モーレスモはシコラーとなった。2006年全豪4Rで注目の美少女選手バディソワ相手に中ロブ気味のムーンボールとバックハンドスライスでひたすら繋ぐだけのテニスをした。バディソワは若き未熟さがもろに出た。このゆるいつなぎ球を打ち込めず、ミスを重ね、自滅していった。61 61 でモーレスモの圧勝、ただムーンボールとスライスを相手コートに入れただけでこの圧勝である。WOWOW解説の遠藤愛は「ビターな結果」と言った。苦くて辛口の感触、バディソワには確かに酷な結果となった。シコラー相手の自滅ほど腹立たしい負け方はないからだ。しかし、モーレスモ、その豪快でりりしい姿とは裏腹にえぐいことするねえ。格下のチャレンジャーが格上の選手相手に戦って、万策尽きてミス待ちのシコラーとなるのはわかるが・・・・。モーレスはこの試合、ガンガン攻めても勝てただろう。であるのに格下の若いチャレンジャー相手に自滅させる作戦を取るのかい。体力を温存したかったのか?実は故障を抱えていて攻められなかったのだろうか?会場にモーレスモのテニスを見に来ていた観客たちはシコラーとなったそのモーレスモをどんな目で見ていただろう。

そのモーレスモを神経質にさせ、心ひそかに復讐の機会をうかがわせる相手がモーレスモの反対側から勝ちあがっている。その名はヒンギス。7年前、この全豪決勝でモーレスモを「男女」と言い放ち、その上で初のGS決勝に進出したモーレスモを粉砕、二重の意味でモーレスモの心に傷を負わせた恐れも遠慮も知らぬ元女王である。
そのヒンギス、4Rで地元ストーサーと対戦、第一セット61で圧倒するも第二セットは追い上げられ、ブレーク合戦の末、TBに持ち込まれる。肩で息する苦しいヒンギスはTBでも大苦戦、先行を許し、あわやと思われたがこつこつとポイントを取り返し、ピンチを何度もしのぎ、ついに10-8でTBを制して勝利した。
ヒンギスには天運が今の所味方している。初戦の相手ズボナレワは御しやすく、2R、3Rも圧勝、最初の難関といわれたピエルス戦を回避して、調子を上げ続ける。そしてQFに入る前に苦しい試合も経験して、接戦を勝ちきるすべも思い出せた。グランドスラム復帰戦としては理想的な形で次のQFを迎えることができる。元女王ヒンギスは次のQFでようやくNo1経験者にしてGSタイトルホルダーである「女王」の一人に挑戦する。

WTAに現在君臨する女王の内の一人、キム・クライシュテルスは下半身に故障を抱えながらの参戦である。4Rで粘り屋スキアボーネに苦戦させられたが、それでもストレートで勝利、ヒンギスの挑戦を受けて立つ形でQFに臨む。さてキム、3年も実戦を離れていた「元女王」に現役バリバリの「現女王」が負けるわけにはいかないぞ、試合に出るからには故障を負けの言い訳にしてはいけない。好調ヒンギスに対して勝ちきれるかクライシュテルス。試されているのはヒンギスでなくキムの方である。そしてそのキムの向こう側でヒンギスとの因縁の対決を待ち構えているモーレスモも今大会は試されている。無冠の女王が真の女王になるか試されている大会であるのだ。

という訳で出揃った女子ベスト8QFの組合せは
 ダベンポート対エナン-アーデン
 シャラポワ対ペトロワ
 シュニーダー対モーレスモ
 ヒンギス対クライシュテルス
である。
エナンとクライシュテルスがまたもや反対側の山にいるということがこの二人の因縁を物語る。そしてヒンギスがダベンポートと反対側の山にいることも。テニスの試合にもめぐり合わせというものがある。同じツアーを回り、同じトーナメントに出ているのに対戦が少ないもの同士もいる。一方で同じトーナメントに出ることがめったにないのになぜか良く当たるもの同士も多い。そしてなぜかGSの決勝でよく当たるというめぐり合わせも。そのめぐり合わせがここでも生きるのか。

男子のベスト8QFは下記の通り
 フェデラー対ダビデンコ
 キーファー対グロージャン
 サントロ対ナルバンディアン
 リュビチッチ対バクダティス
ハーバティは勝負シャツである背中に二つの穴が開いたシャツに最終セット着替えて必勝をきっしたがそれでもフルセットの接戦を制したのはダビデンコであった。

そして、この大会、男子でもっとも期待されていた試合は期待にたがわぬ好ゲームとなった。

2006全豪男子シングルス4R
フェデラー 64 60 36 46 62 ハース

WOWOWよ、おそらくは今大会男子ベストマッチになるであろうこの試合をアナログでは中継・放送しないのか!それはないだろう!受信料返せ!