日本サッカーは確実に進歩してきた。

長い暗黒時代。

メキシコ以降、オリンピックはもちろんW杯出場など夢のまた夢。

しかしJ発足以来、ドーハを乗り越え、日韓で決勝Tに進出した。

無論地元の利はあったとはいえ、それでもベルギーには先行されながら追いつき、ロシアの中央を切り裂き、チュニジアには試合をさせなかった。

その次のヨーロッパで開催されるワールドカップ、そこでこそ日本の真価が問われる事となった。

その日本サッカーはどれだけ強くなったのか、を。

予選はイランに一度負けただけ、あとは全勝と圧倒的強さを見せつけての突破。開催国ドイツを別にすれば世界で一番早い出場権獲得であった。

しかし、本番での初戦。

他の試合では見る事のなかった日差しの中での試合、30度のピッチ。

後半残り6分までリードしていながら立て続けに3点を失った日本は事実上この時点で決勝トーナメント出場を逃したのだ。

結果、クロアチアとの試合でスコアレスドローによって得た勝ち点1、2敗、得点2、失点7で日本のワールドカップは終わった。

その後監督はオシムからまた日本人監督に代わり、日本サッカーは進化を続けているのかどうかも見えなくなってきてしまった。

その全てはその2006年6月12日、オーストラリア戦から始まっている。

上位2チームがW杯に行ける。楽ではないが、実力を出せばオーストラリアに次ぐ2位での突破でいいではないか、という見方もあるだろう。

決してそのようなことがあってはならない。

この試合だけは特別な意味を持つのだ。

問題はW杯に出る、出られないではない。いや出ないと行けないのだが、オーストラリアにだけは!

故に選手たちに出される指示は、

「勝て」

であるべきだ。

日本が世界のサッカー強豪国の仲間入りを果たすのは、アジアの国相手ではもう役不足なほどの進化を日本は遂げてきた。

オーストラリアのAFC加入は日本がさらに強くなる為のステップであったと、後に言えるような時が来る事を心の底から望んでいる。

そのためにはオーストラリアに勝たねばならない。

オーストラリアは強い!大きくて高くてうまい。何よりも世界最高峰でしのぎを削り経験を積んでいる!

涙を流した多くのサポーター、これまでの日本代表として戦ってきた多くの選手たちのためにも勝ってくれニッポン。

さあ、乾坤一擲のゲームの笛が鳴った!

 

日本は目の色が違う。

右サイドの深いところを何度もえぐるがラストパスはことごとく捕まる。

クロスは狙いすぎているのかトップに届かず、或いはニアで弾かれてしまう。

ファーに上げにくいのは理解できる。あの高い黄色い壁では!

後半マツイに変えて大久保。

15分過ぎから日本の波状攻撃。

CKも大久保、遠藤のシュートもGKの好餌、田中達も長谷部も突っ込むが得点には至らない。

厳しい、厳しい戦いだ。

オーストラリアのスピードも落ちている。

あのキーパー強い!

後半33分タマダ!

41分長谷部のボレーは大久保に当たる!

こういうのは残念ながら不運ではなく実力のウチでもある。

強ければ必ずマウスを割る事が出来るのだ。

日本も足が止まった。

今の日本はここまでか。

日本に対する試練の何と苛酷な事よ。

だがそれが日本サッカーを磨き、必ずや強くするであろう。

わかった!

ここまで喜びも悲しみも幾年月、木村SFK惜敗、ドーハもジョホールバルもバティにやられたトゥールーズも静かなスパチャラサイも、我が思いは常に代表とともにあった。

浮くも沈むも共に、これからも彼らに願いを託すだけだ。

日本0-0オーストラリア