2011年08月06日
立山合宿２(ソーメン滝)
弥陀ヶ原から天狗平へと向かう途中、標高2280mのところから望むソーメン滝。ガスが立ち込めて視界がきれいに見えないのがちょっと残念。地獄谷付近から流れ落ちるその壮大な姿は今までの疲れを癒してくれる。ここから目指す室堂まではあと3km弱。ここまで30km以上の道のりをひたすら駆け上がってきたことになる。立山合宿(称名滝)
標高約480mのところにある立山駅を朝５時すぎに出発し、桂台、美女平、弘法平、弥陀ヶ原、天狗平と立山高原バスのルートに沿って標高2450mにある室堂へと向かう。美女平から弘法平へ向かう途中、標高1280mのところにある滝見台から望む称名滝(しょうみょうだき)。４段構成の滝で落差350mは日本一らしい。この滝見台から室堂まではまだ20km以上ひたすら上り坂が続く。この辺りは1km進むごとに標高にして100m上がる勾配のきつい坂が続き走っていてもかなり苦しい場所だ。2011年06月04日
安土城跡(その１)
長年の念願かなって今回初めてこの安土城跡に行くことができた。標高わずか百数十メートルの小高い山なのだが、この山の中に天主閣だけでなく家臣の屋敷からお寺まであり、山そのものが城といった感じだ。何百段もの石段を登り続けること約30分、ようやく天主閣跡にたどり着いた。この石段の中には古い石仏をそのままリサイクルして使っているものもあり、当時の信長の勢いを伺い知ることができる。天主閣跡からは残念ながら木に隠れて琵琶湖は見えなかった。ただ、当時はここに５層の大天主がそびえ立っていたんだなあと思うと、誰が燃やしてしまったのかはよく分からないが、一度その姿を見てみたかったなと残念な気持ちも沸いてくる。
この安土城跡、いろいろと想像力をかき立ててくれるなかなか面白い城だと感じた。
写真後ろが天主閣跡。ところどころに柱の跡と思われる石が残っている。
2011年05月21日
清洲城マラニック
今日は山口さんと久しぶりのランニング。歴史好きの二人で名城公園を出発し清洲城へマラニックに出かけました。約20年ぶりに訪れた清洲城。室町時代から1610年の清洲越まではこの名古屋地域の中心地であり、歴史の表舞台に何度となく登場した由緒ある城。天守閣前の広場では大河ドラマ「江・姫たちの戦国」の特設ドラマ館もありました。ドラマ館見学後に広場内で足軽さんたちと記念撮影。2011年02月26日
2010年12月18日
2010年12月17日
宮崎旅行＆国際青島太平洋マラソン完走記
今回、宮崎県国富町で養鶏をはじめとした農的生活をしている学生時代の友人を訪ね、また、国際青島太平洋マラソンに参加するため、妻と二人で宮崎を訪れた。
★１日目
中部国際空港からＡＮＡ便で一路宮崎空港へ向かう。土曜日ということもあり、また翌日が青島太平洋マラソンということもあって、搭乗した便はほぼ満席。中には、宮崎についたらすぐにでも走りだせそうな格好をしている乗客もいて、マラソン関連の話ももれ聞こえてくる。僕自身は国内線に搭乗するのは久しぶりなので、１時間20分という飛行時間があっという間に感じた。
宮崎空港に到着すると、預けていた荷物を受け取り、学生時代の友人Cocoroさんと落ち合う。宮崎に降り立つのは、３年前のそのCocoroさんの結婚式参加以来２回目だ。やはり南国宮崎とあってか、ほおに当たる風が名古屋よりも温かく感じる。
この宮崎旅行の初日と二日目はそのCocoroさんのお宅に泊めさせてもらうことになっているので、Cocoroさんの運転する車で約１時間かけて国富町へと向かう。途中、ホテルプラザ宮崎で翌日のマラソンの受付を済ませた。
Cocoroさんとその夫・Ｙさんが暮らす家は、国富町の中心部にあり、近くには町役場、中央郵便局のほか、スーパーやコンビニもあって、想像していたよりも都会的なところにある。ただ、お宅は田舎の古民家といった感じでとても大きい。以前はＹさんのおじいいさん・おばあさんのお宅だったそうだが、現在はCocoroさんたち二人だけで住んでいるとか。
部屋のストーブがまきストーブなのを見て、妻が「私の中国の実家と一緒！！」と思わず感動の声をあげる。たしかに、まきを燃やしたその匂いは中国のお父さんの家と同じ匂いがする。日本に来て、都会のマンション暮らしに慣れてしまった妻にとっては、農家のこうした昔ながらの暮らしは遠い故郷を思い出させ、同時に愛着が沸いたのかもしれない。
夕食は、Ｙさんが大切に飼っている鶏の肉と、無農薬・無化学肥料で栽培された野菜をふんだんに使った鶏団子鍋だ。Ｙさんは、大学農学部を卒業後、故郷宮崎に戻り、地元で師匠と呼ばれる方から無農薬・無化学肥料の野菜の栽培方法や、エサからこだわった養鶏の方法などを学び、それを自ら実践されている。
鶏のミンチは、歯ごたえがあり、噛むたびに鶏の味が口中に広がってきて声にならないほどおいしい。僕も妻も初めて口にするこの感動的な味に箸が止まらない。鍋のスープに入れる柚子こしょうもCocoroさんが自分で栽培した柚子と唐辛子を使って自分で作ったものだ。お腹がいっぱいになるほどごちそうになり、体もしっかり温まった。
お風呂も当然まきを燃やして炊いたお風呂。ごえもん風呂のように板の上に乗って入る風呂だ。お湯に浸かっていると、下からどんどんと熱が伝わってくるので、体の芯から温まる感じがしてとても気持ちよかった。
★二日目
朝５時に起床し、Cocoroさんが作ってくれたおにぎりなどを朝食にいただく。６時15分に伴走をしてくださる方が車で近くのスーパーの駐車場まで迎えにきてくれた。
今回、一人で僕の伴走をしてくださるＩさんは、新富町という国富町から車で４５分ぐらいのところに住んでいる方で僕よりも５歳年上のまだ若い方だ。２年ほど前まではフルマラソンを２時間30分ぐらいで走っておられたそうで車中で色々と話を聞いていると実力は十分のようだ。ただ、最近は、1500ｍ〜10,000mのトラック種目に力を入れているみたいで、あまり長い距離の練習はしていないらしい。また、ここ数カ月は、家族の病気の看病や新たな事業の立ち上げなどでほとんど練習ができていないとのこと。そうした落ち着かない生活に走ることを半分あきらめていたときに、友人からこの青太での伴走を勧められて、今回初めて伴走を引き受けることにしたそうだ。会場に向かう車中では、30歳代というこの時期は一番頑張れる時期なので、しっかり練習して高いレベルを目指してほしいと何度も励ましの言葉をかけてくれた。
会場となる宮崎県総合運動公園の駐車場に車を停め、そこからしばらく歩いて視覚障害者ランナーとその伴走者の集まるテントへと向かう。道中、Ｉさんの走友が「今日は伴走かい？」と明るく声をかけてくる。Ｉさんの話によると、地元宮崎には100人近い走友がいるみたいで、そのほとんどがサブ３ランナーというから驚きだ。中には市民ランナーで２時間２０分、２１分で走り、九州一周駅伝の代表選手に選ばれるランナーも２，３人いるみたい。そうしたすごいランナーの中には、今回のＩさんのように視覚障害者ランナーの伴走をされる方も多くいて、さすがはマラソンどころ宮崎だなあと感心させられる。そうしたＩさん自身もかつては山岳競技の国体選手だったそうだ。
この青島太平洋マラソンは、宮崎県を代表する国際マラソン大会で、東国原知事も毎年参加されている。会場に到着すると、その知事がステージで挨拶をしていた。今回が宮崎県知事として最後の参加となる東国原さんは、12時45分の飛行機に乗って東京へ行かないといけないらしく、今回はハーフへの参加となってしまったようだ。一緒に走ることができずちょっと残念。
テントの中は視覚障害者ランナーたちでごった返している。僕とＩさんは着替えを済ませるとストレッチをしながらトイレに並ぶ。トイレを済ませると、ロープを持って腕振りの感覚など手合わせをしながらゆっくりアップをする。
フルマラソンのスタート時間は午前９時。30分前にはアップを終了し、レース用の服に着替えてスタート地点に向かう。Ｉさんが再度トイレに行きたいというので、もう一度トイレの長い行列に並ぶ。Ｉさんはかなりトイレが近いようだ。
スタート10分ほど前にスタート地点に到着したが、そこはフルマラソンのランナーたちでもういっぱい。僕のゼッケンナンバーが2000番台なので、なんとかお願いして2000番台のランナーが並んでいるブロックに入れてもらった。その地点からスタート地点まではまだ５０ｍ以上はある。このフルマラソンのスタートとゴールは、サンマリンスタジアムというプロ野球・読売ジャイアンツがキャンプを行うスタジアムのすぐ横。
午前９時、カウントダウンが始まりスタートの号砲と数発の花火の音が聞こえるが集団は全く動かない。１分以上経過してようやく少しずつ動き始める。Ｉさんが時計を忘れたというので、今日は自分自身の体の感覚で走るしかないなと心に決めてスタートした。最初の２，３キロは、公園内のせまい周回道路を走るので集団がなかなかばらけない。ジグザグ走行をしながら少しずつ前へと進もうとするが、すぐにつまってなかなかペースがあげられない。ようやく公園の外へ出て宮崎の市街地へと向かう長いバイパスへ入る。道幅が広くなるのでようやくペースを上げられるかなと思っていると、緩やかな上り坂になり、にわかに前がつまってペースダウンを余儀なくされる。６キロすぎまではそうした状態で走っていた。５キロごとにＩさんが近くにいるランナーにタイムを聞いていたが、それがグロスなのかネットなのかもよくわからないまま体の感覚だけで前へと歩を進める。１０キロ付近でようやく４時間のペースランナーを捉える。こんなところに４時間のランナーがいるなんて、やっぱりまだペースが遅いのかなあとＩさんと話ながら走っていると、ちょっと前に似たようなペースで走っているランナーがいる。Ｔシャツの背中には「マラソンのキケンよりも○○のキケンのほうが恥ずかしい」と書いてある。この「○○」には何が入るのかなあ？「人生」かなとＩさんと話しながらしばらく着いて走っているととても気持ち良いペースで走れるようになってきた。
１１キロ過ぎでＩさんがトイレに行きたくなり仕方なく止まる。このトイレ地点を過ぎ、大江戸川という川にまたがる橘橋という大きな橋を越えるとそこは宮崎市の中心部だ。沿道の応援のボルテージもにわかに大きくなってくる。中学生や女子高生たちの黄色い声援も聞こえてきて元気が出る。東国原知事とともによくテレビに出てきたあの楠並木通りも行きも帰りも走る。並木通りは道幅が狭くまた薄暗いが、沿道の応援も間近で聞こえてきてとても気持ちがいい。
並木通りから再び幹線道路に戻り、今度は折り返し地点となる宮崎神宮へとコースは向かう。宮崎神宮の大きな鳥居をくぐりしばらく行くと折り返し。折り返しといってもなだ１８キロ手前だ。このあたりから徐々に伴走のＩさんの息遣いが大きくなってくる。
中間点を過ぎ、２５キロ付近になってくると、僕自身も暑さを感じ始めるとともに足の動きが少しずつ鈍くなってくる。次の給水で給水と給食を取ろうと二人で話すがなかなか次の給水ポイントが見えてこない。２７キロ手前にようやく給水ポイントを発見。そこでバナナをもらい、ポケットに入れてきたゼリーを補給する。Ｉさんはここでもトイレに直行。
残り１５キロ付近を過ぎると、左前方にゴール地点となる総合運動公園のサンマリンスタジアムがうっすらと見えてくる。それもそのはず、この青島太平洋マラソンのコースは、３１キロ過ぎで一度総合公園に戻り、公園内を通って今度は太平洋が広がる青島海岸・トロピカルロードへと向かい、再び総合公園に戻ってくるコースなのだ。
３１キロ地点でＩさんがストレッチをしたいというので一度止まる。僕自身も先月のフルマラソンの疲れが抜けきっていないのか、足が思うように動かなくなっていたので、同様にストレッチをして再び走りだす。後でＩさんから聞いた話だが、Ｉさんは練習不足により１６キロ過ぎからだいぶ足が重くなってきていたみたいだ。
再び総合公園の周回道路に戻ってくると、スタート直後は全くといっていいほど走れなかったその道が気持ちよく走れる。このあたりになると、前を走っているランナーたちも一気にペースダウンしてくるので、こちらもペースダウンしていても一人二人と次々にかわすことができる。今どれぐらいのタイムなのか、１キロあたりどのぐらいのペースで走っているかも全くわからないし、中間点を過ぎてから立ち止まったりして休む時間が増えてきていたので、もう記録はどうでもいい、最後までこのマラソンを楽しみましょうとＩさんと話しながら走る。Ｉさんは実力相応の走りができないことにかなり申し訳ないと感じていたみたいで、走りながら何度も何度も「ごめんね。ありがとう。本当ありがとう。」とつらそうな声で僕に言ってきた。
一度総合公園を抜け、トロピカルロードへと入る。岩に当たる太平洋のすさまじい音が聞こえ、ここまで走ってきた疲れや辛さをしばし忘れさせてくれるほどだ。
この太平洋岸のトロピカルロードの折り返し地点に比較的大きなエードがあった。そこでがんも、みかん、オレンジゼリー・・・などほぼバイキング状態で次々に栄養補給をする。お腹もすっかり満たされ、再び走る闘志が生まれてきた。「よし、残り５キロだ。」Ｉさんも気合いを入れなおして再びゴールへと向かう。壮大な太平洋の波音を横に聞きながら二人でペースを上げて次々と前を行くランナーをかわしていく。残り２キロで最後の給水をして公園内を最後の力を振り絞って走った。ゴールとなるサンマリンスタジアムが目に飛び込んできた。「よし、ラストだ。さあ、頑張りましょう。」Ｉさんのその言葉に反応するように腕をしっかり振ってゴールへと駆け込んだ。僕もＩさんももう足がパンパンだった。タイムはネットで３時間４１分５１秒。目標にしていた３時間３５分には少し届かなかったけど、スタート直後のロスを考えるとほぼ満足できる記録だった。一応Ｂ２男子の部で２位というご褒美もいだだき、初めてコンビを組んだ伴走者さんと納得のいくレースと最高のマラソン交流ができたのではないかと満足感に浸ることができた。
帰りの車中では、Ｉさんと今後の練習内容のことや、来年もしまた青太を走るなら、もう一度二人で走ろう、そのときはもっと高いレベルで走ろうと話し合いながら国富町まで送ってもらい、そこで来年までのお互いの健闘を誓い合いながら別れを告げた。
再びCocoroさんのお宅に戻ってくると、そこでは妻とCocoroさんによる日中料理交流が繰り広げられていた。第１弾となるこの日は妻による水餃子作り交流。鶏ミンチと韮、エビとコーンの２種類の餃子を料理の上手な二人が手際よく包む。全部で１０２個の餃子があっという間に完成。たっぷりのお湯でゆでた後さっそく夕食開始。餃子を皮から作る経験の乏しい日本人にはすべて手作りの妻の餃子の味はかなり新鮮に感じたようで、CocoroさんもＹさんも感動の声を上げながら次々に餃子をほおばっていた。
★三日目
この日は前日の晴天とは打って変わって朝から冷たい雨。
午前中は、日中料理交流の第２弾として、今度はCocoroさんによるくるみのカップケーキ作りが実施された。Cocoroさんは、月に２，３度、このお宅の台所を会場に地元の方を集めて、手こねのパン教室を開いている。パンやケーキを自分で作ったことのない妻にはカップケーキ作りはかなり新鮮に感じたようで、楽しんで作っていた。
オーブンで焼いて出来上がったカップケーキを３人でいただいた後は、妻が「地三鮮（ティーサンシエン）」というナスとピーマンとジャガイモを使った中国東北地方の家庭料理をふるまった。その料理は僕も大好きでよく作ってもらうのだが、宮崎のおいしい野菜を使って作ったこの日のは特においしく感じられた。
午後、Cocoroさんたち二人が野菜作りの師匠と仰ぐ方のお宅へ車で連れて行ってくれた。綾町の小高い山の上にあるそのお宅では広い畑に冬野菜がいっぱい植わっていて、この日は家族総出で収穫と袋詰め等の作業をしていた。この師匠の栽培する無農薬・無化学肥料の野菜はとても有名で、県内の大手デパートにも出荷されるほどだ。Ｙさんも以前この畑で師匠から色々と栽培技術を学んだらしい。実はその師匠も昔はマラソンをされていたそうで、農作業に疲れるとよく山を駆け下りて走りにいっていたそうだ。この山は勾配はけっこうあるし、いい練習コースだったに違いない。その師匠のお宅でマラソンの話をしながら大根や白菜、にんじんなどを安く出分けてもらった。
その後、Ｙさんが僕たち二人を連れて鶏小屋や、釜炒り茶を作る工房などを案内してくれた。鶏はメスが全部で３００羽、１００羽ずつ一つの小屋に入っていて、その小屋には４，５羽のオスも入っている。卵は朝産むのかなと思っていたが、Ｙさんが説明してくれるその間にも次々とメスたちが小さな箱に入ってきて卵を産んでいた。
次に案内してくれたのはＹさんのお茶畑。４月終わりの茶摘みの季節には、大きな鉄の釜で４時間近くかけてお茶を炒るそうだ。お茶は雪が降るような寒い場所では育たないので、極寒のハルピン出身の妻はお茶の木を初めて目にしたみたいで、どうやってこの葉をお茶にするのかをＹさんに細かく聞いていた。
再びＹさんのお宅に戻り、荷物を整え、この日の宿泊先となる青島パームビーチホテルへと４人で向かう。途中、「鬼扇」という魚料理の店で夕食をとる。この店はジャイアンツの選手も訪れる店のようで、壁にはたくさんのサイン色紙が飾ってあった。
青島パームビーチホテルは、太平洋の砂浜のすぐ前に立つおしゃれなホテルですぐ前にはチャペルもあって結婚式もできる。この青島は以前は新婚旅行のメッカだったそうだ。
ホテルの３階にある温泉でＹさんとお風呂に浸かり農作業のことなど、普段の生活では聞くことのできない目から鱗の話をたくさん聞くことができた。ここのお湯はなめるとしょっぱいがぬるっとしていてとても気持ちがよい。
入浴後は、この旅行でのＹさん・Cocoroさんとの別れ。来年の再会を誓い合いながらホテルの玄関でCocoroさんたち二人を見送った。
翌朝、ホテルの部屋から日の出を見る。眼前の太平洋の水平線から上る太陽はまさに絶景。日の出とともに数人のサーファーたちが海へと繰り出すのが見える。まさにここ青島は日本のハワイだ。
温泉、朝食を済ませるとホテルの前に広がる海岸を散歩。ジョギングコースもあって地面に「10km」などと印字してあるのが見えた。
10人ぐらいのサーファーたちが波乗りを楽しんでいるのをしばし眺めながら今回の宮崎観光の思い出に浸った。
散歩を終えると、少々名残惜しい気持ちでホテルを後にしタクシーで一路空港へと向かった。タクシーの中では、運転士さんがサービスで雨やガムを片手いっぱいになるぐらい渡してくれながら、「宮崎での観光は楽しめましたか？」「宮崎の味はお口に合いましたか？」などと気さくに話をしてくれた。
今回の旅行は、宮崎の人たちのやさしさ・温かさに触れた４日間だったと思う。Cocoroさん夫妻、今回のマラソンで知り合った伴走者さんやその仲間、Ｙさんの師匠たち・・・みな穏やかな表情で気さくに話をしてくれる。そんな宮崎の機構のような温かな人たちと交流をすることができ、心が気持ちよくなり、また明日から頑張ろうという気持ちがわいてきた。来年もまたこの宮崎で今回のような素晴らしい交流ができたらと願っている。
2010年11月20日
明治村トリエンナーレ
３年に一度春と秋に開催される明治村トリエンナーレ（芸能・芸術祭）に、１１月２１日（日）二胡アンサンブルのグループ「千里草原」の仲間で参加することになった。
この「千里草原」は、同じ二胡教室に通う仲間６人で集まって結成した二胡だけのグループ。みんな６年以上の二胡学習歴を持っている人ばかり。この６人で合奏をやろうとなったのも、当初は教室で有志で集まって先生指導で合奏練習を始めたのがきっかけ。それから、教室の発表会や、様々なイベントで合奏をするようになり、グループとしての活動を徐々に広げてきた。
７月末に出場が決まってから、毎週日曜日にメンバーで集まって生涯学習センターなどで合奏の練習を積み重ねてきた。二胡だけの合奏のグループは全国的にもあまり多くはないと聞いている。それというのも、二胡だけで数人がきれいに音を合わせるというのは非常に高いテクニックがいるからかも知れない。ギターや琵琶などの弦を弾く楽器とコラボする場合やコンサートマスターがいる場合はそうでもないと感じるのだが・・・。
やはり、８月・９月ごろは、同じパートの人と音がそろわなかったり、別のパートとずれていたり・・・というのが目立っていたが、何度も何度も練習を重ねるごとにそれも解消され、徐々に「曲」として成り立ってきたという感じがしている。あとは、明日の本番でいい演奏ができればと願っている。
僕たちが演奏を披露するのは博物館明治村の中にある「聖ヨハネ教会堂」という建物の中。教会で二胡を演奏するのは今回が初めてなので、どんな感じで音が響きあうか？今から楽しみ♪
明日の演奏に乞うご期待！！
2010年04月20日
第１２回長野オリンピック記念長野マラソン完走記
４月１７・１８日の２日間かけて長野マラソンに参加してきた。
地元長野の盲人マラソン協会などの熱心な働きかけにより、今回から新たに視覚障害者の部が創設されたこともあり、僕自身も３年ぶりにこの長野を走ることにした。
伴走をしてくれたのは、過去に参加した２回と同じ加藤さん。過去２回とも３時間30分台で走れている、自分自身にとっては相性のよい大会でもあるので、今回は３時間30分を切るという目標を持ってレースに臨んだ。
視覚障害者の部は視力や視野の程度でＢ１〜Ｂ３にカテゴリーが区分されていて、僕はＢ２男子の部にエントリーしていた。
この長野マラソンは前日受付しなければならない大会なので、１７日の土曜日に伴走の加藤さん、同じ視覚障害者の部（Ｂ２女子）に出場するたっちんさんと、今回初めてレースで伴走をする石川さんの計４人で名古屋駅から特急しなのに乗り、一路長野に向かった。
午後１時ごろに長野駅に到着。すぐに受付会場となるビッグハット行きの有料バスに乗って受付をしに向かった。
視覚障害者の部は、公認や一般の部とは別の場所に特別のブースが設けられていたが、ボランティアさんを含め受付スタッフが総出で出迎えてくれ、ランナーと伴走者を椅子に座らせて時間をかけて一組ずつ丁寧に説明をしてくれた。
受付を済ませると、ビッグハット管内でおやきを買ったり、大会公式グッズを見て回ったりした。
２時すぎに再度長野駅に戻り、今度は長野電鉄に乗って宿泊場所がある須坂へと向かった。
昔ながらの少し古びた雰囲気のある須坂駅からホテルまでは歩いて５分程度。素泊まりで5000円弱とこの大会による繁忙期としてはお値打ちな料金で泊まることができた。
夕食はホテルの近くにあるジャスコへ買い出しに行き、お寿司やお弁当、惣菜などをいっぱい買い込んで４人で心ゆくまで話をしながら楽しく食べた。
翌朝は５時ちょっと前に起床。前日ジャスコで買ったおにぎりやおやきを食べてからタクシーでスタート会場に向かう。
６時１５分ぐらいにスタート会場となる運動公園に到着。前日の受付のときに色々と親切に説明をしてくれたボランティアさんが僕らを見つけてくれ、ウォーミングアップ会場への誘導など、いろいろとサポートをしてくれた。
運動公園の中にある陸上競技場では、視覚障害者ランナーのほか、招待選手や公認の部でエントリーしているランナーだけが着替えをしたりウォーミングアップをすることができる。そこでは天白川走友会の仲間にも数人会い、「がんばってね」とエールをもらった。
8時すぎに荷物をトラックに預け、申告タイム順にブロック分けされたスタート位置に並ぶ。僕は全体のだいたい真ん中ぐらいからのスタート。ものすごい人だし、スタートの混雑は視覚障害者ランナーにとっては転倒や衝突などの危険性が非常に高いが、前のランナーが「もう少し前に来い」と親切に手招きをしてくれたので、ほんの少しではあったが少し前からスタートすることができた。
８時２０分ごろから招待選手や各ブロックのペースランナーがアナウンスで紹介され、特別ゲストのＱちゃん（高橋尚子さん）が大声でエールを送ってくれた。
８時３０分にスタートの号砲が鳴ったが、前が渋滞していてなかなか前に進まない。スタートのゲートを超えてもまだ走れる状態ではない。それでも時間は１分、２分と進んでいくので伴走の加藤さんも少し焦りを感じだす。そんな状態なので最初の１キロは７分近くもかかってしまう。２月の口熊野マラソンでは、このようなスタートのロスもストレスも全くといっていいほどなかったが、今回はこの渋滞から抜け出すのにかなりの時間を要した。４キロを過ぎたころからようやくほぼスムーズに走れるようにはなってきたが、ジグザグ走行を余儀なくされる状態は変わらない。５キロの通過に２７分近くもかかってしまった。そのタイムを加藤さんから聞いてから自分自身も少し焦ってしまったのか、次の５キロは少しスピードをあげて１０キロのところでようやくあらかじめ設定していた５０分ぐらいで通過することができた。この１０キロのところは前日受付をしたビッグハットやＮＨＫ長野放送局などがあり、道幅もわりと広いので走りやすい。さらに、沿道では大勢の人が声を張り上げて応援してくれるのでとても気持ちがいい。僕と加藤さんが走っていると、ゼッケン番号を読んだり、「伴走者ガンバレ」と力強いエールを送ってくれる。また、子供たちも一列に並んで大声を張り上げて応援してくれるので、走りながらハイタッチなどをしてパワーをいっぱいもらった。また、この時期長野は桜がちょうど満開で、ところどころ桜が咲いているのが見えてとても気分がいい。
１５キロ付近から４キロほどはＭウェーブという建物の周りを回るところで、ランナーがちょうど対面する部分でもある。そこを過ぎると長い長い五輪大橋を渡ってようやくハーフ地点だ。ハーフの通過が１時間４４分台とまずまずで通過したが、スタートのロスがあるので、体の疲れ具合としてはあまり余裕のある感じでもなかった。
ハーフ地点を過ぎてしばらくいくと、谷川真理さんが僕側のコース上で応援しているのが見えたので握手をしてもらった。２５キロを過ぎると足の動きが徐々に徐々に鈍くなってくる。今回はエネルギー切れにならないように早め早めにバナナなどの給食をするように心がけた。３０キロの通過が２時間３０分２１秒とキロ５分のペースから少し遅れだす。でも、どんなに体がきつくなっても気持ちだけは切らさないようにと自分自身に言い聞かせて前進する。３２キロ付近にオカマの人が一人で応援しているのが見え、少し気がまぎれた。そのオカマゾーンを超えて少し行くと、高橋尚子さんが応援しているのが見えたので、再び握手をしてもらった。谷川さんは比較的温かい手をしていたが、高橋尚子さんはけっこう冷たい手をしていた。
３５キロを過ぎると少し足が回復してきて、気持ちも楽になってきた。それまで伴走の加藤さんがいろいろと気をまぎらすために面白い話をしてくれていたのにも「うん」「はい」としか答える余裕がなくなっていたが、この３５キロから４０キロあたりは気持ちにも少し余裕が出てきて、「あと名城公園３周ぐらいですね。」などと自分から話をすることもできるようになっていた。３０キロ過ぎからは５分30秒近くまで落ちかけていたペースも５分ちょっとのところまで戻すことはできたが、５分を切るところまではなかなか戻せなかった。３８キロ付近で天白の岡コーチが「がんばれ！30分切れるぞ。」と沿道から力強いエールを送ってくれてうれしかった。しかし、４１キロのところで３時間29分を超えてしまい、最後の１キロはまた５分３０秒近くまでペースが落ちてしまった。ゴール会場となる野球場が見えてきて、最後の力を振り絞ってゴールを駆け抜けた。真っ先に例のボランティアさんたちが僕と加藤さんのところに駆け寄ってきて「おめでとうございます。Ｂ２男子で１位ですよ♪」とうれしそうな顔で声をかけてくれ、首に「Ｂ２男子１位」と書いた名札をかけてくれた。ゴールタイムは３時間３５分４７秒。スタートのロスなど厳しい条件の中ではあったが、自分自身の力を出し切れたと思う。
まずは、無事にゴールまで連れてきてくれた伴走の加藤さんにお礼を言い、喜びを分かち合った。今回はタイムの方で目標達成が叶わなかったが、Ｂ２クラスでの優勝というご褒美をいただくことができて、以前にも増して「よし、次のレースに向けて頑張ろう」という前向きな気持ちが強く沸いた。
たっちんさんも、ひざの痛みと闘いながら、石川さんの献身的な伴走のおかげもあって見事にＢ２女子で２位を獲得。夕方４時から、長野駅前のホテルで行われた表彰式にそろって参加することができた。
メトロポリタン長野というホテルの３階にあるセレモニーホールで行われた表彰式には、招待選手も一緒に参加。まず最初に総合優勝した選手や入賞した選手の表彰が行われたあと、僕たち視覚障害者の部の表彰が行われた。Ｂ１（全盲〜光覚）の部は優勝した選手のレベルが高く、男子は３時間０２分、女子は３時間２４分台という素晴らしい記録だった。Ｂ１の部の表彰が終わると僕やたっちんさんなどのＢ２の部の表彰が行われ、選手と伴走者の両方にメダル、１位の選手にはトロフィー（ＮＨＫ杯）が授与された。プレゼンたーの方から首にメダルをかけてもらい、握手をするときに「おめでとう。本当にすばらしいです。」と声をかけてもらったときに、ようやく優勝した喜びと、「来年ももっと自分自身を鍛えあげてもう一度この場所に立ちたい」という気持ちが強く沸いてきた。
来年は僕が今回参加したＢ２クラスもきっともっと高いレベルでの戦いになると思うので、これからまた１年、ひとつひとつの練習を大切にして、高い目標をもって走っていきたいと思う。
今回、このように素晴らしい経験をさせてくれた伴走の加藤さん、そして、視覚障害者ランナーたちがこうやってエリートランナーと同じように輝ける場所を作るために一生懸命尽力してくださったＪＢＭＡ（日本盲人マラソン協会）をはじめとする関係者の方々には本当に本当に心から感謝しています。そうした僕たち視覚障害者ランナーたちを温かい気持ちで支えてくださる方々の意思に少しでも応えられるように、また、一人でも多くの視覚障害者がマラソンに興味を持ち、走れる喜びや幸せを感じられるような日本になるために、僕も一生懸命前を向いて走っていきたいと思っている。
2010年02月11日
紀州口熊野マラソンツアー
今回は、伴走の山口さんと、中嶋さんと３人で、和歌山県上富田町（白浜温泉郷の近く）で開催された紀州口熊野マラソンに2泊3日の日程で参加してきた。
2月6日（土）
中嶋さんの車でで現地に向かうため、朝雪が降るなか家を出発し、地下鉄で上小田井駅へ向かう。上小田井から中嶋号に乗り、高速道路を乗り継ぎ、５時間近くかけて現地に到着した。この日は全国的に雪が降る荒れ模様の天気、途中桑名あたりを通るときは大雪と強風で車が大きく揺れるほど、本州最南端である和歌山県でもみぞれが舞って風もかなりきつく寒かった。
現地・白浜に到着すると、まずは中嶋さんの提案で熊楠（くまぐす）記念館を訪れた。この記念館は小高い山の上にある小さな記念館で、日本が誇る世界的にも有名な博学者・南方熊楠（みなかた くまぐす）の遺品を展示している。熊楠さんは、菌類、特に「粘菌」の研究で有名な人だが、イギリス留学中にはあの辛亥革命を起こし近代中国を作った孫文とも知り合い、孫文が来日中にわざわざ和歌山の熊楠のところへ会いに行ったり、孫文から本や帽子などをプレゼントされるほど仲の良い関係だったことを初めて知った。展示品はそれほど多くはなかったが、山口さんが一つ一つ丁寧に展示品の説明をしてくれた。
記念館での見学を終えると、白浜でも一番きれいな砂浜がある「白良浜(しららはま)」へ向かった。ここは湾なので普段は波も静かなはずなのだが、この日は強風で湾の波も少し荒れていた。次に、くろしおの波が作り出した岩の彫刻・千畳敷に向かった。ここもやはり波が荒れていて波打ち際まで近づくこともできない。とにかく寒いし、５分も経たないうちにまた車に乗り込んだ。
白浜の観光地めぐりが終わるとようやく宿泊するホテルへと向かう。ホテルはバイキングと温泉がお値打ちに楽しめるゆかいリゾート「白浜御苑」だ。
部屋に荷物を置くとすぐに山口さんと温泉に向かい冷え切った体を汗が出るまでしっかりと温めた。バイキングでは、ほぼすべての品目をお腹がはちきれそうになるまでしっかり食べた。食後にもう一度温泉に浸かったあと部屋にもどり、翌日のレースの準備をして10時半ごろには就寝した。
2月7日（日）
朝５時半に起床。前の晩に朝ぶろに行こうかと山口さんと約束をしていたのだが、体に脱力感を感じたので朝ぶろに行くのはパス。部屋でゆっくりストレッチをしながら朝食の時間までテレビを見ながらゆっくり過ごした。
朝食もバイキングなので、３人ともレースに備えてしっかりと栄養補給。8時すぎに車で会場に向かう。前日とは打って変わってこの日は穏やかな晴天。天気予報では11度まで上がるとの予想。走りだすとかなり暑く感じるだろうなあ。しっかり水分補給をしながら走らないと・・・と感じてしまうほど日なたはポカポカで風も全くと言っていいほどない。ホテルから大会会場までは車でだいたい30分程度。町役場の前で受付を済ませると準備をして20分ほどゆっくりジョギングをしながらウォーミングアップを行った。
この口熊野マラソンは、日本陸連の公認レース。途中、滝尻王子・不寝王子などの熊野古道でも有名な入り口の近くも通るコースだ。
フルマラソンのスタートは午前10時なので、スタート15分前にスタート地点へ向かう。この大会はフルマラソンのほかにもハーフや２ｋｍなどの種目があるのだが、フルマラソンの参加者は揖斐川など他の大会に比べるとそんなに多くない。名古屋からもちょっと遠いので、名古屋からの参加者も省内ＲＴの人など数人しか見かけなかった。
僕は、できるだけ混雑を避けて安全にスタートしたいと考えたので、エントリーは登録の部でしていたが、参加者が思っていたほど多くはないので、一般の部でも十分だったかもしれない。でも前から３列目ぐらいからスムーズにスタートすることができた。
スタートの号砲が鳴ると、まず最初の５キロほどはフラットな町なかを走っていく。ゆったりとしたスピードで走り始めたつもりだが、後方からどんどんと抜かれていくので、それに多少つられてしまったのか、最初の１キロを4分27秒で入ってしまい、あわてて意識的にペースを落とす。町なかと言っても民家の前で応援してくれる人がちらほらといった感じ。このフラットな５キロを過ぎると、少しずつ緩やかな上り坂が始まる。
少しのぼってはフラットやちょっとした下りになり、またのぼってはフラット・・・といった感じでコースが続いていく。走り始めると風もほとんど感じなくなり、トンネルなどにさしかかると逆にひんやりとして気持ちいいほどだ。
最初の５キロを23分46秒で通過したが、緩やかな上り坂が始まる次の５キロでも23分56秒とペースはほとんど落ちていない。また次の５キロでも24分を切ってイーブンペースで通過できたので、「今日は調子がいいのかな。」という錯覚を感じてしまった。
５キロすぎからは、少し広めの歩道と、片側一車線の車道を行ったり来たりしながら走らないといけないコースになっていた。車の交通規制を部分的にしかやっていないせいだろう。歩道の横を車がひっきりなしに走っていく。歩道の中には、人一人がやっと通れるような狭い部分もあって、ロープランナーが走るにはちょっと走りづらいコースだと感じた。気持ちよく走っていても道幅によっては減速を余儀なくされたり、歩道と車道の間の縁石を飛び越えたりしないといけないのでなかなかリズムがとりにくい。伴走の山口さんが的確な指示を出しながら巧みにロープを操りつつ上手にコース取りをしてくれた。
中間点を１時間41分56秒で通過すると、上り坂主体だったコースは今度は緩やかなくだり主体のコースに変わった。また、23キロ付近に唯一の折り返し地点があるため、その付近数キロの間はランナー同士が対面する区間ともなる。
折り返しを過ぎて数百メートルいくと、後方からスタートした中嶋さんも反対車線を走ってきて、声をかけあう。中嶋さんは中間点までキロ５分ペースでほぼイーブンできていたようだ。
25キロを過ぎると、前半ほどペースが上がらなくなってきた。コースは下り主体のコースなのに、5キロごとのラップもエイドなどのロスタイムを入れて25分を少し超えるタイムまで落ちてきた。30〜35キロでは26分までペースが落ちた。前半に感じてしまった錯覚のせいで多少オーバーペースで走ってきてしまったのかも知れない。仕方がない。いけるところまでいこう。後半は２か所のエイドでそれぞれ１つずつ半分に切ったバナナを補給した。水分はほぼすべてのエイドで補給するほど、レース後半は暑さを感じるようになっていた。35〜40キロでは26分58秒と27分近くもかかってしまう。40キロ地点の通過タイムが3時間19分50秒と、前半の貯金もほとんどなくなってしまった。そして、39キロ付近からだんだんと自分自身の意識が遠のいていくのを感じる。山口さんが「まだあきらめるな。足をしっかり前に出して！」と大声で励ましてくれるのだが、体が全然動かない。あと２キロを過ぎたあたりからは頭がぼっーとしてきて半分眠った状態になってきた。こんな状況に陥ると、いま自分が本当に走っているのか、何をしているのかも分からなくなっていた。
前半の快調なペースはどこへやら。結局フラフラ状態になりながらゴールした。ゴール100メートルほど手前で中嶋さんが大声で「がんばって！」とさけびながら追い抜いていくのが分かったがなんの反応もできなかった。
ゴールすると、山口さんと、先にゴールした中嶋さんの二人に抱えられパイプ椅子のあるところまで連れていってもらい、そこで座りながら10分以上も寝入ってしまった。
ゴールタイムは3時間32分45秒と自己ベストを5分近くも縮めることができたが、ラスト３，４キロの急激な失速、そして残り２キロの自分自身の状態を考えるとあまりうれしい気持ちにはなれなかった。ただ、今回目標にしていた3時間30分切りは果たせなかったが、約４年ぶりに自分の記録を大幅に更新できたことで、今回伴走してくれた山口さんをはじめ、僕のために今まで一緒に練習をしてくれた伴走の方々に少しは恩返しができたかなと思う。次回はもっとしっかり練習をして、再度目標達成にチャレンジしたいと考えている。
中嶋さんは、女子年代別でみごと１位を獲得。ゲストで来ていた中山選手から大きな金メダルを手渡された。
レース後は、再び車に乗り込み、前日に行った千畳敷と、中世は熊野水軍の本拠地だったという三段壁を訪れた。断崖絶壁に太平洋の波がはげしく打ち寄せる迫力満点の景色にしばし見入ってしまった。
2月8日（月）
朝６時20分ごろからご来光を見るため三人でランニング。円月縞という、ひょっこりひょうたん島のような島の横を通って白良浜まで走った。
1時間ほどのランニングのあとは、朝食を食べ、温泉に浸かってから帰路についた。
マラソン、温泉、バイキングとお腹も体も十分満足できた楽しい３日間だった。
2010年01月12日
和服（振袖）体験
１月１１日（成人の日）
今日は、ランニング仲間で昨年からしばしば一緒に練習もするようになった石川さんが、わざわざ時間を作ってくださり、妻に和服を着せてくれることになった。
石川さんは着付けのプロなので、特に昨日・今日は着付けのオファーが多く、一年の中でも一番忙しい時期だそうだが、僕たち二人のために今日も早朝から２，３人の着付けを終えてすぐに9時半過ぎに我が家に来てくださった。
妻はもちろん和服を着るのは初めてなので朝から少し緊張し気味、朝食もあまり食べず、またいつもよりも入念に化粧をして石川さんの到着を首を長くして待っていた。
普段からインターネットのメッセンジャー（テレビカメラ機能）で、会話をしているハルピンの実家に住む二番目のお兄さんたちも、パソコンの前で妹の和服姿を人目見ようと心待ちにしていた。
石川さんが到着すると、まずは手際よく髪型を作っていく。僕自身もそのような和服にあう髪型のセットをする光景を間近で見るのは初めてなので、しばし見入ってしまうぐらいだった。１時間弱で妻の髪が芸術作品のような髪型にみるみる変身した。
髪の毛のセットが終わると、次は足袋をはいて、いよいよ振袖を着せてもらうことに。今回着せてもらう振袖は、石川さんの義理のお姉さんが着たもののようで、淡いオレンジ色（？）の地に松の葉が彩られた結構きれいな色の着物だ。
さすがは石川さんの手際のよい手慣れた動きで帯も絞められ、お昼ごろには妻もすっかり着物姿の日本女性に大変身。
まずは、パソコンのカメラの前で完成を待っていた二番目のお兄さんたちにお披露目。お兄さんとその奥さん、16歳になる娘が次々とみて「好看（ハオカン）！（きれい！）」と口々に叫んでいた。
それから、中国の両親に見せるため、たたみの部屋で何枚か、いや何十枚か写真を撮ってから、３人で近くの天白川へ出かけた。今日は朝から曇りとの予報であったが、僕たちが出かけるのを見計らってか、いいタイミングで太陽が少し顔を出してきた。
天白川に架かる野並橋の上や河川敷の堤防道路のところ、それからマンションの前の花壇のところなどでまた何十枚か写真を撮ってから帰宅した。
着物の体験が終わってからは、妻の手作り料理を囲んでしばし団欒。やはり話題はランニングが中心になってしまったが、３人で楽しく歓談して楽しいひと時を過ごした。
今日は、石川さんのご厚意のおかげで、妻は貴重な体験をすることができたし、僕も思いがけず妻の振袖姿を間近で見ることができて、本当にうれしかった。
もし、また機会があれば、今度は夏の時期に妻に浴衣を着せてあげて、花火や盆踊りなどを見に行けたらなあと願っている。
石川さん、どうもありがとうございました！！
2009年12月08日
知多半島めぐり
12月6日（日）
今日は、阿知波さんが車で知多半島めぐりに僕たち二人を連れて行ってくれた。
妻は、故郷に海がないので、日本の海が大好きである。さらに、僕ら二人は魚が大好物なので、新鮮な魚が食べれると思うと、なんだかワクワクした。
朝8時に金山駅南口で阿知波さんと待ち合わせ。そのまま知多半島道路を通って、まずは豊浜港へ向かった。
豊浜港には、最近テレビでもよく取り上げられている「うおしん」という干物屋さんがあり、そこでさっそくあなごやあじの干物を購入。つづいて、「魚ひろば」で新鮮な甘エビをお値打ちで購入した。ここの魚ひろばは、お店のおばちゃんたちも非常にひとなつっこくて商売が上手だが、値段も他の魚ひろばより安いと感じた。
そして、また車に乗り、今度は船で島へ渡るため半島の一番先にある師崎港へ向かった。途中、大学生ランナーたちの駅伝大会に遭遇。ちょうど反対車線を通行止めにしてレースをやっていたので、ランナーたちの壮絶な戦いが車内からはっきり見ることができた。
師崎港に到着すると、高速フェリーでひまが島へ。今日は前日とは打って変わって気持のよい快晴であったが、風は強く、小型のフェリーはよく揺れた。師崎からひまが島西港までだいたい20分ぐらいの乗船時間だったが、もう少し乗っている時間が長いと船酔いしそうなぐらいだった。
島へ着くと、島の周囲を走る道路をぐるっと散策。阿知波さんの話では島一周が約３キロほど。もし阿知波さんと二人で来るならここでゆっくりおしゃべりしながら何周かランニングをしたいなと思った。海岸の少し高台になった道を歩きながら遠くに見える島や渥美半島などをバックに写真を撮りながらゆっくり散策した。以前は歩くことさえ嫌いだった妻も、最近は毎晩のように近所の天白川沿いを散歩しているので、しんどそうな態度も見せず、海を眺めながらうれしそうに歩いていた。
島を一周してさっき船を下りた西港へ戻ると、ちょうど臨時便の船が出発するところだったので急いで乗船。再び師崎港へ戻ってきた。
しっかり歩いてお腹がすいたところで、阿知波さんお勧めの「大エビフライ」が有名な人気店へ車で向かう。そこは魚ひろばのような市場の中にあり、市場内も店の中も大勢の人であふれていた。僕たち３人が店に入って名前を書いたときには１５組目。店内は大きいので、30分待ちぐらいで席につくことができた。
僕と阿知波さんは大エビフライとさしみがセットになった定食を注文。妻はさしみが苦手なので大エビフライだけの定食を注文した。やはり新鮮な魚介類はおいしいし、さらに「ご飯おかわり自由」という言葉につられて先のことを考えずお腹がはちきれるほど食べてしまった。
食後は、知多半島名物のみかんを購入し、美浜にある「えびせんの里」本店へ。ここは、コーヒーなどの飲み物が飲み放題のほか、さまざまな種類のえびせんの試食もし放題。ほとんどの人がそれを目当てに来店しているようにみえた。
僕たちも同様にコーヒーを飲んだり試食をしたあと、えびせんもちゃんと購入した。
本当、今日は衝動買いと、食べてばかりの一日だったが、車がないとなかなか来れない場所だし、本当楽しい一日を過ごすことができた。
阿知波さん、お忙しいなかありがとうございました。
2009年12月03日
上海ツアー＆上海マラソン完走記
今回、人生初めての海外マラソンとして、2009東レ杯上海国際マラソンに観光を兼ねて参加してきた。
海外マラソンには、以前より興味があり、最初に走るなら、やはり妻の母国・中国で42.195kmを走ってみたいなと考えていた。
中国には、北京、上海、大連、アモイの４大国際マラソンがあるみたいだが、自分自身のレース参加スケジュールなどを考慮し、日程的には11月29日の上海マラソンがちょうどよかったので、この上海マラソンに参加することに決めた。
僕の伴走をしてくれたのは、海外マラソン経験豊富な山口さん。山口さん自身も観光として２年ほど前に一度上海を旅行したことがあるみたいだが、上海マラソンに参加するのは今回が初めて。山口さんが、３泊４日で3万円台前半という非常に割安なフリーツアーを見つけてくれたので、マラソンと上海市内観光の両方ではちょっと強行スケジュールにはなったが非常に充実した４日間となった。
１日目（11月27日(金)）
午前11時すぎに妻と自宅を出発し、午後１時に中部国際空港で伴走の山口さんと落ち合う。14時35分発の全日空便で一路上海へ向かった。
機内では、機内食を食べながら、妻と山口さんと３人で楽しく歓談、約３時間というフライトがあっという間に感じた。
現地時間の午後4時15分ぐらいに予定到着時間よりも少し早く上海浦東空港に到着。入国審査を終えて荷物を受け取ると、ツアーの現地添乗員が僕たちを待っていた。
事前にもらった旅行日程表では、午後4時30分上海到着、午後７時ごろホテル到着、往路のみバスにて送迎、乗車拒否不可と記載されていたので、もしかして、ホテルに到着する前に格安ツアーでは恒例の「翡翠」や「シルク刺繍」などの手工芸品店へ強制的に連れて行かれるのではないか･･･と心配していたが、その心配は不要であった。しかし、僕たちを悩ませたのはビックリするほどの車の渋滞。旅行会社のバスで空港を出発してからしばらく行くとすぐに渋滞にはまってしまってバスが全く動かない。特に金曜日の夕方は渋滞がひどいようだ。浦東空港がある開発区から、旧市街地が広がる裏西地区へ行くには「黄浦江」という長江（揚子江）の支流を渡らなければならないのだが、その黄浦江に架かる南浦大橋という全長４キロもある有名な橋を渡るまでに１時間半以上もかかった。ちなみに、裏東空港からその橋の手前まではリニアモーターカー（最高速度時速431キロ）が走っているのだが、そのリニモにのれば約30キロというその距離をたったの７分で行けてしまう。
それにしても、上海の経済の発展スピードはすさまじいものがある。町の至るところに２０階建て以上、３０階建て以上の高層マンションが林立し、車もベンツなど高級車が多い。旅行会社の現地ガイドの話では、マイカーの所有率は上海市民の約３０パーセントとまだまだ低いとのこと。そのガイドさんの話によれば、上海人はお金があればまずは広くてきれいなマイホームを30年ローンなどで買い、それでもまだ余裕がある人は車を買うというのがステイタスのようだ。
結局、僕たちが宿泊するホテルに到着したのは現地時間の８時を過ぎていた。
ホテルは、魯迅公園のすぐ目の前にあるスワンホテル（上海天鵞賓館）という三ツ星ホテル。荷物を部屋に置くと３人ですぐに夕食を食べに出かけた。夕食はホテルから歩いて３分ぐらいのところにある山口さんお勧めの火鍋店。羊肉やきのこ、野菜をたっぷり入れ、最後はラーメンも入れて鱈腹食べた。
食後は腹ごなしに周りを散策。ファミリーマート（中国語では全家）に行ったりと1時間ほど散歩してからホテルに戻って寝た。
２日目（11月28日(土)）
朝５時半に起床し、６時から山口さんとホテルの目の前にある魯迅公園で散歩とジョギング。上海は、日本の鹿児島県とほぼ同じ緯度なのだが、空気がとても冷たくて気温も名古屋よりだいぶ低い。妻の故郷・ハルピンに比べればたいしたことはないはずなのに、内陸からの冷たい風は骨まで沁み渡り、手袋など防寒をきちんとしないと寒くて寒くてたまらない。最初はゆっくりウォーキングで体を温め、２周目はうっすら汗をかくぐらいでジョギングをおこなった。
空はまだ暗いというのに公園内は老人を中心に大勢の人であふれかえっていた。ランニングをする人、歌やダンスの練習をする人、トランプのようなカードゲームをする人、水で地面に漢詩を書く人･･･と様々。公園内にある喫茶店も土曜日の朝だというのに超満員。ここですでに中国人のものすごい活力に驚かされてしまった。
7時頃からホテルのレストランで朝食を食べ、8時すぎに翌日のマラソンのエントリーをするためにホテルを出発した。
前日のバスでの移動で渋滞にはもうこりごりだったので、移動は市内を縦横無尽に走る地下鉄を利用することにした。ホテルから徒歩５分ほどのところに「虹口サッカー場」という地下鉄８号線の駅があり、そこからまずはエントリー会場の上海8万人体育場へ向かった。
建物の周囲だけでもナゴヤドームの３倍ほどはあるこの８万人体育場のすぐとなりにある小さな展示場がマラソンのエントリー会場となっていた。
この上海マラソンは、中国政府の意向なのか？ＨＰなどではコースなど詳しい情報がほとんど掲載されていないので、エントリー手続き後に受け取った開催案内で初めて具体的な内容を把握することができた。コースは、普段は歩行者天国で大勢の人であふれかえっている南京路歩行街をスタートし、市の中心部を通って上海市南西部にあるビン行体育公園までのワンウェイのコース。
ＲＣチップは100元（日本円で約1500円）を保証金として預けて受け取った。ゼッケンはすぐに破れてしまいそうなペラペラの紙、日本の紙ゼッケンのような安全ピン用のパンチ穴も空いていない。荷物を預けるための袋はさすが協賛の「ミズノ」のきちんとした袋だった。
参加記念品のＴシャツを受け取り、エントリー手続きが済むと、８万人体育場のすぐ隣にある観光バスセンターから、古い水郷の町・朱家角という古鎮へ一日観光へ出かけた。
上海の郊外には、朱家角のような古い水郷地区がいくつもあるようだが、この朱家角は都心からバスで１時間とすぐに行ける手頃な場所でもある。
日本人向けの半日観光バスもあるようだが、一人あたり数千円とかなり割高なので、僕たちは入場料と往復のバス賃がセットになって８５元という中国人向けの１日観光バスに乗車した。朝10時に体育場前を出発し、午後４時40分ごろまたバスでお迎えに来てくれるというフリーツアー。朱家角は小さな町と聞いていたので、そんなに長い時間もつぶせるのかと道中ずっと疑問だった。
入場門をくぐると、一番手前にある民家の前でおじいさんが二胡を弾いていた。立ち止まってしばし聞いていたい気分だったが、郊外は吹きっさらしで都心よりも２〜３度は寒く感じられるので、１元硬貨をおひねりとして渡してすぐに立ち去った。
この古鎮は、真ん中に水深が２．５メートルほどの小さなお堀のような川が流れ、川の両岸に細い小道があり、その小道に沿って民家が建ち並んでいる感じの町並みだ。
民家は、レストラン、食べ物を売る店、民族衣装を売る店など、ほとんどが観光客向けのものばかり。真ん中に「放生橋」という橋があり、その橋から金魚などの魚を放つ習慣があるようで、ある時間帯になると、何人かのおばちゃんが小さな袋に入れた金魚を売っていた。僕たちは、その橋の上で「紅焼肉（豚肉の角煮）」や、おもちの中にチャーシューが入ったちまきなどをほうばって寒さをしのいだあと、観光客でごったがえした小道をあっちこっちとくたくたになるまで歩き回ったり、船に乗ったり、お寺に参拝したり、喫茶店で温かいお茶をいただきながらバスの来る時間まで時間をつぶした。
午後4時半すぎにようやく待ちわびていたバスが駐車場にやってきた。寒空の下をずっと歩きまわっていたので、足先まで冷え切った体はなかなか暖まらないのだが、バスの中は本当天国のようだった。
バスで都心へ戻ってくると、８万人体育場の近くで急にみんなが下りはじめたので、僕たちもあわてて下車。そこからだいぶ歩いて、山口さんお勧めの点心のお店に向かった。
そのお店は、ガイドブックに載っている有名な人気店のようだが、探しても探しても一向に見つからない。寒さでおなかもだいぶすいていたので、結局探すのをあきらめ、比較的すいている海鮮火鍋のお店に入ることにした。二晩連続の火鍋となったが、たまたま入ったこのお店はまだ開店して間もないらしく、地元の人にもまだ認知されていないようだ。でも、店員の接客態度は比較的よかったし、味もなかなかおいしかった。初日の晩は、ごまだれにつけて食べる方式だったので鍋のスープは「白湯（パイタン）」といって、唐がらしの全く入っていないスープで食べたが、この日は一番下の辛さのスープにして食べた。一番下のクラスの辛さと言っても辛さに弱い日本人には十分すぎるほどの辛さがあり、のどや舌がしびれるほどだった。でも、冷え切った体を温めるには最高だったし、毎晩火鍋でも飽きないぐらい本当火鍋にはまってしまった。
ホテルに帰る前にホテル近くのパン屋さんで翌朝の朝食を調達。
この日も結局ホテルに戻ったら夜の11時近く。翌日の準備をし、12時前ごろに床についた。
３日目（11月29日(日)）
いよいよ上海マラソンの日がやってきた。
朝7時半スタートなので、5時に起床し、朝食のパンを食べ、すぐに走れるよう着替えをすませて6時15分すぎにホテルを出発。地下鉄で「人民広場」という駅まで行き、そこからスタート地点となる南京路歩行街「世紀広場」へ歩いて向かった。
僕たちが到着した頃には、すでに大勢のランナーで広場はごった返していて、ゴール地点へ運んでもらう荷物を預ける車を探すのも一苦労。ようやく外国人用の荷物運搬車を見つけ、そのすぐ横でウィンドブレーカーなどを脱いで荷物を預けた。
この日も朝から冷たい風が吹いてはっきりいって寒い。でも、中国人ランナーたちはみなたくましい。ほとんどのランナーがランパンランシャツや半そでＴシャツと短パンなどで、元気そうに大声で言葉を交わしている。
荷物を預けたあと、早めにトイレを澄ませておこうと、トイレを探すも道端の簡易トイレは長蛇の列。簡易トイレもはっきりいって数が絶対的に少ない。仕方なくスタート地点から少し離れたホテルの１階にあるトイレを利用することにした。その離れたトイレでも数分待たされて、スタート５分前になってようやくスタート地点付近に戻ることができたが、ランナーが所せましと整列していて、なかなか整列ゾーンに入り込むことができない。警備員もまるで軍人か警官のように怖い顔でにらみをきかせているので、「すみません。ちょっと入れさせてください。」などとてもお願いできる雰囲気ではなかった。
結局、むりやり割り込むようにして、最後尾から少し前のあたりまで行くことができた。
大音量で中華人民共和国国歌が流れ、大部分を占める中国人ランナーを中心に地響きのような大歓声が沸き起こる。いつスタートの号砲が鳴ったのかも分からず、黄色のゼッケンをつけたフルマラソンのランナーと水色のゼッケンをつけたハーフマラソンのランナー」とが入り乱れるようにしてスタートした。
7時30分からだいぶ時間が経過してようやくスタートゲートを超えることができたが、その地点でもまだ走れる状態ではない。
上海マラソンは、フル、ハーフ、4.5kmの健康マラソンの３種目があり、国際公認レースでもあり、フルマラソンの制限時間は６時間。国際レースではあるが、６時間以内で走れる健康な人なら誰でも参加できる。今回は３種目全体で２万５千人の参加があったみたいだ。でもフルよりもハーフの参加者が多いようなので、きっとフルだけなら多くても６、７千人ぐらいだと思われる。日本からの参加者も結構多い。フルとハーフが同時スタート。健康マラソンは7時45分スタート。
スタート地点を超えてしばらく行ってからようやく少しずつ走れるようになってきたが、人が多くて思うように走れない。
中国人ランナーたちはみな自分勝手に走っていて、周りのことなど全く気にしてくれない。少しでもスペースがあると横から斜めから割り込もうとしてくるし、危ないので手で人払いをしようとすると、「チッ」と舌打ちをしながらむりやり割り込もうとしてくるヤツもいる。視覚障害者のランナーが走るなんてきっと考えてもいないだろうし、仮に僕が視覚障害者だと知っていたとしても、それがどうしたといった感じで走っているように感じられた。スタートしてからしばらくは腕が何度もぶつかったり、前の人の足を蹴ってしまったりと、思うような走りはできないでいた。
伴走の山口さんも、ときどきデジカメでまわりの光景を撮影しながら、混雑したコースで懸命の伴走をしてくれていた。
また、僕の周りでは、竹の棒に大きな旗がついたものをかついで走る中国人ランナーによく出くわした。男性も女性もいて、見た感じ結構重そうだ。後で妻に聞くと、どうも大会協賛会社などの旗のようで、中国ではよくある光景だそうだ。
5キロも行かないうちに、寒さでまたトイレに行きたくなる。伴走の山口さんも同じ。５キロ地点付近の沿道に簡易トイレを発見。ただ、扉は閉まっていて「有人（使用中）」のランプが付いている。仕方なく扉の前で待っていると、しばらくして鍵を持った係の人が「お前ら、トイレ使いたいのか？」とどこからかやってきて、鍵で扉を開けてくれた。中には誰もいなかった。無駄にトイレの前で待っていたのがばかばかしくなったが、これも中国、日本とは勝手が違うのは当たり前なんだと自分自身に言い聞かせて小便を済ませて再び走り出した。
５キロを過ぎても道はランナーでいっぱい。コースのほとんどは広い幹線道路なのだが、「公共汽車」と路面に書かれた市バスの専用道路を中心にランナーが走るコースが確保されていて、片側の車線すべてを通行止めにしているわけではないので、コースのすぐ横を車やトラックがものすごい排気ガスをまき散らしながら走っていく。ときどきパトカーなどの警察車両までもが「道をあけろ」とクラクションをならしまくりながら、コースを走っていくし、車が渋滞しているところでは、待ちきれない車やバイク、歩行者までもが警備員の必死の制止を振り切って、強引にコース上に入り込んでこようとする。こんな状況に何回も遭遇した。
なかなかペースがつかめないまま、10キロ地点付近でもまたトイレに行きたくなった。今度は日本の公園にもあるような小便をする溝があるだけの通称ニイハオトイレ。ここであやまってロングタイツに挟んでいた右手側の手袋をその小便の溝へ落としてしまった。乾燥した冷たい風は身にしみるほどだし、まだ30キロ以上もあるので、ここで手袋を失うのは致命的ではあったが、衛生的に拾う気にはなれず、仕方なく右手をＴシャツの袖に入れながら手がかじかむのを防止して走ることにした。
16キロすぎのところで、ようやくフルとハーフのコースが分かれ、にわかに道がすいて走りやすくなった。
20キロ地点に到達したときには、スタートラインを越えてから2時間5分が経過していた。ここまで寒くて一口も水分を補給してこなかったので、この20キロの給水ポイントで立ち止まって水分補給をすることにした。ミネラルウォーターしかないと思っていたら意外！なんとポカリスエットもあった。中国でスポーツドリンクを見たのは今回が初めて。ちなみに、ポカリスエットは中国語で「宝鉱力水特（パオ クァン リィ シュイ トゥ）」という。
20キロを超えると、僕の周りの中国人ランナーたちは集中力が切れてきたのか、あきらかにペースダウンしはじめた。バイパスなど、数少ないアップダウンでは、明らかにペースが落ち、歩き出す者、立ち止まって足のマッサージを始める者など、今までの元気はどこへいってしまったのか？と思うほどだった。僕たちはそんな中国人ランナーたちをどんどんと交わしながら、イーブンペースで気持ちよく歩をすすめた。
20キロから先は１キロごとに僕でも見えるような大きな看板に太い文字で距離表示があり、それを見ながら「よしっ、あと何キロだ！」と自分自身でも確認しながら走ることができた。20キロから先は2.5キロごとにエイドが設けられていたが、僕たちはほぼ５キロごとにポカリを補給して走った。
25キロすぎぐらいから急に足に異変を感じだす。足の裏や膝がしらがジンジンと痛み出す。恐らく道が硬いせいだろう。中国の幹線道路は、日本のようなアスファルトではなく戦車が通れるようコンクリートでかなり硬く作られていると聞いたことがある。ピッチを極力細かくして地面を蹴らないようにして走ることを心がけた。
30キロ地点で、山口さんが寒さでお腹がすいてしまったようなので、ウエストポーチに入れてきたソイジョイを渡し、僕も１本食べて栄養補給した。海外では日本のような食べ物のエイドはないのが当たり前なので、食べ物は自分で用意する必要があるようだ。
41キロを超えて、残り数百メートルになると、ゴールとなる体育公園の大きなアーチ状のモニュメントが目に飛び込んできた。「やったー！ゴールだ。」ゴールラインを超えると、係の人がまだ商標がついたままのフィニッシャータオルを渡してくれ、また別の人が首にズッシリと重たい銅色の完走メダルをかけてくれた。
ゴール後は、ドーム状をした体育館のような建物の中で、お菓子やジュース、サラダ油などが入った結構重たいスーパーの袋を受け取り、ＲＣチップを返却し、デポジットとして預けていた100元を返してもらったあとに、ゼッケンと引き換えに成績証書をもらった。さらに、日本人など外国人ランナーには完走記念品としてミズノのリュックサックまでプレゼントされた。7,000円の参加費でこんなにも多くのご褒美がもらえる大会は日本では少ないだろうなあと感心させられた。
ゴール地点の体育公園からは最寄りの地下鉄駅まで無料の送迎バスが出るのだが、そこでもまだ中国人ランナーたちとの戦いは終わっていなかった。
マイクロバスに詰めれるだけ人を詰め込もうとする。僕たちは２か所ある乗り口のうち、後方の入口に近いところで必死に握り棒にしがみついていたが、係の人は「まだ後ろの乗り口は入れるぞ」と叫び、もう身動きが取れない状態なのにどんどんとランナーたちが車内へ上がりこんでくる。ぎゅんぎゅん詰めの状態でようやくバスが出発。最寄りの駅と聞いていたのだが、なかなか到着しない。結局そんな窮屈な状態で30分前後も乗っていた。
世界一人口の多いこの国では、レースでも過酷な条件に打ち勝つだけのタフさが必要だと感じたが、レースが終わってもまだ人ごみの中で戦えるタフさが必要なんだなとつくづく感じた。
この上海マラソンは上述したように、日本とは違ってかなり過酷な条件が続いたが、そんな僕たちを何より鼓舞し、力をくれたのは、沿道を所せましと埋め尽くした大勢の観客たちだった。特に、太極拳のクラブと思われるおばちゃんたちの声援はものすごかった。チームごとでお揃いのユニフォームを着て、どらや太鼓を打ち鳴らしながら、声をそろえて「加油！ 加油！（ガンバレ！ ガンバレ！）」と至るところで力強い声援を送ってくれた。沿道に近いところで手を振りその声援に応えると、大声援のボルテージはさらに上がって骨までドン ドンと響いてくるほどだ。こんな大声援を体全体に受けながら走れるなんて、日本の大会ではほとんど体験することはできないだろうなあととても幸せな気持ちになれた。
タイムは、グロスタイムで4時間18分37秒。ネットタイムでは4時間11分01秒。何より寒さと息苦しくなるような排気ガスとの戦いだったが、無事に完走できて本当にホッとしているし、伴走の山口さんには心から感謝している。
レース後は、１時間以上かけて地下鉄でホテルに戻り、買い物をしてホテルで待っていた妻と落ち合う。さっそく完走メダルを見せると、「うわぁ、銅メダルじゃない？まるで３位の選手みたい！」と喜んでくれた。
ホテルでシャワーや着替えを済ませると、今度は上海ガニを食べに再び町へ繰り出すことにした。山口さんお勧めの人気レストランに午後4時ごろ到着。夕方の営業は５時からのようで、席の予約だけし、まわりをグルグルしながら時間をつぶすことにした。
店から駅の方角へ戻りかけていたとき、山口さんが「盲人マッサージ」の店を発見。店の前の価格表を見ると、足裏マッサージも、全身マッサージも45分で40元（約600円）。これは結構安いと即決で店の中へ入った。
店の中は暗い白熱電球が１つか２つあるだけの真っ暗な小さな部屋で、店主らしいおじいさんとその奥さん、おじいさんの弟子と思われるあん摩師が２人ほどいた。僕と山口さんの２人はさっそく足裏マッサージを依頼。最初は５分ほど電磁波の出ている温かいお湯の中に足を入れ、その後は、片足ずつみっちり丁寧にマッサージをしてもらった。山口さんはマッサージを受けながら気持ちよくお休み。僕はおじいさんと「あなたも盲人なのか？
」とか「今日は上海マラソンに参加してきたよ」など、ときどき会話を交わしながらマッサージを受けた。
マッサージが終わり、お金を支払って店の外へ出た時、店主のおじいさんが奥さんの助けを借りながら僕たちを追っかけてきた。僕が持っている白杖や触読の時計を手で触りながら、「これは日本で勝ったのか？」と興味深そうに訪ねてきた。中国では、視覚障害者用の生活補助用具は音声時計以外、白杖などは、経済が最も進んだこの上海でもまだ浸透していないようで、視覚障害者たちは、外出時は健常者の腕につかまりながら移動しているのが現状のようだ。おじいさんは、しばしうらやましそうに僕の時計を触りながら、「またマッサージを受けに来てください。今度は全身マッサージもやってみてください。」と店の名刺をくれた。
マッサージ終了後は、先ほどのレストランで夕食。夕食後は再びホテルに戻って、今度は初日のガイドさんと待ち合わせて、事前に日本で申し込んでいた上海雑技団鑑賞のオプションツアーに出かけた。
ガイドさんの話によると、中国では昔から「北京に行って万里の長城に登らなければ、北京に行ったことにはならない。上海に行って雑技団を見なければ、上海に行ったことにはならない。」ということわざがあるほど、上海雑技団は有名で、かつ歴史も古いみたいだ。
車で30分ほど走ったところにあるホールで１時間半の演技を鑑賞。ホールの中は90パーセントが日本人観光客。僕たちは事前に日本で申し込んだので、一人860円という破格値で鑑賞することができたが、現地で申し込むと、安くても3,000円はとられるみたい。
僕たちは前から３列目で鑑賞していたが、照明を暗くしたホールのなかで30分も見ていると、マッサージ効果と満腹の影響で自然と睡魔が襲ってきて、半分以上の時間眠ってしまった。ああ、もったいないことをした！
４日目（11月30日(月)）
いよいよこの上海ツアーも最終日。
朝7時ごろから、３人で魯迅公園で散歩。赤く色づきかけた紅葉が美しいので、３人で何枚か写真を撮りながら公園内をゆっくり散策した。
ホテルのレストランで朝食をとった後、荷物をまとめてホテルのフロントへ預けると、カメラを持って地下鉄で市内観光へ出かけた。
月曜日の朝とあって地下鉄の中は超満員。人民広場の駅で8号線から２号線に乗り換えた際、車内で若い女性が白杖を持った僕を見て席をゆずってくれた。もちろん中国ではそんな経験は初めて。電車に乗車するときでさえ、きちんと整列もせず、我さきにと車内に割り込もうとする中国において、自分自身のような弱者に席を譲ってくれた人がいたことに驚きを感じ、またうれしくなった。
まずは、「東方明珠塔（串に団子を突き刺したような形をしているので、通商「団子タワー」と呼ばれている）に上ることにした。タワーは階層によって値段が違う。どんよりとした空が多い上海で、あまり高い所から下を眺めても煙って何も見えないので、僕たちは一番下の階に上ることにした。一番下の階層といっても地上から263メートルもの高さがある。円形のフロアーからは、世界一高いビル「上海金融センター（通商：上海ヒルズ）」など、市内が一望できた。夜に来るともっと綺麗だそうだが･･･。
タワーに上ったあとは、上海で一番有名な観光地「豫園」へ。豫園の中にあるタンパオの人気店「南翔饅頭店」でタンパオを食べ、その後は、タクシーで繁華街の南京路へ移動し、おみやげを買ってホテルに戻った。
帰りは、旅行会社の送迎はないので、タクシーとリニアモーターカーで空港へと向かい、全日空便で日本へ戻ってきた。
マラソン、観光、食事…、３泊４日という時間があっという間に感じるほど、充実した、中身の濃い旅行だったと思う。今回の一つ一つの貴重な経験は僕自身にとって一生の思い出になりそうだ。
また、このようないい思い出が作れるといいなと思う。
今回の旅行を企画してくれた山口さん、本当にありがとうございました！！
2007年09月23日
百々ヶ峰( どどがみね)
僕は、５日前の17日に王滝村で開催された「セルフディスカバリーアドベンチャーin王滝」という本格的な登山マラソンに同じく風車さんと参加し、足の大きさほどの石がゴロゴロしたガタガタで足場の悪い林道コースを44km走破してきており、足はかなり重かったですが、今回の百々ヶ峰のコースはアップダウンはかなりきつかったですが、道はすべて綺麗に舗装されており、全く足元を気にする必要がなく気持ちよく走ることができました。
この日は残暑厳しく、気温も30度を越え、またアップダウンも激しいこともあってかなり呼吸は上がってしまいましたが、この７、８月に加藤さんや山口さんたちと乗鞍や御嶽チャオで苦しみながらもしっかり距離走ってきたこともあって、きついと感じながらも足は前へ前へと進む感じでした。
逆に、風車さんはこのところ仕事等が忙しく殆ど走り込みができていないこともあり、17日に続きこの日も特に数キロ延々と続く上り坂では苦しそうに顔を上下させたり、手で汗いっぱいの顔を拭ってみたり…しながら、息をきらしてかなりきつそうに走っておられました。
僕自身も、今年は結婚や引越し等で６月は１ヶ月間全くといっていいほど走り込みができず、７、８月はどんな練習も体が思うように動かす、きついと思った瞬間すぐに歩き出してしまったり、タイムトライアルをやっても色々なアクシデントが起きて最後まで走り切れなかったり…とかなり苦しみました。なので、王滝村でも今回の百々ヶ峰でも、風車さんのそんな苦しんでいる姿が、まるでついこの前までの自分自身のように感じられ、自分自身を鼓舞するように「頑張れo(^-^)o」と無意識のうちに何度も励ましながら走っていました。
僕は約３年前に風車さんとなごや楽走会の練習会で出会い、それから今日まで初マラソンのいびがわや名古屋ハーフ等、多くのレースで伴走してもらい、走り方のテクニックだけでなく、ランニングに対する考え方など様々なことを教えてもらってきました。いつもいつも「あんたはまだまだヘナチョコランナーなんだから！」と厳しく突き放しながらも、レースではつねに平常心で冷静にゴールまで連れていってくれる独特の伴走スタイルには何とも表現し難い安心感を感じながら走ることができています。
たとえ走り込み不足とは言え、そんな風車さんのこのように苦しむ姿を見るのは正直ショックなことだったし、いつもはレース中に励ましてきてもらった僕自身が逆に風車さんを励まして走ることは変な感じでしたが、いいふうに捉らえれば、風車さんに少しは恩返しができたのかな？と思っています。
この３年ほどの間で、僕も風車さんも、身の回りの環境が変化し、なかなか以前のようにはランニングに多くの時間を割くことができていませんが、少しずつでも走ることを続けていって、またレースでも楽しみながら走りたいと思っていますo(^-^)o
2007年09月17日
クロスマウンテンマラソン
クロスマウンテンマラソン ４４�繊奮格�れの為、２�船廛薀后ΑΑ法�王滝村の林道コースへ、参加してきました。 石がごろごろ、大変でしたが、色々？楽しめました＾＾。
ゴールでは、参加にきっかけになった、風車さんのお仲間（中津川、）が、待っていてくださいました。
2007年07月29日
マスターズ
僕はここ数カ月はあまり走り込めていないので、競技に参加するのは本当に不安だったので、刺激をもらえるだけで充分でしたが、加藤さんにも「せっかくここまで来たんだから…」と強く言われ走ることになりました。
5000mは持ちタイムが19分以内と19分以上の２組に分けてスタート時間をずらして行われましたが、不慣れで時間を間違えてゆっくりアップをしすぎて、先にスタートしてしまった19分以上組に間に合わず、結局19分以内組に交じってスタートすることに。
この日は、この夏一番の暑さの上に走りこみ不足が重なり、スタートして2000mを過ぎたあたりからもう喉がカラカラに渇いてきて、それでも最後尾で孤立しながら粘って走っていましたが、どんどん体がフラフラとしてきて、ちょっと「ヤバイ！」という感じがしたので、これ以上走っても危ないし無意味だと思い、3000mの所で途中リタイアしてしまいました。
やはり体は正直ですね！練習はウソをつかないと充分すぎるほど感じることができたし、19分34秒と、２年以上のブランクを全く感じさせない素晴らしい走りをした伴さん含め、ハイレベルなランナーたちのレースを見て、しっかり刺激をもらうことができました。
これから焦らず少しずつ練習をこなしていって、またこういったトラックの大会にも参加したいと思いますo(^-^)o
2007年07月27日
結婚
長らくブログの投稿を休んでいました。これから、また少しずつ書いていこうと思います。
実はこの７月１６日に結婚しました。相手は中国ハルピン郊外の田舎町・方正県出身の陰 秀麗(いん しゅうれい 現在２５歳)という中国人女性です。
昨年秋ごろに大学時代の中国人留学生の友人の紹介で知り合いましたが、彼女のお姉さんも10年ほど前に日本人と結婚し現在は大阪に住んでいます。その大阪のお姉さんと僕の学生時代の友人が偶然同じ会社で働いていて、幸運にもこのようなチャンスに恵まれました！
紹介された当初は半信半疑な気持ちで、どうしようか？と悩んでいましたが、僕の目が不自由なことも理解してくれているとの話をその友人から聞いたので、彼女との会話を重ねるに連れ、結婚のことも真剣に考えるようになりました。
紹介されてからこれまで三度の中国訪問、電話、メールなどで少しずつ関係を深めてきて、お互いの両親・兄弟の理解も得て今回結婚を決めました。
一応、７月１５日に彼女の地元で挙式をし、翌１６日に先に中国での婚姻手続きを済ませてきました。
彼女は、６月に親族・知人訪問目的の短期滞在ビザで来日しました(中国のような発展途上国からの来日ビザは日本人の観光等のビザに比べ取得が非常に難しい！)が、今はまだ日本での在留資格を得ていないため、今は中国で一生懸命日本語を勉強しながら入国管理局からの在留資格認定が下りるのを待っています。
きっと秋頃には来日が叶うと思います。来日したら是非日本でお披露目会をやりたいと考えていますo(^-^)o
これからも皆さんに支えられながら頑張っていこうと思いますので、どうぞよろしくお願いいたしますm(__)m
2007年03月03日
チェンミンのNEW アルバム
仕事を終えてから、栄まで歩いていき、まずはテレビ塔のふもとにあるカワイ楽器でまた二胡の教本を衝動買いしてしまい、その足で栄の地下街にある「音楽堂」に行ってＣＤを２枚買いました。
１枚はチェンミンのニューアルバム「祈り」。中国に行く直前の2月10日に、風車さんと一緒に一宮市民会館の指定管理者が主催するチェンミンの二胡コンサートに行きました。このニューアルバムは2月14日発売だったので、その時は買うことはできなかったのですが、そのコンサートの一番最後で弾いてくれた「祈り two as one〜」というチェンミンが今回新たに作詞・作曲した曲が、自分自身の心にジーンとしみわたってくる感覚を覚え、無性にＣＤが欲しくなりました。コンサートの時、チェンミンが紹介してくれたのですが、この曲は日本と中国の関係がこれからも永遠に発展していきますように…！、世界中が一つになってずっとずっと平和であり続けますように…！という彼女自身の切なる願いが込められた曲で、曲の後半に彼女の奏でる独特の二胡の美しい音色とともに児童合唱団のような子供たちの歌声が入っていて、日本語と中国語の歌詞が交互につけられています。今回のＣＤの収録に際しては、日本の子供たちにその歌詞を歌ってもらったそ
うです。残念ながらコンサートの時は、その子供たちの心に響く綺麗な歌声はテープとしてしか聞けませんでしたが、彼女の願いとして、将来は日本だけでなく、中国でもこの「祈り」をテーマにしたコンサートを開きたいと考えていて、その時は、日本の子供たちだけ、中国の子供たちだけではなく、日本と中国の未来を担う日中両方の子供たちが仲良く、一緒に手を携えてこの曲を歌ってほしい！そんなコンサートがしたい！と語っていて、僕自身もかつて京都外国語大学で中国語を専攻し、日本と中国をつなぐ掛け橋になれるような仕事がしたいと中国人留学生の友人たちと一生懸命中国語を勉強していたあの頃のことを懐かしく思い出し、かつ、そうした演奏活動を通して日中の掛け橋になろうとアグレッシブに新しいことにチャレンジし続けるチェンミンさんの姿に胸打たれる思いで聞いていました。
帰宅後、自分自身でも弾いてみたいという衝動にかられ、何度かＣＤを聞いて音を探しながら前半の部分のメロディは何とか音が取れるようになりました。本当いい曲です。
もう一枚は、中西保志のニューアルバム。音楽堂の一番目立つ場所にそのＣＤがずらっと並べられていて、僕が高校時代によく聞いていた懐かしい曲が流れていたので、つい買ってしまいました。彼の曲の中でも「最後の雨」という曲が僕は特に大好きで、高校時代、陸上競技部に入って走っていた頃、特にレースの前に彼の曲を聞いて自分の気持ちを集中させていました。あれからしばらく彼の曲は聞いていませんでしたが、久しぶりに聞いて、あの頃の懐かしい思い出が鮮明に蘇ってきて、この曲を聞けば、またあの頃と同じような気持ちで走ることを頑張れるんじゃないかな！？と思い買いました。
やはり「音楽」は人の心の拠り所。嬉しいときも、悲しいときも、辛いときも、どんな時も自分自身の心を支え、癒してくれる音楽があれば、また前を向いて進んでいくことができるo(^-^)oと、そんなたわいもない事をしみじみと感じています。
2007年02月25日
犬山ハーフマラソン
朝６時頃に伴走の風車さんが自宅の前まで車で迎えに来て下さり、７時前には会場付近の体育館の駐車場に到着。７時過ぎからまた１時間ほどタンデムに乗って犬山城周辺辺りをアップしました。
今日は、もともと一般よりも５分早くスタートする公認ハーフの方でエントリーしてはいましたが、中国旅行と最近の残業の疲れがまだ残っているのか？このところずっと体全体が何だか気だるい感覚があったので、今日は無理な走りはしないでゆったりと前半入り、余力と相談しながら後半上げていければ…などと、風車さんと事前に入念に打ち合わせもしました。
８時半頃に受付と第１点呼を済ませ、走る荷物だけを持って、阿知波さんや犬山走友会の方々(昨年夏にフル100走会の練習会に参加させてもらった時に知り合った増田さんたち)が陣取っているシートに入れさせてもらって準備を開始。９時過ぎから今度は20分ほどランでウォーミングアップを行い、最終点呼も済ませて、着替えてスタート地点へ。
こうにハーフには約500名ほどがエントリーしており、スタート５分前の召集で並んでスタートの号砲を待ちながら、天白川走友会の方に声をかけてもらったりして、何の緊張もなくリラックスした気持ちで待っていました。
ゼッケン順ということで400番台の僕は後方からスタート。
最初は、４分半ペースでゆったり入る予定だったので、イーブンペースで安定して走る女性ランナーに着いて走っていました。しかし、5kmの計測ポイントを過ぎてから、体が急に重たくなったような感じがし始め、ちょうどそのあたりからもう後方から来る一般ハーフ参加の上位ランナーたちに一人二人と抜かれ始めました。15kmぐらいまでは、何とかごまかしながら呼吸と相談して、いつものように何度も大きく深呼吸をしてみたり、ひざがしらを前へ出すイメージを確認してみたり、また、風車さんのアドバイスで時々腕振りに意識をさせたり…と、色々と試行錯誤しながら、何とか「もう、あかんわ！」とか「体調が万全でないのに出ん方が良かったなぁ。」「もうリタイアしたいな。リタイアは初めてだけど、やめる勇気も必要だしな。」等と、しばらく後ろ向きになっていた気持ちを懸命にもう一度リセットしようとしていました。また、中神さん始め後ろから抜いていくランナーや、途中ですれ違った加藤さんや中嶋さん、ゲストランナーの千葉真子選手にも「ガンバレo(
^-^)o」と口々に声をかけてもらっていましたが、16kmの折り返しを過ぎて、残り5kmを越えてからはもうしんどさで気持ちが完全に萎えてしまい、ほとんど惰性でただ足を前に動かしているという感じ。残り2kmを過ぎた辺りから今度は激しい空腹感が体を襲ってきて、「なんでハーフでガス欠なんだ？？？」と、もう頭の中はクエスチョンマークでいっぱい状態。残り1kmを過ぎた辺りで、今度は阿知波さんが「小林くん。オレもしんどいんだからお前もガンバレ!!」と力強く声をかけてくれながら抜いていきましたが、ガス欠で体に力が全く入らず、返事すらできませんでした。
やっとの思いでゴールに帰ってきましたが、ゴールしたとたん、もう足がフラフラ状態になっていました。風車さんは今日は時計をはめずに伴走されていたし、ゴールタイムも意識が吹っ飛んでしまっていて全く見ていないし、記録表も後日郵送なので、どれぐらいで走ったのかはよく分かりませんが、精神的にも肉体的にもこんなにきついレースは本当初めてに近いほどで、ゴールしてすぐ近くにあった荷物置き場にドカッと座り込んでしまって無我夢中で持ってきたおにぎりを頬張っている始末。
今度の火曜日の夜は、体の疲れを早く取るために、なべさんと久々にＬＳＤをする予定ですが、来週日曜日には、昨年に引き続き加藤さんや中嶋さんとグリーンロード-香嵐渓の50km走にも行くし、次に向けて一日も早く体調を戻し、４月の福井駅前ハーフ・長野マラソンに向けてまた一歩ずつ練習を積み重ねていきたいと考えています。
