激闘の上の波乱、第十シードゴンザレスダウン、フルセットマッチの末に破ったのはフェレーロだった。第十一シードチリッチダウン、破ったのは第二十四シードのハース、これは二日がかりのフルセットマッチであった。第十二シードダビデンコダウン、ストレートで破ったのは第二十シードベルディッヒである。第十六シードのフェレールも敗退、破ったのは第二十三シードステパネック、これもフルセットマッチだった。女子でも第五シード全仏覇者のクズネツォワがダウン、第六シードのヤンコビッチもフルセットの末に敗れた。激しさと驚愕が広がるウィンブルドン大会六日目である。WOWOWの中継はV・ウィリアムズ対スアレス・ナバロ、ロディック対メルツァー、マレー対トロイッキだった。

全豪でスアレス・ナバロに敗れているヴィーナス、今回のそのリベンジという意気込みがあったのだろうか、WOWOW解説の坂本正秀氏が「(リベンジという意味で)ヴィーナスは本気で6-0 6-0 を狙っているかも知れない。」と試合序盤のヴィーナスの気合の入りようを見ていっていたが、解説の通りに第一セットは6-0、第二セットも早々にヴィーナスがブレークに成功し、試合は一気にヴィーナスが畳み掛け、公開処刑をするかに見えた。だがスワレス・ナバロはこの一方的に押されている状況下でもクレバーに自分を保ち、自身を見失っていなかった。美しくて鋭い片手打ちからのバックハンドのカウンターが、ストレートに何度も突き刺さる。ようやく自分のサービスゲームを一度キープすると、ギアを上げて、ヴィーナスのサーブを破ることに成功する。セット中盤でやや集中力を落としていた感もあるヴィーナスだが、スアレス・ナバロの追い上げに、こちらも再びエンジンを再始動、4-4となった最後の二ゲームを1ブレーク1キープで乗り切り、6-4で第二セットも連取、見事に四回戦進出を決めた。

敗れたとはスワレス・ナバロのバックハンドはかっこいいね。カウンターでエースを取るからなおのことかっこいい。まるで侍が刀を居合い抜きしてボールを切り捨てるかのごとくだ。それに苦しい状況でもクレバーだ。あれはいずれ大化けしてエナンのようになる可能性があるな。今後も注目していこう。