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■ テーマ: 【No. 1473 1−6月期の日中貿易、過去最高:赤字額は震災の影響で4.3倍に拡大】

■ 今日のニュース:1−6月期の日中貿易、過去最高:赤字額は震災の影響で4.3倍に拡大

・日本貿易振興機構(ジェトロ)は16日、2011年上半期(1−6月期)の日中貿易が前年同期比17.9%増の1,631億5,101万ドルと、上半期ベースで過去最高を記録したと発表した。
・東日本大震災の影響で輸出の伸びが鈍化したことから、貿易収支は日本側が67億4,568万ドルの赤字と、赤字額は前年同期比4.3倍に拡大した。
・輸出は前年同期比14.3%増の782億267万ドル。中国国内需要の拡大に加え、日米欧などに輸出する完成品生産に必要な設備機械・部品・原材料が増加。震災の影響で、自動車と部分品、非鉄金属が減少したことから伸び率は前年同期に比べ大幅に低下したものの、輸出額は上半期ベースで過去最高を記録した。
・輸入は同21.4%増の849億4,834万ドル。スマートフォンの需要拡大に伴って通信機が増加したほか、食料品の輸入も伸長した。また、震災後の電力不足・節電への対応や防災用品への需要拡大で、扇風機、発電機、電池などが急増し、輸入額も半期ベースで過去最高を記録した。

■ 戦略ポイント: 日中貿易は拡大中だが、ASEAN-中国に比してケコみすぎ

■ Skipper Johnのコメント
今日のニュースでは、2011年上半期(1−6月期)の日中貿易が前年同期比17.9%増の1,631億5,101万ドルと、上半期ベースで過去最高を記録したと伝えています。

東日本大震災の影響があり日中貿易も一時冷え込みましたが、心配していたより早く回復し過去最高のペースになったことは喜ばしいことです。

貿易額の伸びは主に中国からの輸入の伸びです。今日のニュースでも、輸入は前年比21.4%増の849億4,834万ドルで、スマートフォンの需要拡大に伴って通信機が増加したのと食料品の輸入の伸びが顕著だったと伝えています。

つまり日本市場の需要の伸びが貿易量の拡大の主要因ですが、中国から日本へ輸入するときには品目によって関税がかかっています。現在、日中両国間には自由貿易協定(FTA)はまだ締結されていません。

中国と東南アジア諸国連合(ASEAN)の自由貿易協定(FTA)は2010年1月に発効しました。関税が撤廃されているのはタイ、インドネシアなどASEANに先に加盟した6カ国と中国の間で貿易される品目で、対象は全貿易品目の約9割に達しています。ベトナムなど後発加盟の4カ国は段階的に関税を下げ2015年にゼロ関税となる予定です。
中国、ASEANのFTA発効 19億人の自由貿易圏始動

中国ASEANの自由貿易協定(FTA)により、人口規模で世界最大の約19億人の自由貿易圏となっていて、その規模が拡大しつつあります。また、自由貿易協定に先立って中国はASEANとの間での人民元を使った貿易決済を解禁していて、人民元経済圏も拡大中です。

中国−ASEANのFTAで関税が撤廃されさまざまな工業製品が関税の障壁なく取引されています。例えば、タイにある日系部品工場が中国にある系列組み立て工場に部品を輸出するのはほとんど関税がかかりません。

インドネシアやベトナムは一ヶ月の人件費がまだ150ドルくらいで、工場の移転や安い人件費による製造を通じて、中国の人件費の高騰を補い製品価格を抑えることも可能です。

国際労働機関(ILO)によれば、中国人労働者は2000年から2009年にかけて、年間平均12.6%の実質賃金が上昇。これに対してインドネシアは1.5%、タイはゼロ。中国人労働者の平均月給は約400ドルに達し、依然として台湾、マレーシアより大幅に低いものの、インドネシア人労働者の3倍、ベトナム人労働者の5倍とのこと。
[FT]高騰続く中国の人件費、生産拠点移転は早計2/3

インドネシア政府発表のデータによると、中国は日本とEUを追い抜き、ASEANの最大の貿易相手国となりました。ASEAN諸国と中国の貿易総額は、2010年に2300億ドル(約17兆5000億円)となり、うちASEAN諸国の中国に対する輸出高は、前年比39.1%増の1135億ドル(約8兆6000億円)です。ASEANの中国からの輸入高は、前年比21.8%増の1177億ドル(約8兆9000億円)でした。
中国が日本とEUを抜き、ASEANの最大の貿易相手国に

上記ニュースではロイターの報道を引用し、「ASEAN最大の貿易相手国は2008年まで日本であった。日本とASEAN諸国の貿易総額は、2008年に2117億ドル(約16兆円)に達した。中国は当時ASEANの第三の貿易相手国で、中国とASEANの貿易総額は1920億ドル(約14兆5000億ドル)であった。これはASEANの対外貿易全体の11%に相当する。」と伝えています。

昨年着任した丹羽宇一郎在中国日本大使は、日中のFTA締結を目標に掲げています。FTAを通じて中国とASEANの貿易総額が伸びたように、日中のFTA締結は相互の貿易量を増大させる効果が期待できます。