園芸無法地帯〜場・外・乱・闘〜

 園芸・植物専門のライターです。『趣味の園芸』の山野草部分の補足やまじめなものの他、ネタやメタ発言を含みます(笑)  流行だの、ミョ〜に偏った価値観などに惑わされずに 、純粋に植物が好きな人が【植物自身の美】を愛でて【培う楽しみ】を得たいものであります。 ツイッター:https://twitter.com/#!/Kouji_Gardening フリッカー:http://www.flickr.com/photos/koujituji/

2007年05月

ハクチョウゲいろいろ

 この間も書いたハクチョウゲについて、もう少し続けてみる。
 ハクチョウゲは枝が細かく分かれ、葉も小さいので盆栽によく仕立てられて来た。そのため古渡りの園芸品種が丹念に探すと結構見つかる。こういう古い園藝植物を探す時は、盆栽屋さんが狙い目だ。

アクチョウゲ派手斑
 派手な白の斑入り品種は、よく見ると幹まで斑が入って黄色い。普通ここまで斑の強いものは弱くて育成に苦労するものだが、どう言うわけかとても丈夫でよく育ち、純白の花を枝いっぱいに咲かせる。華やかな園藝品種なので普通に販売されている。

ハクチョウゲ八重
 八重咲きは運が良く無いと見つからないかも知れない。結構昔からあるようだが、どう言うわけだがあまり繁殖に回される事が少ないらしい。花付きは他の品種とくらべると少ないが、小さいながらもバラの花のようで結構楽しい。この植物に限った事では無いが、合弁花の八重咲きの通僻で、朽ちた花がいつまでも枝に着いているから払い落としてやらねばならない。

ハクチョウゲ標準
 無地の葉のハクチョウゲは以外に無い。ワタクシが見落としているのか、地域的なものなのかは分からないがあまり見かけない。花はうす紫色で大輪。斑など入っていないので、たくさん咲いてくれる。

ダンチョウゲ
 最近見なくなった園藝品種にダンチョウゲがある。あまり枝分かれせず真直ぐ立ち上がり、葉は小さくて節が密に接する、生長の遅い植物で、あまり花付きも良く無い。稀に盆栽に仕立ててあるのを見る事がある。
 ちょっと前まではそれほど珍しくは無かったのだが、ハクチョウゲの八房性が普及してからはほとんど見なくなってしまった。八房性の方が繁殖も容易で、樹形を作りやすく、生長も早いために、商品としての盆栽作りに向くために取って代わられたのだろうと思う。

 実はもうひとつ、園藝品種がある。二重咲きがそれで、花びらが2枚重なっているものだ。こちらは以前見た事がある。ある園芸店ではいつも売っていたために、いつでも手に入ると思ってそのままにしていた。ところが、そこで盆栽などの仕入れをしていたジイサンが辞めてしまうと、無くなってしまった!以来、まったく見かける事が無い。私的『幻の植物』だ。
 草友の言葉『買うは一時の損、買わぬは一生の損』が身にしみる。

今年の『お富士さん』

 もう昨日になってしまったが、引き続いて浅草の『お富士さんの植木市』について書いてみる。
 毎年のように必ず店を出している植木屋がある一方で、来なくなった植木屋も数軒あった。店の出る場所と言うのはだいたい決まっているので、同じ場所には毎年同じ植木屋が入る。
 そのため、そこが参加しなくなるとそのスペースが空くのだ。毎年、歯抜けのように少しづつ減っている。ここ数年毎回欠かさずに来ているが、始めて来た時から10軒以上減ったように感じる。
 いちおう地元の商工会議所か商店街か、観光協会か知らないが、テコ入れ策を講じているようだがあまり成果は上がっていないように思う。植木市に関心がありそうな層に絞った広報策が有効だと思うが、そこまでの予算は無いのかもしれない。
 せっかく多くの人で賑わう浅草寺の裏手すぐ(本堂裏の『はとバス』発着場から200mも離れていない)なのだから、単に小さなポスター(所々の商店に貼られている)を出すだけでなく、もう少し積極的な誘導策を考えた方が良いと思う。

 品物は普通のものから珍品まで、やはりいろいろだ。情景をいくつか撮影してみた。植木市と言うと盆栽ばかりと思い込んでいる人が多いかも知れないが、実にいろいろな植物が扱われている事が分かると思う。
点景1点景2点景3点景4

 この小品盆栽屋さんは毎年、欠かさずに出て来ている業者さん。手ごろなものから本格までいろいろあり、必ず珍しい品種が見つかる。一時期どこでも売られていたが、このところまったく見なくなったコルシカミントはここで買ったし、テリハノイバラの唐子咲きも去年ここで見つけた。小品盆栽屋

 品揃えは盆栽や樹木ばかりで無い。バラや宿根草、海外の珍しい植物も少なく無い。セイヨウオダマキの八重がこの値段!オーストラリア原産の花木・フェザ−フラワ−がお買得価格であった。モミジの品種もの長尺苗各種の向こうには、代表的なバラの品種が各種取り揃え。八重セイヨウオダマキフェザーフラワーモミジの向こうにバラ

 ちなみに今回買った植物は、カンパヌラ・ラプンクロイデス、ミヤコワスレ‘白馬’、ユキノシタ銀葉、コバギボウシ‘白カビタン’、アマナラン酔白花、セッコク‘黒牡丹’、コルシカミント、ゲラニウム‘ジョンソンズ・ブルー’の8種だ。あと、わりと良い感じの豆鉢をひとつ買った。

浅草『お富士さんの植木市』が始まった。

 昨日までの荒れ模様と雨から一転、雲ひとつなく晴れ上がって、暑いほどとなった。
 そして、今年も早春から始まった植木市のトリを飾る『お富士さんの植木市』が始まった。今月と来月の回を持って、今年の植木市のシーズンは終わる。
 植木市は定期的におこなわれるものも無いではないが、東京の伝統的な植木市の多くは花菖蒲のシーズン前に終わりを迎える。これは非常に深い意味を持っているように思われる。まだ検証が済んで無いけど。

 『お富士さんの植木市』は、現存する東京の植木市の中で最大規模を誇る。しかし、数百の露店が軒を連ねたと言うのは、もう昔の話となってしまった。現在は植木屋よりも食い物屋や遊びの露店の方が多いありさまだ。
 理由はいろいろあるだろうが、客足が遠のいた事が最大の原因だろう。これはどこの植木市でも共通している。すっかり衰退して、今や1軒しか植木屋が出ていない『植木市』すらある。
 多くが寺社の縁日に合わせて開催されるから、平日におこなわれる事が多い。すると来るのは高齢者か観光客だから、大きな単価の高いものは売れない。結果的に採算が合わず参加を見合わせる所が続出する。そうなると淋しくなって客が減る、売り上げが見込めないから参加しなくなる…悪循環の構図が出来てしまっているように思う。

 だが、日本の園芸史を考える上で植木市の存在は決して疎かにはできない。近代的な花卉流通システムが出来上がるまでのおよそ300年以上、植物の商業的な流通を支えて来た場なのだ。地域ごとに栄えた特徴的な園芸文化の影響を色濃く反映している所もある。
 東京の植木市は江戸時代からの人々の行楽行動と、都市の構造、産業形態とが強く関わっていて、それが植木市の性格と開催場所・時期を決定している。まさに江戸の町のあり方が現代にまで影響を及ぼしている、生きる文化遺産だ。無形民族文化財にならないのが不思議なぐらいだと思う。

 それに、現在も無用の存在では無い。商業的な大量生産──言い換えれば、現代的な花卉産業のやりかた──に向かないために忘れ去られたようになっている園芸植物が手に入る、貴重な機会だ。アオユキノシタ、テリハノイバラの唐子咲き、サラサウツギ、ハラン‘一文字’、カンパヌラ・ラプンクロイデス…これらは全て古い日本在来の園芸植物や明治・大正年間に渡来したものなどで、植木市でなければ手に入れ難いものだ。
 もちろん、新しい植物も販売されている。オ−ストラシア産のかなり珍しい部類に入る花木を2種類、販売されているのを今年見かけた。どちらもかなり作り込んだものだった。
 サボテン、多肉植物、盆栽、バラ、球根類、造園樹木、花木、果樹、野菜苗、宿根草や高山植物、熱帯植物にいたるまで、あらゆる分野の植物が一堂に会するのが植木市の最大の魅力だ。しかもそれでいて入場料などいらない。今どきそんなイベントがあるだろうか?考えてみて欲しい。
 小奇麗に整えて、ナントカ先生のお話をイギリス写真見ながら聞いて、予定調和的な狭い世界に最初からはまり込むなど、とんでもない。しかも高い入場料を払ってまで!

 市井に暮らす伝統的な庶民の楽しみ、植木市に新しい出合いを求めて、いざ!
 『お富士さんの植木市』は、明日5月27日と、6月30日、7月1日にもおこなわれる。

少し前の話なのだが

札落ち牡丹
 なぜ、牡丹は品違いが多いのだろう…?流通システムに問題があるのか、札落ちになっちゃったやつにテキトーに札をつけてまとめて出荷、とかしているのか、むかし務めていた先でも悩まされた。
 そして今年、自分用に買った牡丹。桃色大輪八重の‘八千代椿’のはずが、紫色の花がぁ!思いっきり札違いだ。たぶん‘島大臣’‘麟鳳’だと思うのだが。
 悪い花ではないし、植物自体に罪があるわけでないので、悩ましい限りだ。

 のっけからネガティブな事を言ったが、牡丹は素晴らしい花だ。バラよりも大きな花を咲かせるのに優雅さを失わない所が、花の王者と呼ばれるゆえんかと感心する。光沢のある花弁は薄くて光を透すので、八重咲きの花にありがちな重苦しさ、重厚さオンリーから免れている。
 その豪華な花容はもちろんだが、葉も美しい。そのくせ、この王者は低潅木なので、それほど場所を取らないのだ。マンション暮らしでもひと鉢、ふた鉢なら気軽に楽しめる。バラのように黒点病やハバチに悩まされる事もない。
 それでも敢えて欠点をあげつらえば、開花期間が短い事だろうか。こればかりはもともとの性質なので、大幅な改善は望みにくい。どんなにたくさん植えても『花開き花落つ二十日』なのだ。

 牡丹は謎の多い花だ。栽培の起源もはっきり記録に残っておらず(起源は、あの文字記録を残す事に恐ろしいまでの執着を示した中国にもかかわらず!)、日本への渡来年代も確かには分からない。
 各種の記録からして唐代に発達した事は疑いなく、遺伝的な性質や、近年の研究から中国に分布する複数の木本性ボタン属植物が関わった可能性が非常に高い。
 シャクヤクへの接ぎ木法が、貝原益軒が詳しく述べているのにも関わらず、なぜ福羽逸人(ふくば・はやと)まで長く忘れ去られたのかも良く分からない。
 近年の中国経済の発展で、牡丹もたいへん人気が上がっている。大量繁殖の手段が発達した今日だから投機的な取引きの対象にはなっていないようだが、観光農園などできて季節には賑わっているようだ。一度、中国に行って向こうの牡丹についてじっくりと調べたいと思っている。

ハクチョウゲ満開

317a8b07.jpgハクチョウゲ覆輪
 大好きな花ハクチョウゲ Serissa foetida (Syn.S. japonica) が満開になった。中国原産とされる、常緑の小潅木だ。アップした写真は八房性(右)と覆輪(左)の品種。
 花が星のような形をしていて、直径は1cm前後で小さい。しかし、たくさん咲くので淋しくはない。底には蜜が溜まっていて、採って吸うとほのかな甘味が感じられる。子供の頃、よく吸った記憶がかすかにある。花は今頃を盛りとし、その後も寒くなるまでポツポツと咲いている。
 とにかく萌芽力が旺盛なので低い生垣には好適だ。しかし、あまりぞんざいに扱うと枯れ込む事があるためか、最近は利用が少なくなってきた。生垣として長年美しく保つには、数年に一度は根切りや土壌改良などをしてやらねばならない。
 八房性は枝が細かく分かれ、節が密で、全体に小さくて盆栽によく使われる。花も小さく5mmぐらいだが、文字どおり木を覆うように咲くので見事だ。
 覆輪は葉の縁に白い縁取りがある。葉だけではカラ−リ−フとしてもイマイチの存在だが、花はうす紫色で優しい感じ。これがつぎつぎに咲くので花の時期はとても魅力的だ。
 ハクチョウゲは丈夫で手間がかからない美しい潅木として、広くお勧めしたい。日なたか、5時間以上直射日光のあたる場所ならば美しく育つ。繁殖は挿し木で、古い部分からでも容易に発根する。
 そのため枝振りの面白い所を切り取って挿木すれば、簡単に盆栽が出来上がる。挿し木から作ると鉢が小さくても良いので、小品盆栽には必ずハクチョウゲが使われているのを目にする。

OZハウスより、地味に発進(発信?)

 急な引っ越しを余儀無くされ、24年間も住んでいた海辺の町を後にした。とは言っても、はるかに離れた場所に移動したのでは無く、そこから自動車で行けば10分あまりの所だ。
 昨年11月4日の事である。
 引っ越した先は古い平家建ての一軒家。築30年あまりだという、木造の和風建築だ。パッと見た目の雰囲気は悪く無いように思えた。感覚が掴みにくいという人は小津安次郎の映画に出てくるような、古い日本家屋を考えて欲しい。ちょうどあんな感じである。
 そこでワタクシと母は、この家を【オズハウス】と呼ぶ事にした。
 この家は昭和の趣があり、軒先のコンクリたたきの水切り、玄関先の研ぎ出しのステップなど凝って作った様子が伺える。部屋のひとつは2面がガラス戸になっていて広い視野が確保され、箱根あたりの温泉旅館のような窓辺だ。天井は高く、畳もマンション畳ではないから、不動産屋の持って来た見取り図よりかは広々と見える。

 しかし鴨居は低く、ワタクシはしばしばぶつかる。
 さらに困ったのは、家のあちこちを直さなければならない事だった。網戸がないので網戸を取り付けてもらい(網戸のレールはあったので、過去に存在した事は分かっていた)、鍵が壊れていた所は直してもらった。一部の窓や戸の桟が傷んでいたので、それも換えてもらった。
 もっと厄介なのは、古い家なので電源が少ない事だった。仕事上、多くの電機機材(パソコンとか)を使う。配線が古く、単純にアンペア数を上げると電気火災の恐れがあると言う。さりとて、新たに配線からやり直すと10数万円かかると言われ、大家はとても負えないと言うので、これは諦める事にした。
 このほかにも直さない場所はいくつもある。自分でゼニを出すなら好きにして良いと言われているので、創意工夫で乗り切る事にしよう。
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