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DPF-7002を借りてから2週間、興奮も冷めやらぬ内に東海さんとAZさんが来訪しました。そう、当自宅で初の複数人オフ会だったのです。

東海さん宅・AZさん宅と回り、今度は当方自宅だったわけで、丁度グライコの調整も落ちついて、DPF-7002も馴染んできた頃で、かなりGoodなタイミングで来て頂けることになりました。これなら何とか破綻せずに聴いてもらえるかも?と思える音になり始めていました。

でもそこは東海さん。


勿論手ぶらで来るハズがなく‥‥笑( ´∀`)つ
↑この言い回し、シリーズ化しようかなw


当BLOG初の国産高級機の到来となりました。

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到来したのは、なんとVICTOR XL-Z999!

そう、1996年に定価550,000円にて発売された、当時のVICTORのフラッグシップ機です。DAC20bitK2プロセッシング・トップローディング方式CDドライブメカなどを搭載した
ビクター入魂のCDPで、厚さ8mmのガラス製CDトップカバーが何とも言えない高級感。

重量なんてウチにあるどのAMPよりも重く(涙)、ブッチギリの重量感w

ボディ全体がアルミの押し出し成型材で出来ているオーディオ製品に初めて触れましたが、これだけで物凄く良い音がしそうです(・∀・)つ

自分がデザイン関係の仕事を嘱望している関係上、当たり前の様に格好悪いオーディオ機器はダメだ、、、とは思っていましたが、今まで高級機に触れる機会はありませんでした。
でも実際にこうして触れてみると、オーディオ・ファイルと呼ばれる御仁達が、音やデザインだけでなく、モノとしての作り・質感に拘る理由が少し分かった気がします。

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とにかくドコを叩いてもコツッコツッという、薄い鉄板にありがちな安っぽい音とは無縁の音がします。CDトレイのオープンは自動で、OPENボタンを押すと結構な重量がありそうなガラス製トレイが音も無く空きます。

かっこええ。。( ´_ゝ`)ノ

内部はCDの安定ドライブのためのクランプに載せるステンレス製の安定化スタビライザーが標準装備。サイズは様々ながら、CECでもオルフェウスでも、ハイエンド機は必ずこうしたスタビライザーが付いていますが(その究極はTEAC/ESOTERICのVREDSでしょうか)、この音への影響については賛否両論のようです。


今回はこのCDPを、単体CDPとして、またトランスポートとして、またDACとして、それぞれ比較してみました。

対決メニューは以下の通り。


単体CDP対決(VS ONKYO C-1VL/CEC CD3300R)

トランスポート対決(VS ONKYO C-1VL/CEC CD3300R)

DAC対決(VS KENWOOD DPF-7002改)




なお、XL-Z999もONKYO C-1VLも、全て東海さんが持ち込んで下さったもので、この日限りの豪華ゲスト陣によるかつて無い情報量の音が、1000に叩き込まれる事になりました。

単体CDP対決

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重ね置きが大変な事に、、、orz。特に最下段のROTELはボディのショボさが有名なので、少し心配でしたが(グシャらないか笑)、何とか持ちこたえてくれました。

比較対象は、我が家で使い古しつつあるCEC CD3300Rと、同じく東海さんが持ち込んで下さった、C-1VLです。


VICTOR XL-Z999
まず一聴して、案外大人しい音。普段聴いているCD3300Rの音に比べて(この場合7002をDACとして使わず、3300Rのアナログ出力から音出しした場合)、中域の大人しい鳴り方で、よく整えられている感じです。

煩わしさや喧しさを感じさせる帯域を意図的に押さえ込んだ様に感じる部分もありますが、それでもダンゴだったり分解能の低さとは無縁の、サラサラした繊細な美しさを感じさせる辺りは流石高級機。音楽のピークやクライマックスでも決して腰高になることなく、それでいて盛り上がりに欠けるような抑圧感も無く、安心して音楽にノレます。

低域は物量投資の成果が如実に現れている部分で、力感十分。量感が抑えつけられたようなところが無くて、どちらかと言うと太さを伴った力感のある低域が出ています。
現代のスピード感重視の低域とはちょっとニュアンスが違っていて、耳にシッカリ残る、かなりカッコイイマッチョな低域です。この辺は流石に価格帯の差を感じる部分でした><。

全体として、とてもしっかり聴きこんで作り込まれている音のようで、聴きやすく綺麗な音でした。これが『ビクタートーン』なるものなのか‥‥と現場に居合わせた一同納得^^。




ONKYO C-1VL
こちらは一気に現代的なトーン。シャッキリ・ハキハキしていて影になる部分が余り無くなり、全体的に(特に中高域で)音が若返ります。

積んでいるDACは流石に年数分の進化が大きく、
音の解像度・情報量ではXL-Z999を寄せ付けませんでした。
低域の力感は流石に物量の差か、999には及ばないものの、引き締まって音階が見えやすい、いわゆる現代的な”スピード感”を感じさせる出音になります。

ただ全体に、蛇口を全く絞らず水を出しまくった結果、少し乱れて軌道外にも水が飛んでいる感じがしなくも無い音で、若干煩わしさや聴き辛さを感じるシーンもありました。
ちょっと音が明るいんですね。
この少し明るくなるあたりが、デジタルアンプで復帰して以来のONKYOの特徴の一つでもあるように感じます。



C.E.C CD3300R
さぞかしガッカリするだろうな〜と思って繋いだところ、案外聴ける音でした。ノ( ̄0 ̄;)

煩わしいアヒルみたいな中高域&痩せ細った力士みたいな低域の安物サウンドになることを恐れていましたが、音出ししてみると案外重心の低い低域。。
音自体の雰囲気は、やっぱり発売年次の近さと積んでいるDACの世代の関係か、どちらかと言うとC-1VLに近いバランス。こちらも無理に絞ったり減らしたりしたような影がなく、出しっぱなし、みたいな印象を受ける出音です。

ただ勿論分解能はC-1VL程なく、高域方向にかけては伸び・分解能共に甘さがみられ、C-1VLで抱いた情報量蛇口全開!みたいなイメージはありません。
音の雰囲気は新しいのに、情報量は出きっていない感じです。
しかし、この高域の甘さが絶妙にサウンド全体の甘さに繋がっているように音作りされているようで、濃い中域は女性ボーカルなどの音の色気や”雰囲気”を良く出します。

オーディオ的に真面目に聴きこめば、価格なりの情報量・分解能の甘さが気になりますが、4万円でこれだけ音楽の”雰囲気”を腰高にならずに表現してくれれば、十分存在価値がありますね。(色々出力端子があって遊べますし^_^‥‥たとえよく故障しようともorz)



この比較、やっぱりDACの設計年次の差は隠し切れないな、、、と感じました。
それなら、新しければそれだけで魅力になるのか、、?と言われると、そうとも言えないのがオーディオの面白いところ。
情報量の多いC−1VLの方が現代的な音ではあっても、煩わしさや聴き辛さを嫌がる人や、美音を求める人、細かい音を聴かずに音楽にノリたい人などには、確実にZ999がダントツだと思います。

何より低域は物量投資が如実に現れる場面で、表現の違いはともかく、力感ではC-1VLもCD3300Rも全く寄せ付けないカッコ良さ。これだけで選んでもいいかもしれません。




トランスポート対決

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お次はトランスポートとしての対決。
相手はまたしてもC-1VL(トラポとしては東海リファレンス)、CD3300Rです。どれも同軸デジタルアウトを持っていたので、同じ電源ケーブルで同じコンセントから給電、同じデジタルケーブルにてDPF-7002改に接続して比較しました。


XL-Z999
トレイやモーターの振動を嫌って、共振に強い厚付きの8mグラストップローディング式のメカにステンレススタビライザーを採用した拘りのドライビング・メカ。

その音は、とっても落ち着いていて聴きやすく整えられた音でありながらも、単体CDPとして聴いた時に比べ、確かな伸びと解像度の強化が見られます。音はやっぱり丁寧に作りこまれた印象があり、特段聴きにくいところもにぎやかになるトコも無く、スムーズそのもの。低域はZ999のDAC部を使った時と比べ、少し角張った出音になります。
ちょっと意図的に中高域を絞っているような雰囲気もあり、解像度ダダ広がり、、、、と言う訳にはいかなくとも、重みと落ち着きのある、よく弁えた品のある音、、という印象でした。


C-1VL
これは流石の情報量で、CDPとして比較した時と同じく、蛇口全開感の強い解像度。その中でもほんの僅かに中高域に明るさを感じる部分が、やっぱり近年のONKYOトーン?
全体にピンと張った若いトーンながら、単体CDPとして使ったときよりも解像度が上がり音が解れているため、煩わしさが減っています。低域もキレと力感が素晴らしく、持ち前のスピード感とDPF-7002改の強化された中低域〜超低域が合さって、音楽が軽やかに鳴ります
これは東海さんが選び抜いたトラポだけあり、流石の解像度でした。



CD3300R
これはどうなるのかちょっと心配でしたが、ここでも意外に健闘。
低域は相変わらずそこまで軽くならずに、比較的低重心。ただC-1VL程くっきりとした引き締まりには遠く、少し丸く膨らんだ柔らか味のある低域で、そこにまたCECトーン?とでも言うべき、高域の丸まった、甘い響きが乗ります。

これもやっぱりオーディオ的に見れば解像度の低さと余韻の甘さ意外何者でもないのですが、そんなに悪い印象や安っぽさを感じさせないのはお見事。>『アナログ・トーン』を掲げるCECの音作りの一環なのかもしれません。



このトラポ比較で分かったのは、意外に単体CDPとして使用したときの音の特徴が色濃く出てくること、でした。メーカーはピックアップやデジタル基盤上のパーツなど、ある程度選べる範囲はありますが、そうしたパーツ以外にも、何かしらのノウハウで自分のメーカーの音を作っているのかもしれません。

この比較では、変えた直後は『なんか音が若返っちゃったな〜』と感じるものの、聴きなれると他2機種の音にキレが無くてイマイチ、ノレない‥‥という印象を強く残したC-1VLが特徴的でした。その意味ではやっぱり他と変えられないものがあるな‥‥‥と感じます。実際解像度は一番だったし^^。



DAC対決

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3番勝負・最後の決戦はXL-Z999対DPF-7002改。
20BitK2プロセッシングのハイエンド機20bit/8fs の DAC (Burr-Brown PCM1702)×8のフルチューニング機のDAC対決となります。

どちらも同軸入力で、C-1VLからのデジタル同軸出力で試聴しました。



XL-Z999

ここまで来ると大体どんな音が出るのか予測がつくようになっていましたが、案の定、綺麗なビクタートーンが出ました。( ´∀`)つ

よく練られた聴き易い音で、中域のキラキラ感がよく押さえられていて、厚めの低域のノリがいいです。空間の配置や音場感を出すタイプでも、明確な引き締まった低域で奏者のテクニックの粗を露にするような音でもありませんが、そういった事を意識させない肉付きのいい音ながら、暑苦しさやムンムンの色気を感じさせる一歩手前でサラッと抜けていく音で、どこか上品さを感じさせる質感です。

これがビクタートーンなる音なんでしょうか。
とにかくオーディオ的な質感や解像度よりも、ノリや音楽の旋律に目を向けさせるような鳴り方をしつつ、オーディオ的な物理特性の良さも感じさせる上品さを備えた音‥‥‥これはDAC部もトランスポート部も変わらないようです。




DPF-7002改

こちらはご存知・東海さんチューン済のDAC。
海外製ハイエンドDACと比較していた関係上、コチラはライン出力が2.5V程度出ていて、ボリュームを少し下げて試聴する必要があったので、厳密には同じ音量になっていないかもしれません。

理論上32ビット相当の解像度、という触れ込みを東海さんが本気で開花させようとした音は流石の解像度で、XL-Z999を前にしても一歩リードしている程の情報量を叩き出していました。
音域バランスとしては、ある程度絞るところは絞り出すところは出して聴き易いビクタートーンを演出しているZ999に対して、高域も低域も伸びきっている印象で、レンジ広大・情報量豊富で透明な余韻が後を引きます。
低域の力感は十分なものの、少し膨らまして力感を出している雰囲気のZ999と比べると、スッと最低域まで伸び切っています。

録音のいいソースを聞くと、とにかくその音場感が素晴らしく、ボーカルは口から発せられて、それが頬・頭を伝って後ろの空間にも拡がっていくような、音の球面状の拡がりを感じさせる分解の仕方がとにかく楽しい!
逆にレンジの狭い録音などでは、聴き所を作ってくれるビクターの方がずっと楽しく聴けたりします。特にロックなどでは刺激音と下手をすると軽くなってしまうバスドラのバランスが、Z999の方がずっと”安心して”聴けそうです。





以上の3番勝負を終えて、ビクターはビクタートーンなるものか分かりませんが(他にビクターの製品を聞いた事がないので)、明らかに聴感で聴き易い音を作っているように感じました。それが物理特性の悪さを感じさせないレベルで押さえている辺りはとても国産らしい真面目さを感じる部分ですが(モノの造りも含めて)、音楽を楽しむにはとってもいい音なのではないか、、と感じました。

しかしこの後、試聴とオフ会を終えて東海さんとAZさんがお帰りになった後、残されたいつもの組合せ、CD3300RとDPF-7002改の組合わせに戻ると、聴き易いものの低域の力感と解像度に若干の不満を覚えました

やっぱりXL-Z999の格好いい低域と、C-1VL(トラポ)のダダ漏れ情報量は、オフ会終了後の耳に多少の寂しさを感じさせる結果となりました。

う〜ん、次ぎはやっぱりトラポ導入かな^^。
おっと、その前に3300Rを修理に出さなければ‥‥。