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■ テーマ: 【No. 1499 資生堂、年内にも中国でネット通販 低価格帯で中間層狙う】

■ 今日のニュース:資生堂、年内にも中国でネット通販 低価格帯で中間層狙う

・資生堂は年内にも中国でインターネットを使った通信販売を始める。日本円換算で1000円前後の低価格帯の商品を扱い、急増する中間所得層の購入を見込む。
中国では現地市場向けのオリジナルブランドを対象にネット通販を始める。世界展開しているブランド「SHISEIDO」などは高級百貨店で扱っている。ネット通販では利用者のすそ野が広い価格帯から取り組む。  
・ネット上で顧客の相談にのる「オンライン・カウンセリング」や、欲しい商品を使い化粧した後の顔が画像で確認できる「メーキャップ・シミュレーター」などの導入を検討する。  
・資生堂は80数カ国・地域で事業を展開する。2011年3月期の米国市場の売上高は876億円で、中国市場は810億円だった。中国はここ数年2桁の伸びを続けている。ネット通販をテコに海外売上高比率を早期に5割超(現在は43%)に引き上げる方針だ。

■ 戦略ポイント: ネット通販のターゲットや価格、販売戦略がどこまで機能するか注目

■ Skipper Johnのコメント
資生堂は明治5(1872)年、日本初の洋風調剤薬局として東京銀座に誕生しました。資生堂という名称は、中国の古典『易経』のなかの一節「至哉坤元 万物資生」に由来していて、この一文は「大地の徳はなんと素晴らしいものであろうか。すべてのものは、ここから生まれる」という意味だそうです。
資生堂ものがたり 「資生堂」の名に込められた思い

現在の資生堂は連結売上6,442億円(10年3月期)、従業員数3,573名(グループ従業員数 28,968名)、海外進出国・地域85カ国、海外生産拠点は11カ所です。資生堂が日本を代表する化粧品会社であることは言を待ちませんが、中国でもすでに30年以上販売を続けている老舗の日系企業です。
資生堂 会社概要

資生堂の福原義春名誉会長は1980年12月に北京を訪問し、中国第一軽工業局と提携契約を交わした後、1981年から資生堂の中国事業を正式にスタートしました。同社の中国での売上高は、2003年以降一貫して2ケタの年間成長率を維持していて、2010年には資生堂全体の売上高の約10%を占めているとのこと。
資生堂、中国事業30周年祝賀式典を北京で開催

こちらには資生堂の中国における売り上げ規模と本社内での売り上げ比率のグラフがあります。09年の中国売上げ推計値は訳700億円くらいとなっていて、中国内の販売店は5,000社あると紹介されています。
資生堂 グローバル戦略の先兵! 中国事業の「強さの秘密」

ところが、資生堂の中国事業は決して順風満帆ではありませんでした。80年代から90年代初頭までは日本からの化粧品を販売しようとしましたが軌道に乗らず、事業が伸びませんでした。94年に中国で開発した現地ブランド「オプレ(AUPRES)」を販売してから伸び始めました。

こちらのサイトでは資生堂が中国で成功した秘訣として、「1つは、独自マーケットの開拓であり、2つ目は現地化の徹底した経営方針と言われている。資生堂化粧品は、現地調達率が80%を超えて特殊なものを除き現地化を徹底して進めてきた。そして、現地化の最大のポイントは中国人社員の育成である。」と述べています。
中国での資生堂の成功の秘訣

日経ビジネスは、『資生堂の強みの1つは、専門店展開のノウハウにある。資生堂とチェーンストア契約を結んだ化粧品店に、商品だけでなく商品知識と美容法、店舗設計、マーケティング、店舗運営のノウハウを提供する仕組みだ。』、『専門店展開を始めるに当たり、中国の女性が何を化粧品専門店に求めているかを徹底的に調査・分析した。その結果、4つのストアコンセプトを設定した。「正規商品」「親近感」「誠意」「スキンケア専門家」だ。』と報じています。
中国市場を開拓〜高森 竜臣(資生堂 執行役員 中国事業部長)

こちらのインタビュー記事では資生堂(中国)の総経理の発言で、「オプレとウララは中国で開発し、生産して販売しているメイド・イン・チャイナの化粧品です。やはり中国の女性たちの肌質や肌の色、嗜好性に合わせた化粧品を作ったことが、多くの支持を得ることができた理由だと思います。」と紹介されています。中国現地の嗜好に合わせた商品開発と販売網構築、人材育成が成功の秘訣のようです。
資生堂(中国)投資有限公司 鎌田正志氏

こちらのニュースでは、資生堂が2013年度には中国での売上高を10年度の1.5倍の1000億円規模に引き上げること、また中国の化粧品市場で資生堂は仏ロレアルに次ぐ第2位で、推定シェアは1割程度だと伝えています。
資生堂、中国売上高を1.5倍に 3年後めど1000億円規模に

資生堂はまた、高級ヘアケアブランド「TSUBAKI(ツバキ)」を中国生産に切り替え、今年12月から中国市場で販売する予定です。「中国人の髪質や志向を研究した中国専用品」(末川久幸社長)として新たな市場を開拓します。
資生堂、中国売上高を1.5倍に 3年後めど1000億円規模に

今日のニュースでは、資生堂が中国で通信販売に進出、平均単価1000円くらいの低価格商品をネットを通じて販売、中間所得層の市場を拡大すると伝えています。

こちらのニュースでは、資生堂は日本や各国でもネット通販事業を立ち上げると伝えています。日本の資生堂は売り上げの25%が地方の専門店で、苦戦する専門店の共通の悩みは20代など若い顧客を新たに取り込む手段がないことです。主要ブランドをネット通販に乗せるためには、小売店側にもメリットのある仕組みを同時に展開する必要があります。
資生堂がネット事業、若者取り込みに危機感 専門店への配慮が不可欠

中国でも、以前は「いつかは高級なSHISEIDOブランドを買いたい」と思わせるような地方の販売店開拓が最重要課題でした。ところがドラッグストアが中国の地方都市にも広がり、10を超えるブランドを展開する資生堂としては低価格品の訴求が次第に難しくなっています。

主な原因は過当競争です。中国では米国、欧州、香港、韓国、日本などからさまざまな化粧品会社が多くのブランドを展開しています。まるでオリンピック競技のような熾烈な競争です。高いレベルで競争力を維持するために、価格帯や地域でブランドを分けてきましたが、各地の消費者が品質と価格をネットで簡単に比較するようになり、ブランド戦略が難しくなってきているという背景があります。

中国資生堂のネット通販がどこまで成功するかは、どのブランドのどういう商品ををどんな価格で展開するのか、ターゲットの設定が正しいのかに注目が集まります。