電脳網庭球寺 僧房

テニスの修行僧如空の修行の日々とテニス観戦記を綴る

読書

4スタンス理論のテニス編が出た

おお、ついに出た。「4スタンス理論」のテニス版が出たぞ。

単行本ではない。雑誌の一記事だ。「スマッシュ」の2009年5月号で特集されている。「4スタンス理論」の提唱者の廣戸聡一氏が記事に関わっているので本格的内容だ。4タイプの判別方法も今まで発表されていた内容と違った方法が紹介されていて興味深い。



惜しむらくはタイプ別の特徴の説明をほとんどフォアハンドストロークの解説のみで行ってしまっている点だ。これは数ページの記事なので紙面が限られていて仕方ないことだと思うのだが、やはり4スタンス理論のサーブ編、ネットプレー編、バックハンドストローク編をやって欲しい。特にバックハンドは両手打ちドライブ、片手打ちドライブ、片手打ちスライスの3パターンを検討して欲しい。

そのためにもやはり単行本で一冊、「4スタンス理論」のテニス版を作って欲しいものである。この手の内容というのは下手の横好きながらもテニス技術オタクの如空としてはとても興味のそそられるものである。これからもテニスへの4スタンス理論の展開を強く願うものである。

テニスは逆転の発想でうまくなる

学生時代、数学でわからないことを質問する時は先生や数学を得意としている同級生でなく、数学は得意ではないが努力と工夫で理解してよい成績を上げている人に教わるのがよいと、よく話していた。得意な人というのは才能なのか、無意識のうちに頭が理解してしまっているところがあり、わからないことを質問すれば「なぜこれが理解できないのか理解できない」とこちらのせいにされてしまうことが多々ある。得意でない人が努力と工夫の末に得た知識と教訓、ノウハウというものは「なぜそれが出来ないのか」ということを理解してくれているので、わかりやすいのだ。「出来なかったことが出来るようになっていく過程」を知ることこそ、問題解決のヒントが隠されている。はじめから出来ている人の語る言葉は物語としては面白く、夢のある話ではあるが、問題解決のヒントにはなりにくい。
テニスの場合も同様だ。「名選手必ずしも名コーチならず」とはよく言われる言葉であるが、実際プレーがいくら上手くても、それを言葉にして相手に伝える事が出来るかどうかは別の次元のことである。特にテニスのプレーは無意識に体が動かしている部分が実は大変重要な部分である場合もある。潜在的にその無意識に行なっている事を顕在化させて意識して、それをさらに自分以外の誰かに伝えるのは難しい。吉田友佳氏はそれが出来る人のようだ。

「テニスは逆転の発想でうまくなる」(吉田友佳著 学研)は2003年全日本選手権女子単王者の筆者が、小柄な体格の自分なりに創意工夫して開発した様々なコツをわかりやすい文章で一冊の本にしたものだ。テニスの技術面における「常識」に対して、「その常識を疑う逆転発想」でそのコツをつかんだ経緯を説明している。この本に書かれてある「コツ」が全て常識に対する「逆転発想」とは言いがたいと思うのだが、それでもなかなかためになる「コツ」が多かった。
如空が気に入っている項目を挙げると

ボールの軌跡は放物線。
ストロークの打点はのライジングの打点と落とした点を意識する。
ハードヒットの前にロブをあげる。
チャンスボールこそふわっとアングル
ストロークは後ろ足あわせ。
はずみながら待つ。
どういうボールを打つかイメージして打つ。
高い打点は下から見上げて打つ。
スライスのボールは遅い。
ボールの下から打てばスピンサーブになる。
歩きながらリターンする。
ボディサーブを逃げながらリターン。
逆クロスのスピンは体を逃がしながら。
ウォーキングローボレー。
深いボールの後はロブケア。
深いボールは下がりながら打つ。
ストレートに打つにはクロスに踏み出す。

等々、「これは」と思うコツが多々ある。

内容だけなく、装飾も良い。珍しく明朝体の縦書きを随所に使って個性的な紙面を生み出している。筆者自身がモデルをつとめている写真もいい。文章もかなりわかりやすく書いてあるが、だからといって軽いわけでも薄いわけでもない。じつにいい文体だった。吉田さんは現役引退後リポーターなどをしてテニス中継などに時々顔を出しているが、なかなか良い本をかかれる方だと感心した。今後とも活躍していただきたいものである。


2スタンス理論

相変わらず如空の作ったWebサイト「テニスのお寺 電脳網庭球寺」でこの数ヶ月、もっともアクセス数の多いページは「4スタンス理論とテニス」のページである。如空自身、この4スタンス理論で自分が「踵型」でなく「つま先型」であることを意識するようになり、ボレーのグリップをフィンガーグリップにしてボレーの技術が向上した。そもそも野球の技術論であるが、最近はゴルフにも応用された理論がだされ、話題となっている。テニスにも大いに応用が利くと思われる理論だ。
ところで廣戸聡一氏による4スタンス理論の新しい本がでた。



この本、4スタンス理論を元にしているが、実際の内容は「つま先型」と「踵型」の2タイプに大きく分類して野球のモーションをそれぞれ解説している。4スタンス理論をさらに簡素化した2スタンス理論とも言うべき内容だ。読者にしてみればこちらの方がわかりやすいと思われる。4スタンス理論に興味があるのだけれど、長い文章を読むのは億劫だなあと思う人にはこちらの本の方が良いかもしれない。
入門書として最適であるが、ならば内容が浅くなっているわけではない。むしろこの数年で理論をさらに発展させ、より深く研究されている部分もあった。またDVDが付いていて、映像でそのモーションが確認できる点も素晴らしい。なかなか有意義な一冊であった。
Archives
Google検索
カスタム検索
プロフィール

如空

記事検索
人気Blogランキング参加中
記事が気に入った方はこちらをクリック願います。

人気blogランキングへ

blogramランキング参加中!


AdSense
訪問者数
  • 今日:
  • 昨日:
  • 累計:

QRコード
QRコード
  • ライブドアブログ