シャラポワダウン、クレイバノワダウン、シュトラーダウン、それ以外のシード勢は安泰、なんとも平穏なウィンブルドン三日目である。WOWOWの中継は杉山・フェデラー・チリッチVsクエリーだった。フェデラーは余裕をぶっこいていた。62 62 64 のスコアでは当然かもしれないが、終盤にリターンで不用意にネットダッシュしてパスを抜かれまくっていた。あれは何かを試していたのか、それとも試合時間を短縮するために先にブレークした後はリターンゲームをほとんど捨てていたのか、よくわからないが好プレーもあれば雑なプレーもあり、対戦相手のガルシアロペスが調子を上げてくれば事故でも起こりかねないと見ていて少しひやひやした。まあそれでも今のフェデラーであればピンチになればギアを上げてまた引き離せるとは思うのだが。

徐々にフェデラー対マレーの決勝戦実現の期待が高まっている。ナダル不在、ジョコビッチはNo4の今、シードのツートップはこの二人なので、順当に行けば実現するわけだが、それでもそこにドラマ性を帯びた期待がかかっている。イギリス悲願の自国選手によるウィンブルドンチャンピオンの復活なるか、あるいは芝の王者の帰還なるか、どちらもそれぞれ大きな期待を背負っての戦いになる。対戦成績で互角の戦いをしているとはいえ、マレーはフェデラーと張り合うにはまだ実績が乏しい。何よりグランドスラム無冠である。だが2005年全仏のナダルもこんな感じだった。準決勝で期待通りフェデラー対ナダルが実現して、ナダルはフェデラーを破ってそのままクレーキングの道を突き進む。2005全仏と同じ筋書きがこの2009ウィンブルドンの芝の上で用意されているのだろうか。それてもフェデラーが覇権を奪い返すのか。二人はその決戦の場までたどり着けるだろうか。その行方に注目しよう。