2006年05月30日

ヨルダン政府、健康保険拡大計画の実施を開始

34431225.jpg29日、政府は国民健康保険の加入者の基盤を拡大するための計画を、南シューネの住民から実施し始めた。この計画は、2005年11月の施政方針書簡に明記された政府の方針案の一部であり、先週の閣議で了承されたもの。29日、サイード・ダルワゼ保健大臣が、当該地域を視察中に報道陣に対して語った。

この書簡で、アブドゥッラー国王はマアルーフ・バヒート首相に対して、政府は、実施可能な枠内において、より広い社会の構成員を健康保険と社会福祉の傘下におさめるべきである、と伝えている。ダルワゼ保健大臣は、計画は60歳以上および妊娠中の保険未加入の住民をカバーするものだと述べた。大臣は、新たな決定によって、14万3000人の高齢者の住民が保険に加入することになるが、これに伴う政府の負担額は年次総額で2200万ディナール(およそ35億2000万円相当)と試算されると述べた。この制度に加入することを選択した新たな受給者は、毎月6ディナール(およそ960円相当)を支払うこととなる。加えて、この計画では4万9000人の妊婦が対象となるが、政府の負担額は500万ディナール(およそ8億円相当)で、同じく任意で加入した場合の納付金額は50ディナール(およそ8000円相当)となる。この納付金額で、妊娠中や産後の定期健診や医療行為にかかる費用はすべてまかなわれる。保健省は、29日にこの計画を南シューネから実施し始め、1万5000枚の医療保険カードをこの地域の保険加入者の住民に交付した。

(続きは後ほどアップします。)

Darwazeh explained that there are two conditions attached to the cards: The cards, which are valid for six months, are exclusive to those who hold national numbers. In addition, subscription fees should be paid in advance, he said.

In case government hospitals cannot provide the necessary treatment, patients will be referred to army-run medical institutions.

The lists of potential beneficiaries were compiled after the ministry conducted field surveys of the country’s districts, in cooperation with the Ministry of Social Development.

During his visit to South Shuneh, the minister visited a pubic hospital, checked on medical services in the area and listened to health-related comments and demands made by community leaders and tribal chiefs.

Tuesday, May 30, 2006


(写真は29日、ディック・チェイニー米国副大統領と歓談するアブドゥッラー国王。記事とは関係ありません。)

2006年05月29日

イスラーム学者、中東地域での宗派主義の伸張を強調―ヨルダンにて

28日、イスラーム思想家や政治指導者が、それぞれの国の政権に対して、よりリベラルな政策を採用し、平等の概念を拡大して地域における宗派主義の伸張を回避するよう呼びかけた。『市民民主主義的なイスラーム対話に向けて』と題され、アンマンで行われている国際会議の2日目に当たる28日には、演説の自由や政党矢市民団体の結成の自由が縮小されている現状のため、アラブ・イスラーム世界におけるイスラーム社会と非イスラーム宗派との間の亀裂が深まっていることに、参加者は同意した。

「国民国家形成における問題のひとつは、宗派間の相違の顕在化だ」、とエジプトのムスリム同胞団のメンバーであるヒシャーム・ガーベル・アルハマミーはジョルダンタイムズ紙に対して述べた。「公共の自由が不在であることや、人々が自分の政治的権利を行使できないことが、人々をモスクや教会に走らせ、自身の帰属意識を満足させることになる。ここに過激主義や宗派主義が生まれるのだ」、とアルハマミーは付言した。

アルハマミーの説明によれば、ほとんどのアラブ諸国において、宗派主義の問題は顕在化していないが、その理由はおよそ宗派主義者は抑圧されているからだ、しかしイラクのケースではサッダームフセインの追放後、権力の空白が生じた結果として宗派主義が表面化したのだ、という。「もし人々が政治活動や市民活動に参加する機会を与えられたのなら、人々は、宗教や民族的出自の違いにもかかわらず、全員を包括するひとつの祖国の庇護の下にある、と感じるようになるだろう」、とアルハマミーは述べた。

アルクドゥス(訳者注:聖地エルサレムのこと)政治研究センターのオライブ・ランターウィー所長は、国民国家の成立が宗派主義を助長したという考えには異論を唱えている。「全体主義的な政権は、さまざまな宗派や民族グループの独立を求めてきた。イラクやスーダン、インドネシアなどだ」。「多様性を政治的発展の源として活用する代わりに、多様性は支配集団に対しての治安上の脅威とみなされてきたのだ」、とランターウィー所長は言う。所長は、国家の帰属意識についていえば、市民権を権利・義務の主要な源とみなしてはいけない、という。さらに所長は、いくつかのイスラム・アラブ諸国においては、少数派が大きな問題に直面している、という。その一例がエジプトのコプト教徒だ。「コプト教徒は、まずは問題を認めてから、問題に対処するべきだ」とランターウィー所長はいい、政治改革や民主主義改革の失敗が、最近のイスラム教徒とコプト教徒の対立に火をつけたのだという。

新興国民国家において、民族的・宗教的少数派の間のギャップが深まっているもうひとつの理由は、イスラームのカリフ制度の崩壊だ、とイエメンのイスラム主義者で国民議会議員のアブデル・ラゼク・ヘジュリ氏は言う。「人々の懸念は、自分自身の国に向けられている。それらの問題がより広範なカリフ制度にかかわるものであるにもかかわらずだ」、とヘジュリ氏は言う。ヘジュリ氏は、議会内のイエメン改革党の代表でもある。

およそ60名のイスラム教徒の指導者、思想家、学者が、21のアラブ・イスラーム諸国から参集したこの国際会議は、政治的イスラームや今日の民主主義に関する討論を29日に終える。この会議は、コンラッド・アデナウアー財団とアルクドゥス政治研究センターの共催で開催された。

2006年05月28日

ヨルダン国王、インドネシア大統領に弔意を表す

27日、アブドゥッラー国王はスシロ・ユドヨノ・インドネシア大統領に弔問の書簡を送り、ジャカルタの東部にある古都ジョグジャカルタ付近で発生した、マグニチュード6.2の大地震で命を落とした数千人に対する深い弔意を表した。国王はさらに、インドネシア国民に対しても弔意を表している。ヨルダン国営ペトラ通信が報じた。

国王は26日から数日間の日程で米国訪問を開始している。米国訪問中、国王はマサチューセッツ州とニューヨーク州の複数の教育施設や科学技術研究所を訪問する予定。この訪問中、国王とジョージ・W・ブッシュ大統領の会談の予定があるとAFPは報じたが、王宮職員はこれを肯定はしなかった。

先週、国王はブッシュ大統領に対して、イスラエルが一方的にパレスチナ自治区から撤退することがパレスチナ人に対して与ええるであろうネガティブな影響を警告する書簡を送った。これに対して4日後、ブッシュ大統領は国王に電話連絡し、電話会談を行った。その内容はイラクを中心とするものだったとホワイトハウスは述べている。

2006年05月26日

ヨルダン、独立60周年を祝す

f96b0025.jpg25日、ヨルダンは第60回目の独立記念日を、国王が国民に向けての演説を行ったザハラーン宮での式典などの、一連の祝賀行事で祝った。ヨルダンは、第一次世界大戦後の英国委任統治下に建国し、1946年に独立を果たした。この機を祝し、王宮は国王が、年金受給者も含めたすべての軍人と公務員に対して、60ディナール(およそ9600円相当)のボーナスを、6月の俸給に追加して支給する決定を下した、と発表した。

王宮での式典で、アブドゥッラー国王はさまざまな種類と階位の勲章や褒章を複数の公職経験者に授与した。この中には、顕著な功労に対する第一等アルフセイン勲章を受勲したアフマド・オベイダート元首相も含まれている。後継者のファイサル・ファイーズ元首相やアドナーン・バドラーン前首相は、第一等アルナフダ勲章を受勲した。功労を称えられた公職経験者のリストには、ニダル・ハディード前アンマン市長(顕著な功労に対する第一等アルフセイン勲章)や、まもなく公職を去るラニア・アタッラー王宮メディア・情報センター局長も含まれている。アタッラー局長には、国王は第一等イスティクラール勲章を授与した。さらにリストには、様々な官公庁や施設で活躍した元公務員や将校、学者も含まれており、中には1940年代以来公職に就いていた者もいた。

国王とラニア王妃は、この式典で来賓に挨拶した。この式典には王族、政府高官、政党指導者、労働組合関係者、若手指導者やイスラム教徒キリスト教の宗教指導者も参加した。元文化大臣のヨルダン人詩人、ハイダル・マフムードが、この式典のために創作した詩篇を朗読した。

25日遅くには、国王と王妃は、独立記念日行事の一環としてマアルーフ・バヒート首相が主催した晩餐会に出席した。王族、国民議会の主要議員、首相経験者や政府高官がこの晩餐会に出席した。バヒート首相は、今日のヨルダン国家建設におけるハーシム王朝の役割と、アラブの大義に対するその貢献を再確認するスピーチを行った。

同日、バヒート首相は、ヨルダン遺産保護協会の主催する第三回ヨルダン人の日フェスティバルを後援した。首相は、60メートルの高さの『忠誠のケーブル』に自分の名前を署名した。このケーブルは、およそ100万人の市民の署名を集めている。この書類は、車の行列によって王宮に運ばれた。ユーセフ・イサーウィー王宮事務局長が、国王の代理としてこれを受け取った。

一連の祝賀行事には、殉職した公務員の魂を慰めるための一分間の黙祷や、演説や愛国歌の演奏もあった。

一方、王立自動車博物館は、クラシックカーのパレードを主催した。車列は、キングフセインパークの博物館を出発し、ラスアルアインを経て、ダウンタウンとシタデルまで、首都アンマンの道路を走り抜けた。パレードのドライバーとして著名人も参加したが、その中にはフィンランド人の四輪ラリー世界チャンピオンのトンミ・マキネンもいた。このイベントは、博物館所蔵のクラシックカーが公道を走った初めての記念すべき行事となった。2003年にアブドゥッラー国王が開館したこの博物館は、この種の博物館としては中東地域で始めてのもので、故フセイン国王が所有していた自動車や二輪車のうち80台を展示している。

国外のヨルダンの外交団もまた、独立記念日を祝した。カフタン・マジャーリ駐リヤド・ヨルダン大使が主催した式典には、サウジアラビアの王族や政府高官が出席した。式典では、民族舞踊やヨルダンに関する資料映像の映写、晩餐会も行われた。一方、カタルのオマル・アマド大使は、現在化たるの病院で治療を受けているヨルダン人会のメンバーを慰問した。

一連の祝賀行事は、ヨルダン国軍への英国支配の終焉を祝す50周年記念式典が予定される、6月10日まで続く。

2006年05月25日

ヨルダン国王と王妃、イラクで誘拐殺害された被害者を弔問

34a2e209.jpg24日、アブドゥッラー国王とラニア王妃は、ヨルダン人ドライバーのハーリド・ダスーキーの家族を弔問した。ダスーキーはイラクでアルカイダによって昨年9月に殺害された。

イラク人でアルカイダメンバーとされる容疑者、ズィヤド・ハラフ・カルブーリは、23日にヨルダン国営TVでダスーキーの頭を銃で撃って殺害した、と告白した。ダスーキーの家族は国王に対して、カルブーリの逮捕の知らせを聞いて、悲しみが大分癒された、と語った。


2006年05月24日

アルカイダ所属テロ容疑者、テレビで殺人を告白

eeb4ebf3.jpgアルカイダメンバーとされるイラク人の男性が、22日ヨルダン国営TVで、昨年イラク国内で、ひとりの市民の頭を射撃し、また2名のモロッコ人外交官を誘拐したことを告白した。

ズィヤド・ハラフ・カルブーリは、ヨルダンとの国境の近くにあるイラクのルトバという町の、アルカイダの「戦利品担当」の地元リーダーだという。カルブーリはさらに、一人のイラク人交換を誘拐したことや、ヨルダンからイラクに向かうトラックを幾度も強奪したことも告白した。別名をアブーフサイファというカルブーリは、ヨルダン・イラク国境間で通関業務に従事していたが、その仕事を辞して犯罪行為に至ったと言う。告白の中にはさらに、4人のイラク国家警備兵の殺害に参加した件も含まれていた、とヨルダン国営ペトラ通信は報じている。

カルブーリはテレビで、バグダッド-アンマン間で運転手をしていたヨルダン人のハーリド・ダスーキーが、6ヶ月前に誘拐、殺害された件の詳細も語った。テロ事件の容疑者であるこの男は、ナブハンと呼ばれる男が、「アメリカ人に協力した」として、ダスーキーを誘拐したという。「(軍事リーダーである)ヤーセル・マフムード・ハルビー(俗称をアブーオバイダとされる)から、ヨルダン人を捕まえたら全員アルカイダの隠れ家に連れて来い、との指示を受けた」、とカルブーリは語った。「アルカイダはヨルダンとヨルダン人に大変な悪意を抱いていて、ヨルダンはアメリカ人に協力している、と非難している」。

カルブーリはまた、別のアルカイダの軍事司令官、ユーセフ・ラムラーウィー(俗称アブーアッザーム)から、ダスーキーを殺害するよう命令を受けた、と述べた。「“神の思召しがあれば”、と俺は言ってから、ダスーキーにこう言った。“お前を殺さなければならない”。すると奴は許しを請い始めて、“俺を殺さないでくれ”といった。それで俺は奴に、“俺はお前を殺さなければならないんだ”と言ってやって、自分の銃を引っ張り出して、奴の頭を2度撃って、その場を去った。男は目隠しされて、後ろ手に縛られていた。俺は奴の側に近寄って、死んでるかどうかを確かめて、持っていたパスポートや書類を取り出して逃げた」。ダスーキーは2度の銃撃を生き延びた。彼には5人の子供たちがいる。ヨルダン国営ペトラ通信によれば、モロッコ人外交官が2名殺されたというが、ロイター電が報じたところによれば、アルカイダが11月にこの男たちを処刑する、としたにもかかわらず、モロッコの当局は、両人はいまだに生存していて、解放のために全力を尽している、という。

米国主導のイラク戦争が2003年に始まってから、200人以上の外国人が誘拐され、55人が誘拐犯によって殺害されている。ヨルダンの情報総局のユニットが、特殊作戦部隊の協力を得て、アブドゥッラー国王の命を受けた作戦の中で、カルブーリを逮捕したのだ、とペトラ通信は報じる。情報総局は22日、イラクのアルカイダの重要な地位を占める指導者を逮捕した、と公表した。

(写真は23日、アンマンのコーヒーショップで、ジョルダンTVにおいてイラク人テロリスト容疑者であるズィヤド・ハラフを見つめる人々。)

2006年05月23日

ヨルダン王妃、改革のプロセスや価値を語る

50f644d8.jpg22日、ラニア王妃は、民間セクターが、社会経済発展と女性の真の社会統合のためにより大きな役割を果たすことの必要性を訴えた。22日、シャルムッシェイクで開催されていた世界経済フォーラム中東部会の閉会式で、世界経済フォーラムの設立者、クラウス・シュワブ氏との討論に臨んだラニア王妃は、アラブ青年が「世界的な対話の中で、前向きなアラブのイメージを」創造することの必要性も指摘した。

ラニア王妃は、世界経済フォーラム財団理事会における唯一のアラブ人メンバーであると同時に、ヤング・グローバル・リーダーズ使命委員会の議長でもあり、フォーラムの改革に関する自身の見解を述べた。改革の最善製には沢山の課題が横たわっているとしながらも、ラニア王妃は、指導者層はまだ「人権、女性の権利、表現の自由に対する寛容、受容、尊敬の念という価値を植えつける努力が必要です…これらは私達が次の世代に確実に継承すべき価値観なのです…プロセスは成功裏に、継続可能かつ純粋な形で進捗しています」、と述べた。

ラニア王妃は改革についてさらに、民間セクターが自分達の役割とプロセスへの貢献度を再評価するべき、と続けた。「21世紀には、与えることにさらに積極的になる世紀です…我々は民間セクターがより奔放に活動できるようになり、腕まくりをして真剣に開発のプロセスに取り組むようになる、と見ています」、と、ラニア王妃は述べた。

討論ではさらに、改革プロセスの必要不可欠な要因として、民間と公共のパートナーシップを組み合わせることの重要性についても触れた。女性に対する権限委譲の重要性を強調しながら、ラニア王妃は、「女性は女性のためだけでなく、国全体の発展のためにも社会に出て行く必要があるのです…」、と述べた。ラニア王妃は、アラブ女性の労働市場への参加が教育への参加に平行して増加すれば、家計の収入は25パーセントも増加するだろう、とした世界銀行の調査について触れた。

ラニア王妃は、世界経済フォーラムの次期部会は来年、ヨルダンの死海で行われることから、参加者をヨルダンに歓迎するとのコメントで、討論を終えた。

(写真は22日、世界経済フォーラムの閉会式で、改革について世界経済フォーラムの創設者、クラウス・シュワブ氏と討論するラニア王妃。)

2006年05月22日

ヨルダン、クウェート、和平交渉とパレスチナ支援の再開を呼びかける

5f573d34.jpg21日、ヨルダンとクウェートは、中東和平プロセスの再開を呼びかけ、国際社会にパレスチナ人への支援を継続するよう訴えた。アブドゥッラー国王とクウェートのアミール、シェイフ・サバーハ・アルアフマド・アルサバーハは、クウェートのダール・アルサルワでの会合で、対話と交渉によって、ロードマップの履行と独立パレスチナ国家の建設が達成されるべきだ、と述べた。

国王とアミールは、パレスチナ人にはその困難な状況を生き残るために支援が必要だ、と付言し、パレスチナ人に対して一致団結して相違を相克せよ、と呼びかけた。両者はまた、イラクの情勢についても協議した。アブドゥッラー国王は、イラク新政府の組成は、正しい方向へむけた重要な第一歩だ、と述べた。両者の会談では、二国間関係の拡大の方策についても協議された。

アブドゥッラー国王とシェイフ・サバーハは、特に経済分野において、協力関係を継続することに合意した。シェイフ・サバーハは、アブドゥッラー国王とラニア王妃を来賓とした午餐会を主催した。国王と王妃は、21日遅くにヨルダンに帰国した。シェイフ・サバーハが今年初頭にアミールに就任して以来、アブドゥッラー国王がクウェートを訪問したのは今回が初めて。

一方、マアルーフ・バヒート首相は、クウェートのシェイフ・ナーセル・アルサバーハ首相と会談を行った。両者は、両国間で締結された協力協定や議定書の活性化につき協議した。

クウェートからの、ヨルダンの民間セクターに対する投資は、現在50億米ドル(およそ6000億円相当)に達し、ヨルダンへの外国からの投資額としては国別の最高額となっている。昨年、ヨルダンからクウェートへの輸出額は7000万米ドル(およそ84億円相当)に達する一方、クウェートからヨルダンへの輸出額は6100万米ドル(およそ73億円相当)となっている。

ヨルダンからの使節団には、バヒート首相のほか、バッサーム・アワダッラー国王事務所長、アブドゥルイラーフ・ハティーブ外相、ムハンマド・ダハビー情報総称局長が含まれる。2週間前、バヒート首相はクウェートを訪れ、二国間関係に関するアブドゥッラー国王からの書簡を、クウェートのアミールに手渡した。国王はさらに、アミールをヨルダンに招聘した。

会合の後、ハティーブ外相とクウェートのシェイフ・ムハンマド・サバーハ・あるさバーが拝承は、国王とシェイク・サバーハとの会談を「重要で建設的なもの」と評した。

(写真は21日、シェイフ・サバーハ・アルアフマド・アルサバーハに語りかけるアブドゥッラー国王。)

2006年05月21日

ヨルダン政府、政治改革の加速を求められる

ヨルダン国民議会のジャアファル・フーラーニー下院議員(ザルカ4区選出)は、開会中の国民議会の通常会期を延長し、ヨルダンの政治改革を加速するよう訴えた。「通常会期は短すぎて、立法府としての機能を果たしきれない」、とフーラーニー議員は言う。現在の国民議会は、1年に4ヶ月しか開会していない。

フーラーニー議員のこの発言は、下院議員、ジャーナリスト、市民団体の活動家の会合ででたもの。この会合は、先週「国民議会とメディアの目から見たヨルダンの政治改革」と題されたもので、発言はジャーナリスト自由防衛センター(Centre for Defending Freedom of Journalists)の声明で明らかになった。

フーラーニー下院議員は、政治改革についての議論はここ数年行われているが、「根本では何の進展も見られていない。政府が政治的意図を持っていないからだ」。「改革は人々の権利であって、政府の権利ではない」、とフーラーニー議員は言う。

ジャーナリスト自由防衛センターが主催したこの会合の参加者は、政治改革を達成するために、政治的意図の回復と、これに共感する社会風土の復権を呼びかけた。「我々には、自身の政治体制を確立する必要がある」、とサイド・ハイエル・スルール元下院議長は述べ、過去数十年の間に、数々の障害にも拘らず、多くの改革が実現した、と付言した。スルール元議長は、憲法違反をモニターするために、憲法評議会のような制度を確立するなど、赤らしいメカニズムを導入することで、憲法を擁護することを訴えた。

ヨルダン報道財団の総裁であるファハド・ファーニク氏は、憲法評議会や憲法裁判所を設立するというスルールの考えに反論する。「このような裁判所は、実際の憲法から乖離して立憲的なことを行うだろう」、とファーニク氏は言う。氏はさらに、改革に関しては、政府内外に拘らず、ナショナルアジェンダとの合意は存在しない、と言う。さらに現在の政府も前政府も、改革のアジェンダには取り組んでこなかった、と指摘する。ナショナルアジェンダは、運営委員会により立案されたもので、今後10年のヨルダン国家の開発目標を定めたもの。


2006年05月19日

ヨルダン水灌漑相、日本大使と水パイプ網の礎石を置く

18日北シューネにおいて、サフェル・アレム水灌漑大臣と、在アンマン加藤重信日本大使が、ヨルダン渓谷北部と中部に水パイプ網を開発、拡張するプロジェクトの礎石を置いた。

このプロジェクトは、日本が資金を拠出して政府が施行するもので、日本・ヨルダン両国が署名した協力協定の一環。アレム大臣は、このプロジェクトはこの地域の水ネットワークの開発を目的とするもので、一人当たりの水の割合を増やすことで、人々の生活の質を高めようというもの。

このプロジェクトの第1期の総費用は2000万米ドル(およそ24億円相当)で、2008年3月までに完成の予定。第2期にも同じ費用が計上される見込みだ、とアレム大臣は述べ、政府はこれまでに、このプロジェクトに250万ディナール(およそ4億円相当)拠出している。

アレム大臣はまた、水灌漑省は北シューネに、一日に1200立方メーターの処理能力を有する下水処理施設を建設するための入札を公開していると述べた。このプロジェクトには、米国国際開発庁が570万米ドル(およそ6億8400万円相当)の無償資金を供与している。アレム大臣は、処理された水は、森林の樹木など特定の植物を灌漑するために使用されるだろう、と述べた。


2006年05月18日

全ての国は、平和目的の核技術を保有する権利がある―ヨルダン

46ae9ee4.jpg17日、アブドゥルイラー・ハーティブ外相は、ヨルダンはどんな国も平和利用目的で核技術を取得する権利があると、ヨルダンは信じていると述べ、イランと西洋との間の原子力の問題を、外交的に解決するよう呼びかけた。「原則として、我々は全ての国が平和目的のために核技術を保有する権利を有することを支持している」、ハーティブ外相は、イランのマヌーチェヘル・モッタキ外相との共同記者会見の席で述べた。ハーティブ外相はさらに、イランの核計画に関する緊張の高まりを回避するよう呼びかけ、この地域は既に途方もないプレッシャーに晒されているのだ、と付言した。

一方、アブドゥッラー国王は、モッタキ外相との会談の席で、ヨルダンはテヘランの核問題の外交的で平和的な解決を支援するとし、核のない中東を呼びかけた、とヨルダン国営ペトラ通信は報じている。国王はさらに、国際原子力機関が原子力を規制するべきだ、と付言した。「力に訴えることは、この地域の安全と安定に深刻な影響を及ぼすだろう」、と国王は警告した。

この地域の諸国の中でも、特に湾岸諸国は、イランの原子力開発に不安を表明し、米国が国連安全保障理事会に影響力を行使して隣国に対する軍事攻撃を実施する決議案を通すのでは、と怖れている。

17日、報道陣に対してモッタキ外相は、ヨルダンの支持への謝辞を表明し、イランを巡る緊張には、外交手段と対話とが唯一の方策だ、と述べた。「原子力が未来志向で、周辺国にもよいものであるとみなされている限りは、そのエネルギーを利用しない手はないでしょう」、とモッタキ外相は述べた。モッタキ外相は、1日の予定でヨルダンを訪問した。モッタキ外相は繰り返し、イランが欲しているのは核エネルギーであって、「核兵器ではないのです」、と繰り返した。

17日、マフムード・アフマディネジャド・イラン大統領は、核燃料作業を停止する代わりに、欧州連合の褒賞を受けると言う考えを打ち出した。記者会見では、ハーティブ外相は、アンマンはイラン製のカチューシャロケットがハマスによって密輸されたことについて、テヘランを非難したりしなかった、と強調した。「我々はこの問題で誰も非難しない。発見した武器の詳細説明があるだけだ」、とハーティブ外相は述べた。

先週ヨルダン政府は、ヨルダン国内でのテロを準備していた20名のハマス容疑者を逮捕したと発表し、またイラン製ロケットをはじめとした様々な武器を押収した。「我々双方が二国間関係を発展させることに合意した。そしてこの意欲の基盤にあるのは、それぞれの国の安全と安定の重要性を認識するということなのだ」、とハーティブ外相は述べた。「ヨルダンの安全と安定を保持することに、両国は完全に合意した。イランはこのことに明確に感謝している」。

モッタキ外相は報道陣に対して、ヨルダンとハマスの間の問題については、ヨルダン訪問中には話題になることはなかったと述べた。「我々は選挙によって選出されたパレスチナ政府を支援することについて協議した」、とモッタキ外相は言う。「厳しい現実とパレスチナ人に対するダブルスタンダードに苦しむパレスチナ人への支援を拡大することが、いまだかつてなく急がれていると感じている」。

先月イランは、米国や欧州連合からの援助が差し止めになったことを受け、5000万米ドル(およそ60億円相当)の支援を、ハマスが主導するパレスチナ政府にプレッジした。モッタキ首相は、アブドゥッラー国王やハーティブ外相との協議で、イラクの状況についても意見交換を行った。国王はモッタキ外相に対して、「スンニ派とシーア派の統一」に強い関心があると述べた。

モッタキ外相は、テヘランは「イラク人の間に連帯を見ることに強い関心がある」、と述べ、6月中旬にはイラクと国境を接する諸国との第2回目を、イランが主催することを検討していると発表した。モッタキ首相は詳細を語らなかったが、アンマンとテヘランは双方とも、「全面的な派閥争いがイラクで勃発しないことへの確約を目的とした諸努力に貢献できるだろう」、と述べた。「イラクの統一を支援し、イラク人のより良い未来を建設するには、地域の諸国の間には対話がなければならない」、とモッタキ首相は付言した。モッタキ首相はまた、マアルーフ・バヒート首相との会談にも臨んだ。ここでは二国間関係や地域問題が協議された。

(写真は17日、イランのマヌーチェヘル・モッタキ外相を出迎えるアブドゥッラー国王。)

2006年05月17日

ヨルダンの救援キャラバン、食糧支援の配布へ

16日、アブドゥッラー国王の指示により、ハーシム家慈善キャラバンが、ヨルダン全土の恵まれない家庭に対する食糧支援の配布を開始した。5月25日の独立記念日を祝し、今月中に多くのトラックが各都市や農村、砂漠地帯を訪問する。

2万1000件以上の家庭が、8名家族の6か月分を賄う食料の小包を受け取る予定。各県にはそれぞれ1200個の小包が、難民キャンプにはそれぞれ200個の小包が配布される予定だ、と王宮関係者は語る。

1月以来、王宮は今回の支援分を除いて、10万4000個以上の小包を配布してきた。王宮は長期行動計画を策定し、国内の辺境地帯を含めて、支援が必要な人々にあまねく行き渡るよう配慮してきた、と王宮関係者は述べた。

2006年05月16日

ヨルダンの繊維労働者、最低賃金値上げ対象とするよう要求

14日、ヨルダン繊維組合は、政府に対して組合員を最低賃金引き上げの対象とするように求めた。政府は最近、最低賃金を95ディナール(およそ15200円相当)から110ディナール(17600円相当)へと引き上げている。「織物工組合の組合員を最低賃金引き上げの対象者から外すことは公正ではない」、織物繊維布地衣料産業労働組合総連合のファタハッラー・エムラーニ議長は、バッサーム・サーレム労働大臣に宛てた書簡の中で訴えた。

今月初頭、労働者の賃金を調査するための特別委員会は、最低賃金の15ディナール(およそ2400円相当)引き上げを勧告し、引き上げは6月1日付で実施されることになった。「この措置は、生活費の高騰と過酷な経済状況に直面している労働者を支援するためにとられたものである」、とサーレム大臣は述べた。しかし、この特別委員会は繊維産業の労働者を今年の引き上げ対象から外し、2007年1月まで引き上げを延期した。

政府は、経済特区の投資家たちに、新しい賃金体系に慣れるまでの時間を与えたかったのだと説明する。しかしエムラーニ議長は、このような決定の背後にある「知恵」に疑問を呈している。「これは労働者の間のいまだかつてない差別だ…この労働者たちも、他のものと同様に物価上昇に苦しんでいるヨルダン市民なのに」、とエムラーニ議長はジョルダンタイムズ紙に対して語った。エムラーニ議長は政府に対して、決定を再考して繊維業界の労働者を引き上げの対象者に加えるよう要求した。

先月、政府は燃料への補助金を廃止したが、当時政府は、燃料の値上げを相殺するような措置をとったので、いわゆる政府が言う最低だが必要な価格の値上げは、新しい問題を生まないであろうと確約していた。政府は、低所得者層や中所得者層の市民に対しては、金銭的支援を拠出すると発表した。その計画によれば、家計の年間の総所得に貢献する収入が1000ディナール(およそ16万円相当)以下の市民は、現金の支援を受けることが出来る。

労働組合の統計によれば、繊維業界に従事するヨルダン人は1万8000人ほどであるのに比べて、同業界で働く外国人労働者は3万5000人。生活費の自然増や、二ケタ台の失業率、地域情勢のためゆっくりと下降傾向にある業界が多いことが、労働者階級に困難をもたらしている。ほとんどのヨルダン人が避けている低賃金の肉体労働に従事するほぼ100万人の外国人労働者勢に、ヨルダン人が取って代わるためには、最低賃金の引き上げが最も効果的な方策だ、と複数の労働組合が信じている。

公式統計では、失業率は13.5パーセントと推測されるが、一説には27パーセントとも言われており、また国内の550万人の人口のうち3分の1以上が貧困ラインの下の生活を営んでいる。産業界筋は、最低賃金の引き上げが、既に半分のキャパシティーで稼動している多くの工場における解雇をさらに促進するだろうと警告している。ヨルダン産品への需要が域内市場において縮小していることがその理由だ。

最低賃金法は、1999年後半に発効した。当時、最低賃金は80ディナール(およそ12800円相当)とされていた。その後2003年1月1日付で5ディナール(およそ800円相当)引き上げられ、昨年さらに10ディナール(およそ1600円相当)引き上げられた。


2006年05月15日

ヨルダン国王、原油価格の高騰に対処するためのアラブメカニズムを呼びかける

3419fc73.jpg14日、「エネルギーとアラブの協調」と題された、第8回アラブエネルギー会議がアンマンで開幕したが、同日アブドゥッラー国王は、この会議に参加しているアラブ諸国のエネルギー大臣と会談した。会談では、国王はエネルギー分野におけるアラブの成功体験について触れ、エジプトのガスパイプラインプロジェクトやヨルダン、エジプト、シリア、レバノンの電力網接続プロジェクトを賞賛した。

さらにアラブのジョイントベンチャーが必要だ、と強調しながら、国王はさらに、汎アラブ的パースペクティブを展開させるために、石油・エネルギー問題に対処するための制度化されたアラブの枠組みを設立することが重要だ、と特に述べた。国王は、原油価格高騰による困難に対処するために、アラブメカニズムが設立されることへの希望を表明した。

この会談に同席していたアズミ・ホレイサート・エネルギー鉱物資源大臣は、エネルギー会議においてスピーチを行った。大臣は、アラブ世界のエネルギー源や石油プロヘクトへの資金援助など、会議の議事に上げられている諸問題について述べ、さらに環境や持続可能な発展など、エネルギー関連問題についても触れた。原油価格の高騰が諸国の輸出入に与える影響について触れながら、ホレイサート大臣は、不安定な政治情勢や石油市場における競争の激化が、世界市場における原油の高騰に決定的な役割を果たした、と述べた。

エネルギー大臣等は、アラブの共同行動を促進する重要なステップと位置づけられる、この4日間の会議に対する国王の支援に対して感謝の念を述べた。会議は14日から始まり、参加者達はエネルギー分野におけるアラブ諸国の協調の継続の必要性を訴えている。600人以上の専門家や政府関係者がこの会議に出席しており、アラブ諸国の数カ国からは、エネルギー大臣が出席している。

アブドゥッラー国王の代理として、マアルーフ・バヒート首相はこの会議の開会を宣言し、エネルギー分野におけるアラブ間協調の活性化や、アラブ諸国のエネルギー分野の統合に基づいた戦略計画の立案の必要性を訴えた。開幕宣言のなかで、国王はこの会議を「最も重要で、活発な経済分野のひとつであるエネルギー分野における、アラブ共同行動の中でも最も重要な機会のひとつ」、と位置づけた。「この会議は、共通の利害の上に確立された基盤を有する協力関係を体現するもので、さらに広範な協力への道を提示するものである」、と首相は付言した。バヒート首相は、国際市場における石油価格の高騰に鑑みて、ヨルダンが直面している困難について特に述べた。「石油価格の上昇によって、我々の計画の実施を阻害するような問題が噴出した」、と首相は付言した。

アラブ連盟のアムル・ムーサ事務局長の代理として、環境・持続的開発局のファトマ・サラーハッディーン・アルマッラ局長は、この会議について、アラブ世界のエネルギーとエネルギー源の問題と、この分野での協力関係の範囲に焦点を当てたもの、と述べた。ファトマ局長は、この会議の分科会は、エネルギー生産が環境や持続的発展にもたらす影響を検討するものになろう、と述べ、これらの問題の間には強力な関連性がある、とした。

ホレイサート・エネルギー大臣は、この会議の重要性を強調しながら、この会議はエネルギー市場の不安定な状況を反映する、特殊な条件下で開催されたものだとした。流動的な石油価格のため、エネルギー問題は世界各国で最優先課題になってしまった、と述べた。

この会議では、生産者と消費者の間の協力と、これが石油市場の安定性に与える影響、そしてアラブ世界のエネルギー消費と保護などが協議される。この会議は、経済社会開発アラブ基金、アラブ工業鉱物開発組織、アラブ石油輸出国機構が主催している。

(写真は14日、アラブ諸国の石油大臣と会談を行うアブドゥッラー国王。)

2006年05月14日

ヨルダンで、5人の病院職員が停職処分に

アジュルーンにある国立アルイマーン病院に勤務する5人の病院職員が、13日、職務怠慢の結果、女性が一人死亡したとして停職処分を受けた。サイード・ダルワゼ保健大臣が決定を下したこの処分では、出産を監督した医師1名、助産婦2名、検査技師1名、検査助手1名が処分を受けた。

この病院職員たちは、アミーナ・ハタトベさんの死亡に関して起訴されている。ハタトベさんは、違った血液型の輸血を受けた後、内出血を生じて死亡した。病状の悪化後、この病院では医療措置が行うことが出来なくなり、患者はアンマンのキングフセイン・メディカルセンターに搬送された後、死亡した。

停職処分は、本件を調査するために保健省が設立した委員会の勧告に基づくもので、公務法に準じたもの。公務法では、申し立てに対する裁判所の最終判断が下されるまで、医療職員は停職を解かれないとしている。


2006年05月12日

ヨルダン国営テレビ局、ハマスの容疑者の自白を放送

cd53c1ca.jpg11日、3人のハマス所属容疑者が、ジョルダンTVで、シリア拠点のハマス指導者から、ヨルダンの情報将校などを殺害するよう勧誘されたと告白した。このTVは、シリアからヨルダンへ武器を密輸し、テロ攻撃を実行しようとした案件で逮捕された20人の容疑者のうちの3人の自白を放送したほか、押収された武器の映像も放送した。その中には、数十の手榴弾、イラン製のカチューシャロケット、LAW型(軽量対戦車)ロケットランチャー、マシンガンが含まれていた。押収された武器のうちいくつかは、プラスチックで覆われて、北ヨルダンのオリーブの木立の中に隠されていた。

3人の男は、監視作戦や暗殺計画に関与していたと述べた。このグループのリーダーであるアイマン・ナジ・ダラグメ(34才)は、ザルカ東部のハシミーヤ町の住民。告白の中でダラグメは、自分とハマスの関係や、シリアへの旅行、サルト在住の情報総局将校の監視活動について述べた。ダラグメは、サウジアラビアへのウムラ(小巡礼)の間に、アブーハッサンとされる別のハマス諜報員と出会った。この男はダラグメに、その情報将校は「ハマスに損害を与えた」のだと伝えたという。

シリアで軍事訓練や諜報活動の訓練を受けたというダラグメは、アンマンでアブーハッサンに出会い、その情報将校の邸宅の写真を撮影した。ダラグメは、カメラのデータの入ったディスクを、ダマスカスのハマスメンバー、ワエル・アブーハンタシュに届けた、と述べた。さらにダラグメは、後にザルカで一人のバス運転手と出会い、男がシリアから密輸した武器を受け取った、と述べた。ダラグメは、4月18日に逮捕された。

もう一人の容疑者、アフマド・ムハンマド・アブーラビーエ(27才)は、5月6日に逮捕されたと述べた。アブーラビーエは、ハマスのために武器を購入したり、情報総局の職員を輸送するバスを監視するようにとダラグメに勧誘されたという。両容疑者とも、そのバスを攻撃することを計画した、と述べた。アブーラビーエはまた、ダラグメが自分に、アカバの観光客を監視するようにと命じたと述べた。その目的は、アカバでテロ攻撃を実行することだったという。

第3の容疑者は、アフマド・ニミル・アブースィヤブで、4月18日に逮捕された。彼はマフラクのモスクのイマーム(導師)だった。シリアで20日間の軍事訓練を受けたアブースィヤブは、ヨルダン国内で、ハマスのための武器や弾薬を受け取ったという。武器の一部はイラクからのものだった。アブースィヤブはダラグメから、アカバの外国人観光客の監視を指令されたほかに、マフラクに農場を有するヨルダン人実業家、サーミー・ジョージ・フーリーとされる人物の監視も命ぜられた。アブースィヤブは、ダラグメはこの実業家をユダヤ人だと思っていたが、実際はキリスト教徒だった、と述べた。「私は彼らに、その男はヨルダン人のキリスト教徒で、自分は彼と良い友達なのだと説明した。しかしダラグメは、そいつはユダヤ人で我々の標的だ、と言ったのだ」とアブースィヤブは語った。

アブースィヤブはダラグメが、自分に対して「このミッションは神とイスラームのためなのだ」と言ったと述べた。アブースィヤブはさらに、ダラグメが自分にお金を渡して、「指令」を受諾するようにと言ったとした。「ダラグメは、私がお金のせいで家族問題を抱えていると知っていた。それで自分をそそのかして、ワクフ・イスラム省のワクフ管理の仕事を辞めるようにと言った。この仕事の月給は100ディナール(およそ16000円相当)だが、ダラグメは自分に150ディナール(およそ24000円)支払うと約束した」、とアブースィヤブは語った。「時には、奴らは自分を脅迫した。奴らは、私がもう事件の当事者で、自分達が捕まれば、私も一緒に逮捕されると言っていた」。

これに先立って11日、ナーセル・ジューデ政府報道官は、情報部長のターレク・アブーラジャブ少将が率いるパレスチナ自治政府の治安チームが、アンマン訪問を終えたと発表した。アンマン滞在中、治安チームは本件の詳細な情報を得た。

ジューデ報道官は10日、報道陣に対して、捜査によってパレスチナ自治区からテロ要因を招聘し、シリアやイランに「軍事、治安、諜報活動」訓練を受けさせるために派遣しようとしていた試みを摘発した、と明らかにした。しかし報道官は、武器密輸や訓練疑惑の関与について、シリアやイランを非難はしなかった。

AFPは、ヨルダン最高幹部が「ヨルダンは本件への関与について、イランを非難したりしない。シリアもそうだ」と述べた、と報じた。「我々は、逮捕されたハマス分子がシリアから来た、さらに押収された武器の一部はイラン製だったというという証拠を掴んだ。しかし我々の非難の矛先はハマスだ。我々はこれらのヨルダンの不安定化を狙った未遂事件の全ての責任はハマスにあるとみている」。

一方、ムシール・マスリ・ハマス報道官は、AFPに対して、ヨルダン政府は「大騒ぎをすることで問題を誇張しようとしているが、結局最小限の結末をもたらすだけだろう」、と述べ、アンマンが「利用したやり方」は残念だ、と述べた。ハマス率いる政府は、ヨルダンに派遣されたパレスチナ治安チーム参加することを拒否している。武器庫が摘発された後、ヨルダンはパレスチナのマフムード・ザハル外務大臣の訪問をキャンセルした。

同じく11日、ヨルダン国民議会下院議長代理のナイフ・ファイーズ下院議員が、ヨルダン国営ペトラ通信に対して、「ヨルダンの不安定化を狙ういかなる団体のいかなる試みも、全面的に否定する」、と述べた。ファイーズ議員は、これらの事件の摘発につながった政府と治安当局の「献身的な努力」を、下院は全面的に支援する、と述べた。

(写真は10日、シカゴのギャラリー37を訪問するラニア王妃。王妃はこの日、4日間の米国訪問を終えた。)


2006年05月11日

ヨルダン当局、20人のハマス分子を逮捕、イラン製ロケットを押収

c88ecb33.jpg10日、政府は当局が、政府高官、軍関係者などをターゲットにしたハマスのテロ計画について操作していた当局が、20人の容疑者を逮捕し、密輸されたイラン製のカチューシャロケットを押収した、と発表した。

ナーセル・ジューデ政府報道官は、10日報道陣に対して、捜査によってさらにハマス分子がヨルダン国内で個人の勧誘をしようとしていたことや、勧誘したメンバーをパレスチナ自治区から連れてきて、シリアとイランに送り込んで「軍事、治安、情報活動」の訓練を受けさせようとしたことも明らかにした。ジューデ報道官は、拘束中の数名の自白を、12日にジョルダンTVが報道することも明らかにした。

ジューデ報道官は、武器密輸への関与や、容疑者の訓練に関してシリアやイランを非難することはなかったが、パレスチナ自治政府の情報部長であるターレク・アブーラジャブ少将が率いる治安チームが、本件の調査のために現在アンマンを訪問中であると述べた。ヨルダンの情報総局の最高幹部が、アブーラジャブとこの使節団に対して、ハマスの陰謀について説明した、とジューデ報道官は述べた。

10日、ジューデ報道官は、ハマスが主導するパレスチナ政府に対して、使節団への参加を拒否したことを再考するようにと呼びかけた。ジューデ報道官によれば、カチューシャロケットとLAW型対戦車ミサイルが、ヨルダン国内に備蓄されていたと明らかにし、政府はまだ未発見の武器があるとの疑念を持っている、と付言した。報道官は、ヨルダン政府はパレスチナ政府に対して、武器の摘発を支援するための軍事専門家を派遣するように依頼するだろう、と付言した。「このことは、ヨルダンの国家安全保障に対する大きな脅威となっている。その裏側にいる人物は責任を問われることになろう」、とジューデ報道官は警告した。

政府は先月、ヨルダン国内のハマスの秘密武器庫から摘発されたロケットランチャーや起爆装置、爆発物は、パレスチナのハマスグループの追放された指導者が拠点としているシリアから密輸されたものだと発表した。政府はまた、シリアを拠点にしている指導者から、ヨルダン国内でテロを実行せよという指令を受け取ったハマス分子を逮捕したと発表した。ハマスは繰り返し、関与を否定している。

武器庫の摘発の後、ヨルダンはパレスチナのマフムード・ザハル外務大臣のヨルダン訪問計画を白紙に戻している。

(写真は9日、米国ワシントンDCのセサミワークショップの支援で開かれた、モザイク財団の第9回年次チャリティーディナーの席でのラニア王妃とローラ・ブッシュ米国大統領夫人。記事とは関係ありません。)

2006年05月10日

パレスチナ使節団アンマンに到着 ハマスの事件について協議

9日、ターレク・アブーラジャブ・パレスチナ情報部長がアンマンを訪問した。訪問の目的は、ヨルダン政府幹部と、ハマスのメンバーがヨルダンに武器を密輸し、ヨルダン国内で襲撃事件を企てた件について協議を行うこと。

アブーラジャブ率いる治安関係の一行との協議は、10日行われる予定だ、とアタッラー・ハイリー在ヨルダンパレスチナ大使はAFPに対して述べた。ハマスは現在、パレスチナ政府を主導しているが、本件に関する関与を否定しており、協議への参加を拒否した。

2006年05月09日

2005年のヨルダンへの観光客、アラブ人が大半を占める

8日、カタールからの記者団がヨルダンの観光産業の現状やその進展状況の説明を受けた。ムニール・ナーサル観光・遺跡大臣は記者団に対して、観光産業への投資の結果、ヨルダンはアラブ諸国や世界の観光客の目指す主要な観光地になりつつある、と述べた。大臣は特にヨルダンへの最大の観光客は、アラブ諸国や湾岸諸国からの観光客だと述べた。

観光・遺跡省の統計によれば、昨年の国別観光客のうち、アラブ諸国からの客は全体の62パーセントを占めた。交通客の往来の結果、2005年には10億2200万ディナール(およそ1640億円相当)の収入が発生した。観光客数の全体は、昨年4.1パーセント増加し、2004年の558.7万人から、581.7万人へと増加した。

ナーサル観光大臣は、安全で安心できる環境と、近代的な設備や一年を通じた温暖な気候によって、ヨルダンの様々な観光プロジェクトは成功を収めており、これはヨルダンにとって類のないメリットだとした。さらに大臣は、観光省とヨルダン観光局は協力して、これらのメリットをヨルダン国外に宣伝している、と述べた。

カタルの記者団は、ヨルダン観光局が招聘したもので、さらに観光と収入を発展させる目的で設計された、国家観光戦略の説明も受けた。ナーサル大臣は、この戦略の一環として、ヨルダンは会合、会社旅行、国際会議や国際展示会の会場としての能力を高める努力に取り組んでいるとした。これらの分野は、国家観光戦略には伝統的な観光セクターによって提供される既存のサービスに統合された形で記されている。

ヨルダンの観光や教育関係者は、今週始めに共同ミッションとしてドーハを訪問し、高等教育の場としてのヨルダンを宣伝してきた。12日間の日程で派遣されたこのミッションは、ヨルダン観光局が主導権をとり、マスカット、ドバイ、マナマ、ジェッダ、リヤドを含む全6つの湾岸諸国を訪問した。観光省と高等教育科学調査省が共同で取り組むこのキャンペーンは、ヨルダンの教育的観光を促進しようという、この種の取組としては初めてのパートナーシップによるもの。ヨルダンの私立・公立大学の代表者と観光セクターの代表者は、訪問国の家族や若者達に対し、ヨルダンの高等教育セクターについて説明を行った。

2006年05月08日

ヨルダンの動物園の状況への不満、警鐘を発する

ヨルダン国内の動物園での、動物の非人道的扱いについて、懸念が広がっている。大アンマン市や動物福祉人道センターへ送られてくる、入園客からの不満から明らかになった。

ジョルダンタイムズ紙はこの苦情の手紙を実際に見てみたが、そこには入園客が地元の動物園を訪れた際に見た「身の毛がよだつ光景」への怒りが込められていた。そこに列挙されていた苦情には、満足でない給餌、虐待、適切な医療行為の不足などがあった。「これらの動物園にいる動物達は、惨めな環境におかれている」、とワーリド・バクリーは苦情の手紙に書いている。「ほとんどの動物達は飢えに苦しんでいて、ひどい怪我をしているものもいるし、我々が訪れた動物園で、きちんと動物のケアをしている飼育係は一人もいなかった」、と彼の手紙は続けている。

他の苦情の手紙には、「私の子供たちも自分も、飼育係の一人が動物を手ひどく打ち据えて、芸らしきものを見せようと強要しているのを見ました…その光景は、私達を心配にさせる以上のものでした」。

ジョルダンタイムズ紙は、アンマン市内にある3つの動物園に対して調査を行ったが、その結果、国内外の動物保護法に対する様々な違反行為が明らかになった。上記に述べた動物園を視察した獣医達は、動物達の多くが極端な飢えに苦しんでおり、肉体的な弱化と疲労の兆候が見られた、と確認した。様々な種類の動物達のうち、特にライオン、虎、ハイエナなど他のイヌ科の動物達に、虐待の跡が見られた。体表の傷だけでなく、ウツや孤独から来るストレスの症状も見られる、と獣医達は言う。他にも、動物達に見られた共通の兆候も記されているが、それには鳥類の間に見られる羽毛のしぼみや、哺乳類の間に見られる目やにや消化器系の感染症、地元の動物園の環境に適応できなかったことが理由の神経症などがあった。

「これらの動物園の環境は、手に負えない状態にあります」、と動物福祉人道センターの創設者で事務局長のマーガレット・レッジャー女史は言う。「私達は毎日毎晩、若い市民達に動物の扱い方に関する倫理を教育しているのに、これらの権威ある場所で利益のために動物虐待が行われているところを、若者達が見てしまえばそれで、私達が教えていることは全て無に帰してしまうのです」。

アリア王女(訳者注:故フセイン国王とディナ妃の間の長女。アブドゥッラー国王の異母姉)は、本件について、この動物福祉人道センターと大アンマン市の対応振りを監督しているが、この問題には早急に対処せねばならないと述べた。「もしこの国に動物園があって欲しいというのであれば、私達は少なくとも思いやりのある基準を持たなければならないのです」、とアリア王女はジョルダンタイムズ紙に対して述べた。

ヨルダンの刑法は、動物虐待を禁じており、非人道的な行為には1週間の禁固刑と50ディナール(およそ8000円強相当)を課している。

レッジャー女史によれば、動物福祉人道センターと大アンマン市の免許局は、世界動物保護協会(World Society for the Protection of Animals: WSPA)との協力のもと、従業員に訓練機会を与え、医療支援も行うために、地元の動物園を視察しようとしたが、一行は入園を拒否されたと言う。ジョルダンタイムズ紙の視察は、隠密に行われたもので、保健状態の悪さや非人道的な扱い、訓練不足のスタッフの現状が明らかになった。

しかし、苦情が多く寄せられた動物園のオーナーであるイマド・ハンモー氏は、動物虐待が行われているとの疑惑を否定し、スタッフは高度な訓練を受けていると主張する。「我々は、動物の扱いについてよく訓練を受けた、プロの飼育係を雇用している」、とハンモー氏はジョルダンタイムズ紙に対して述べた。「これらの苦情に書かれている、動物の病気や病状の多くは、動物園の環境の中ではよくみられるもので、我々は最善を尽して動物を飼育している」、とオーナーは述べた。

動物園オーナーはさらに、地元の動物園は、過酷な税制と官僚主義の犠牲になっていると述べ、このために収入が限られ、環境に制約があるのだ、と言う。ハンモー氏は、世界的にみたら動物園は政府の支援を受けているのに、ヨルダンの動物園は何の支援も受けていないと苦情を述べた。問題となっている動物園は全て、民間によるもので、入園料は平均して500フィルス(およそ80円強相当)。「私は最善を尽くして、入園者に対して動物の調教のプロセスの最悪の部分を見せないようにしているのだが、時には、暴力を振るって動物に言うことを聞かせる時もあります」、飼育係の一人は、ジョルダンタイムズ紙に対してこのように認めた。「自分がそのようにしなくても、他の飼育係が芸を見せるために、動物に暴力をふるったりするのを見たことはあります」、と飼育係は付言した。

アンマン市内の動物園を訪れた際には、ジョルダンタイムズ紙のレポーターはワイヤーの柵に囲まれたタイル張りの部屋を目撃した。この部屋の床には、地の後が付着しており、洗面所の下には、アライグマかハイエナの毛皮がはがされたものが掛けられていた。これについて質したところ、動物園のマネージャーは、「ほとんどの動物は輸入されたものだから、この施設についたときにはほとんど死に掛けているのです。そのようなシナリオに直面した場合、時にはその動物を殺して、毛皮をはがして装飾に使うこともあります」、と述べた。

動物福祉人道センターのナディア・ハマーム教育マネージャーは、現実にはヨルダンの動物園の多くは、若い世代に動物を倫理的な扱い方センターの仕事に反したやり方で運営されている、と言う。「もし地元の行政が、適切な動物園の環境を整備する余裕がないのなら、動物園のオーナーは動物園を閉鎖すべきなのです。行政の支援不足は、かわいそうな動物達の苦難を正当化することにならないのですから。動物達は、いきとしいけるもの全てにとって、生活環境が悪いということは拷問だ、というメッセージを送っているのです」、とハマームマネージャーは言う。「私達は、この問題を倫理的な観点から見ていますが、その観点とはまさに私達が将来の世代に植えつけようとしている観点なのです」、と彼女は付言した。