2010全仏男子SF
ソダーリング 63 36 57 63 63 ベルディッチ
ナダル 62 63 76 メルツァー
第一試合は長かった、そして競り合っていた。だが静かだった。対戦している二人も、そして会場も静かだった。ソダーリングもベルディッチの打つときに声をあまり出さない選手なので、静かだった。序盤、ソダーリングには波があり、ベルディッチは安定していた。集中しているとソダーリングが押し、ソダーリングの集中力が落ち始めるとジワリとベルディッチが上回る。そんな感じでシーソーゲームとなった。時にソダーリングがうまくいかないと、独り言をぶつぶつと言い始め、時に自分に怒りコートにラケットをたたきつけて警告を受ける場面もあったが、総じてその印象は静かだった。両者ともにいいポイントを取りながらも、そのあとミスでポイントを失い、自分で波に乗る機会を潰しているようであった。長引く試合の中、徐々にベルディッチの集中力は落ち始め、そしてポイントの執着心が淡白になっていく。一方でソダーリングはいいところ集中し、強いサーブ、強いストロークが続くようになった。そして最後に押し切ったのはやはりソダーリングであった。フルセットマッチの末の二年連続全仏決勝進出を決めたが、その瞬間もソダーリングは静かに迎えた。
第二試合は逆に大いに騒がしかった。共に打つときに声を出す選手同士、ナダルは打つときに声を出し、メルツァーは打った後に声が出る。そして会場にはそのスペイン選手とオーストリア選手を応援する観客に埋め尽くされ、両陣営とも大声で声援を送っている。序盤二セットはナダルが押している。すぐにブレークして、メルツァーを抑える。ナダルへの声援と拍手が会場を包む。第三セットも流れは同じだった。途中までは。ナダルはブレークで先行し、サーブイングフォーザマッチを迎えた、が取れなかった。最後はダブルフォールトでブレークを許してしまった。苦笑いをするナダル、しかし、ここでメルツァーが目覚める。攻める。そして決まる。思い切りの良くなったメルツァーの前にナダルは押さ始めた。6-6となり第三セットはTBに突入した。メルツァーはQF対ジョコビッチ戦で2セットダウンから逆転した男だ。観客はそれを知っている。そしてその再現を期待している。鳴りやまぬ声援、止まらぬウェーブ、観客席の後押しを受けて、メルツァーがナダルに向かっていく。先にマッチポイントをナダルは握るが、追いつかれTBは6-6以降も続く。だが、メルツァーのウィナー級のボールがコードボールとなってナダルの前に落ちた時、ナダルはそれをフォアでたたきこみ、メルツァーの反撃を断ち切った。最後にメルツァーのボールがネットし、ナダルがストレート勝利を決めた。
決勝戦はナダル対ソダーリングとなった。SFの試合内容は違ったものだが、それぞれ苦しい場面を乗り越え、ここまで強いテニスを表現して、ここまで来た。決勝ではお互いいい状況で挑みあうことになるだろう。勝つのはどちらだ。久しぶりにわくわくする決勝戦だ。強い奴がより強い奴に挑む。そして挑戦を迎え撃つ。超人達の頂点の戦い、これこそグランドスラムの決勝戦だ。さあ、最後に笑うのは赤土の要塞か北欧の悪童か、男子決勝は日曜日である。行方に注目しよう。
ソダーリング 63 36 57 63 63 ベルディッチ
ナダル 62 63 76 メルツァー
第一試合は長かった、そして競り合っていた。だが静かだった。対戦している二人も、そして会場も静かだった。ソダーリングもベルディッチの打つときに声をあまり出さない選手なので、静かだった。序盤、ソダーリングには波があり、ベルディッチは安定していた。集中しているとソダーリングが押し、ソダーリングの集中力が落ち始めるとジワリとベルディッチが上回る。そんな感じでシーソーゲームとなった。時にソダーリングがうまくいかないと、独り言をぶつぶつと言い始め、時に自分に怒りコートにラケットをたたきつけて警告を受ける場面もあったが、総じてその印象は静かだった。両者ともにいいポイントを取りながらも、そのあとミスでポイントを失い、自分で波に乗る機会を潰しているようであった。長引く試合の中、徐々にベルディッチの集中力は落ち始め、そしてポイントの執着心が淡白になっていく。一方でソダーリングはいいところ集中し、強いサーブ、強いストロークが続くようになった。そして最後に押し切ったのはやはりソダーリングであった。フルセットマッチの末の二年連続全仏決勝進出を決めたが、その瞬間もソダーリングは静かに迎えた。
第二試合は逆に大いに騒がしかった。共に打つときに声を出す選手同士、ナダルは打つときに声を出し、メルツァーは打った後に声が出る。そして会場にはそのスペイン選手とオーストリア選手を応援する観客に埋め尽くされ、両陣営とも大声で声援を送っている。序盤二セットはナダルが押している。すぐにブレークして、メルツァーを抑える。ナダルへの声援と拍手が会場を包む。第三セットも流れは同じだった。途中までは。ナダルはブレークで先行し、サーブイングフォーザマッチを迎えた、が取れなかった。最後はダブルフォールトでブレークを許してしまった。苦笑いをするナダル、しかし、ここでメルツァーが目覚める。攻める。そして決まる。思い切りの良くなったメルツァーの前にナダルは押さ始めた。6-6となり第三セットはTBに突入した。メルツァーはQF対ジョコビッチ戦で2セットダウンから逆転した男だ。観客はそれを知っている。そしてその再現を期待している。鳴りやまぬ声援、止まらぬウェーブ、観客席の後押しを受けて、メルツァーがナダルに向かっていく。先にマッチポイントをナダルは握るが、追いつかれTBは6-6以降も続く。だが、メルツァーのウィナー級のボールがコードボールとなってナダルの前に落ちた時、ナダルはそれをフォアでたたきこみ、メルツァーの反撃を断ち切った。最後にメルツァーのボールがネットし、ナダルがストレート勝利を決めた。
決勝戦はナダル対ソダーリングとなった。SFの試合内容は違ったものだが、それぞれ苦しい場面を乗り越え、ここまで強いテニスを表現して、ここまで来た。決勝ではお互いいい状況で挑みあうことになるだろう。勝つのはどちらだ。久しぶりにわくわくする決勝戦だ。強い奴がより強い奴に挑む。そして挑戦を迎え撃つ。超人達の頂点の戦い、これこそグランドスラムの決勝戦だ。さあ、最後に笑うのは赤土の要塞か北欧の悪童か、男子決勝は日曜日である。行方に注目しよう。