第二シード・ナダルダウン!ベテランス・テパネック、最後に力尽きる。
2009ATPマスターズ1000シリーズ第九戦パリ大会準決勝
ジョコビッチ 62 63 ナダル
モンフィス 64 57 64 ステパネック
強いサーブ、回り込みのフォアの多用、堅実なバックハンド、果敢なネットへの詰め、強気のドロップショット、ジョコビッチは明らかにいつもよりオーバーペースで試合に入った。ナダルを封じ込めるぞという気迫が感じられる。対するナダルは冷静にかつ大胆に受けて立つ。ナダルもすぐにギアを上げた。厳しいボールの応酬で試合は進む。キープ合戦が続く中盤、第六ゲームで、ナダルに少し力が入った。不用意にポイントを与え、ダブルフォールトが絡んだ。そこを突いてブレークに成功するジョコビッチ。充実しているジョコビッチはここで自信をつけ、続く第八ゲームもブレークして第一セットを6-2で先取する。勢いを次のセットでもジョコビッチは維持、第二セットの最初のナダルのサービスゲームをラブゲームでブレークしてリード、1ブレーク差の6-3できっちりとジョコビッチが取りきった。
ジョコビッチの決勝進出である。この日ジョコビッチのフォアの調子が抜群によく、ナダルはジョコのフォアを避けてバックにかなりボールを集めたが、ジョコはそこで堅実なバックの展開を見せて崩れなかった。そしてバックハンドダウンザラインを大事なところで決めて、流れを自分に引き寄せた。ナダルは第一セット中盤の乱れが尾を引いた。ほんの少しの乱れだったが、ジョコビッチがとても高いレベルで安定していたので、そこで一気にもって行かれた。勝負どころでギアを上げたジョコビッチが見事であった。
ステパネックという選手はサーブもフォアもそれほど強くなく、またバックハンドは両手打ちでゆったりとしたペースのラリーをしてくる。ベースライン上で手堅い守りを見せるがそこからの脅威は余り感じない。そのステパネックが強さを見せるのはネットへの果敢な攻め込みがあるからだろう。対するモンフィスは高い打点のサーブとフォアを武器に攻め、長い手足を充分につかったコートカバーで、ステパネックのネットプレーに対抗した。第一セットの序盤でブレーク合戦となったが、その後両者安定しキープ合戦になる。序盤のリードを守りきり第一セットはモンフィスが取る。
第二セット、両者共にリスクを背負ったプレーで攻め込みブレークを取り合う。リードするモンフィスに追いつくステパネック、モンフィスのサーブイングフォーザセットもステパネックがブレーク、更に自身のキープでステパネックは逆転に成功する。第十二ゲーム、競り合いの中で、パスを抜かれてもひるまず、ネットに挑み続けたステパネックが最後にブレークして第二セットを7-5でステパネックが取る。
第三セット、気持ちで押していたステパネックだが、第三ゲームでやや集中力を切らせてミスを続け、モンフィスにブレークを許してしまう。だがステパネックは引かない。ネットに出続けて、モンフィスに圧力をかけ、第四ゲームでブレークバックする。強気持ちがぶつかり合う競り合いの中、最後にチャンスを握ったのはモンフィス、4-4となった第九ゲームでブレークポイントを二つ握る。ステパネックは左右に大きく展開するネットプレーでデュースに戻す。一進一退の攻防の末、ステパネックのボレーがラインを割り、モンフィスがブレークに成功した。地元フランスパリの観客のどよめきと声援が響き渡る中、モンフィスはサーブイングフォーザマッチに臨む。ネットの連続ボレーでステパネックが先行、0-15、モンフィスのパスがステパネックのバックボレーを弾き、15-15、モンフィスがネットに出てフォアのアングルボレーを決める、30-15、モンフィスに振り回され、コートを縦横無尽に走り回りながら、最後はボレー対ボレーを取りきり、ステパネックが追いつく、30-30、ステパネックのアプローチショットがラインを割った、40-30、マッチポイントが来た。ステパネックがまたネットに行く、しかしそのアプローチは無常にもまたラインを割った。ファイナルセット6-4、モンフィスが大歓声の中でこの激戦を制した。
ステパネックの強い気持ちの前に、何度もモンフィスは押された。だが観客の応援を受けて、自分を鼓舞して、何度も押し返した。そして最後の最後で押し切った。ブレークポイントが入り乱れ、両者共に強い気持ちがぶつかり合う見事な好勝負だった。敗れたとはいえ、地元の声援を受ける若きモンフィス相手に勇猛果敢にネットに出続けたステパネックの不屈の闘志にも拍手を送りたい。
さて決勝戦はジョコビッチ対モンフィスである。ジョコビッチの準決勝の出来具合を見るに、同様のプレーが出来るなら、まずジョコビッチが安泰と思うが、地元の声援を受けるモンフィスが接戦に持ち込むことが出来たなら、チャンスは充分にあることと思う。さて今年最後のマスターズ1000シリーズのタイトルを手にするのはジョコビッチかモンフィスか、準決勝を越える熱戦を期待しよう。
2009ATPマスターズ1000シリーズ第九戦パリ大会準決勝
ジョコビッチ 62 63 ナダル
モンフィス 64 57 64 ステパネック
強いサーブ、回り込みのフォアの多用、堅実なバックハンド、果敢なネットへの詰め、強気のドロップショット、ジョコビッチは明らかにいつもよりオーバーペースで試合に入った。ナダルを封じ込めるぞという気迫が感じられる。対するナダルは冷静にかつ大胆に受けて立つ。ナダルもすぐにギアを上げた。厳しいボールの応酬で試合は進む。キープ合戦が続く中盤、第六ゲームで、ナダルに少し力が入った。不用意にポイントを与え、ダブルフォールトが絡んだ。そこを突いてブレークに成功するジョコビッチ。充実しているジョコビッチはここで自信をつけ、続く第八ゲームもブレークして第一セットを6-2で先取する。勢いを次のセットでもジョコビッチは維持、第二セットの最初のナダルのサービスゲームをラブゲームでブレークしてリード、1ブレーク差の6-3できっちりとジョコビッチが取りきった。
ジョコビッチの決勝進出である。この日ジョコビッチのフォアの調子が抜群によく、ナダルはジョコのフォアを避けてバックにかなりボールを集めたが、ジョコはそこで堅実なバックの展開を見せて崩れなかった。そしてバックハンドダウンザラインを大事なところで決めて、流れを自分に引き寄せた。ナダルは第一セット中盤の乱れが尾を引いた。ほんの少しの乱れだったが、ジョコビッチがとても高いレベルで安定していたので、そこで一気にもって行かれた。勝負どころでギアを上げたジョコビッチが見事であった。
ステパネックという選手はサーブもフォアもそれほど強くなく、またバックハンドは両手打ちでゆったりとしたペースのラリーをしてくる。ベースライン上で手堅い守りを見せるがそこからの脅威は余り感じない。そのステパネックが強さを見せるのはネットへの果敢な攻め込みがあるからだろう。対するモンフィスは高い打点のサーブとフォアを武器に攻め、長い手足を充分につかったコートカバーで、ステパネックのネットプレーに対抗した。第一セットの序盤でブレーク合戦となったが、その後両者安定しキープ合戦になる。序盤のリードを守りきり第一セットはモンフィスが取る。
第二セット、両者共にリスクを背負ったプレーで攻め込みブレークを取り合う。リードするモンフィスに追いつくステパネック、モンフィスのサーブイングフォーザセットもステパネックがブレーク、更に自身のキープでステパネックは逆転に成功する。第十二ゲーム、競り合いの中で、パスを抜かれてもひるまず、ネットに挑み続けたステパネックが最後にブレークして第二セットを7-5でステパネックが取る。
第三セット、気持ちで押していたステパネックだが、第三ゲームでやや集中力を切らせてミスを続け、モンフィスにブレークを許してしまう。だがステパネックは引かない。ネットに出続けて、モンフィスに圧力をかけ、第四ゲームでブレークバックする。強気持ちがぶつかり合う競り合いの中、最後にチャンスを握ったのはモンフィス、4-4となった第九ゲームでブレークポイントを二つ握る。ステパネックは左右に大きく展開するネットプレーでデュースに戻す。一進一退の攻防の末、ステパネックのボレーがラインを割り、モンフィスがブレークに成功した。地元フランスパリの観客のどよめきと声援が響き渡る中、モンフィスはサーブイングフォーザマッチに臨む。ネットの連続ボレーでステパネックが先行、0-15、モンフィスのパスがステパネックのバックボレーを弾き、15-15、モンフィスがネットに出てフォアのアングルボレーを決める、30-15、モンフィスに振り回され、コートを縦横無尽に走り回りながら、最後はボレー対ボレーを取りきり、ステパネックが追いつく、30-30、ステパネックのアプローチショットがラインを割った、40-30、マッチポイントが来た。ステパネックがまたネットに行く、しかしそのアプローチは無常にもまたラインを割った。ファイナルセット6-4、モンフィスが大歓声の中でこの激戦を制した。
ステパネックの強い気持ちの前に、何度もモンフィスは押された。だが観客の応援を受けて、自分を鼓舞して、何度も押し返した。そして最後の最後で押し切った。ブレークポイントが入り乱れ、両者共に強い気持ちがぶつかり合う見事な好勝負だった。敗れたとはいえ、地元の声援を受ける若きモンフィス相手に勇猛果敢にネットに出続けたステパネックの不屈の闘志にも拍手を送りたい。
さて決勝戦はジョコビッチ対モンフィスである。ジョコビッチの準決勝の出来具合を見るに、同様のプレーが出来るなら、まずジョコビッチが安泰と思うが、地元の声援を受けるモンフィスが接戦に持ち込むことが出来たなら、チャンスは充分にあることと思う。さて今年最後のマスターズ1000シリーズのタイトルを手にするのはジョコビッチかモンフィスか、準決勝を越える熱戦を期待しよう。