ツォンガダウン、ロブレドダウン、女子はズボナレワが棄権、バルトリ・チブルコワがダウン、なんとも騒々しい2009ウィンブルドン五日目である。WOWOWの中継はハンチェコワ対杉山、アザレンカ対シルステア、ジョコビッチ対フィッシュであった。

杉山は三回戦敗退である。ハンチェコワは相変わらずピリッとしない。杉山に勝つには勝ったが、リードしたらもっと畳み掛けなければ、相手に反撃を許してしまう、そんな場面で自分からミスをして、試合を長引かせてしまっているような感じがする。ハンチェコワは今スペインにトレーニングの拠点を移し、コーチにはあのクエルテンを育てたことで有名なラリー・パトスについているらしい。その成果であろうか、ゆったりしたスピン系のボールで相手をコートの外に押し出すあたりはスペインや南米の選手に特徴的な展開であり、ストローク戦では優位に立ちやすくなっている。また彼女の細くて長い手足を駆使したストロークは昔のクエルテンのぐにゃぐにゃテニスに似たところもある。だがクエルテンは決めるところはびしっと決めたぞ。ハンチェコワにも決めるところはびっと決める決定力が備わって欲しいところである。

第八シードアザレンカ対第28シードシルステアは好勝負だった。ハードヒットの応酬、特にフォアのクロスに強打を打ち込んで、浮いた球をバックハンドのドライブボレーでオープンコートに叩き込むというパターンを両者共に使っていた。あれは男子ではあまり見られない、女子テニスならではの豪快な展開であり、見ていてとても面白いテニスであった。

ところでこの共に伸び盛りの19歳同士、東欧ベラルーシとルーマニアの選手の対決はセンターコートで行われ、それゆえにWOWOWで中継されていたわけだが、他にもウィリアムズ姉妹やセルビアコンビやロシア勢などシードも人気も格上と思われる選手たちの試合を押しのけてセンターコートに振り分けられたことが少し疑問に感じなくもない。実際女子有力選手がウィンブルドンのコートの振り分けに疑問を呈していると報道されている。万人が納得する振り分けなどありはしないことは承知しているが、それでも如空の目から見ても、今年のウィンブルドンは女子選手の上位シードを優遇していないと見える。まあこの件もトップシードたちが順当に勝ちあがり、第二週に勝ち残れば、いやでも解消されるので、それほど大きな問題とも思えないのだが。