることで借地権を売却してより多くの収入を得ようとし、不動産価格高騰の一要因となったことは記憶に新しいところです。ただ、11年秋ごろから、長江デルタ、珠江デルタ、環渤海湾の3大重点観測地点で見ても、商業用地、宅地、工業用地の前四半期比での値上がり率がいずれも低下し始めています。

例えば、中国全体の消費を促進し内需を拡大するため、17%もある増値税を10%に引き下げ、減収分は今まで国税の取り分だったところで引き下げ分を負担し、増値税の税収分配比率を中央政府50%・地方政府50%くらいにまで変更すると、地方政府は税収が増え、消費も促進されます。

また、中国のほかの間接税である消費税や営業税は全て国税収入となっています。このように、間接税のほとんどが中央政府に吸い上げられている現状では、地方の消費分の還元を地方政府が受けられない不公平な税制となっています。



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2012年02月04日

No. 1641 中国100都市の住宅価格、5カ月連続で前月比下落

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■ テーマ: 【No. 1641 中国100都市の住宅価格、5カ月連続で前月比下落】

■ 今日のニュース:中国100都市の住宅価格、5カ月連続で前月比下落

・中国不動産指数系統の調査によると、国内100都市の2012年1月住宅平均価格は1平方メートル当たり8793元、前月比0.18%下落した。100都市の住宅価格はこれで5カ月連続マイナスとなった。
・100都市のうち、前月比で価格が上昇したのは39都市、下落は60都市、横ばいは1都市。100都市の住宅価格中央値は1平方メートル当たり5800元、同0.43%下落。
・100都市の住宅平均価格の前年同期比上昇幅は、2011年8月から縮小し続けている。2012年1月は前年同期比1.71%上昇、上昇幅は前月比1.16ポイント低下。
・100都市のうち、北京、上海、広州、深センなど十大都市の住宅平均価格は前年同期比0.62%下落、前年同期比で下落したのは、2010年6月以来初めて。  
・2012年1月、住宅平均価格が前年同期比で下落した都市は22都市、下落した都市は前月に比べ2都市増えた。下落した都市のうち、蕪湖の下落幅は5.68%、寧波、重慶(主要市街区域)、無錫など16都市の下落幅は1%から5%。

■ 戦略ポイント: 中国の住宅価格は下落傾向だが、日本のようには下げない

■ Skipper Johnのコメント 
温家宝総理は、投機や投資目的の住宅購入意欲を冷やすため、政府は引き続き不動産市場抑政策を「厳密に実行し、徐々に改善していく」とし、中国政府が住宅価格の下落を望んでいると明らかにしました。
中国政府、住宅価格の下落が望ましいと認識=温家宝首相

今日のニュースでは、国内100都市の2012年1月住宅平均価格は1平方メートル当たり8793元、前月比0.18%下落、100都市の住宅価格はこれで5カ月連続マイナスだったと伝えています。

別のニュースでは、100都市の住宅価格の前年同期比上昇幅は、11年8月から縮小し、12年1月は前月比1.16ポイント低い1.71%上昇しました。そのうち北京、上海、広州、深センなどの10都市の住宅平均価格は前年同期比0.62%下がり、10年6月以来初の下落でした。
無料中国100都市の住宅価格、5カ月連続下落

1月の住宅平均価格を都市別に見ると、深センと重慶は小幅に上昇しています。また、武漢と広州が大きい下げ幅でした。ただ、前年同期比では、重慶が4.06%と大幅下落しました。デベロッパーの開発は減退しつつあります。在庫が増え続けていて需給調整は依然微妙な状態で、多くのデベロッパーが値下げしています。
不動産平均価格5カ月連続で下落、デベロッパーは開発に消極的

IMFの報告では、中国は不動産価格下落のリスクに直面していると指摘しています。清華大学教授で中央銀行通貨政策委員会の李稲葵委員は少し楽観的で、今後2―3年は不動産価格の上昇はないものの、下落幅が15%以上になることもないとしています。今後の不動産市場の味方は分かれますが、これ以上上昇しないという点は一致しています。
中国の不動産不況は2年にわたって継続する可能性(2)

中国の地価も、不動産価格と同様に上昇幅が小さくなっています。国土資源部土地利用管理局の全国都市地価動態監査測定システムの最新データによると、2011年第4四半期の全国の地価は、商業用地、宅地、工業用地でいずれも前四半期比上昇率が3四半期連続で低下しました。
中国地価値上がりは3四半期連続で減速、宅地は前期比ゼロ

2012年の不動産価格について、中国科学院予測科学研究センターは特に商業不動産の価格が続騰し難く、下落期に入る見通しです。不動産投資額は前年比21.1%増となり、伸び率は11年を8.4%下回ると予想。また全国の販売面積は前年比で3.2%程度増加、住宅平均は前年比で5.3%程度下落する見込みで、第1四半期の下落幅が最も大きいと見ています。
中国平均住宅価格、今年は5.3%下落か 科学院予測

中国では、不動産開発に関連する投資が固定資産投資の約2割を占めると言われ、住宅価格の下落で不動産投資に一段とブレーキがかかれば、景気全体に及ぼす影響も大きくなると心配されています。

不動産市場の活性化について、「もはや投機資金を流入させるしかない」という指摘もあります。しかし各都市でのマンションの購入規制が2012年は続くと考えられ、市場はさらに低迷するだろうとの見方もあります。また、地方政府が財政の多くを土地使用権の販売に頼る構造自体が「そろそろ限界だ」との意見も出ています。
中国:不動産価格が下落、転換迫られる「土地頼みの財政」

今まで、地方政府の少ない財源を補うものとして、農地を商業地や宅地に転用する際の土地使用権売却収入が莫大になっています。しかし今後使用権売却収入が見込めなくなると、「土地」に変わる財源として考えられるものは地方債です。

ただし、現在地方債はまだ制限的な発行を許されているのみで、際限のない発行には慎重な検討が必要です。今後中央政府が、地方政府の「格付け」に乗り出すとの予想もあります。

国家統計局によると、2011年末時点での都市人口と農村人口はそれぞれ6億9079万人と6億5656万人に達し、都市人口が初めて農村人口を超えました。戸籍保持者の3割程度は臨時戸籍の取得などで都市部に居住していて、都市人口が増加しています。
中国の都市人口、初めて農村人口を超える

農村からの人口流入が加速して都市部の人口が急増しています。これに伴い、都市部近郊で急激な住宅需要が高まりつつあり、現在でも価格が下がれば、すぐに買い手が付く状況でもあります。住宅を買いたいという潜在需要は日本では想像できないほど高いのが実情です。

中国の住宅価格がどう変化するかは、さまざまな要因が複雑に絡み合っているので簡単には予測できません。日本人の多くが「中国の不動産バブルがはじけて、価格が急落する。」と予想していますが、この予想はあまり当たらないでしょう。中国の不動産価格は、買い手も依然として多いので一本調子で下げるということはまだありません。


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2012年02月03日

No. 1640 肥満人口3.25億人、児童の5人に1人が「太り気味」=中国

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■ テーマ: 【No. 1640 肥満人口3.25億人、児童の5人に1人が「太り気味」=中国】

■ 今日のニュース:肥満人口3.25億人、児童の5人に1人が「太り気味」=中国

・中国では肥満人口が急増している。1982年には全人口の7%が「体重オーバー」と見なされていたが、2006年には15%まで増加。現在は、成人の4人に1人が肥満体とみられている。
・2010年には中国の肥満人口は3.25億人に達したとのリポートが提出された。肥満人口の増加率は米国や英国、オーストラリアを上回って、20年以内に現在の2倍になるという。
・肥満児童は過去15年で29倍になった。7歳以下ではおよそ5人に1人が体重オーバー、7%が明らかな肥満児童とされる。ヨーロッパ諸国をはるかに上回る比率だ。   
・一方では、過剰なダイエットが社会問題になっている。「併痩族」と呼ばれ、「とにかくやせたい」という一念で、健康を損ねる者までいる。   
・中国青年報社会調査センターが2011年に実施したアンケートによると、回答者の73.5%が「自分の周囲に併痩族がいる」と答えた。女性の34.9%は断食、嘔吐ダイエット、サプリメントの大量服用など、極端なダイエット方法を試したことがあると回答した。

■ 戦略ポイント: 中国のダイエット産業には外資参入の余地あり

■ Skipper Johnのコメント 
中国において、肥満が疾患の主な原因といわれる高血圧患者が約1億6000万人、糖尿病患者は約9000万人いるとのこと。また、標準体重を超えている人は全成年の 22.8%にあたる約2億人、肥満人口も7.1%にあたる約6000万人に達したと伝えています。
標準体重を超えている人は2億人、全成年の22%―中国

今日のニュースでは、2010年には中国の肥満人口は3.25億人に達し、肥満人口の増加率は米国や英国、オーストラリアを上回って、20年以内に現在の2倍になったと伝えています。また、肥満児童は過去15年で29倍となり、7歳以下ではおよそ5人に1人が体重オーバー、7%が明らかな肥満児童です。

また上海交通大学医学部の調査によると、上海の学齢児童の過体重率は、13.3%。肥満率は6.5%で、国際肥満会議(IOTF)とWHOの報告による世界の過体重率の平均は10%、肥満率は約3%とされていることから、上海の学齢児童の体重世界的な水準を超えているとしています。
【中国時報】上海児童の肥満、世界水準超える

新疆医学会の専門家によると、小児糖尿病は毎年5%のペースで増加しているそうです。別の専門家は高血糖や栄養過剰状態の妊婦から生まれた体重4キログラム以上の「ビッグベビー」の出現率も年々上昇していて、将来的は肥満や糖尿病リスクを抱えているとのこと。
8歳で脂肪肝、13歳で糖尿病―中国で「ぜいたく病」が深刻化

確かに上海でも子供の肥満が目立ちます。これは、主に子供たちの祖父母の世代が「子供はたくさん食べて太っているくらいが健康で良い。」という固定概念にとらわれ、幼少時からとにかく食べさせるという事情があります。

また、安全上の理由から、上海では日本のように子供同士が公園で友達と一緒に遊ぶという光景はあまりみかけません。子供が運動して体力をつけるということに関しては、中国では日本に比べて社会的な関心が低いように感じられます。

食生活では、食用油を多用したおかずに、甘い炭酸飲料を多く摂取することが常態化しています。その結果子供たちはカロリー摂取多寡となり、肥満の大きな原因になっています。これはアメリカだけでなく、シンガポールや香港でも食生活が原因となって子供の肥満化を起こしやすくなっていますが、同様の現象が中国でも発生しています。

食生活が児童肥満の原因であるということは、親や保護者が子供に食べさせる食品を吟味して与えるよう、改めて周知する必要もあります。

さて、ユーロモニター・インターナショナルのデータによると、08年の中国におけるダイエット関連商品の売上高は前年比10%増の60億元(約770億円)に達したとのこと。また同社は、向こう5年間でダイエット関連商品の市場は平均6%ずつ増えていくと予想しています。
標準体重を超えている人は2億人、全成年の22%―中国

また上記ニュースでは、減肥茶から緑豆まで各種ダイエット食品の売り上げが急上昇、スポーツジムも急増し、鍼やカッピング(吸い玉)療法などで減量しようと漢方医院へ足を運ぶ人々も増えてきたともしています。

今日のニュースでも、女性の34.9%が断食、嘔吐ダイエット、サプリメントの大量服用など、極端なダイエット方法を試したことがあるという調査結果を伝えています。

肥満は一種のコンプレックスで、健康とも密接に関連するものです。このコンプレックスを解消するためにそれなりのお金を使うことは惜しくありません。同様のコンプレックスは容姿、髪の毛、学歴などがあり、それぞれにビジネス・チャンスがあります。

外資企業は整形外科などの医療行為や、中国人に対する教育を目的とする学校事業への参入はかなり厳しいものがあります。しかしながら、ダイエットやスポーツジム、かつらなどの分野は外資でも参入が比較的容易です。

このような分野に、価格が手ごろで、清潔で、なおかつ細かい気配りをするサービスを提供することができたら、中国の富裕層だけではなく中産階級のお客様まで取り込める可能性があります。

john1984jpn at 00:08|PermalinkComments(0)TrackBack(0)この記事をクリップ!中国社会 | 安全性(衣食住)

2012年02月02日

No. 1639 2011年中国ネット業界成長率ランキング、第三者決済サービスが最高

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■ テーマ: 【No. 1639 2011年中国ネット業界成長率ランキング、第三者決済サービスが最高】

■ 今日のニュース:2011年中国ネット業界成長率ランキング、第三者決済サービスが最高

◆第三者決済サービスの市場規模が2兆2038億元に、前年比118.1%増
◆オンライン動画の市場規模が62億7000万元に、前年比99.9%増
◆モバイルネットの市場規模が393億1000万元に、前年比97.5%増
◆検索エンジンの市場規模が187億8000万元、前年比70.2%増
◆ネットショッピングの市場規模が7735億6000万元に、前年比67.8%増
◆オンライン旅行サービスの市場規模が1672億9000万元に、前年比61.3%増
◆ネット広告の市場規模が511億9000万元に、前年比57.3%増
◆ECの市場規模が7兆元に、前年比46.4%増
◆中小企業B2B取引額が3兆4000億元に、前年比35.7%増
◆オンラインゲーム市場の規模が413億8000万元に、前年比17.5%増

■ 戦略ポイント: 中国のECやネット広告が急拡大、C2Cはモバイル対応が鍵に

■ Skipper Johnのコメント (今日はニュースの抜粋です。)

◆ 第三者決済サービスの市場規模が2兆2038億元に、前年比118.1%増
アリペイ(支付宝)は49.0%の市場シェアで1位、テンペイ(財付通)は20.4%で2位、3位が銀聯在線(8.4%)、4位は快銭(7.5%)、5位が匯付天下(7.4%)です。
2011年末までに、第三者決済企業101社が決済業務の許可を取得しました。これは11年の大きな動きでした。

◆オンライン動画の市場規模が62億7000万元に、前年比99.9%増
艾瑞コンサルティングは、「今後長期に渡り、広告と版権が依然として、オンライン動画の主な収入源となる」と分析しています。著作権取得に関わるコストが増加しており、業界全体が赤字体質です。
12年は、バラエティー番組放送の制限とドラマ放送中のCMの禁止により、テレビCMからオンライン動画CMに移行する可能性があり、12年の収入は101.5%増の見込みです。

◆モバイルネットの市場規模が393億1000万元に、前年比97.5%増
うちモバイルECの規模は、モバイル市場全体に占める比率が30.5%に上昇し、モバイル付加価値サービスに次ぐ第2の市場になりました。
またモバイルネットはクラウドコンピューティングの時代を迎え、大手各社とモバイルキャリアがクラウドコンピューティングサービスを展開しつつあります。

◆検索エンジンの市場規模が187億8000万元、前年比70.2%増
最大手の百度のシェアは2011年、市場シェアを前年比4.4ポイント増の76.1%です。グーグルは6ポイント減の19.8%、捜狗と捜捜はそれぞれ2.3%、1.4%でした。
検索エンジンは、2011年のネット広告の成長率(57.3%)を大きく上回る70%の成長を見せました。今後5年間 40%以上の成長率を持続すると見られています。
主な要因として、ECサイト、共同購入サイトなどの企業が検索広告への投資を大幅に増加している点が挙げられます。

◆ネットショッピングの市場規模が7735億6000万元に、前年比67.8%増
ネットショッピングの取引額が小売総額に占める比率は4.3%です。(2010年は2.9%)。ネットショッピングの利用者数は1億8700万人でした。
うち、C2C(一般消費者間取引)は76.8%の5944億5000万元(約7兆1335億円)、B2Cは23.2%の1791億1000万元(約2兆1500億円)。
B2C市場のうち、プラットフォーム型B2C取引額が955億元(約1兆1460億円)に達し、同市場全体の53.3%を占め自社販売型B2Cを上回りました。

◆オンライン旅行サービスの市場規模が1672億9000万元に、前年比61.3%増
オンライン予約市場の第三者オンライン代理店の売上高は90億5000万元(約1086億円)に達し、前年比33.9%増でした。
2011年の中国オンライン旅行予約市場のうち、ホテルの占める比率が45.2%、航空券が40.8%、レジャー及びその他の市場が14.0%でした。2010年と比較してホテルの比率が上昇し、航空券が3.4ポイント減少し、レジャー等が2.5ポイント増加しました。

◆ネット広告の市場規模が511億9000万元に、前年比57.3%増
うち、百度の広告収入が143億5600万元(約1723億円)で1位と、タオバオは87億9000万元(約1055億円)で2位、グーグル・チャイナは36億5000万元(約438億円)で3位でした。
新浪、捜狐、テンセント等のサイトによる広告収入は21−24億元(約252−288億円)でした。
検索エンジンの広告が依然として高度成長を維持しており、市場シェアは36.7%でした。
ECプラットフォーム広告の市場シェアは、10.8%から17.5%に上昇、動画サイト広告も2倍に成長し、市場シェアを7.1%としました。

◆ECの市場規模が7兆元に、前年比46.4%増
ECのうち、2011年のB2B(企業間取引)の取引額が86.6%を占め、前年比で1.7ポイント減でした。
ネットショッピングの取引額が占める比率は、2010年の10.4%から2011年の11.0%に上昇しました。B2Bはどの国でもECの中心であり続けています。

◆中小企業B2B取引額が3兆4000億元に、前年比35.7%増
B2B上位8サイトの営業収入が全体に占める比率は74.8%に達し、うちアリババが48.9%、環球資源が11.1%、慧聡網が3.5%、中国製造網が3.4%、敦煌網が3.3%となっています。

◆オンラインゲーム市場の規模が413億8000万元に、前年比17.5%増
うち、テンセントが168億7000万元(約2024億円)で1位、網易が66億3000万元(約795億円)で2位、盛大が52億8000万元(約633億円)で3位でした。
2010年以降、ソーシャル・ネットワーク、モバイルゲーム、微博(ウェイボー、中国版ツイッター)などの市場が拡大し、ネットユーザーの時間消費が多様化しています。艾瑞コンサルティングは、「オンラインゲームは依然として中国ネット業界の支柱産業の一つであるが、今後数年間でその成長率がさらに鈍化する見通しだ」としています。


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2012年02月01日

No. 1638 中国のギフト市場9.7兆円規模

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■ テーマ: 【No. 1638 中国のギフト市場9.7兆円規模】

■ 今日のニュース:中国のギフト市場9.7兆円規模、「高雅な賄賂」は今も健在

・中国語でギフトは「礼品(li3 pin3)」という。「社会秩序の具現化であり規範」である「礼」を、「品を贈る」ことで示すという考え方だ。「礼品」は歴史上、道義的には認められない贈収賄(ぞうしゅうわい)を見えなくするための「だれもが知っている裏技」として用いられるようにもなった。
・「礼品」による経済的結びつきを「債務経済」と表現する人もいる。いったん受け取った以上「借り」ができるので、「返済の責務」が生じる。「礼品」のやりとりはすでに、本来の「礼にもとづく交際」を示すものでなく、ギブ・アンド・テイクで「双方が互いに利益をもたらすための契約」となった。
・「礼品需要」の比重が大きい分野に、美術工芸品がある。製造や流通業者は、「礼品」になることを前提に商品を供給する。「礼品として歓迎されるかどうか」が、商売人として取り扱い商品を決める主眼となる。
・中国礼品産業研究院の張小鵬執行院長によると、中国の「ギフト用品需要」は、個人需要が5055億元(約6兆1191億円)、団体需要が2629億元(約3兆1824円)で、計7684億元(約9兆3000億円)としている。

■ 戦略ポイント: 送礼の文化は良いが、贈る側・贈られる側に節度と遵法精神が必要

■ Skipper Johnのコメント
世界ぜいたく品協会(WLA)によると、2011年末現在、中国ぜいたく品市場の年間消費額は126億ドルに上り(プライベートジェット、船舶、高級車の消費を除く)、世界全体の28%を占めています。これはもちろん世界一の消費額です。
中国はぜいたく品購買力世界NO.1

ブランド品は、もちろん購入者が自ら使用する場合もありますが、中国では贈答用にブランド品が購入されることが多くなっています。こちらのニュースは、ぜいたく品消費に関して、親戚や友人へのプレゼントとして購入するとした人が29%、ビジネスパートナーへの贈答用に購入するとした人が28%に上り、両者の合計が57%になると報じています。
中国人のぜいたく品消費 6割は贈答用

現在日本では、特に上場している企業において「コンプライアンス(法令遵守)」の動きが強くなってきました。ビジネスパートナーへの贈答や接待は事前に社内のチェックを受ける必要があり、内部でけん制がかかる制度になっています。

一般的に中国では、贈答品を送りあう文化が定着しています。春節では親戚などに食べ物やお酒を送りますし、端午節のちまきや中秋節の月餅を関係者に贈答することが当たり前になっています。高級ブランドを知人や家族に送ることで相手の喜ぶ顔を見ることが喜びであり、贈答できるというのは一種の社会的ステータスなのでしょう。

また、相手が喜ぶブランド品を送ることで便宜を図ってもらうよう依頼するような、ワイロ的な使い方もあります。お金よりモノのほうが送りやすいと考えられます。

今日のニュースでは、中国の「ギフト用品需要」は、個人需要が5055億元(約6兆1191億円)、団体需要が2629億元(約3兆1824円)で、計7684億元(約9兆3000億円)だと報じています。

中国の2011年の国内総生産(GDP)総額は47兆1564億元でしたので、GDPに占めるギフト需要は約1.6%になります。これはかなりのギフト市場規模だといえます。

さて、中国各地で、官僚に対して元旦や春節の年越しに際して、贈答品の受け取り禁止令がたびたび出ています。受け取る官僚側からすると、「実際に問題がない贈り物の場合、その場で受け取りを拒否すると相手の面子(メンツ)をつぶしてしまう」との気持ちが働き、その場で拒絶するのは難しいという意見もあります。実際には「後で返してもよい」と定める地方もあるとのこと。
官僚の贈答品受け取り禁止に「身分上、難しい」の声=中国

日本の習慣から見ると、「絶対受け取らない」というのが規範ですが、中国では問題の無い贈答品を拒否すると相手のメンツをつぶし、人間としての度量を問われるということです。これは文化や習慣が違うので一概に非難はできません。

中国の街角には「贈答品、買い取ります」の札がよくかかっています。酒、たばこ、冬虫夏草などを買い取る小さなお店です。高額の贈答品はこうした店や贈答品買い取りのウェブサイトで換金されるシステムになっています。このシステムにより、多くの「灰色収入」(違法かどうかグレーゾーンの収入)を生み出しています。
実は賄賂?高額のお歳暮を換金できる買い取り店が氾濫

また、贈答は税金と切っても切り離せない関係にあります。中国では企業の宣伝活動で個人に贈答品を送った場合、20%の源泉税を企業側が代理納付する必要があります。仮に、企業側が源泉税を代納していない場合、もらった個人は確定申告して個人所得税を納付しなければなりません。

しかし、このような納税の義務はあまり履行されておらず、贈答品の豪華さや奇抜さ、金額の多さが過度に進んでいるように見受けられます。中国に根付いている「礼品(li3 pin3)」の文化は素晴らしいものですが、贈る気持ちが高じて互いの利益を交換する手法や、贈収賄に発展しやすく、贈る側・贈られる側の双方に遵法精神が求められます。


john1984jpn at 00:08|PermalinkComments(0)TrackBack(0)この記事をクリップ!中国社会 | 中国経済