海と犬と湖と

横浜でヨット生活を送っています。クルーザー歴は3年になりましたが相変わらず貧乏船主です。果たしていつまで乗れるやら… クルーはシェルティ(♀)の愚犬リル。 いつも二人で東京湾に浮かんでます。 アーサー・ランサムの影響を多分に受けてます。

 2017.4.20
ブログ辞めたんですけど、今日初めての経験をしたので「おまけ」で挙げておきます。恐らく二度はないことだと思います。

いつものようにリルと微風の中を走っていると、横須賀沖に2頭のイルカが現れました。
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イルカを見ることはたまにあります。(最近では東京湾にもクジラが入ってきたりします)
バンドウイルカらしき体長が1m70cmほどのイルカはだんだんフネの方に近づいて、ついにはフネと併走し始めました。
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交互に浮き上がってきては、プハーッと息継ぎをするので、リルもびっくり。
2頭のイルカは楽しそうに遊んでいる感じです。
あまりにフネに近いので、微風で機帆走していた私はスクリューに巻き込まないかちょっと心配でした。
なにしろ、フネの下をくぐって反対側で顔を出したりするんです。
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リルは何事が起ったのかとデッキに上がってきて、イルカと目を合わせたりしています。
ただ、体が大きいのと、時折潮吹きをしてリルの顔に水がかかるのでリルはだんだん後ろの方に下がってきて、私の邪魔をします。
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それでも興味津々のリルはずっとイルカの泳ぎを見ていました。
観音崎手前までの約30分ほど、リルと私は2頭のイルカと一緒でした。
なんとか湾の外までついてきてくれればよかったんですけど、潮目が変わる浦賀には現れませんでした。
イルカもリルが見たかったのでしょうね。
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フネの前を走るイルカというのは見たことがありますが、並走して泳ぐイルカは見たことがありませんでした。
いい思い出になりますね。

それでは、また逢う日まで。

千と一夜のこのブログ、本日をもって終了することになりました。

前ブログ「アーサー・ランサムのDNA」より始めて約3年。短い期間ではありましたが、ご愛顧くださり誠にありがとうございました。
これまで読み続けてきてくださり、この駄文に貴重なお時間を割いていただいたこと、また、励ましやご理解をお寄せいただいたこと、愚犬リル共々深く深く感謝申し上げます。
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子供の頃よりの夢であったクルーザーJOLLYHOT号に乗れたことは、喜び以外のなにものでもありません。
様々な問題を抱えつつ早期退職に至り、人生の中の僅か3年間でもといいからと貧乏船主覚悟で海に乗り出しました。
この至福の時を最大漏らさず記録として残す。そんなつもりでやり始めたブログです。
当初より「フネのある間は」と思ってやっておりました。
幸い、老船ながらもJOLLYHOTはよく走ってくれ、未だなんとか維持ができています。
ブログを閉じても、私とリルは当分東京湾でユラユラ憩いのひと時を過ごしていますから、興味を持たれ方は是非YBMにお立ち寄りください。
ブログを読んでいただいた方の中には、ヨットやクルーザー初心者が多かったことも承知しております。
私の失敗の数々が少しでもお役に立てれば幸いです。

リルと輝2
  リルがやってきた頃。(2009年)

この3年の間、リルもすっかり”ヨット犬”らしくなりました。テレビなどでも紹介され、今ではいっぱしのAB船員気取です。
今年は大学生となった息子もボート免許を取得して、ますます楽しくなりそうです。
先代コニーに寂しい思いをさせたという後悔の念から、リルはいつも一緒です。どんなところにも連れて行きます。
ブログ読者の多くがリルのファンであったことも認識しておりました。ブログを初めてすぐにその反響の多さに驚いたものです。『まさはる君がいく』に出演させていただいたのもこのブログがプロデューサーの目に止まったからでした。
「アーサー・ランサムのDNA」では”愚犬”として紹介しましたが、それでずいぶんお叱りを受けましたので、このブログでは”リル”と名前を出したところ、YBMの桟橋でまったく見知らぬ方からも「リルちゃん」とお声をかけていただいたりしてました。
リルはこれからもヨットに乗り、ボートやカヤックにも乗り、登山し、全国中を巡ります。
見かけましたら気軽にお声をかけてみてください。少なくとも人にはなついていますから。

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   桧原湖にて

表題に反して、少し湖の内容が薄かったように思います。
本来ならアウトドア編としてキャンプやバードウオッチング、フィッシングなどの話が盛り込めれば良かったのですが、なにせラジオの受信がやっとという場所でキャンプしていたため、なかなか紹介しきれなかったというのが実情です。
福島県桧原湖が昔からのフィールドですが、クルーザーを降りることになりましたら、近辺の川や湖にも出かけていくと思います。
その時にはまた新たな発見ができると信じておりますし、新たなランサム仲間に出会えるだろうという期待感も持っております。
2年、3年後、犬連れでキャンプしカヤックに乗って鼻歌交じりに空を見上げてる者がおりましたら、気軽にお声をかけてやってください。

また、ランサムファンの方々が時折お忍びでお読みいただいていたことも承知しております。
ブログは時間的な諸事情で終わりますが、しばらくはこのまま放置しますので、もしよろしかったらコメントにメアドなどを残していただけると幸いです。コメントは非公開にしますし、メアドは別途保存の上、即破棄いたします。
旅好きな私ですから、どこかでお目にかかれるやもしれません。(リルも)
NancyBlackett

なんだかんだと忙しくなってきましたが、私は今とても幸せです。
皆さん、どうもありがとうございました。

2017.3.31 本日、千一夜目で結婚記念日。ブログもこれにて終了です。

第1000夜

千夜を迎えた。アラビアンナイトは1000話の物語だ。
アラビアンナイトと聞いて、何を思い浮かべるだろうか。船乗りシンドバッド?、アラジンの魔法のランプ?アリババと40人の盗賊?
そういう話は子供の頃絵本やアニメで見たりしてるだろう。或いはディズニーリゾートでお馴染みだ。童話という感じかな?
だが、実際のアラビアンナイトはとても子供に読ませていいような本ではない。
清貧で戒律を守る敬虔なイメージのムスリムだが、一方で過激派集団のテロが悲惨な戦争を生んだりする。その実社会は我々日本人にはよく分からない。
アラビアンナイトを紐解くと、最初からきわどい話でびっくりする。二人の王の兄弟が妻の不倫や乱交で激怒し、妻は勿論不倫相手の奴隷や従者たちをことごとく殺害したうえ、毎夜処女の夜伽を連れてこさせては殺してしまうので街には若い女がいなくなってしまったということから始まる。それでも王のご乱行はとどまらず、宮廷の大臣の娘にまで手を伸ばす。殺されることを覚悟で一計を練った賢女シェヘラザードがこれ以上の犠牲者を出さぬよう、毎晩世にも奇怪な話をして千夜に及ぶのである。王に語った話はまるでこの世の非道と犯罪を並べ連ねたがごとくだ。
ギリシャ悲劇も脱帽するような内容だが、千夜の物語の最後千一夜目はシェハラザードが生んだ王の子を初めて連れてこさせるエピローグで、我が子を見て感激した王はシェハラザードを殺すことなく正妻として迎え入れるというエンディングになっている。
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私がこれまで綴ってきた極悪非道のブログも今日で終わりだが、明日はエピローグとして今まで読んで下った方へのご挨拶で締めるつもりだ。

それにしても、今日はまた一段と暖かく、風も微風でセーリングでも機走でもよしという日になった。本来ならリルとマリーナへ直行し、ブログ最後のセーリング画像を載せたいところだ。
が、こんな日に相談を聞く必要がある人物がいる。
彼は元の職場の部下で、車いすの障碍者。脳性小児麻痺で下半身不随の上、左手の指もあまり動かない。若干の脳障害もある。
彼の採用に当たっては私が大きく関与し、1年更新の臨時として最低賃金を若干上回る程度の報酬で週4日来てもらうことになった。
大学は出たものの社会経験もなく障碍者手当のみで親と暮らしていた彼は、私の親戚でも知り合いでもない。
ヘルパーと一緒に来た彼はこれから待ち受けている”責任ある仕事”に不安を抱きながら、それでも少し嬉しそうで、顔を真っ赤にしていた。
実際、彼ができる仕事は少なくて1年目には退職された先輩がそれこそボランティアで手取り足取り教えてくださったし、エンドウ始め他の連中も暖かく迎えていた。
彼の契約更新に当たっては、私が直接人事担当にお願いした。
あれから4年、その間に彼の採用時にいた者たちも異動して、彼には無理ともいえるような仕事が回され賃金に見合わないような労働をさせられるようになっていった。
その彼が精神的にも肉体的にも疲れ果てて、昨年ぐらいから辞めたいと言ってきていたが、とうとう明日で契約打ち切りとなった。
なんとも非情な職場になったものだ。
現職からすれば仕事量も拡大する一方で、再雇用や臨時任用が正規より多くなり、少しでも即戦力のベテランが欲しかったのだろうと思う。だからと言って、増員を要求したわけでもなく、そんな働きかけをしたわけでもないようだ。
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今日はそんな彼の苦悩とこれからの仕事の事をじっくり話した。
一応他の部署での採用を考えているようで、通知待ちだと言う。
私はもう部外者なので人事に口を挟めないが、人にやさしい職場であって欲しいと思う。
エンドウの話では鬱だの精神耗弱などで休職・退職を余儀なくされる職員も後を絶たないらしい。
多忙が慢性化し、視野も狭くなって余裕もないようだ。
採用が決まったら連絡をすると彼は言っていた。彼には同じように障害を持った人たちの魁でいてほしい。

昨日、海王さんに勝手にエアエレメント交換をしたという連絡を入れたら、発注したエレメントは会社の在庫にするから構わないというありがたい返事をくれた。
エンジンの調子を聞かれたので、若干オイル漏れがあるような気がすると言ったら、さっそく昨日フネに入ってみてくれたらしい。エンジンルームのビルジ溜まりにほんのわずかだが黒いオイルが見えていたのだ。
オイル管などを丹念に見てくれて、今朝連絡が入った。
「インペラ横のオイル管から、わずかに漏れてますね。エンジンの振動でボルトやねじが緩んだりしますからね」と報告された。
「それ、私でも直せますか?」と訊くと、
「ああ、もう直しておきました」とさらっと答える。「疑わしきは早めに交換した方がいいですからね」
いやあ、ありがたい。アフターサービス万全だね。
でも、よく1GMのオイル管の予備を持っていたなあ。

リルとは午前中に散歩。
暖かい日だからご近所の皆さん犬連れでお出まし。
家内の散歩じゃないが、その都度誰かに声をかけられるので一向に終わらない。
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  また、おしゃべりしてるんだよ。

その上、リルの友達は散歩しておらず、どちらかというと苦手な輩がリルを見るとギャンギャン吠えたり、威嚇姿勢を見せたりするので、リルもおっかなびっくりで歩いていた。
犬の世界も複雑だなあ。
秋田犬の友達の家ではなかなか動こうとせず、ずーっと友達を見ていたリル。
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  今日はもう散歩してきたんだ。悪いな。

仕方ないのでロング散歩になり、大岡川沿いに並ぶ屋台の匂いだけ堪能させてやった。
「まだお店開いてないよ」
私は昨夜のボランティアでアドレナリンを使い果たしたのでうまく寝付けず、少々睡眠不足。
ご近所さんがいなくなってもタラタラ歩いていた。
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また来ような。

今日は他にもナオトさんや九州の友人と電話で話す。
なんか一週間分の会話をしたような気がする。
まあ、話すだけなら親不知はあまり関係ないけどね。


2017.3.30 いろんな人とお話ししましたあ。







第999夜

これからボランティアに出かけるところ。
水曜の午後はボランティアの準備に充てているが、今日は誰の担当になるかさっぱり分からない。
台湾の女の子が一人だけ帰ってきてる筈だが、一人だけで来るとは思えないし、フィリピンのタガログ通訳の女性には一応四月からと言ってある。ブータンの留学生かなあ?それともまた新しい人か?
こうなると準備も難しい。
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水曜の午前中はだいたい医者に行く。
今日も久しぶりの整骨院に行く。
「あれ?腰、相当いいじゃありませんか。膝もかなり改善しましたよね」
って、君たちが施術してんじゃないの?
トゥルースリーパー、様様だね。

それから歯医者。治療中の虫歯はもう処置が終わって被せるだけになっているが、少し前から反対側が痛み始めた。自分で鏡を見ても特に虫歯がある訳でもなく、歯肉炎でもない。水を飲んでも沁みない。
ちょっと診てもらったら、なんと親不知。
「これは抜歯した方がいいですね」
「えっ?抜歯!?」 なんでそうなるのよ~
斜めに伸びた親不知が奥歯との間に三角ポケットを作ってしまっている。そればかりか、奥歯を押していると言うのだ。
すでに抜歯した親不知は3本ある。その都度血だらけになって痛かった。
ピートの歯は乳歯だったからレンガに結んで屋根裏から落とせたが、親不知じゃそうもいかない。
「被せる方はいつでもできますから、来週こっちを先にやっつけましょう」
と、また痛み止めを貰う。
具合の悪いときはバクバク食べるのが我が家の家訓。でも、歯がこれじゃあなあ…
一気に食欲失せた。

トボトボと大岡川沿いを歩く。
ソメイヨシノの桜並木はまだまだ1分咲きというところだが、週末は桜祭りがあるらしい。早々と屋台が場所確保に動いていた。
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この手の屋台は夜市と同じで、美味そうな匂いで人を惹きつける。
咲いてなくても今週末に行くかな?リルは大好きだしな。

柔らかそうなサンドイッチを買って家に帰る。
食後は午前中留守番してたリルと散歩。
「お医者さん行ってたんだからしょうがないだろう?リルもお医者さん行きたいの?」
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  嫌だよ~ 
散歩しながら、リルに抜歯の説明。
「また来週お医者さん行って、注射して歯を抜くんだぞ。オマエもお医者さん行って、狂犬病の注射な!」
ひえ~っ!! とギャンギャン騒いで猛抗議。
だが、銀行で金を引き出す頃には、その”悪魔のささやき”を忘れている。
知らない小母さんにナデナデされてご機嫌。
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  ビッケもくれたんだよ。

まあ、あんまり母と変わらない。
それじゃあ、行ってきます。


2017.3.29 歯医者で抜歯宣告うけましたあ。

息子が大学へ行き、スケジュールにも余裕ができたのでリルとマリーナへ行く。
マリーナは定休日だし、排気の黒煙も気になるところだから、今日はゆっくりと係留のJollyhotで過ごす。
出航予定はないからおにぎりではなくサンドイッチをコンビニで買っていく。IMG_3888
 えっ?おにぎりじゃないの?

ここのところ、自分のことが後回しになっていた感じがするので、のんびりするかあ。
キャビンのクッションを出して、リルと一緒に日向ぼっこ。
マリーナ定休日でほとんど人影がない。昨日に比べたら今日は春の日差しが目にまぶしい。
そうそう、係留クルーザーはこれもいいところだ。
ディンギーではこんなことはできないし、陸置きでは味気ない。
ついでに、キャビンのマットも日干しする。
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  ネムネムになってきた。

コクピットに横になると、青空とマストの林くらいしか目に入らない。たまに南東風がブローを連れてくるが、ウィンドブレーカーのフードを被ると寒くもない。
この解放感は久しぶりだあ。
横になりながら、つらつらといろんなことを考える。何を考えても構わないというのが想念の自由。
楽しいことだけを考え、大まかな予定を立ててみたりする。

日を浴びて顔がポカポカしてきたので、ちょっとお掃除。っていうか、キャビンの中のひんやり感が欲しくなったりするのだ。春だよなあ。
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  まだ眠いよ~

キャビンにだって家事はある。
トイレ掃除や、カーペットのゴミ掃き、流し場の拭き掃除、キャビンシートはコロコロでお掃除。
そろそろストーブも片づけようかな。
リルが上から暇そうに覗いているので、ちょっと散歩するかあ。
平日の午前中はアウトレットもガラガラ。マリーナ関連の会社も休みだ。
待てよ、ヤンマーの営業所はやってるんだ。
海王さんに頼んだけど、吸気サイレンサーのエアエレメントを買ってくればいいや。そうすれば今日エンジンの調子をみることができる。そんなに高い物でもないから海王さんに頼んだ分は予備にすればいいや。
で、散歩がてらヤンマーのお店に行く。

事務員の女性がドンとどでかい部品パーツのマニュアルを持ってくる。
「えーと、エアの関連ですよねえ」
などと言ってるが、さすがに細かなことまでよく知っている。
ついでに、エンジン用ジンクセットと、燃料フィルターとOリングも買ってくる。そろそろ交換時期だからね。
しめて3420円。エレメントは2000円だった。

フネに戻るとちょうどお昼。
リルと”隠れ家”でサンドイッチを食べる。
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   じーっ。

午後になると風が弱まった。
エンジンは動かないわけではないから、ちょっと一走りもできるのだが、そこはなんだ、こんな憩いのひと時を無駄にしたくないっていう感じかな。水の揺りかごに揺られていたいって感じ。

小1時間もすると、顔がまた熱くなってきたので、エアエレメントの交換に入る。
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うへ、新品と全然違うじゃないの。
このフィルター部分がエンジン内に紛れ込んでたと思うとぞっとする。
調べてみたら2年ほど点検してなかった。2年前は割と原型に近かったけどなあ。
黒煙の正体はこれだ。

エレメントを付け替えて、エンジンを回す。ギヤに入れないでフルスロットル。
前進では前回ほど黒煙が出なかったが、後進でフル回転させたら墨汁のような排水が出た。
ええい、全部焼き切るぞ!
黒煙と墨汁がなくなるまでしばらく回していると、やがてオイルが燃えるような白煙に変わる。
低速にしてやるとほぼ正常の排気色。
まあ、これでクリアかな?

吸気サイレンサーの中も掃除してちょっと煤だらけになったので手を洗い、またコクピットで一休み。
これがゆとりってもんだろう。
エンドウに電話して、教授の手伝いに行く日の予定連絡。
3時を過ぎると雲が出て寒くなってきたので家路につく。
リルはお利口さんだったので、ビッケとササミチップスをあげる。


2017.3.28 マリーナでのんびりし、エアエレメントを交換しましたあ。

  

第997夜

朝から氷雨。それに強風。これじゃあ、リルの散歩も無理だな。
と、いつもリルの事から考える。
続いて息子のこと、さらには両親のこと、友人達とのこと、日本語教室の面々のことを経てやっと自分のことにたどり着く。申し訳ないが家内はその次くらいか。
リルはいつも最優先なのだ。っていうか、朝起きるとすぐに気配を察してやってくる。床を抜け出すとすぐ目の前でじゃれてくるから考えざるを得ない。
雨戸を開けて天気を見、リルの散歩が可能かどうかを見極める。
「今日も雨降りだよ」
”雨降り”はリルにとって、注射、病院、シャンプーに次ぐ忌まわしき言葉なのである。
そんな時リルは少し悲しそうに私をずーっと見ている。
「ごめんな」と言うと、ギャンギャン吠える。「嫌だ、嫌だ」という感じなのである。
こんな日は余計留守番させたくなくなる。
朝食食べて机に向かう私の横でリルもおとなしく惰眠を貪る。トイレに行けばついてくる。

東京でも風花が舞った朝だが、寒の戻りかやけに寒く感じる。これじゃあ、膝も痛くなるなと思いきや、昨日グータラしていたせいで調子が良い。こんな日はせめて長い散歩に連れて行きたくなる。
「リルをできるだけ一人にしない」
いつも朝から晩まで留守番ばかりさせていた先代コニーに誓ったことだ。
だからリルはいつも一緒。
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雨は昼頃上がった。
図書館に行ったドラ息子に昼食を作ろうとしてパスタ用の鍋を引っ張り出したらガラス蓋が滑って割れてしまった。
「昼には戻れ」と言った以上、なにか作らなくちゃいけないが掃除機で細かな破片を吸い取っていたら息子が帰ってきた。
で、仕方なく実家近くのファミレスへ。リルは入れないけれど、こんな時にも連れて行く。
今日はともかく、そろそろ車で待たせるには無理が出るころだ。ファミレスまでは往復でも10分少々。それでも、その時間を惜しむ。

家に帰ってから長い散歩に出る。北風が強くて冬に逆戻りという感じだが、リルにとっては今頃が一番気持ちいい季節。
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 お日様はいいねえ。

ご近所さんたちも犬連れでお散歩。
犬嫌いのリルだが、ごくたまに波長が合うのか自分で近寄っていく友達がいる。そんな友達を見かけると嬉しくて大はしゃぎになる。
いつもの散歩コースにいる柴犬は、名前も知らないが、リルと気が合う。だから、リルはいつもその家の前で立ち止まって短く吠える。
「〇〇ちゃん、遊ぼ」と言ってるようだ。
その芝犬はリルの声を聞くと大急ぎでやってきて、柵から顔を出しちぎれんばかりに尾を振って、これまたギャンギャン吠える。
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  リルの友達。「いいなあ、お散歩」

二人で交互に吠えるものだからうるさくてしょうがない。近所迷惑にならぬよう、適当に引き上げるが、リルとその柴犬は姿が見えなくなるまでギャンギャン吠えまくっている。
主人に似て、友達少ないからなあ。

今日は久しぶりに駅近くの公園展望台に行った。
50段の階段があるが、今日は膝の痛みで休むことなく登れた。やったー!
苦節四か月。これで少し筋肉運動ができそうだ。
他人様には分からないだろうが、休みなく登れたことが本当に嬉しくて、ウナギ族のように土人踊りをしていた。(展望台には誰もいなかったが、下から見上げてる爺様がいた)
季節の変わり目には奇行が目立つ。
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  なんば、しよっとね。

今日も一日リルと一緒。
草葉の陰でコニーが喜んでくれるかな?

どこにでも入れ、どこにでも連れて行かれる英国で、リードなしに散歩出来たらなあ。よくそんなことを考える。
リルとならインターシティに乗って英国中を回れるんだけどなあ。
リルを車に乗せて、時には車で寝泊まりし、たくさん時間をかけて遠く離れて住む友人たちを訪問するのは私のささやかな夢でもある。
ラグビー校
    ラグビー校


2017.3.27 今日はリルといっぱい散歩しましたあ。



AHOY!

ナオト氏の自作艇”アマゾン号”が完成間近になった。
先日連絡をいただき、工房から外へ出すために人手が欲しいから手伝ってくれとのご要望。
ここは喜んでお引き受けする。日時も仮決めした。
何度か足を運んだタカハシにも連絡したが、年度初めは仕事が忙しい。ここは後輩エンドウにご助力願う。
足元注意の警告音はリルにもできそうだから、景気づけにギャンギャン吠えてもらおう。
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表題「BONNKA」はランサム未作の13巻目「北のオオバン」に出てくる新艇。

もうすぐ構想2年、制作3年の力作が日の目を見ることになる。
ナオト氏は私たちランサム仲間の間では”教授”ということになっている。
ご本人自身がランサムの物語に出てくる登場人物の中で、ディック・カラムが一番のお気に入りである。
ツバメ号とアマゾン号」は必ずしもナンシーが中心ではない。
ランサムの本の中には多くの子供たちが出てくるが、その誰かに自分を投影したり、そのようにありたいと思うのは読む者それぞれに違う筈だ。
”教授”はディックの道を歩み、やがてロクサムの船大工に転身した。
私が初めて工房へお邪魔した時、
「お仕事は何をなさってるんですか?」と問うたところ、
「BoatBuilderです」と笑いながら答えた。
その頃はまだ立派な仕事に就いており、その一方で木造カヤックを作り、アマゾン号制作に乗り出していた。
ランサムのDNAは”教授”にもしっかり受け継がれてきたわけだ。
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   アボットホール ランサムの部屋(1987)

ランサムが生み出した12冊の本、一体今までどれくらいの人に読まれてきたのだろうか。
少年少女だった彼らはどんな感化を受け、何に関心を持ち、どう生きてきたのだろう。
競技ヨットにはまり込んだ私、女海賊となったミス・リー、海王丸艦長となったH氏、多くの子供たちはどこかでヨットに乗り、或いは船に魅せられたかもしれない。
だが、アダチ君のように金鉱掘りに魅力を感じたり、いつまでたってもアウトドアのキャンプから脱せない人もいるだろう。編集者や童話作家になった人もいる。
「真似事」ではない自分自身の生き方の中に、どこか遠くでうっすら輝く導標がある。ランサムに出会った人は事あるたびにそれが何かを思い出すのだろう。
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  この当時はフラッシュ撮影しなければ写真OKだった。

”教授”はむしろ培養・変化のない純粋な気持ちを持ち続けている人かもしれない。
生活や社会、仕事や人間関係、野心や欲等々生きていれば当たり前のように付随してくる大人の世界にあって、カヤックやヨットを作るというのはある意味道楽だ。現実逃避と切り捨てられても仕方ない。それが緻密な計算の上でどれほどの技巧を兼ね備え、試行錯誤を繰り返し、自らが汗を流したとしてでもだ。
「稼ぎがなければ金の無駄」、「自分勝手な趣味の世界」そんな苦言も聞こえてきそうだ。
そんな外野の声を遮断し、自分の心の底から湧き上がる自分自身の夢を貫くことで、見失いそうな浮標の灯をしっかり捉えているのかもしれない。そうやって、純粋な少年の心を保ち続けてるのかもしれない。

スピードが速い上に複雑すぎて生きにくい現代で、スローで素朴な生き方ができる人は少ない。むしろ、自らの生きがいを見出すこと自体が難しくなっている。
”教授”は想い描いた少年の日の夢を追い求めている。
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  一番乗りしたんだよ。

ここのところ、やたらと相談や頼まれ事が多い。仕事を離れて3年経つが、まだそんなことで電話をもらうこともある。ナオト氏からも別件で呼ばれている。
実のところ自分の事で精いっぱいな感じなのだが、そうやって思い出してくれるだけでもありがたいと思う。
みるみる埋まるカレンダーだが、稼ぎは一向にないな。貧乏暇なしとはよく言ったもんだ。

今日は終日雨。晴航雨読の生活はどこへやら。勉強したいこともあるんだけどなあ。
友人達が送ってくれた学校関係書類に目を通し、日本語教室のホームページ草案を考えていただけ。バタバタとはしなかったから、一応グータラパパになってるかな?
明日はリルと遊んでやらないとなあ。


2017.3.26  一日グータラパパしてましたあ。



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