秋の大東亜戦線が燃える。

今季のATPツアーのスケジュール改革の目玉、アジアシリーズのクライマックス、それがマスターズ1000シリーズ第八戦上海大会である。中華人民共和国の上海市で行われるアウトドアハードコート大会(メイン会場は開閉式の屋根あり)の第一シードはナダル、以下ジョコビッチ、デルポトロ、ロディック、ツォンガ、ダビデンコ、ヴェルダスコ、シモン、ソダーリング、ゴンザレス、モンフィス、チリッチ、ステパネック、ロブレド、ハース、フェレールとシード勢が続く。エントリーランキングNo1フェデラーとNo3マレーが欠場である。それゆえに今季のマスターズシリーズの中でもとてもユニークなドローになった。トップシードのナダルはハードコートの上ではまだ万全ではない。チャイナオープンに続いてジョコビッチが有利と思うが、ジャパンオープン優勝のツォンガの高いレベルでの安定度が不気味だ。その他にも有力選手目白押しである。面白くなりそうだ。

WTAでは早くも欧州室内シーズンが開幕する。オーストリアのリンツではリンツ・ゼネラル女子が開催されるのだ。このWTAツアーインターナショナル22万ドルクラス、インドアハードコート大会の第一シードはペネッタ、以下ラドワンスカ、ウィックマイヤー、スワレスナバロ、ベネソバ、シルステア、サファロバ、エラニーとシード勢が続く。今季好調の選手が揃っている。特にペネッタとラドワンスカの活躍には注目であろう。

さて日本テニス界秋の祭典は東の東京から西の大阪に移動する。日本の大阪市でHPオープンが開催されるのだ。このWTAツアーインターナショナル22万ドルクラス、アウトドアハードコート大会の第一シードはウォズニアッキ、以下バルトリ、ストーサー、スキアボーネ、ペアー、オズニアックらが続く。日本からは森田、森上、クルム伊達、不田、奈良らが参戦する。ちなみに森上はこの大会でツアーは最後にし、今年末の全日本選手権で現役を引退する。この大会は今年初めて開催されることになった新設大会であるが、なぜか前年度覇者が存在していて、ウォズニアッキが紹介されている。これは去年までの東京のジャパンオープン女子大会が大阪に継承されたと見なしているためだそうだ。
会場はうつぼテニスセンター、ジュニアたちにとっての「甲子園」にあたる全日本ジュニア選手権の会場として知られる場所で、もし大阪のオリンピック誘致が実現していれば、テニス競技の会場になる予定であったところである。また例年ジュニアの世界ではグランドスラムと同格の大会となる「大阪市長杯世界スーパージュニア選手権」の会場でもある、関西圏のテニスの聖地だ。来週開催されるスーパージュニアと今週のWTAツアーHPオープンの開催で、まさに大阪のうつぼはこの二週間、テニス秋の祭典となる。この秋の祭典のおかげで今大阪と周辺関西圏のテニス界は大騒ぎである。HPオープンの大阪開催が決まった今年の年頭より、大阪のテニス界の主要関係者は東京を始め世界各都市のWTAツアー関係各所をまわり、調整しつつ組織を立ち上げに奔走していた。関西のテニス界など世間が狭いので、如空の知り合いや間接的な関係者もこの騒動に巻き込まれていたのを知っている。秋になってからはチケットがいたるところで出回っている。ちなみにHPオープンの「HP」とはヒューレット・パッカードというPCやプリンターを製造販売しているアメリカが本拠地の企業の略称である。メインスポンサーがHPであるため、IT関連企業やプリンター・印刷業界でチケットが出回るという奇妙な現象が如空の周りでも起こっている。如空自身、「チケットがあるので、一緒にテニス見に行きませんか」というお誘いを何度か受けた。どれも平日のチケットだったので参加できなかったが、チケットは上手く裁けているのか、観客数の動員は予定以上に見込めるのだろうかと、人事ながら心配している。せっかくの新設大会だ、上手く行って欲しいものである。

GAORAでは今週末MS上海大会の準々決勝・準決勝・決勝を生中継、来週頭にHPオープンを録画放送してくれる。熱戦を期待しよう。