あ、ナダル負けちゃった・・・・・

2006マスターズカップ(TMC)二日目
ブレーク 64 76 ナダル
ダビデンコ 76 36 61 ロブレド

今年のクレーシーズンでATPに君臨する圧倒的強者、如空が「皇帝」と呼ぶロジャー・フェデラーの持つゆるぎない自信を根底から揺さぶった男、赤土の覇者ラファエル・ナダル。その彼が今、逆に自分自身の自信を揺るがせてしまっている。

ナダルにとってブレークは相性の悪い相手ではある。ブレークはベースラインでも低い打点のライジングで裁くので、ナダルのスピンボールが跳ねる前に処理してナダルの武器を封印する。だが今年に入ってフォアのフラットな強打と高速サーブ、そして一気に詰めるネットと、ハードコートでも通用する武器を増やし、その類まれなるフットワークによるコートカバーは依然ツアー随一である。それらの能力をフルに発揮して苦手のブレークにハードコートの上で接戦を演じた。決して悪い出来ではない。ナダルをクレーコートスペシャリストと限定して考えればむしろ善戦だろう。

だが、試合の流れを自分に引き寄せるチャンスが多々あったように思えるこの試合。いままでナダルのテニスにあった「勝負どころでの思い切りの良さ、開き直り」が見られなかったように思える。それがブレークに押し切られた原因ではなかったか。技術的な面、戦術的な面を一つ一つ見ていっても具体的に大きな問題は今のナダルにはない。やはり大事なところで自分の作り上げたテニスを信じる「自信」を持てなかったことが競りきれなかった要因であるように思う。ナダルの強さは流れが相手に行きかけている場面で強引なまでのスーパープレーで自分に流れを引き戻すあの豪腕さであろうに。

今年後半、特定の相手に連敗したわけでもなく、スランプに陥っているわけでもない。周囲の期待はNo2としてフェデラーの対抗馬として確かに大きいことだろうがそれがプレッシャーになっているようにも思えない。単に精神的な疲れからなのか、今年前半の快進撃の代償としての燃え尽き症候群なのか、ナダルが何を抱えているのか外からはうかがい知ることはできない。だが今コートの中にいるナダルは今年の前半その驚異的なテニスでフェデラーを何度も破ったあのナダルではない。それはサーフェイスの違いによるものだけではないことは確かだ。

一方で同じスペインのクレーコートスペシャリスト、ロブレドもダビデンコ相手にフルセットの末敗れた。だがロブレドはナダルとは逆にいま乗りに乗っている。ダビデンコの高速ストロークに球足の速いサーフェイスでこれだけ互角にやれるのである。ロブレドのプレーには自信が満ち溢れていた。今日は敗れたが、後二試合を勝つ可能性を大いに見せてくれた試合だった。

さて、ナダルが本調子でないこのグループ、本命不在で4人共に勝ちぬけのチャンスがある。勝ち上がるのは誰か。注目しよう。