フェデラーのファーストサーブは際どくフォールトになった。ナダルはセカンドを厳しい角度にリターンしてフェデラーにミスを誘う。二ポイント目もセカンドになったが、今度はナダルがフォアをふかしてエラーした。お互いの手の内を知り尽くしている、宿命のライバルの対決は、静かに幕を開けた。
2007全仏男子決勝
ナダル 63 46 63 64 フェデラー
フェデラーは予想通り早い展開の攻めを見せる。肩を入れてのスクエアスタンスからの高い打点で叩くフェデラーのフォアの逆クロスが火を噴く。第四ゲームでナダルからブレークポイントを二つ手にした。だがナダルもギアを上げる。体を開いてのオープンスタンスからボールを落として低い打点で打ちぬくナダルのフォアの逆クロスが逆襲する。ディースに押し戻し、サービスゲームをキープした。第六ゲームでもフェデラーにブレークポイントが来た。だが今度はナダルがサーブの力でディースに戻すが、取りきれない。長いラリーが続き、ディースが繰り返される。フェデラーのライジングからの切り返しが冴え渡る。だが、ナダルは奇跡的なランニングショットでそれをさらに切り返し、最後に結局サーブの力で乗り切った。ピンチの後にチャンスあり、3-3でフェデラーのサービスゲームである。フェデラーがここでミスを連発してラブゲームでブレークされた。その後のナダルのサービスゲームで今度はフェデラーが0-40でまたブレークポイントを握る。が、そこからのポイントがフェデラーは取れない。崩れないナダルはまたもやこのピンチを乗り切りサービスゲームをキープした。さらに、フェデラーのミスは続く。第九ゲームでナダルにまたブレークポイントをつかまれてしまう。ナダルはこのチャンスでフォアの逆クロスを鋭く決めて、第一セット、6-3でナダルが先取した。10回あったブレークポイントをミスで潰したフェデラーに対して、たった二回のブレークポイントを二本ともブレークに成功した、ナダルの見事な集中力であった。
ナダルのトップスピンは、縦回転だけでなく、時に横回転も加わり、相手を惑わす。タイミングで打つフェデラーにはその処理が、他の選手より苦手なのかもしれない。この3年間で何度も対戦していながら、相変わらず、ナダルの回転にショットを狂わされて対処できずにいる。第二セットでもフェデラーは先にブレークポイントのピンチを自ら呼び込んでしまった。だが今度はサーブの力で乗り切った。ファーストの入りが悪かった、フェデラーのサーブが入りだした。いいサーブからの連続攻撃が決まり始めた。ネットに出て行く。第七ゲームでも果敢に攻めるフェデラー、ついにフェデラーがブレークに成功した。次のフェデラーのサービスゲームでフェデラーはやや不安定でブレークポイントをナダルに握られる。ファーストがまた入らなくなってきている。だが乗り切った。この日、フェデラーはバックハンドスライスを高い打点からストレートに入れてアプローチする戦術を多く採用している。このピンチも最後はこのバックのストレートへのアプローチがそのままポイントになった。5-3でナダルのサービスゲームをさらにブレークポイントまで追い詰める。だが、最後の一本をフェデラーは決められない。長いディースの末、ナダルに守りきられた。次のサービブインフォーザセットをフェデラーはすごい気合でラブゲームキープにて取った。
第三セット第二ゲーム、フェデラーのサービスゲームをナダルがブレークした。攻め込んだフェデラーが逆襲されて落とした。その後、ナダルはこつこつと自分のテニスをして、自分サービスゲームをキープして、6-3でナダルが第三セットを取った。
第四セット第三ゲームで、ナダルがまたもやブレーク。ここで勝負は決まった。ナダルはそのままサービスゲームをキープし続けた。サーブインフォーザチャンピオンシップス、フォアの逆クロスでマッチポイントをつかんだ。。ナダルのフォアの逆クロスをフェデラーがストレートに切り返したが、その軌跡はラインを割った。6-4でセットを取った。ナダルの全仏三連覇が決まった。
第一・第二セットでブレークポイントを何度もつかみながら、自らのミスで失っていく。第三・第四セットではそのブレークポイントそのものが一度しか来なかった。ラリーがそれほど長くもなく、TBまで競ったわけでもないのに、試合時間が長いのは前半で長いディースがあったからであり、そのディースをほとんどものに出来なかった。ナダルの待ち受ける城塞に攻め込みながら、攻めきれずに、ミスを重ねた。攻めていてもフェデラーは攻めきれなかった。一方でナダルはまったく崩れなかった。それだけでなく、ナダルのトップスピンはフェデラーのストロークを崩し、ネットでもミスさせた。そしてここぞと言う時に出す、サーブとフォアの強打は必要なときにナダルに欲しいポイントを与え続けた。磐石にして鉄壁、不動にして揺るがず、攻めに転ずればその強打は矢のように射抜く、赤土の上の要塞は依然として落ちなかった。
フェデラーが見極めたと言っていた対ナダル対策とは何であったのだろう。全仏に入って多用した、ライジング打法を積極的に使った早い展開のラリーはほとんど使われることがなかった。高い打点からのハードヒットに相変わらず固執していた。変則的回転のかかった高く弾むナダルのスピンボールをうまく処理できずにミスを重ね、主導権を握ないまま試合が進むという、対ナダル戦におけるフェデラーのいつもの負けパターンであった。ナダルのトップスピンがハンブルグ以上で対ナダル対策を出せなかったのか、あるいは対ナダル対策は実行できているのにナダルが崩れなかったのか。敗因は良くわからない。ハッキリしているのは皇帝のガリア制覇はまた持ち越されたということだけであった。
2007全仏男子決勝
ナダル 63 46 63 64 フェデラー
フェデラーは予想通り早い展開の攻めを見せる。肩を入れてのスクエアスタンスからの高い打点で叩くフェデラーのフォアの逆クロスが火を噴く。第四ゲームでナダルからブレークポイントを二つ手にした。だがナダルもギアを上げる。体を開いてのオープンスタンスからボールを落として低い打点で打ちぬくナダルのフォアの逆クロスが逆襲する。ディースに押し戻し、サービスゲームをキープした。第六ゲームでもフェデラーにブレークポイントが来た。だが今度はナダルがサーブの力でディースに戻すが、取りきれない。長いラリーが続き、ディースが繰り返される。フェデラーのライジングからの切り返しが冴え渡る。だが、ナダルは奇跡的なランニングショットでそれをさらに切り返し、最後に結局サーブの力で乗り切った。ピンチの後にチャンスあり、3-3でフェデラーのサービスゲームである。フェデラーがここでミスを連発してラブゲームでブレークされた。その後のナダルのサービスゲームで今度はフェデラーが0-40でまたブレークポイントを握る。が、そこからのポイントがフェデラーは取れない。崩れないナダルはまたもやこのピンチを乗り切りサービスゲームをキープした。さらに、フェデラーのミスは続く。第九ゲームでナダルにまたブレークポイントをつかまれてしまう。ナダルはこのチャンスでフォアの逆クロスを鋭く決めて、第一セット、6-3でナダルが先取した。10回あったブレークポイントをミスで潰したフェデラーに対して、たった二回のブレークポイントを二本ともブレークに成功した、ナダルの見事な集中力であった。
ナダルのトップスピンは、縦回転だけでなく、時に横回転も加わり、相手を惑わす。タイミングで打つフェデラーにはその処理が、他の選手より苦手なのかもしれない。この3年間で何度も対戦していながら、相変わらず、ナダルの回転にショットを狂わされて対処できずにいる。第二セットでもフェデラーは先にブレークポイントのピンチを自ら呼び込んでしまった。だが今度はサーブの力で乗り切った。ファーストの入りが悪かった、フェデラーのサーブが入りだした。いいサーブからの連続攻撃が決まり始めた。ネットに出て行く。第七ゲームでも果敢に攻めるフェデラー、ついにフェデラーがブレークに成功した。次のフェデラーのサービスゲームでフェデラーはやや不安定でブレークポイントをナダルに握られる。ファーストがまた入らなくなってきている。だが乗り切った。この日、フェデラーはバックハンドスライスを高い打点からストレートに入れてアプローチする戦術を多く採用している。このピンチも最後はこのバックのストレートへのアプローチがそのままポイントになった。5-3でナダルのサービスゲームをさらにブレークポイントまで追い詰める。だが、最後の一本をフェデラーは決められない。長いディースの末、ナダルに守りきられた。次のサービブインフォーザセットをフェデラーはすごい気合でラブゲームキープにて取った。
第三セット第二ゲーム、フェデラーのサービスゲームをナダルがブレークした。攻め込んだフェデラーが逆襲されて落とした。その後、ナダルはこつこつと自分のテニスをして、自分サービスゲームをキープして、6-3でナダルが第三セットを取った。
第四セット第三ゲームで、ナダルがまたもやブレーク。ここで勝負は決まった。ナダルはそのままサービスゲームをキープし続けた。サーブインフォーザチャンピオンシップス、フォアの逆クロスでマッチポイントをつかんだ。。ナダルのフォアの逆クロスをフェデラーがストレートに切り返したが、その軌跡はラインを割った。6-4でセットを取った。ナダルの全仏三連覇が決まった。
第一・第二セットでブレークポイントを何度もつかみながら、自らのミスで失っていく。第三・第四セットではそのブレークポイントそのものが一度しか来なかった。ラリーがそれほど長くもなく、TBまで競ったわけでもないのに、試合時間が長いのは前半で長いディースがあったからであり、そのディースをほとんどものに出来なかった。ナダルの待ち受ける城塞に攻め込みながら、攻めきれずに、ミスを重ねた。攻めていてもフェデラーは攻めきれなかった。一方でナダルはまったく崩れなかった。それだけでなく、ナダルのトップスピンはフェデラーのストロークを崩し、ネットでもミスさせた。そしてここぞと言う時に出す、サーブとフォアの強打は必要なときにナダルに欲しいポイントを与え続けた。磐石にして鉄壁、不動にして揺るがず、攻めに転ずればその強打は矢のように射抜く、赤土の上の要塞は依然として落ちなかった。
フェデラーが見極めたと言っていた対ナダル対策とは何であったのだろう。全仏に入って多用した、ライジング打法を積極的に使った早い展開のラリーはほとんど使われることがなかった。高い打点からのハードヒットに相変わらず固執していた。変則的回転のかかった高く弾むナダルのスピンボールをうまく処理できずにミスを重ね、主導権を握ないまま試合が進むという、対ナダル戦におけるフェデラーのいつもの負けパターンであった。ナダルのトップスピンがハンブルグ以上で対ナダル対策を出せなかったのか、あるいは対ナダル対策は実行できているのにナダルが崩れなかったのか。敗因は良くわからない。ハッキリしているのは皇帝のガリア制覇はまた持ち越されたということだけであった。