■ 【No. 1956 ユニオンペイ「銀聯カード」利用者、VISAに迫る勢い―米メディア

・中国の銀聯カード(ユニオンペイ)を使用できる国は135カ国に上る。カード発行枚数は2011年末の時点で29億枚。市場はVISAとマスターカードが2大巨頭として君臨しているが、銀聯の台頭が摩擦を引き起こしているという。
・銀聯の海外でのカード発行枚数はすでに1000万枚を超え、VISAやマスターカードと肩を並べているという。2012年上半期における銀聯カードの利用比率は11年上半期の20.9%から23.8%に上昇し、マスターカードを超えてVISAに迫る勢いとなっている。
・銀聯の2011年の収入額は60億元(約810億円)。利潤成長率は78%で10億7000万元(約144億4500万円)に達しており、2020年には中国は米国を上回る世界最大のクレジットカード市場になる可能性がある、とマスターカード側は指摘している。
・海外を訪れる中国人観光客は増加を続けているが、その大半が銀聯カードを持っている。所有しているカードは銀聯カードのみで「手続きが面倒なので、海外のカードは1枚も持っていない」という人も少なくないという。

■ 戦略ポイント: 銀聯カードの発行枚数は30億枚、利用率は23.8%、収入60億元

■ Skipper Johnのコメント
2012年第1四半期末(3月末)までに中国全土で発行された銀行カードは累計31億200万枚となりました。基本的に中国の銀行カードには銀聯がデフォルトでついていますので、ほぼ同数の銀聯カードが存在するということになります。
全国の銀行カード発行数が31億枚以上に

現在、世界における銀聯カードの取扱ネットワークは現在、125の国と地域に広がっています。銀聯カード取扱加盟店数は1000万店を超え、その中で海外の加盟店は700万店余りです。中国人がよく訪れるアジア太平洋地域では銀聯カード利用が広がっています。香港、マカオ、シンガポールでは基本的にほぼ全てのお店をカバー、台湾および東南アジア地域の国々では半数以上のお店で取扱可能です。
銀聯海外取扱加盟店数700万店超 海外でのご利用がさらに便利に

2012年の春節(旧正月)期間における銀聯カードの取引総額は前年比32%増の1029億元、海外での取引額は前年比39%増でした。大晦日から1週間の取引額は、デパート、スーパー、飲食店で全体の3割以上を占め、前年同期比ではデパートが33%増、スーパーが39%増、飲食店が16%増となりました。
春節期間、銀聯カード取引額が1029億元

こちらのニュースでは、2012年10月の国慶節8日間の大型連休期間中の銀聯カードの取引状況は、昨年比で取引総額が41%、海外での取引額は33%とそれぞれ増加したと伝えています。
中国の銀聯カード、海外決済額が大幅増

今日のニュースでは、中国の銀聯カードを使用できる国は135カ国に拡大、同カードの発行枚数は2011年末の時点で29億枚になったと伝えています。銀聯の海外でのカード発行枚数はすでに1000万枚を超え、VISAやマスターカードと肩を並べていいます。2012年上半期における銀聯カードの利用比率は11年上半期の20.9%から23.8%に上昇し、マスターカードを超えてVISAに迫る勢いです。

日本を訪れる中国人観光客も銀聯カードで買い物をします。こちらの調査では、中国人観光客1人あたりの日本における消費額は14万3885円でトップ、2位は香港・台湾です。また調査対象となった外国人観光客の消費総額は2929億8000万円で、そのうち中国人観光客の消費総額は682億円と、4分の1近くを占めています。
外国人観光客の日本での消費額、中国人が断トツ、1人平均では14万円

このように、訪日する中国人観光客は一人当たり平均で14万円を消費してくれるので、日本の観光地では中国人観光客をターゲットにする商売に拍車がかかっています。2011年2月10日付日本経済新聞の記事、「銀聯カード、取扱高2倍 平均決済日本人の3倍」では、中国の銀聯カードが日本において2010年一年間で計480億円決済され、前年度の2倍になったこと、銀聯を取り扱う店舗数は約4万店で前年の2.6倍になったこと、また銀聯カードの平均決済単価は3万円で日本人平均の約3倍であると伝えています。

また、銀聯カードは買い物をする時だけに利用するのではありません。日本のATMで日本円を引き出すこともできます。現在銀聯カードのATMでの日本円引き出しができる銀行は、ゆうちょ銀行、セブン銀行、三菱東京UFJ銀行、三井住友銀行です。銀聯カードがあれば中国人観光客でも日本の郵便局やセブンイレブンで日本円を引き出すことが可能です。
中国銀聯 ATM業務

銀聯カードがどうして海外で使われるようになっているかというと、中国では外貨の持ち出し規制があるからです。中国では、人民元5万元相当以上の外貨を中国から持ち出すことは禁じられています。とはいえ、この法律を知らない中国人も多いのですが、多くの外貨や人民元の現金を持ち歩くのはどうしても物騒です。

そこで海外でも銀聯カードが活躍します。銀聯カードはデビットカードなので銀行預金残高分の買い物を海外でも行うことができます。クレジットカードのような与信限度枠はありません。銀聯カードは外貨持ち出し規制に引っかからず、自分の中国内の銀行口座に残高さえあれば海外で好きなだけ買い物をしたり現金引き出しできるのです。

銀聯カード利用者が日本でカード利用する際の平均決済額は約3万円で、日本人のクレジットカード決済額の平均額の3倍も使ってくれます。

現在、日中関係が極端に冷え込んでいる関係で、中国からの観光客も大きく減っています。中国人の海外旅行目的地も日本から香港、台湾、韓国などへ一時的にシフトしています。国慶節期間中の海外の人気旅行先について、首位は香港で、次いでタイと韓国、シンガポール、台湾、マレーシア、インドネシア、モルディブ、米国、カンボジアが後に続いたと続きました。2011年のランキングでは、日本が4位でしたが2012年では10位圏外となり、最も順位を下げました。
中秋節・国慶節連休、本土外旅行先で香港が1番人気、日本は10位圏外に後退

しばらくは訪日する中国人観光客が少ない状況ですが、今までの歴史を見ても1年もしないうちに回復していくでしょう。今は、いずれ戻ってくる中国人観光客を見据えて準備する期間であると考えることも出来ます。

今までの統計から見ると、中国からの観光客のうち、初めて日本を訪れる人の比率は50%以上で、その目的地が東京、大阪、京都等に集中しています。日本観光庁は、「リピーターが増加すれば、北海道、東北、九州等も中国人観光客を集めることができる」としています。日本の地方の観光的魅力のアピールが必要です。
中国人観光客、日本での消費総額が1位に

中国人が買うおみやげに共通するキーワードは、「メイド・イン・ジャパン」です。街中のドラッグストアで中国人旅行者が大量の日用品を買い込んでいるのは、「肌に触れる物、口にする物は日本製が安心」ということのようです。製品のクオリティーだけでなく、高級品を購入するにあたっては、「日本で買えば、偽物をつかまされる心配がない」という中国ならではの事情もあります。お土産市場は日本の得意分野ですので、更に注力すべき分野です。
震災後に回復の兆し見せる中国人訪日旅行者 多様化する需要に挑め

訪日旅行の楽しみの一つ、「食事」についても、従来は「中国人は旅行先でも中華料理しか食べない。中国人に冷めた料理を出すのは失礼にあたるため、日本式のお弁当は避けたほうがよい」と言われていました。しかし、訪日中国人旅行者は日本の本場の味に対する興味は強く、中国では特に入手困難とされる、かに料理や神戸牛などの人気は高くなっています。B級グルメとして人気のラーメン、カレーライスなども、日本に来れば本場の味として好評です。このように、最近の観光では等身大・日常の日本を楽しみたい、という需要が増えています。以前の常識を捨てて、中国人観光客の声を聞いて変化に対応しなければなりません。
震災後に回復の兆し見せる中国人訪日旅行者 多様化する需要に挑め

中国国家観光局の張西龍駐日首席代表は、「日本の一部の旅行会社による費用ゼロツアー(ガイドがツアー客を観光地に連れて行かず、ショッピングにばかり連れて行く現象)に近いものがあり、中国国家観光局から日本側に意見した。また日本の多くのホテルでは中国語のテレビ番組が視聴できない、接待設備の老朽化といった問題の改善が待たれる。」と述べています。
2011年の訪日観光客数は急速に回復

日本の観光地でも、中国人観光客受け入れの質を上げる努力はまだまだできるはずです。


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銀聯とシティバンクが提携カード、法人向け付加サービスで差別化―中国

中国銀聯(チャイナユニオンペイ)とシティバンクの中国法人である花旗銀行(中国)銀聯ビジネスカードを共同で発行すると発表した。銀聯ビジネスカードは、主に企業顧客を対象とし、出張、会議、買い付けなどの日常ビジネス活動に、サービスとサポートを提供し、企業が支出を切り詰め、財務管理効率を高めることを手助けする。出張予約や緊急救援、交通情報などのサービスも提供する。

「ビジネストラベルカード」と「バイヤーカード」の2種類を用意し、それぞれビジネストラベルと日常調達・サプライチェーン管理に使う。保有者は、全国20都市以上の有名ホテルでの優待や意外傷害保険の保障など銀聯の各種サービスを受けられる。飲食やレンタカーなどの機能も段階的に加える方針だ。