2012年01月
2012年01月31日
荒治療(大阪市の教育バウチャー制度)
橋下大阪市長による、「荒治療」のニュース。
●asahi.com(朝日新聞社)
大阪市の塾代1万円支給 まず西成区で7月 橋下市長
http://www.asahi.com/edu/news/OSK201201290122.html
《引用開始》
橋下徹大阪市長は29日、低所得者層向けに学習塾や習い事の費用を助成する全国初の「教育バウチャー制度」について、同市西成区内で就学援助を受ける中学生約950人を対象に7月から先行実施することを決めた。支給額は月1万円で、2013年度からは市全域で中学生の7割程度を対象に実施する。
橋下氏は生活保護率が高いなど西成区の課題解決に向け特区化する構想を示しており、他の地域に先んじてバウチャー制度を実施することで特区構想を先取りする狙いがある。
バウチャー制度の対象は、同区内の公立中6校で就学援助を受ける生徒。学習塾や習い事、スポーツ教室などで使用できるクーポン券を毎月1万円分配布する。市の新年度予算を検討する会議で29日、事業費8800万円の計上を決めた。橋下氏は「13年度から全市で実施するためのモデル事業。文化やスポーツ活動などにも使えるようにして、塾以外にもいろんな事業が生まれることを期待している」と語った。
《引用終了》
うはぁ、「そこまでやりますか!」と思うくらいにすごい政策ですね。西成区の特区化という、高度に政治的な思惑がその水面下にあるのでしょうけれど、私教育従事者としては複雑な心境です。大阪も、我が北海道も、共に全国屈指の低学力地域。しかし、人口規模が大きいだけに大阪での学力向上は難航が予想されます。でも、共通して言えることは「トップダウンが不可欠」ということでしょう。
北海道には、ここまでの「荒治療」は不要でしょう。
がしかし、それに比肩する政策を矢継ぎ早に打ち出さなくては、大阪に先を越されてしまうことになります。比肩する政策。実に簡単なことだと思います。例の「5つの緊急実行課題」の、即時全面実施ですよ。
釧路市教委の「英断」が、北海道の「学力危機」を左右する!
昨年の全国一斉学力テスト。
北海道内において、我が釧路市の小6生、全道平均をクリア。中3生は残念ながら一歩届かず。我らが蝦名市長が明言なさっています。さて、同志の合格先生も指摘していますが、道教委の発表データ(小6生)を見る限りにおいては、釧路管内は全道平均をクリアしているようには見えません。明らかにそれを下回っています。
●全国学力調査結果が出ています(1)
http://www002.upp.so-net.ne.jp/singakukouza/jijimonndai.html#Anchor-10153
ということはつまり、こうした結論になりますね。
釧路市内の子ども達の学力は、ここ短期間のうちに確実に上昇しつつある。対して管内(近隣町村)の子ども達のそれは「置いてけぼり」をくった。近いうちに、白日の下に晒されることになるでしょうね、これ。となると現在、近隣町村の教委は戦々恐々の状態か?
お次は、全市立小中学校の点数公開ですね。
思うに、近隣町村の教委から「待った!」がかかっているのかも知れませんね。「そんなことをされた日にゃ、ブーイングが殺到するでしょうに!」「お願い、やめて!」(笑)って。でも、釧路市教委はそれをするべきです。夏冬休みにちょっと集中的に補習を行っただけで、たったそれだけで、ごくごく短期間の間に子ども達の学力を、グッと上げられることを実証すべきです。すると、それが釧路管内のスタンダードとして直ちに確立することになります。
その際に、夏冬の補習時に集計したアンケート結果も公表しましょう。生徒の喜びの声、保護者の喜びの声、ボランティア大学生の喜びの声、教員の喜びの声も一緒に。予想を遥かに上回った「高評価」であったことを。そして、「善意の輪」が循環しつつあることを。それはまた、基礎学力向上策に横槍を入れてくる勢力の駆逐にもなります。
するとどうなるか?
(その勢力の巣窟であることもあって)尻に根っこが生えて微動だにしない根室も、動かざるを得なくなる。「教育後進地」であった道東は釧根から、「学力危機」解消のためのビッグウェーブが巻き起こることになる。嘘誇張じゃありませんよ!だって、そうなるって確信がありますから。「直感」ってやつですね。しかし、この手の「直感」は、必ず当たりますから。というわけで、キーマンは釧路市教委。そして、結果公表。
道内の子ども達の「学力危機」に対して、地殻変動が始まります。
しかし、そのためには結果公表ありき。
釧路市教委の「英断」を、お待ち申し上げております。
2012年01月30日
道内公立高校の推薦入試を撤廃せよ!
お寄せいただいたコメント(http://blog.livedoor.jp/jounetsu_kuukan/archives/5132109.html#comments)を読んで、「まったくもって同感だ!」との認識を新たにしました。
小中連携で学力向上(釧路新聞記事)
「小中連携で学力向上」との見出し。
桜ヶ丘中学校と朝陽小学校、東雲小学校による、「小・中学校ジョイントプロジェクト」の模様です。
小中連携、中高連携。子ども達の基礎学力問題を調査する中で浮かび上がってきたのは、今まではそれが驚くほどないがしろにされていたということでした。同じ敷地内に隣接する小中学校同士が、実は交流も情報交換もほとんどないという事実を聞かされたときには、顎が外れそうになりましたもん!
というわけで、小中連携、中高連携が一日も早くシステムとして完成することを心より願っています。おっと、幼小連携もですね。釧路市教委さん、こっちも急いでね。道教委より先を行くんだ!
学習塾のない学力日本一の町(あるコラムより)
毎年この時期になると、全国のロータリークラブへ、「抜萃のつづり」という小冊子(無料)が届きます。株式会社熊平製作所という会社が、希望される方に無料で配っている小冊子で、「直近1年間の新聞、雑誌、書籍などから、心に響く珠玉のエッセー、コラムから抜萃」(同はしがきより)したものとのこと。何と、今年で71号(その71)だそうです。すばらしい社会貢献をなさっている同社に、感謝感謝であります。
さて、本日手にした今回の「抜萃のつづり」から、すばらしいコラムをご紹介したいと思います。2008年の全国一斉学力テストにおいて、学力日本一に輝いた秋田県は八峰(はっぽう)町の教育長でらっしゃる千葉良一さんという方のコラムです。感動しました。すばらしいですね。単に子どもの学力を向上させるだけでなく、まだまだできることがあるはず。そういった「気付き」が随所に語られています。(太字は編者注)
《引用開始》
学習塾のない学力日本一の町
千葉良一
秋田県の西北、白神山地の麓に位置する八峰町。二〇〇八年十二月、当時の寺田典城秋田県知事(現参議院議員)は、その年に実施された全国学力テストの秋田市町村別平均正答率を公表しました。秋田県は小学六年生、中学三年生の成績がともに全国トップクラスで、人口約九千人の当町の小学六年生が学力日本一と報道されました。以来、日本各地はもちろん海外からの取材や視察の申し込みが後を絶たず、この現象はいまも続いており、五百件を超えました。
学習塾のない辺境の小さな町がなぜ日本一になれたのか。教育長の私はよくこのような質問を受けます。しかし、正直申し上げて理由は私にもよく分からないのです。特別なことは何もありません。当たり前のことを当たり前にやってきた。そう答えるしかありませんが、授業の様子を実際に見学された方々は一様に、教師や子供たちの目の輝きに驚かれるようです。
日本一の話はともかくとして、私たちの町には一つの自慢があります。地域の人間関係がとてもよいのです。三世代同居の家庭が多く、お年寄りは子供を、子供はお年寄りを大切にする気風が根付いています。それに学校や教師への地域の信頼があつく、新聞で目にするような給食費未納問題もモンスターペアレンツも不登校もゼロです。
自然豊かな環境の下、いわば町ぐるみで子育てをしようという雰囲気が、高い学力を育む土壌になってきたといえるのではないでしょうか。八峰町では戦後、教師育成の一環として師範学校に進む若者に多くの補助金を出して援助した時期がありましたが、それくらい教育を大切にする歴史もまた誇るべきものがあると思っています。
その土壌に、現在では教職員OBの学校活動への参加、授業を聞くだけでなく子供同士がお互いに勉強を教え合う「学び合い」、国際交流、少人数教育などいろいろな工夫を図っているところです。学力の高さは、これらの相乗効果なのかもしれません。
子供たちの学力が高まると、教師たちの志気も高まります。町内の小学校三校と中学校二校の教師たちが自主的に集まり同じ課題に取り組む勉強会はどこよりも熱心ですし、それが高水準な授業内容を維持する一つの要因となっています。
私の役割は、そういう教師たちが授業や学級活動に思い切り専念できるよう全力を挙げてバックアップすることです。
いま日本全国は教師は保護者の身勝手なクレーム、過剰なマスコミ報道に常に神経を尖らせ、心はすっかり萎縮してしまっています。その結果、子供への指導がついつい及び腰になり、プロ意識が薄れつつあるのが現実です。私は当町の教師に絶対にそうなってほしくはありません。何か問題があれば教育長である私自身が前面に出る覚悟で日々の仕事に臨んでいるのです。
私の名刺は少しユニークです。表面に「嬉しいときはいりません。悲しいとき、悔しいときは悩んでいないで連絡ください」と記し、裏面には携帯電話の番号とパソコン、携帯電話のメールアドレスを公開して二十四時間対応で受け付けています。この名刺を教師や保護者などに配り、万一の時にはいつでも駆けつけ、自分の全責任で処理します。代わりに、教師には授業、生活指導を含め子供たちの教育に全身全霊を傾けていただくだけ。これが私の方針であり、幸いにしてそれはうまくいっています。
ユニークといえば、私の経歴もそうかもしれません。若い頃は郵便局に勤務し、その後はNTTの営業の第一線で働きました。夜討ち朝駆けで県内の事務所を回り、コンピュータなど通信機器の販売で大きな実績を挙げる猛烈サラリーマンでした。
クレーム対応で夜中に現場に駆けつけることも日常茶飯事でした。こちらの誠意を示すことで、クレームを寄せられたお客様を強い味方にできることも覚えていきました。
その後、郵便局時代の先輩でもある町長から声を掛けていただき、収入役、助役を経て二〇〇六年に教育長を拝命しましたが、サラリーマン時代に築いたコミュニケーション力や人脈、誠意、執念、眼力といったものが、まったく未知数だった教育の世界でここまで役立つとは思ってもいませんでした。
いま、二十四時間体制で保護者や教師、子供たちの相談を受け付けていて、何かあればすぐに出向くのも、この時の経験と自信があるからです。
私のもとには、いろいろな相談が寄せられます。複雑な家庭の事情を抱え、人知れず苦悩する子供たちの話には特に胸が痛みます。そういう子供たちが私と話をする中で明るさを取り戻してくれる時、私の目にはいつも涙が溢れています。時には所構わず大泣きすることもあります。彼らの成長ぶりを見るために、学校を訪問するのは私の喜びの一つとなっているのです。
このような私の仕事が、八峰町の学力向上にどこまで役立っているかは分かりません。しかし、子供たち、そして伝統的土壌と教育環境を全力を挙げて守り抜く覚悟があります。
幸いにして八峰町の学力は現在でも全国で高順位を維持していますが、私はそれ以上にすべての子供たちが、一人の例外もなくいつも輝いていてくれることを望んでやみません。
「一人の子供を粗末にする時、その教育(町)は光を失う」
手帳に大きく記した自らの信念を、これからも貫いていきたいと思います。
(ちば りょういち=秋田県八峰町教育委員会教育長・致知「致知随想」23年7月号)
《引用終了》
2012年01月29日
旬の時期。躾。大脳前頭葉の抑止力。
《引用開始》
獣類の大脳には本能やそれに伴う感情が時を過まり度を過ごさないように自動調節装置が付いている。然し人にはそれがない。人にはその代わり大脳前頭葉がある。人はこれによって善悪を判断し、悪いとわかれば抑止してしまう。これが大脳前頭葉の抑止力であるが、これは自主的にしか働かない。人がもしこの抑止力を自主的に働かさなかったならば獣類より遥かに下等な動物になってしまう。近頃「そんなことをしてはいけないことは自分にはよくわかる。然ししないではいられないのである」などと言って、この大切な大脳前頭葉の抑止力が働かない人が多くなって来ている。まるでブレーキの利かないダンプカーのようなものである。
《引用終了》
私自身は、子どもの頃からずっとこう信じています。
人間の本質は、「心」である。
「心」は例えるならばソフトウェアであって、そこでの意識・無意識の指令が「脳」へと送られる。「脳」は例えるならばハードウェア。換言するならば、人間の本質は「霊」であるということ。
さて、このブログでは宗教論を論じるつもりはないので話を進めますが、最近、岡潔先生が書き残した文章の意味が実感を伴って分かるようになってきた気がします。人の子はオギャーと生まれてから、「持って生まれたもの」が成長し切る(精神的・肉体的な意味において)までに20年かそれ以上の歳月を要します。
『旬』の時期。
実はそうしたものが強くあって、そしてそれは、本当にごく限られた短い時間。霊性の高い昔の日本人は実に良くそれを知っていて、そのための『躾』の重要性を皆が知っていた。なので、戒めや教訓の言葉を子々孫々へ伝え続けた。しかし、この国は大きく変わってしまった。「耐える力」を失ってしまった大人達、そして子ども達。しかし、今の日本では彼ら彼女らに簡単に病名がつく。「学習障害」との。
以前に紹介したこちらのブログでは、「学習障害は、勉強によって克服される」との理論を展開し、そしてそれを実践なさっています。すばらしい、本当にすばらしい。
●学習障害(LD)や発達障害児の指導
http://blogs.yahoo.co.jp/sssbf956
さて、ニムオロ塾のebisuさんのブログ記事です。
記事中に登場する子ども達を、病院へ連れて行って診断を受けたならば、ほぼ確実に「学習障害」との病名が与えられることになるでしょう。しかし、我々はそれを信じないし認めない。
●ニムオロ塾 悩み
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2012-01-22
『旬』の時期。
『躾』。
『大脳前頭葉の抑止力』。
なるほど、なるほど。
「読み聞かせ」と語彙力・国語力
国語力が極めて低い子がいます。
「読み・書き」のみならず、年齢に応じた語彙力が備わっておらず、「話す」部分においても、「おや?」と思う子も。裏付けとなるデータがあるのかどうかは知りませんが、私はその原因の大元は、幼児期における「読み聞かせ」にあると考えています。そして、その後の子どもの「言い間違い」(文法の誤り)への対処の仕方ですね。子どもの「てにをは」の間違いを、その都度、優しく教えてあげるとか、自動詞・他動詞の使い方の間違いを、これもその都度、優しく教えてあげるといった部分です。
子どもに読書をさせたいと思うのですが、でもまったく読書をしません。
どうすれば、本好きな子になるでしょうか。
そういった相談を受けることがありますが、幼児期に「読み聞かせ」をしたかどうかを遠まわしに尋ねたならば、怪しいケースがかなり多い。その後、子どもがことばを話すようになっても、「てにをは」の間違いに代表される「日本語の正しい使い方」に目を配った風でもない。さらに尋ねると、ご自身もあまり読書をしないとおっしゃる。なるほど、それならば子どもを読書好きにさせるのは土台無理というものでしょう…。
国語力が高い子のお母さんは、意識して行ったか、無意識のうちに行ったかは別にして、幼児期にたくさん「読み聞かせ」をして、その後は子どもの「日本語の正しい使い方」に配慮をして、そしてご自身も読書家。家には本がたくさんある。大半はそうですね。自分が読書家なので、その楽しみが分かるし、子どもにも段階を踏ませながらそう仕向けることができる。そういうことだろうと思います。
小さい子どもへのお母さんの接し方を見ていると、子どもの「言い間違い」(文法の誤り)に対して、優しいことばでそれを教えている方と、それをそのまま放置している方に分かれるように思えます。後者の方がその後、子どもに、「本を読みなさい!」と言う。しかし、自分は本を読まない。同様に、子どもに、「勉強しなさい!」と言う。しかし、自分はTV番組を見ている。それは、企画倒れ(笑)と言うものでしょう。母親のみならず、それは父親も同じことですが。
「読み聞かせ」と、「正しい日本語の使い方」への配慮。それが、ことばと文章への興味を誘い日本語の語彙力へとつながる。そしてその「旬」の時期は、大人が考えるほどに長いものではなく、ごく限られた期間である。まだ仮説の段階ではありますが、ウチの子どもの育つ様子を見て検証して行きたいと思っています。読み聞かせをする母親に、それに瞳を輝かせながら聴き入っている子どもの姿。いいものですね。
今年もやりますよ!(釧路の教育を考える会)
先日(2012.01.26)行われた、我が「釧路の教育を考える会」の全体会議の模様です。
おかげさまで、「5つの緊急実行課題」のうち3つ(北海道教育委員会と連動した目標設定、学力計測と補習、コミュニティ・スクール)までは、その目標設定なり仕組みづくりなりが整いつつあります。
残りは2つ(学力情報の公開、小中連携と中高連携)ですが、必ずしも予算を伴わない施策であって実現間近とは思われますが、一刻も早い前面実現を、会として強く求めていこうと考えています。
さて、今年もやりますよ!
ご支援のほど、お願い申し上げます。
●くしろよろしく 月田光明ブログ 第2040回 「教育を考える会」が始動
http://blog.livedoor.jp/gekko946/archives/51645240.html
《引用開始》
釧路の教育を考える会(角田憲治会長)。
26日夜、新年第1回目の全体会議を開き、特に今年前半の活動について協議しました。
まずは、やはり何と言っても「学力向上提言2012」。
この先、月1回のペースを基本に、次のテーマについて議論を進めていきます。
◎内申書の相対評価と絶対評価
◎中学校間に見られる通知表(基準)格差の適正化
◎教師力・授業力の向上
◎小学校高学年の教科担任制
◎子ども行政・福祉行政と教育現場との連携
◎学力向上円卓会議
◎「提言書2011」の検証と進行状況
◎学校支援本部の設置
◎長期休暇期間における課題
◎幼児教育の現状とそのあり方
◎放課後補習の実施 等々
次に、外に開いた活動としては以下の3点。
◎学力問題懇談会の開催(阿寒地区)
◎寺小屋づくりへの支援(市内西部地区)
◎学力向上シンポジウムの開催
高橋道教育長や村山前北海道教育大学学長らを迎えて、広く市民に対して学力
問題を考える機会を提供する
さて、当会の特色は団体戦(提言活動)だけでなく、会員各自がそれぞれの立場で個人戦を展開するというもの。
その代表的な取組みとしては、
◎FMくしろの番組出演(1年間)で基礎学力問題を発信
◎劇団東風の公演を通じた啓発 等々
そして最後に、個別課題の深化と幅広い展開です。
小委員会を設置して、機動的に取り組んでいくことになりました。
◎コミュ二ティスクールの機能と課題の研究
◎「提言書2011」ダイジェスト版の作成と配布
結構、盛り沢山。
会の発足2年目への決意が漲っています。
何度も言うように、当会の基本的なスタンスは市教委や学校現場の応援団。
そして何より、子ども達の味方です。
子どもを見捨てない、見放さない!
この原点を踏まえて、今年1年も真っ直ぐに歩いていくつもりです。
《引用終了》
2012年01月28日
公立高校入試・募集人員を見直すべき(入学者選抜出願状況を見て)
昨日、道教委から、平成24年度公立高等学校入学者選抜出願状況が発表されました。
気になる釧路分は以下の通り。
・湖陵(理数)…1.7倍(+29名)
・湖陵(普通)…1.0倍(-7名)
・江南(普通)…1.2倍(+52名)
・北陽(普通)…1.1倍(+34名)
・東(普通)…0.6倍(-63名)
・阿寒(普通)…1.0倍(+1名)
・明輝(総合)…1.1倍(+29名)
・工業(合計)…1.4倍(+97名)
・商業(合計)…0.9倍(-18名)
●北海道教育委員会 平成24年度公立高等学校入学者選抜出願状況(釧路)
http://www.dokyoi.pref.hokkaido.lg.jp/hk/kki/sytugan-z13.pdf
合計すると+154名になります。
しかし釧路には、5学科定員200名の国立工業高専と武修館高校(平成24年度、普通60名・体育40名の計100名)があります。旧釧路市内だけで計300名の「別枠」があります。その差し引きは-146名。加えて、湖陵と工業には定時制があってその募集人数は120名(出願者数32名)。それを加えると-234名。
その余波を食らってしまうのが、近隣町村。
・白糠(普通)…0.8倍(-30名)
・弟子屈(普通)…0.7倍(-24名)
・厚岸翔洋(普通)…0.7倍(-12名)
・厚岸翔洋(海洋資源)…0.8倍(-17名)
・霧多布(普通)…0.4倍(-34名)
・標茶(総合)…0.7倍(-33名)
合計すると-150名。
全日制高校で、募集人員2,020名に対して管内の出願者数は2,034名(内、管外からは18名)。5%枠が廃止されたことに伴って近隣町村の倍率は大きくダウン。人気があった標茶までが大きく定員を割り込むことになったばかりか、地元の子の多くは釧路に出て行ってしまうという結果になってしまっています。
さて、お隣の帯広市は、市内募集人数計(柏葉、三条、緑陽、農業、工業、南商業)1,320名に対して出願者1,613名。その差は+293名。私立の北と大谷の募集人数はそれぞれ230名と100名。それを加えての差し引きは-37名。定時制の募集人数は120名(出願者数88名)。それを加えると-69名。
●北海道教育委員会 平成24年度公立高等学校入学者選抜出願状況(十勝)
http://www.dokyoi.pref.hokkaido.lg.jp/hk/kki/sytugan-z12.pdf
帯広市内の-37名(+293名:私立を含まず)に対しての釧路市内の-146名(+154名:私立・高専を含まず)。この差は実に大きいものと思います。私立・高専を加味したならば実に146名の「余裕」があるわけであって、40名の3~4クラス分に相当するわけですね。偏差値ではいまや湖陵普通を大きく上回る柏葉普通が、何と1.4倍!釧路よりも圧倒的に高学力層が多いことを如実に物語っています。
というわけで、釧路の子ども達の基礎学力向上を考えた場合には、市内(町内)の公立高校を統廃合すべきだと思っています。それで、やっと帯広市と同じ条件になる。とは言え、講師の立場としては塾生全員に目標を突破してもらいたいと願うのみ。頑張れ、塾生諸君!
小6生、全道平均クリア!
昨日の北海道新聞(2012.01.27)夕刊、蝦名市長と木村北海道新聞釧路支社長との「新春対談」よりの抜粋記事です。
2011年度の全国学力・学習状況調査においての我が釧路市。
小学生…全道平均以上。
中学生…全道平均に届かず。
やりましたね!
今までの釧路では考えられないことでした。
さて、例によって苦言を呈したならば、「今まで一体全体、何をやっていたの?」「もう二度と、同じ轍を踏むことのないようにしましょう」というものですけれど。(苦笑)
積み重ねがあるので、中3生はたしかに難しいものでしょうが、しかし、小学生の基礎学力を高めることなど実に容易。
たった少しの期間、集中的に補習を行っただけで、すぐにきちんとした結果が出るんですよ。
今後は、「勉強でつまづいている子」の対応にも力を入れていって欲しいと思います。
それともう一点。
2010年度調査では、北海道の小6生は全国最下位の47位。その中でも下と言うことは、論法で言ったならば釧路の小学生は「日本最低レベル」といったことになります。そして、学力が高くて大票田である札幌市は3割の抽出調査であって、全調査である悉皆(しっかい)調査を行ったならば、間違いなくまだ全道平均には届きません。その事実は、どうぞお忘れなく。
とはいえ、素直に嬉しいですね!
目標は、札幌市・旭川市・帯広市のそれを越えること。
そうしたならば、「全国平均」をクリアできます。
がんばれ、釧路市教育委員会。
ありがとう、蝦名市長。
2012年01月27日
釧路市、教育改革元年!
釧路市による教育改革。
その骨子が明らかになりつつあります。
●月田光明ブログ くしろよろしく 第2039回 教育改革・学力向上元年になるか
http://blog.livedoor.jp/gekko946/archives/51645005.html
《引用開始》
平成24年度釧路市予算案の概要。
昨日は正副議長に、そして今日は全議員に説明がありました。
とは言っても、数字のない事業項目が羅列されただけのもの。
つまり、施策ジャンルごとの箇条書き。
ですから、各事業ごとの予算規模や効果などは全く不明です。
「取り敢えず、こんなことをやりたい」を聞いたに過ぎません。
しかし、それでも「おッ!」という内容には目が釘付けになります。
ここ1年ほど力を入れてきた教育・学力向上関係の新規事業には、特に・・。
【教育推進計画策定事業】・・この中に、学力目標の設定が入ることになると思います
【確かな学力向上推進事業】・・大学との連携による長期休業中の学習支援です
【学力実態調査事業】・・小3~5年生、中1~2年生対象の学力テストの実施
【コミュ二ティスクール活用推進事業】・・実験校1校を指定するとのことです
これで、教育を考える会が緊急提言した5項目中3項目は大きく前進することになります。
あとは、学力情報の公開と小中高の連携の2点ですが、これは必ずしも予算措置を伴わないので、市教委が次年度一挙に取り組むことがあるかも知れません。(後略)
《引用終了》
「広報くしろ」を活用しましょう!
昨晩は、我が「釧路の教育を考える会」の全体会議でした。
ゲストとしてお越しいただいたのが、釧路市女性団体協議会会長の平間育子さん。女性団体のトップとして、さまざまな社会貢献活動をなさっている方です。我が、釧路の子ども達の基礎学力問題、そしてそれと密接な関係がある生活習慣。そういったことを正しく伝え、啓蒙することの重要性。我が会の活動方針とドンピシャ重なる貴重なご意見をいただきました。
平間さんからいただいたのが、次に掲げたコラム(釧路新聞・巷論、2010.12.21)のコピー。
赤線部にご注目。
すばらしいですね!
これ、やりましょうよ。
今、なぜ「子ども達の基礎学力向上策」が重要なのか?
実態はどのようなものなのか?
なぜ、正しい生活習慣が重要なのか?
生活習慣と基礎学力の因果関係とは?
そういった企画を組んで、広報くしろで、例の蝦名市長の顔漫画で解説しましょうよ。
みんなで育てよう、釧路の子ども。
すばらしいですね!
市教委と子ども保健部の出番ですよ!
ねぇ、やろうよ。
労働組合について
私は労働組合が嫌いです。
自身が経営者であり、かつまた基本的に企業側の立場に回る社会保険労務士でもあるので必然的にそうなるわけでありますが、実はこういった実体験もそのベースになっています。(とは言うものの、大変にしっかりした考えと信念をお持ちの組合幹部の方を一部に存じていまして、そういった方には一目置いていますよ)
学校を卒業して就職した某企業。その会社は「ユニオンショップ制」をとっていました。会社に雇用された場合、一定期間内に一定の労働組合に加入しなければならず、また、加入した労働組合から除名または脱退したときは解雇されるという労働協約上の条件を「ユニオンショップ制」といいます。 つまりは、入社イコール、本人の意思とは無関係に組合に強制加入といった具合です。
これには閉口しました。残業中なのに「会議に参加しろ」と呼び出されるだけでなく、とある選挙の際には「戸別訪問をしろ」とビラ等を持たされる始末…。公職選挙法において戸別訪問は禁止されているんですよ。それを承知で「行け!」と言う。「もし警察に捕まったなら、連絡をよこせ。すぐに迎えに行くから」などと。「おいおい、冗談じゃないよ!無理やり組合員にしておきながら前科者になれってか!」って思いましたね。で、ビラはどこぞのゴミ箱に全部捨てて、知り合いのところでちょっと時間をつぶしてから、「訪問したけど留守でした。残業しなきゃならないので職場に戻りま~す」って。(笑)
ユニオンショップだったので、いわゆる管理職以外は全員が組合員。でもね、真剣に組合活動をやっていた人間なんてほんの数名でしたよ。大半は、「しかたない。まぁ、付き合いがあるので、互助会感覚で行こうか…」そんな意識でしたね。で、その年のその選挙では、会社側が立てた候補者が落選して、組合側が立てた候補者が当選しました。その際に、管理職である直属の上司に言われました。「しかしお前ら、俺もやらされたから組合活動は分かるけど、自分の会社の上司に入れるだろう普通は!」「信じられん!本音と建前ってものがあるだろうに!」「お前らだって、○○さん(会社が立てた候補者)がどんな人か知っているだろう!」それを聞いて、組合幹部以下、一同全員がシュンとなりました。(私はヘラヘラしていた)
公務員の労働組合である、自治労に日教組・北教組。実は組合には入っていても、当時のその組合の組合員と同じで、「互助会感覚」とか「まぁ、付き合いだから一応は…」といった意識の方が大半だと思われます。また、そう信じたいものです。公僕たる公務員、ましてや内心はどうあれ、子ども達の前ではそうした主義主張は厳に慎まなければならないはずの教育公務員が組合活動にご執心って、そりゃいくらなんでもまずいでしょうってば。
まずは本業に打ち込もうよ。そこできちんとした結果を出して、「あぁ、コイツも一人前になったな」って周囲から言われるようになってから、それから初めて自分の考えなりを主張するようにしようよ。一人前にもなっていないのに、きちんとした結果を出せていないのに、テメーの権利だけは主張するってのは、誰がどう考えたっておかしいよ。って思っちゃう。
2012年01月26日
沈下する札幌圏の子ども達の学力
ここ2・3年でしょうか。札幌圏の同業から、「できない子が増えている」との感想を耳にする機会が増えています。10年前から言い続けてきた、道内他地域の「釧根化」が札幌圏にも広がりつつあると言えそうです。それを裏付けるデータがこちら、道教委による平成22年度全国学力・学習状況調査の資料。
●北海道教育委員会 各種データ 本道(合算)の調査結果(平成22年度)
-小学校- 調査結果概要
http://www.dokyoi.pref.hokkaido.lg.jp/hk/gky/grp/01/04.pdf
資料中、北海道(抽出)とあるのは札幌市の小6生のこと。札幌市は政府・民主党の言うところの3割の「抽出調査」で、その他の市町村は全参加の「悉皆(しっかい)調査」です。さて、グラフを見る限り、「北海道(合算)」と「北海道(抽出)」にはもはや大差がありません。ちなみに、札幌市の受験生は全体の約29.9%です。
こちらは、平成20年度のそれ。「石狩管内」を見る限り、全国平均とまったく遜色がないレベルにあったことが分かります。しかし現在では、全道平均に毛が生えた程度のもの。(当時の札幌市は、全参加の悉皆調査)たった2年間でここまで落ち込むとは、ちょっと驚きですね。「悉皆調査に戻したならば、全道平均との差は大きくなる」との反論を受けそうですが、しかしそれを加味して考えても、ここ2年間での落ち込みには腕組みをして唸ってしまいます。
●北海道教育委員会
「平成20年度全国学力・学習状況調査」調査結果から見られる学習状況等
各管内(公立)の状況
http://www.dokyoi.pref.hokkaido.lg.jp/hk/gky/grp/01/17gakuryokukannaijoukyou.pdf
ちなみに、北海道教育委員会と札幌市教育委員会のスタンスの違いは、こちらの記事をお読みいただけると一目瞭然です。よっしゃ道教委さん、札幌市教委は抜っけで学力向上策を推し進めてですね、二年後の調査に一泡吹かせてやろうじゃありませんか!(^∀^)
●YOMIURI ONLINE 学力危機
学校教育 課題と取り組み
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/hokkaido/feature/hokkaido1313974237970_02/news/20110921-OYT8T00574.htm
ただし道教委には、これだけは言っておきたいです。
問題解決学習ってのは、今すぐにやめましょう。あれは子どもの学習指導の何たるを知らない者が自分に酔うためだけにやるという、正攻法には程遠い、謂わば勉強嫌いを量産してしまう「破壊装置」ですからね。
北海道学力向上Webシステム(仮称)
新潟県に倣って、北海道も「学力向上Webシステム」を導入する模様。
との情報を以前から入手していましたが、「まだしばらく先のことだろう…」と思いきや、おっとすでに導入準備をなさっていたんですね。失礼しました。
というわけで、北海道学力向上Webシステム(仮称)について。
●北海道教育委員会
北海道学力向上Webシステム(仮称)に関する情報提供依頼(RFI)について
http://www.pref.hokkaido.lg.jp/ss/jsk/h23rfikyouiku1.htm
《スケジュール》
平成24年4月初旬 … 一般競争入札
平成24年6月末まで… 運用テスト終了、作業マニュアルの配布・説明
平成24年7月上旬 … 試行的導入
平成24年9月上旬 … 本格運用開始
楽しみですね!
マスコミにも、積極的な報道をお願いしたいところです。
さてさて、民主党一色の札幌市教委はこれに「乗る」のでしょうか?
「乗らない」となったら、失礼ながらちょっとばかりおもしろい。
平成26年度・全国一斉学力テスト、道教委VS札幌市教委において、後者が負ける可能性が高まることになります。
ここのところ、札幌圏の子ども達の学力の落ち込み(二極化)は確実に進行中。
支持母体の北教組の言うことを聞いているようでは、さもありなん。
さて、どうなることでしょう。
「補習」「宿題」「家庭学習指示」
●Benesse教育研究開発センター
新学習指導要領スタートから半年、学校の現状は?
http://benesse.jp/blog/20111124/p1.html
「授業は年間指導計画通りに進んでいますか」の質問に、算数では27.0%の先生が「計画より遅れている」と回答しています。ここが非常に危ないですね!多少の遅れは仕方ないにしても、中にはとんでもないほどに進度が遅れている小学校も出始めているとの情報を得ています。今から手を打たなければ、中学校も同じことになってしまいますよ。
昔から続く、悪しき釧路スタンダードの実例をご紹介しましょう。
例えば中学数学。文字式や方程式等、ごく簡単な指導しやすい部分(計算だけだから、当然です)にやたらに時間をかけ、文章題や証明問題等は教科書の例題のみを解いて終了。本来、証明の問題などは、その過程を文章で書かせること練習しなければならないのに、それを思いっきり端折って、試験問題も「穴埋め」にしてごまかす。(気持ちは分かります。まともに「読み・書き・計算」を身に付けさせてから卒業させろ!こんなんじゃ、まともに学習指導もできないだろ!そう小学校に対して言いたいものでしょうから)
このデータを読み進めると、この部分に強い違和感を覚えます。
Q:年間指導計画の遅れについて、今後どのように対応する予定ですか(「計画より遅れている」と答えた先生のみ回答)
1位 全体的に授業の進度を速める 61.1%
2位 重点を置く単元を設ける 29.7%
3位 宿題を増やす 24.9%
4位 家庭学習指導(宿題を除く)を強化する 20.1%
5位 「活用」を中心とした学習の時間を減らす 19.2%
〃 放課後の補習などを実施する・増やす 19.2%
「全体的に授業の進度を速める」が1位のようですが、これがとても危険ですね。2位の「重点を置く単元を設ける」と併せて考えた場合、置き去りにされてしまう子が今まで以上に増えてしまう可能性が高くなると言えるからです。きちんとした指導力が伴っていたとしても危険だと思います。私見ですが、私塾で同様のアンケート調査を行ったならば、「補習」「宿題」「家庭学習指示」が大半を占めることになるはずです。(そもそも極限まで無駄を省くことを前提にしているので、「授業進度を速める」「重点を置く単元を設ける」との発想は出てきませんので)
1に補習、2に宿題、3に家庭学習指示。
我々に言わせれば、順番はこうなります。宿題が最初に来ても、家庭学習指示が最初に来てもダメですね。まず最初に補習ありきです。足りないならば、その時間を追加するのみ。やることをしっかりやってからの宿題。そして、その上で家庭学習の重要性を伝え続け家庭の助力を得る。しつこいようですが、順番は「補習」「宿題」「家庭学習指示」です。これを変えちゃ、効果は半減しますからね。
そして、北海道全体としてぜひとも、一刻も早く導入していただきたいのがこれ、独自の単元テストの導入です。
●Meiko Aikoku Blog 怠慢教員撲滅大作戦! ~単元テスト実施のすすめ~
http://blog.livedoor.jp/meiko_aikoku_blog/archives/51617712.html
さて、新学期は間近。
「本気の学力向上策」の幕開けですね。
がんばれ、道教委!
がんばれ、釧路市教委!
新指導要領に対して「補習」は必須!
中3生の1年間だけ塾に通ったとしたならば、その費用合計はいかほどか。
中3生の春期講習会(3月)から高校入試直前まで(翌年2月末まで)通うとしたならば、一般的な一斉指導形式の学習塾の場合だと40~50万円が相場になるでしょう。(安いところで30万円台といったところでしょう)
「えっ、チラシにはそんなことは書いていませんよ!」はい、書いていませんよね。ところが、月々の授業料に加え、春夏冬や直前期の講習会授業料が、(塾生料金として)別途差額徴収されるんですよ。そして、(大体は夏期講習会を境に前期・後期に分けて徴収するパターンの)模擬試験受験料、維持費(光熱暖房費)、教材費等といったものが徴収されるんですね。それらに加え、最近では講習会時に「オプション講習」が用意されているところも多く、そういった費用の累計が上記の金額です。(余談ですが、「秋・冬入会」が結果として一番高くつくんですよ。中途半端な時期であっても後者の部分は全額徴収のケースが多いからです)
高いか安いかの判断は人それぞれでしょうけれど、実際にそれだけのお金がかかるわけです。(中1・中2生は、上記の6~7掛けといったところでしょう)さて、このご時勢ですから、「塾へ通わせたいのは山々だけど…」そういった家庭が増加傾向にあるのも事実です。この4月から、中学校の新指導要領が全面実施されることになります。学習内容が、グンと難しいものになるわけです。
そうなると心配されるのが、今以上に「学力の二極化」が進んでしまうのではないかということ。現在でも、通塾組と非通塾組の平均的な学力の差は実に大きいものがあります。何も手を打たないでただ黙っていたならば、その差は確実に広まってしまうということです。「そうなったなら、逆に塾にとってはビジネスチャンスになるんじゃないの?」そういった声も聞こえてきそうですが、経営者としての自分は、新指導要領による駆け込み需要に若干の期待をしているのは事実でも、子どもを持つ親の身としては複雑な心境になります。
何度も何度も繰り返し主張していますが、それを防ぐ手だては現状ではただ一つです。小中学校が、子ども達の「分かる」「できる」を促進してくれることです。こう言うと、「教員の指導力向上」との返答が返ってきそうですが、そんな悠長なことを言っている暇などありません。そもそもの授業時間が減ってしまった学校週5日制の現在にあっては、補習授業に頼らざるを得ません。道教委もすでに気付いていると思いますが、公立小学校において新年度からの「補習」は、もはや必須です。それをやるとやらないとでは、とんでもないほどに差が付いてしまうことになるでしょうから。
ゆとり教育の大失敗。では、学習内容を見直そう。そうして4月から始まる中学校の新指導要領ですが、一時的に「さらなる混乱」を招くのは必至でしょう。補習をやるやらないが、その明暗を分かつことになります。親の経済格差が子ども達の学力格差につながらないよう、通塾組と非通塾組の学力格差が広がることのないよう、そのためにぜひとも補習を行っていただきたいと強く願っています。
2012年01月25日
「全国平均以上」達成は十分に可能!
道教委が掲げた一大目標です。
すばらしい、本当にすばらしい。
さて、それが可能かどうかといったお話です。
可能です。
十分に可能です。
理由は単純明快、北海道の子ども達は、鍛えられていない分、その「伸びしろ」がとても大きいからです。私塾の立場から言わせてもらえば、こういうことです。300点満点の学力テストにおいて、5割得点(150点)の子を6割得点(180点)まで引き上げること。難しいことでも何でもありません。ごくごくあたり前のことです。同様に3割得点(90点)を4割得点(120点)へ、6割得点(180点)を7割得点(210点)へ、7割得点(210点)を8割得点(240点)へ。こちらも、何も難しいことはありません。
しかし難しいのは、8割得点(240点)の上位層をさらに引き上げること。そしてそれ以上に難しいのは、2割得点(60点)層を3~4割得点(90~120点)まで引き上げることです。後者は本当に難しいですね。勉強以前に生活習慣による部分が大きく、小3あたりからつまづいていることが大半なので、リターン学習が必須。それをしないことには始まりません。しかし、リターン学習をしようにも今まで培ってきた生活習慣が災いして…。
察するに、この大目標に対して、市町村教委はもとより学校現場も懐疑的に思っているのかも知れません。でも、真剣にやったならば2年半での達成は十分に可能ですよ。しかしそのためには、やるべきことがあります。補習ですよ、補習。現在、釧路市教委が推し進めている夏期・冬期の補習。それに加えて、平常時においての補習も実施する。それを全道に広めたならば、2年半もあれば十中八九は目標を突破できますよ。
結果を出している市町村教委に対しては、教員の加配やその他で優遇する。信賞必罰ってやつですね。2年半で、この大きな目標をクリアできるものか。できますよ。だって、釧路の某中学校は、現在すごい勢いで全体の学力が向上していますから。万年、ほぼ最下位であったものが、生活保護率・準要保護率が高くて「無理だろう」と目されていた中学校が、我々をも驚かすような「すごい結果」を、ごく短期間の間に叩き出したわけですからね。
それともう一つ。本気になったならば、「町村郡部の方が結果を出しやすい」ものだからです。機動力において、都市部に数段勝るわけですから。さらにもう一つ。「教員の指導力向上」などと言いますが、そんなものは、本気の学力向上策の副次的な産物として現れるものでしょう。
●Meiko Aikoku Blog すばらしい!(ウチの教室の並びの中学校)
http://blog.livedoor.jp/meiko_aikoku_blog/archives/51640150.html
●Meiko Aikoku Blog そろそろ恵方巻
http://blog.livedoor.jp/meiko_aikoku_blog/archives/51712766.html
ベーシックスタディ(中学内容の復習)
今朝(2011.01.25)の北海道新聞から。
我々にとっては周知の事実ですが、一般の方々にとっては驚きかも知れません。
町村郡部の公立高校では、小数・分数・四則計算、日常漢字の読み書きといった小学校内容からの学び直しが、ごく日常的に行われています。キーワードは「小4終了相当の学力」です。それが不完全であったならば、高校内容に入れるはずもなく、必然的にリターン学習を余儀なくされます。
こう言うと、「まがりなりにも義務教育を終了しているんだから、いくらなんでもそれはないだろう…」との意見をいただきそうですが、「今や高等学校の多くは、小中学校内容のおさらいの場と化している」というのが現実です。さて、同校の先生方は、学習指導に生活指導に就職指導と、本当に頭が下がるほどに一所懸命取り組んでいると聞き及んでいます。
さて、小中学校の先生方は、この記事をどう読んだのだろう。
今年はましてや、定員一杯の20人。
中学校間の横のつながりを疑ってしまう。
どこの地区だとこういう定員枠が認められているのだろうか?
中学毎の内申の基準さえ一律でない状態でありながら、あくまでもこだわっているのだろうか?
ある県では一切の推薦入学を中止したとの話もあったと記憶するが・・・
湖陵理数科…推薦標準枠20名(定員の50%)
湖陵普通科…推薦標準枠なし
江南…推薦標準枠48名(定員の20%)
北陽…推薦標準枠48名(定員の20%)
明輝…推薦標準枠100名(定員の50%)
東…推薦標準枠32名(定員の20%)
工業…120名(定員の50%)
商業…100名(定員の50%)
はっきり言いますが、道内公立高校のこの推薦入試。これがまた、見事なまでに道内の子ども達の基礎学力低下に一役買っているのです。一役どころではありませんね、二役も三役も。我々に言わせたならば、これはもはや「狂気の沙汰」です。そもそも、普通科に推薦入試なんて必要ないでしょうが。百歩譲って、町村郡部の普通科といわゆる底辺校は認めるとしても、都市部のある一定の学力レベル(を想定している)の普通科に推薦入試が本当に必要でしょうかね。職業科の50%というのも納得行きませんね。
こういったケースが実に多いわけです。通知表の評価が絶対評価に変わったことで、内申点はまさに超インフレ状態。今では「オール4」は、ごくごくあたり前の評価。昔の「オール3」と何ら変わりがありません。相対評価の頃は、例えば内申点がEランク(オール4弱)であれば、当日点で少なくとも180~190点程度は取れるだろう。といったものでしたが、現在では半分の150点にも届かないどころか100点未満もごく普通に見られます。つまりは、内申点だけで学力を測ることはまったく不可能ということ。実際、Bランク(オール5弱)あったとしても200点に届かない子がゴロゴロしています。
理数系が実は得意ではない。そういった子が、内申頼みで湖陵理数科に受かってしまう。あのー、それってまずいんじゃないでしょうかね。この推薦枠の拡大のおかげで、ここ最近そういったケースを耳にする機会が増大していますが。また、ある年に大量の不合格者を出してしまった中学校が、それを契機に内申点を明らかに以前よりも「高め」に付けるようになっています。尤も、それはその中学校だけを責める訳には行きません。他の中学校はその前からそうなっていたわけですから。
そして、こういったケース。推薦入試での合格が決まると同時に、通っている私塾を辞めてしまうんですね。明らかに学力不足。入学したとて、平均より遥かに下の学力であることが明々白々。私塾としては、経営的な観点などではなく、それが明白であるので、本人のために「せめて卒業まで」通っていただけるようにプッシュするのですが、「(入学後の成績はどうあれ)受かればいい」とする生徒と保護者が実に多いわけです。想像以上に多いですよ、このパターンは。
例の、限度というものを知らないこの地の部活動のあり方もまた、それに実に大きく拍車を掛けてくれています。親子の間では、「部活をやっていれば、高校入試に有利になる」とまことしやかに語られていて、勉強はさて置いても部活動に打ち込むことが推薦入試に有利に働くという、まるで「都市伝説」のような情報が独り歩きしています。しかしまぁ、「自己推薦入試」なるものは、何とテキトーかつ不公平な制度でしょうか。自己アピールが苦手な子、情報収集が不得手な子、通知表の評価が辛目の中学校に通う子ばかりが不利になるわけでもあります。
推薦枠を広げる(広げた)ことは、北海道のこの「学力危機」を助長することになる。例えば宮城県教育委員会は、県立高校の推薦入試を平成25年度から廃止することを決めているし、そうした県はかなりの数に及びます。直近では岡山県においてもそうした提言がなされた(昨年末)と聞き及んでいます。そもそもの公立高校の配置計画自体が、さらには入試制度自体が本道の子ども達の基礎学力低下を助長している。早急に改めていただきたいものです。