今日は晴天の一日になるはずだったが、朝からどんより曇り空。しかも寒い。
昨日が暖かかっただけに朝の冷え込みは一段と身に染みる。
リルと散歩に出るも、マリーナの方は鈍色の空で晴れどころか雨でも降り出しそうな雰囲気。
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 早く歩いてよ~

取り敢えず整骨院へ。
体が冷えて固まっているのが自分でも分かるくらいだから、相当凝ってる。
「昨日はヨットに乗ったんですか?」
いいえ!」
ハイと答えて良かったことなどないからねえ。
まあどっちにしろ、結果的には虐待にあうのだけど…

百均によって細々としたものを買い、コンビニで弁当買って帰る。
家を出て2時間、まさかと思いきやリルはまたしっかりと悪戯して、私のシガーパイプを完膚無きまで噛み契っていた。
この愚犬が!
例によって現行犯ではないので、重要参考人として任意出頭させるも、黙秘に終始しこの密室事件も迷宮入りになりそうだ。
ええい、隣の外構工事うるさいぞ!と、八つ当たりする。

昼食を取っていたら、カーテン越しに一条の光。
振り仰げば青空が。
ヨシ、マリーナ行くぞ。
邪な後ろめたさがある愚犬は、にべもなく同意。
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   お天気いいよね~

媚びた薄笑いを浮かべながら、何事も無かったように愛嬌を振りまく愚犬。 越後屋か?
とはいえ既に1時を回っているから、点検無視して15分で出航。

が、風がほとんどない。
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  タラ~ン。

沖に出ていたフネがセールを下ろして戻ってくる。
これが夏なら機走して帰ってくるだけだが、秋はそうじゃない。
ポカポカの秋晴れとなったから、走っていようと走ってまいと関係ない。漂流する。
マストの風見はクルクル360度回っているし、ヒールをつけないとセールの重みで裏ジブになる。
まあ、いいじゃないの。
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   ベターっ。

こうして小1時間ほど東京湾一人ぼっちを満喫する。
「船長、喉が渇きやした。ラム酒を1杯くだせい」
しょうがないので船長特権の野菜ジュースを水で割って飲ませる。
こんな事をしてると眠たくなるな。って、リルはもう寝てるが。
風速1m/sの帆走を試みる。
目標っていうのはいつだって自分で見出すものだ。

ヨシ、目標根岸の浮標。
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  あれですかい?

かつては微風の鬼とまで言われた風読み。
振れ回ってガシャンガシャン音を立ててるメンを、その中で一番勢力が強そうな風にアビームで合わせる。
今の場合、南東と西が拮抗してるが、木更津の煙突は南に煙をなびかせ、停泊船は南東向きだ。
北から北東、東と振れてきたから潮を考慮し南東の海面に視線を集中する。
わずかなブローがあるが途中で消える。
真後ろの西からの風には力がない。せいぜいタバコの煙を流す程度。
南東風に賭ける。

って、ここからの長いこと。
歩くより遅いのは潮に押されてるからで、すべてのテンションを解放しても思ったように走らない。かすかなブローを頼りに針路だけは維持する。
40分ほど我慢のセーリング。
やがて本流となった南東風が、小さなさざ波を立て始めて向かってきた。
2m/sほどの風速に乗り、根岸の浮標を回航。
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うへえ、こりゃ整骨院に行った意味ないや。
集中しすぎて首も肩もガチガチじゃないの。次は機走だよなあ。
やっと普通に走れる風に乗ってマリーナへ戻る。
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なんだかんだと2時間半も漂流して、すっかり日が傾いてしまった。
昨日辺りから日没も5時を切っている。
艤装を解いて帰る支度をしていて気がついてしまった。
レイジージャック辺りのブームカバーに、大きなほつれが…
えーっ!これは今日じゃないよ。
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裁縫能力ゼロ。
セイル針で少し縫ってみたが、5針も縫うと手が痛くなる。
こいつは分厚い生地だから針を刺すのさえ厄介だ。
イテっ。

ダメだあ、日没になった。
今度じっくり時間をかけて縫おう。
求む、縫帆工。

PS. オスプレーが飛んでいるのを初めて見ました。