「サムライごはん」de自衛自炊

忙しい人こそ自炊しましょう!料理嫌いのための高栄養で無添加な「ケ」の食の技術を研究するブログです。悪食による人格崩壊から辛くも生還したカラスヒコの経験に基づく学生・単身赴任者・シングルマザー向け貧乏自炊教室にお付き合いくだされ!

栄養バランスで「退化」を防げ

 アルツ老母のダイエット用モーニング。蒸しガルバンゾー、大根・ニンジンのだし汁煮、カマンベール&ドライプルーン。卵を焼く10分間に常備菜を並べます。この「ほぼ糖質制限」食を一カ月続けて体重が1㌔減。無理のないペースなので当面続行して様子見!

■「不治」でも「ケア」は可能
 典型的な朝食 (101)内臓肥満でありながら、食べることしか楽しみがない婆さんですから苦労します。最終的には朝食をカットしてジュースだけの「石原結實式」に持っていきたいのですが、ボリュームを急に減らせば即、餌探しのドメスティック徘徊を始めるので困ります。密林の野獣か、あの人は。

 ココナツオイルで弱火焼きした目玉焼きは最高にうまいです。焼く前に塩をさらっと、ブラックペッパーを強めに振り、白身が白く固まったら超弱火に落とします。
 その後は黄身が生→半熟→全熟へと刻々変化していくので、好きなタイミングで火を止めればいい。フタがガラス製なら黄身の硬化プロセスがしっかり見えて便利です。

 カラスヒグリルパンコは直径16㌢の鉄製グリルパンをミニ・フライパンとして使っています。卵2個を焼いたり、一人分のワイン蒸しを作るときに重宝するサイズで洗うのも楽。

 弱火で作る目玉焼きは、卵そのものが十分においしいのでケチャップは本来なら不要。でも母が「あらまあ!きれい」とか言って喜ぶので、ビジュアル演出としてかけてやります。「うれしさ、楽しさなどポジティブな感情を引き出すのは良いことですから」とケアマネさんも言っていましたし。

 写真右上の大根・ニンジンのだし汁煮は常備菜です。そのときによってナスやキュウリの浅漬けだったり、蒸しカボチャ、生トマトスライスだったり、数日ごとにローテーションさせます。そうやって調理の手間を省きつつ、添加物や飽和脂肪、トランス脂肪酸などをブロックしてやれば、たぶんアルツは進まない。

 いえ、アルツの「治療食」という意味ではありません。治療とは、外からばい菌が入ってきたり、内からがん細胞を発してむしばまれる「病気」に対して、ばい菌やがん細胞をやっつける行為。けれども、アルツは病気とは根本的に違うと思うからです。

 おそらく、長年にわたる酷使とメンテナンス不足で配管が詰まり、メモリーの接触不良やデータ喪失が起こる現象。要するに、雑な使い方のせいで「製品」の寿命が早く訪れただけです。 車やIT機器なら捨てて買い替えればいいのですが、親の場合はそうもいきません。

 車ならワイパーが動かなくても晴れの日なら乗れますし、ライトが点灯しなくても昼間は走れます。もっとも、車検に通りませんから公道には出せませんが、アルツの親は、そうやってポンコツのまま廃車になるまで面倒を見るしかありません。本人が喜ぶなら、たまにワックスで磨いてピカピカにしてやる程度。治療ではなくケアとして。

■発症ファクター不明のまま
 さて、母カラスのようにすでに発症してしまった年寄は、せいぜい周囲がケアを頑張って心置きなく旅立っていただくとして、問題は私たち健常な現役世代の近未来です。
 アルツ認知症 (3)ハイマーなど認知症の患者は、厚労省によれば9年後の2025年には高齢者(65歳以上)の5人に1人にまで広がるそうです(日本経済新聞5月20日より)。

 とりわけ、いま若い学生さんにとっては他人事ではありません。奨学金の負債を抱えて非正規で働かされつつ、子育てと介護の「ダブルケア」にハマる危険性がかなり高いからです。これって、戦争や原発事故にも劣らぬ差し迫った脅威ではありませんか。

 ちょっと考えましょう。このグラフの厚労省試算によれば2012年の患者数が460万人。これが25年に700万人になると。つまり13年間で5割増に。明らかに人口の高齢化率より高いのです。つまり、加齢以外の強い発症ファクターがあるはず。

 なのに今の社会は、その原因究明を放置したまま応急対策ばかりを、例えば治療薬の開発や収容施設の拡充のみを論じているように見えます。いずれもメディカル資本や不動産投資に絡めた成長促進エンジンという視点から。

 実はこのトレンドは認知症に限ったことではありません。喫煙率がかなり減っているのにCOPD(慢性閉塞性肺疾患)がなぜ増え続けるのか。あるいは子供たちの自閉症や食物アレルギーが、科学も進み衛生環境も良い先進国でなぜ激増しているのか。専門家もマスコミも原因解明には触れぬまま対策投資ばかりをあおっています。

 それは、患者をとりあえず救済する意味では結構なことでしょう。けれども、発症者をどう減らすのかという一番大事な視点が抜け落ちています。ならば、「5割増組」に入りたくない私たちとしては、自分や子供の発症を避けるために個人レベルで策を練るしかありません。

 カラスヒコは医者でも科学者でもないので、素人の直感でしか物を言えませんが、いろんな「病気のような現象」が栄養不良による「退化」とつながっているように感じています。
 例えば自転車で通行人が多い歩道をぶっ飛ばす人や車を酒酔い運転する人たちは、事故の可能性を低いと判断したのではなく、何も考えずにただ気持ちよく走っているだけ。

 つまり判断力・想像力の欠如ですから、これは病気というより退行現象。乳児が蝶々に興味を引かれて追いかけてベランダから落ちるのと同じレベルにまで退行した大人の姿です。薬で治療できるものではなく、子供の頃から栄養をバランスよく取りつつ経験を重ねて身に付ける個々の生存スキルなのです。

 成人後にこれを失った人は、もう取り返しがつかないのかもしれません。うちのアルツ母も判断力がぼろぼろで、放っておけば菓子パンばかり食べて肥満して高血圧になり、きっと天寿を待たずにコロッと逝っていたはず。自然淘汰が働き、そういう人は生き残る確率が低くなるという話だと思います。

 学生さんも、親の発症確率は5発に1発のロシアン・ルーレットだと思ってシビアに受け入れるしかありません。当たらなければ神に感謝。あとは将来の自分の血管や脳細胞の健常さをどう守り切れるかです。成長神話に流される国の施策など当てにせず、賢く食べコンスタントに運動するのが得策です。

 ではまた。

他炊空気と戦うステルス自炊

 レトルトカレーで済ませる手抜きディナーの日も、豆ごはんに小麦ふすまを振り、生玉ネギのみじん切りを散らし(写真)、この上にカレーをかけます。自炊ノウハウを生かした独自のチューンアップで栄養価を高めて食べましょう。右に添えたのは生ショウガの酢漬け。

■一人めしを改造する
 「ゆ玉ネギ (2)うべ何食べた?」「レトルトカレー」「俺もだよ」。仲間うちの会話はこれで=同調OK=だとしても、中身は雲泥の差。パックの白ご飯をチンしてレトルトをかけただけでは空腹感が埋まるだけ。
 たとえレトルトでもオリジナルな改造を加え、仲間たちより圧倒的に栄養が摂れる食べ方をすべきです。

 友達と同じものを食べるのは、必要以上に目立たない「協調外交」的には確かに有益。でも、10~20年先の自分の健康、つまり生存戦略的にはヤバいとカラスヒコは思います。レトルトや調理済み総菜などは、グローバル化でどんどん低価格化=低栄養価が進みそうだからです。

 この写真は「自パスタ (5)炊特化型」のナポリタンです。乾麺をゆで、その上にワイン蒸しにした肉・トマト・玉ねぎ・パプリカをケチャップで和えて載せました。肉野菜をオリーブ油で「炒める」工程をパスしてワインでじわっと蒸し、オリーブ油は香り付けに少量垂らすだけ(詳細はこちらの後半を)。

 麺にオイルを絡めないので麺同士がくっ付きやすく、フォークで格好よく巻き取りにくい難はありますが、気にせず食べます。
 「潤滑油」目的のオイルやケチャップを減らしたぶん、味は外食ナポリタンよりずっとライト&シンプル。肉の素の味や麺の小麦風味がストレートに出るのが分かります。

 レトルトや缶詰のナポリタンソースは結構うまいので時々楽しむのはいいとしても、それはあくまで外食モデルの自炊ごっこ。一人めしや家族だけの食事、つまり「外交的配慮」がいらないシーンではなるべく質素な=「無添加・低加工」な調理に徹するのが大事です。

 そう。自衛自炊の本質は、世間の「他炊空気」へのレジスタンスなのです。今は女性の多くが外で働くから、あるいは学生がバイトに追いまくられるからチープな外食店や調理済み総菜が伸びています。産業がそうしたニーズをフォローするのは当然で、友達も皆そっちへ流れるのが今のリアル。

 でも「高添加・低栄養」な食事に危機感を持つ人なら、自分までそっちに付き合う必要はありません。では、隣人との外交関係を良好に保ったまま10年先の自分に健康投資を続ける方法は? 水面下で秘かに「サムライごはん」をやればいい。友達には悪いけれども。

■粉モノはご飯に埋める
 さて、左写煮干粉チアシード真は煮干粉、チアシード、小麦ふすま、金煎りゴマ。この4品はご飯にかけるだけで栄養価を一挙に跳ね上げるスーパーフードです。例えば小麦ふすまは、食物繊維はもちろん、鉄、マグネシウム、亜鉛など他炊生活では絶望的に不足するミネラルをどっさり含んでいます。

 チアシードにはオメガ3系と6系の油脂、カリウム、リンが豊富。ゴマには、いわゆるゴマ油(オメガ6系)とナトリウムがたっぷり。そして煮干粉は、小学生でも知っている天然カルシウムの宝庫です。

 これらを毎日食べていれば合成栄養素が多いサプリメント類は不要。まあ、ビタミンC系は気分転換も兼ねて顆粒や錠剤を楽しんでなめるのはいいですが、その他はほぼいらないのが分かります。天然食材から摂れるビタミン、ミネラルだけで体はちゃんと動き、加齢による劣化も少ないことが実感できるからです。

 けれども、これらを毎日食べるのは案外難しい。なぜか。パン食・麺食ベースの人が多いからです。パンと煮干しやゴマの味は相性が悪く、たとえ「薬だと思って」二度三度我慢して食べ合わせても続きません。

 だから、健康のことを気にしている友達ですら、結局は味のないサプリへ、あるいは激甘な栄養強化菓子へと流れてビタミン・ミネラルのバランスを崩すのが落ち。
 一方、気にしないおおらかな友達は、かつてのカラスヒコ青年のように手近な外食・中食を食べまくって20代のうちから生活習慣病予備軍に志願入隊していきます。

 そんな「他炊空気」から逃げおおせるには英断がいります。半端に「健康に役立ちそうな」食品を検索しても無意味。自分の食べ方を根底から、抜本的に切り替えないと。具体的には主食をいったん昔のコメに戻し、さらに「未精製穀物+豆」主体にチューンアップすることです、本気で将来の健康に投資する気なら。

 豆ごはんなら、もともと高栄養なうえ上記4品との相性も抜群。小麦ふすまと煮干粉は粉モノですから、ご飯の上にかけるとハホハホするので、中層に埋め込んで湯気でしっとりさせて食べるのがコツです。
 チアシードは無味で、ジャリジャリと「砂を噛むような」食感ですが、玄米と一緒に噛むうちに独特のぬめりが出てきて違和感が消えます。この食べ方なら毎食でもいける。

 ブルワーカー踏み台昇降も「サムライごはん」と同じだと思います。筋トレや心肺運動をやっているのが知れると「いじられる」ようなグループに属していて、当面逃げ出すのが難しい状況なら、一人のときにこっそり続ける。他人には見えないステルスな自炊&運動習慣を大事にしましょう。

 ではまた。

「脱・調アミ」のクリーン人生

 「調アミ」依存症から抜け出すのはなかなか大変。今はあらゆる加工食品や飲料にまで浸透していますから。でも、ちょっとした工夫と慣れで「アミ中」からの更生は可能です。調アミ漬けの体を除染し、「カツオ節フェチ」なクリーン人生にテイク・オフしましょう。

■カツオ節に覚醒する
 20~30代にかけて「調味料(アミノ酸等)フェチ」だったカラスヒコは、たまに本物だしのみそ汁を飲んでもピンと来ないと言いますか、全然うまいと感じない人でした。
 日中の外回り営業+夜の大残業で他炊(外食・中食)漬け。たまの自炊も冷凍ギョーザや即席みそ汁ばかりの日々でしたから、いま思えば舌がイカレていたのです。

 そんなある日、温泉宿で朝食みそ汁のうまさに感動したことがありました。たまたま胃が重くて前夜は酒も食事も珍しく控えめ。夜と朝にいい湯に浸かって汗を流したせいもあってか体調がベストに近づいていたらしく、カツオ節の芳醇な味にビビッときたのです。

 こんなみそ汁が毎朝飲めたら至福だなとマジに感動し、本物だしの取り方を料理本を読みあさって研究しました。フットワークだけは良いカラスヒコですから、合羽橋商店街へ出掛けて1万円近くもするカツオ節削り器を買い、デパ地下で1本1500円の上級カツオ節を買ってせっせと削りました。

 うまい!確かにうまい。でも続かない。本式過ぎるのです。テニス好きのアマが錦織圭選手と同じトレーニングで同じ時間をかけたら体も生活も破綻するのと同じです。
 プロの料理人を目指さない私たちアマは、アマなりのスタイルを見つけないと駄目。「本格カツオ節 (3)ムード」に酔ってはいけません。

 結論を急げば、左写真のような、どこのスーパーにも売っている窒素充填ビニール袋入りの「厚削り」カツオ節に昆布の切れ端1片を加えて2~3分間煮出す。江上料理学院が公開しているノウハウです。

 水から入れて沸騰したら火を弱めて2~3分煮ます。昆布を箸でつまみ出し、カツオ節は網でこし、料理酒としょうゆを中さじ1杯ずつ入れ、30秒間加沸点を維持して料理酒のアルコール分が飛べばアマだしの出来上がり。

 このだしは、プロの出す繊細で感動的な味とはやや違い、「雑味」も一緒に出てカツオ節 (4)います。粗野ですが、しかし濃厚。かつ毎日みそ汁で飲んでも飽きが来ないのが実感できます。
 プロだしが「ハレ味」とすれば、このアマだしは「ケ味」です。洗練度こそ低くてもビタミン、ミネラルがどっさり出ているから体が喜び、だから飽きない。

 このだしのみそ汁を飲んでいれば無理なく「調アミ」離れができます。カラスヒコのように十数年間もジャンク漬けだった体でもちゃんと更生できました。
 外食時にも「調アミ臭」のするメニューを自然に避け、焼き魚定食や海鮮丼などを選ぶ、というか体が求めるようになってきます。本物だしに「覚醒」した証拠。

■だし殻まで食べ尽くす
 私たちの体には毎日、カツオ節や昆布から溶け出す天然のビタミン、ミネラルが必要なのです。なのに、体が吸収・利用できない合成物質主体の調アミで、舌だけを満足させて流し込んでしまうから、日々おいしいと感じつつも体はビタミン、ミネラルを欠乏させていく。

 調アミそのものに毒性はなくても、「同じ味なら、安くて早いほうがいい」と短絡的にガッテンして、自ら栄養失調を招いているわけです。大事なのは味だけではないはず。
 私たちの切実なニーズは、「天然ミネラルを手早く摂るにはどうするか」であり、そのベストアンサーが上記の「江上式」。これをマスターするのが「アミ中」脱出へのおそらく唯一の突破口です。

 さて、だカツオ節 (2)しを取った後のカツオ節は、写真のようにフタ付き容器にためて冷蔵しておき、いっぱいになったら「おかかふりかけ」を作りましょう。フライパンにだし殻を入れ、料理酒、みりん、しょうゆをかけて中弱火で煮しめます(詳細はこちら)。

 こうして、だし殻をご飯のおかずにリサイクルして、カツオ節に残った栄養素までそっくり体に取り込んでしまう。ターボチャージャーのようにヘルシー自炊を加速させる仕組みです。
 この「二度おいしい」が楽しめるのが「厚削り」を使うメリット。薄削りの「花カツオ」や粉砕タイプでは、みそ汁のだしを取った後は完全に出がらしになってしまうからです。

 もっとも、花カツオは湯豆腐や冷や奴には欠かせませんし、粉砕タイプは青菜おひたしにかけたり、納豆に混ぜるときに便利。結局カツオ節は3タイプを常備するのがベストだと思います。 

 話をおかかふりかけに戻しますが、これを豆ごはんに載せてゴマを散らし、パリパリの焼き海苔でご飯ごとくるんで噛みしめるときの幸福感。それは決して好き好きの問題ではありません。
 つまり、未精製穀物・豆・魚・ゴマ・海藻というナチュラル食材グループを天然調味料だけのアレンジでゲットした体がフィジカルに喜んでいる状態です。一種の野性の雄叫び。

 そうやって、だし殻まで食べ尽くす「カツオ節フェチ」な自炊体制に持っていきましょう。学生さんがアパートを探すときに「コンビニが近くにあれば食いモンに困らない」とか、子連れのワーママさんが「即食総菜を賢く使えば料理しなくていい」みたいな「食のアウトソーシング発想」では、自分や子供が調アミ漬けになるだけです。

 ではまた。

アルツ狂暴化を防ぐ4つの策

 要介護アルツ老母と2年数カ月一緒に暮らして分かったこと。ボケは治らないけれど狂暴化しなければなんとかやっていける。ポイントは以下の4つ。➊よい食事➋適度な運動➌快適さ➍薬物不使用。これは健常者の予防にも共通しそうな。

■ベースは食事と運動
 母カラスは84歳。10年前に夫が死んで一人暮らしを始めた頃からボケ始め、ずっと要介護1だったのが3年前に3に上がりました。今は2に戻りましたが、快方に向かっているわけではありません。
 要介護度は地域のケアサービスをどれだけ使うのかも含めた基準ですから、息子が戻って面倒を見るようになったので、そのぶん下がっただけのようです。

 ➊のよい食事については「サムライごはん」型がやはり効果的。年寄も私たち現役世代と同じく未精製&無添加メインの食事をすべきなのです。玄米ベースの豆ごはんも、最初は「硬い」とか文句を言いましたが、すぐにもぐもぐとよく噛んでから飲み下すようになり、以後は食欲満々。

 総入れ歯とはいえ咀嚼(そしゃく)力があるうちは、お粥にしてやるのは過剰配慮。昼食 (5)身欠きニシンの酒酢漬け(写真奥中央)などに限って食べやすく小さく切ってやるとか、その程度で十分だと思います。

 食事の質については、どこの施設でも頑張ってはくれますが、人手や予算に限りがあって未精製や無添加を徹底できないところがほとんどでしょう。
 利用者を和ませるために甘いお菓子や砂糖たっぷりのコーヒーを出してくれるのも、おもてなしとしてはありがたいのですが、体や頭にはマイナス。

 ただ、週2回のデイサービスで高添加な食事や甘いおやつをいただいても、それ以外の食事を「サムごは化」すれば大丈夫です。母カラスの場合は体重と血圧が下がり、肌艶がよくなり、便通も安定しました。笑顔やまったり顔が多くなり、そわそわや「反抗的」な態度も激減してきました。

 これはつまり、私たちも若いうちから「サムごは」生活で頑張ればアルツを回避できる証しなのでは? まあ、病因は他にもあるのでしょうが、カラスヒコ的には、食事の質がかなりのウエートを占めるなと確信を強めているところです。

 ➋の運動は、施設が比較的よくやってくれます。民謡ダンスや輪投げゲームなど楽しく体を動かすプログラムが毎回組まれているようです。ただカラスヒコは、心肺や筋肉にもっと負荷がかかり、汗をたっぷりかくような運動が、たとえ年寄とはいえ必要だと思うのです。

 施設では事故を避けなければいけませんし、利用者に「しんどいからもう来ない」と言われると困るので、そこまでの運動はさせられないでしょう。だから家では息子が付き添い、犬の散歩じゃありませんが1日3~4㌔ほど、ほぼ毎日歩かせています。ほれ、頑張れ頑張れと。

 日中に汗をたっぷりかけば夜の寝付きがよく、深夜に起き出してテレビを見る、アルツならではの「昼夜逆転」も収束。また、ウォーキングは「内なる徘徊衝動」のガス抜き効果もあるらしく、カラスヒコが用事で出掛ける日も家の中でおとなしく留守番をしていることが多くなりました。

 もちろん、外を歩けばつまづいて転んで骨折するリスクもあります。母カラスも以前はよく転びましたが、最近はつまづいても「おっとっと」と踏み留まります。やはり運動習慣によって足腰の筋肉や反射神経の衰えにブレーキがかかっているようなのです。

■叱りと薬で問題行動
 ➌の快適さには二つあり、第一は「叱らず、縛らず、閉じ込めず」です。母が悪さをしたときにも、ぐっとこらえて怒らないこと。
 例えば炊飯器のフタを、ご飯を炊いている最中にガバッと開けてしまったり、6日分の蒸しカボチャを冷ましている間に餓鬼のように半分以上も食べ尽くしたり、冷蔵庫内の肉や魚を引っ張り出して食器戸棚に並べたり。

 悪意でやっているように思えてマジにカチンと来ても、そこで叱ったり部屋に閉じ込めたりすると問題行動がエスカレートするのが、最初の頃に何度かやってみてよく分かりました。意固地になって反抗し、見る見る狂暴化して手が付けられなくなるのです。

 ではどうするか。視界の外へ出してしまうのです。炊飯器やカボチャは母の背丈より高い食器戸棚の上に移しました。自分の目線より高い場所は死角のようなのです。
 腰が曲がったせいか見上げるというアクションを一切しません。炊飯中のゴボゴボという音が聞こえても、水平方向にきょろきょろするだけで、音が上から来るのが分からないらしい。

 冷蔵中の肉や魚は中身が見えないようボール箱に入れました。 アルツは何かに興味を覚えると異常に執着しますが、目に入らなければ、あるいは少し偽装してやれば簡単に欺けますから、健常者の意地で工夫を凝らします。知恵比べでアルツに負けては身もふたもありませんので。

 快適さの第二は、オーディオ&ビジュアルの活用です。古い歌を聞かせ、昔の映画を見せると表情が柔和になります。母カラスの場合、由紀さおりの童謡や春日八郎など昭和20~30年代の歌謡、そして小津安二郎監督の『秋日和』『彼岸花』など淡々としたホームドラマ映画が高い「鎮静効果」を示すのが分かりました。

 おそらく、「ゾキュンは皆過去に生きている」わけですから、いろんな曲や映画を試し、その人が強く反応するコンテンツやカテゴリーを見つけることが重要だと思います。

 さて、➍の薬物。これは「未病」の私たちにとっても脅威です。カラスヒコの父は、今思えば「脳血管性認知症」、つまり油・糖・添まみれの生活の果てに脳梗塞で倒れてから一気にボケました。
 隣ベッドの患者を泥棒呼ばわりし、ドクターやナースを罵倒するものだから毎日薬物で鎮静化させられ、最後には腑抜けになって心筋梗塞でアウトでした。

 母カラスも父と同じ食生活を何十年も続けてきたので、投薬されるとそうなる「資質」は十分。だから、ケアマネから「お母さまは徘徊癖が激しくなってきたので」と、アリセプトやリバスチグミン・パッチ製剤使用の打診をされたとき、もはやこれまでと田舎に戻る決断をしました。

 投薬で徘徊行動が収まったとしても、その先の副作用の連鎖によって母までも廃人にさせてはヤバいと、さすがの親不孝息子も観念。それから2年数カ月、世話は焼けるものの、薬物を使わなくても悪化を食い止められるのが分かりました。

 父母の世代は、20代の頃までは素朴な無添加生活をしていたはずです。私たちは悪食期間が長いぶん、もっと危ないと思うのです。
 これからは認知症やうつや、がんやアスペルガー治療の薬品や先端医療技術で革新的なものが続々と出てくるのでしょうが、国民皆保険制度が骨抜きになりますから、富裕層以外には手が届かないはず。

 ならば、親からもらった天然の臓器や血管や脳細胞を傷めず、一生快適に使うために日々メンテするのが現実的です。それには父母以前の、ジジババ世代の食べ方を研究するのが正しい選択。豆ごはんと自製だしのみそ汁をメインにせっせと食べていきましょう。

 ではまた。

※『秋日和』 1960年/日本/カラー/128分/小津安二郎監督
※『彼岸花』 1958年/日本/カラー/116分/小津安二郎監督

魚缶+大豆でクリーン自炊

 買い物に行けない日を想定してサンマ、サバなど魚缶をストックしましょう。冷や飯やイモや大豆があればすぐに一食を作れて、そのぶん外食に頼らずに済むからです。最近、塩やしょうゆしか使わない無添加の魚缶が増えてきたので心強い。

■使える魚缶が増えてきた
 写真昼食 (4)左上はマルハ「さんま塩焼」(75㌘×3缶パックで419円@生協)です。塩だけの素っ気ない味ですから、しょっちゅう食べても意外に飽きが来ません。
 煮汁の少ないドライっぽい缶詰なので、おにぎりの具材にも使えて、なかなか重宝するアイテムです。

 写真のように玉ネギスライスにマヨネーズをかけて添えれば立派な「主菜」になります。このサンマをガブッと口に入れ、パリパリの焼き海苔でつかんだ豆ごはんと一緒にもぐもぐと噛めば、ああ、食事ってこれでいいんだという喜びが湧いてきます。

 もちろん、生サンマに自分で塩を振って焼けばもっとうまいのですが、缶詰は年中食べられ、しかもストックが利く別種の食べ物。生サンマと比べるのではなく、これがないとカップ麺やコンビニ弁当や、調理パンや宅配ピザで済ませていたかもしれないジャンク・ディナーとの比較で考えないと。

 自炊をなるべくつなぎ、途切れさせないためには、魚缶を頼れるピンチヒッターとして常にスタンバイさせておくのが一番。最近は無添加の魚缶が増えてきたので、カラスヒコは喜んでいます。

 最缶詰 (3)近のカラスヒコのお気に入り魚缶は、上記のほかに伊藤食品(静岡)のサバ缶、イワシ缶、極洋(東京)のサケ中骨水煮など。
 写真にはありませんが、アオハタのアンチョビー缶はごろもフーズのオイルサーディン缶もなかなか美味でハマります。

 もともと缶詰は、空気を遮断して中身の劣化を防ぐ製品ですから、例えばpH調整剤、酸化防止剤など保存系の添加物はいりません。外からばい菌が付く心配もないので次亜塩素酸Naなど殺菌系も当然不要で、実際めったに使われていません。

 缶詰で私たちが注意すべきは増粘系・着色系の添加物と化学調味料です。これらは悪い素材を良く見せる、あるいはまずい食材をおいしく化けさせる魔法の薬だからです。
 それらが使われている缶詰は、たとえ安くてもわざわざ買って食べる意味があるのかどうか。ま、震災後など非常時には、ないよりはあれば助かるという程度でしょう。

 逆に無添加の缶詰は、いい素材をシンプルに調味してある可能性が高い。成分表示を確かめ、産地情報や価格の妥当性も考えて選び、積極的に自炊に取り入れたい保存食です。作ることにこだわり過ぎると忙しい人の自炊は続きませんから。

■自炊をつなぐ「蒸し大豆」
 さて、買い物できなかった日に魚缶がメインのおかずになるのと同様に、豆ごはんの残りがない日に「主食」の代わりになるのはサツマイモやカボチャです。「粉吹きイモ」や「輪切りオーブン焼き」はカラスヒコのお薦め。また、丸元淑生式の「蒸しカボチャ」もおいしいレシピです。

 イモやカボチャは、戦後食料難の時代に「準主食」として私たちの親やその親たちの命をつないだクリーン・エネルギー源でした。今は豊かな時代になりましたが、主食を切らしたときに安直に即席麺や菓子パンに手を出すより、迷わずイモやカボチャに回帰するのがセーフティー。

 頑張って戦災からの復興を果たした親たちも、高度成長期以降は砂糖や油脂まみれの合成食品を食べ過ぎ、今では「高齢者の9割が病気」といわれる惨状です。
 その点、私たちは電気オーブンやビタクラフト鍋など質実な調理器具を使いこなせば、先行世代がハマった罠を上手に避け、おいしく健康に食べていけるはずです。

 
最近カラスヒコは、イモやカボチャに加えて、大豆を準主食に持鍋 (3)ってくる手もありだなと思っています。以前から時々「煮大豆」を食べていたのですが、「蒸し大豆」にすると、やや時間はかかるものの味が圧倒的に良くなるのを実感したからです。

 大豆1袋(300~400㌘)を8時間以上水に浸け、ぷりぷりに膨らんだ大豆を蒸しザルにセットし、フタをして蒸します。煮れば20分くらいでやわらかくなるのに対して、蒸すと50~60分かかります。でも、そのぶん確実にうまい!

 45分を過ぎたあたりから箸で豆を1個ずつ食べてみて、生っぽいジョリジョリ感が消えたら出来上がり。ふにゃふにゃになるまで加熱せず、歯でじっくりすりつぶして食べる程度の硬さで火を止めるのがポイントです。

 煮ると、やはりうま味が湯に流出してしまうのです。その濃い黄茶色の煮汁を飲んだり、みそ汁やおひたしの漬け汁に再利用できないものかと何度かやってはみましたが、味的にパッとせず、結局捨てるしかない。ところが蒸せば、深い味が豆にしっかり残るのが分かります。

 大豆 (2)
冷ましてから、こうしてフタ付き容器に小分けして冷蔵すれば一週間はうまい。それを過ぎるとやや味が抜けるとはいえ、10日以上は十分に食べられるストックになります。これを主食代わりにして、魚缶あるいはゆで卵のおかずで食事の代用にしてしまう手。

 大豆を主食の座に据えると、この食事は糖質制限食に近くなります。普段は豆ごはんで未精製穀物をがっちりと食べ、週に2、3度は蒸した大豆やガルバンゾーの「手抜きローカーボ」でいく。横着とはいえ、これもクリーンな自炊をつなぐ「サムごは」的オプション。

 ではまた。

『アイアムアヒーロー』 ゾキュンになる人、ならぬ人

 映画『アイアムアヒーロー』を注意深く見ると、主人公の鈴木英雄(大泉洋)は自分で思っているほど「役立たずな普通の人」ではなく、ヒーローになる素質十分だったことが分かります。ろくに知らない病気の娘(有村架純)を最後まで守るマインドも激しく粋!

■「隠れヒーロー」だった
 見る前にはアイアムアヒーロー、小心でカッコ悪い男がやけくそで暴れまくってスカッとする程度の映画かと思っていたら、根本的に違いました。
 確かに、職業のマンガ作家としてはパッとしない男だけれども、彼は趣味でクレー射撃の技能をストイックに磨いていたからです。

 手元を見ずに装填し、動体目標に素早く照準して命中させる。一連の判断と動作は何千回もの反復で体に染み込ませた勘とワザです。この鍛錬があったから、英雄は文字通りのヒーローになれました。

 彼の銃を奪った元ニートの青年が撃ってもゾキュン(ZQN)にはほとんど当たらないのに、彼が撃てば百発百中。映画ですから当然でしょう? いえ、そうではないとカラスヒコは思います。ここ、結構大事なツボ。

 例えば『ホワイホワイトハウス・ダウントハウス・ダウン』という映画では、州兵側が戦車を繰り出してくると、テロリスト側はRPG(携行型対戦車ロケットランチャー)で簡単に撃破し、デルタフォースの攻撃ヘリがやってくると地対空ミサイルであっという間に3機とも撃墜してしまいました。

 まるで子供のジャンケンポンと同じように、戦車にはRPGが勝つ、ヘリにはミサイルが勝つみたいなルールゲームの発想で、武器をゲットしたらすぐに使えて効果が出る。リアルな操作環境や習熟プロセスは無視。射撃の角度やタイミングなど戦術的ディテールも抜きで、撃てばとにかく当たってドッカーン!

 『アイアムアヒーロー』が根本的に違うのはそこです。クレー射撃の練習シーンは1カットもないのに、英雄の地味でくそ真面目な性格描写や銃の所持許可証への執着から、観客には彼が、マンガとは別の情熱を込めて、こつこつと技能を積み上げてきたのが分かる仕掛けです。

 そう。英雄は私たちと似ているのです。くそ忙しくて報われない労働環境にあえぎながらも、自分の判断力と集中力を高め、肉体を鍛えることを一人で、こっそりとやり続けてきた人。自炊やジョギングなど運動習慣も英雄のクレー射撃と同じだとカラスヒコは思います。単なる道楽ではないという意味で。

 英雄は20歳で「新人コミック賞」を受けて注目された漫画家の卵でしたが、その後15年たっても芽が出ず、漫画家助手のバイトで鬱々と食いつなぐ毎日です。学生時代からの連れ合いテッ子(片瀬那奈)から「銃を売って家賃の足しにしてよ」と、ひどい言葉を吐かれても反論できない立場。

 同期受賞のライバルは売れっ子作家になっていてロレックスを見せびらかし、雑誌社に行くと「先生!」と呼ばれて応接室へ通されます。一方の英雄は商談コーナーのパイプ椅子で、編集者から「鈴木さんのは主人公が普通なんですよねー」と文句を言われる日々。この屈辱、劣等感。

 でも、英雄のいいところは、銃で「いつか人を撃ってみたい」とか「社会に復讐してやる」みたいな邪念が全くない点。自分には人は撃てないと分かっており、ゾキュンの大群から命からがら逃げ回っているときにも、「公共の場では銃をケースから出すだけで銃刀法違反なんだ」と超保守的。じゃ、なぜ持ってるのと聞かれると、「お守りさ」。結構のんきなのです。

■ゾキュン≒認知症
 実は英雄は、映画の最初のほうでゾキュン化したテッ子に噛まれています。にもかかわらず、彼だけ発症しないのは免疫を持っていたからでしょう。『コンテイジョン』のマット・デイモンなどと同じ。でも、主人公だから偶然に免疫を持っていたご都合主義なストーリーとは違うようです。

 つまり話は逆で、肉体や判断力を鍛えていた人だから噛まれても大丈夫だった。おそらく生活習慣病のパンデミック、とりわけ認知症の急増で社会が持たなくなる今の状況をデフォルメしたのがこの映画で、その免疫になるのが勘と技能を磨くプラクティスなのだと。

 そう見ると、この映画は一気に私たちのリアルな人生にかぶってきます。仕事が大事だからと、何もかも犠牲にして仕事に打ち込むのは危ないという話です。
 具体的には食事にかけるアクティビティーを不用意に削り、出来合い総菜やファストフード、あるいはサプリや栄養補助食品など「代用食」に依存して自分を仕事に特化させる生き方のヤバさです。

 同様に、時間がないからと運動を控えてしまうのもヤバい。体力を温存しなければと一見「合理的」に考えたつもりでも、使わない筋肉や心肺機能はどんどん落ちます。落ちればさらに動くのがかったるくなって脂肪や老廃物がたまり、それを薬の力で抑えるようになると、すでにゾキュン化が進行中みたいな。

 英雄の趣味がVR(仮想現実)のシューティングゲームだったら駄目だったはず。リアルなフィールドや競技場で重いライフルに手で弾を込め、両足を踏ん張り汗を流して撃ち、銃のアフター・メンテナンスも含めたフィジカルな負荷を伴う趣味だから有効だった。つまり免疫になったわけでしょう。

 「ゾキュンたちは皆過去の記憶の中に生きている。そのほうが幸せかもね」。これは、ショッピングセンターの廃墟にたてこもっていたメンバーの一人、元看護師のヤブ(長澤まさみ)のセリフ。これもゾキュン=認知症をにおわせます。

 わが家の老ゾキュンも、「買い物に行く」とか「食器棚の整理」とか「カーテンを開ける・閉める」といった過去の習慣を、意味もなく延々とリフレインする日々です。そのほうが確かに幸せでしょうね。このまま穏やかに天寿まで行ってくれれば御の字というのがカラスヒコの本音。

 けれども、狂暴化したゾキュンが増殖すれば近未来は、この映画ほどではなくても相当スプラッターな地獄絵図になるはずです。極端な場合、発病者の年金や医療扶助は支給停止、それで本人が苦しまぬよう「安静化」させましょうという意見すら出るかも。お国のためにとか。

 結局、私たちにとってベストな選択は、英雄のように免疫保持者になることです。発病せずに逃げ切れる食べ方、走り方をせっせと研究しましょう。富士山の上なら助かるという設定は、登れる体力がある人は感染しないという意味なのかしらん。なかなか奥行の深い映画でした。

 ではまた。

※『アイアムアヒーロー』 2016年/日本/カラー/127分/佐藤信介監督
※『ホワイトハウス・ダウン』 White House Down/2013年/アメリカ/カラー/132分/ローランド・エメリッヒ監督
※『コンテイジョン』 Contagion/2011年/アメリカ/カラー/106分/スティーヴン・ソダーバーグ監督

「機能性」より自炊の本気度

 「食事では栄養が十分に摂れないからサプリ、トクホ、機能性食品を活用」。このロジックが正しいなら、毎日病院で点滴を受けるのがベスト? それって相当にヘンな話でしょう。食事を立て直してヘルシーな人生をゲットする本気度の問題だと思います。

■自力でアグレッシブに
 栄養素をそろえて流し込むだけで健康になれるのなら、入院患者が絶好調バリバリになって点滴スタンドを引きずったままマラソンを始めるかも。そうじゃないでしょう。大事なのは栄養素のラインアップだけではなく、食べ物を自分の歯と顎で咀嚼(そしゃく)し、胃や腸で消化・分解できる力。

 そうやって栄養素を自力で吸収するメカニズムをキープしている体が「健康」なのです。点滴は、けがや病気でそれができなくなった人が一時的に受ける応急ヘルプ。咀嚼や消化のエネルギーをかけずに吸収できる流動食です。

 植物の例で考えれば分かります。水耕栽培で水に養分がたっぷりと含まれていれば、植物自身はろくに根を張らなくても見た目は立派に育ちますが虚弱な成体にしかなりません。やはり、耕されてもいない硬い土の中に自力で根を張り巡らし、栄養をかき集めるアグレッシブな植物のほうが生命力は上。

 豆ごはん(写真左昼食 (3)手前)を炊いて食べるのも、そんなアグレッシブな行為です。自分の意思で玄米・雑穀・豆類をかき集めて一緒に炊き、白いご飯に比べると明らかにモサモサした食感を楽しんで食べます。
 むしゃむしゃと40回くらい噛み、玄米や豆の一粒一粒を完全につぶしてから飲み込みます。

 これは決して、「私は白米の味や食感のほうが好き」とか、そういう嗜好の問題ではないとカラスヒコは考えます。栄養価が高い硬めの穀物をよく咀嚼して食べることで消化器官が活性化してくるからです。好き好きではなく、正しい食べ方。

 白米比率を減らし、そのぶん玄米、黒米、押麦、そば茶、アマランサス、キヌアなど未精製穀物の種類を増やしますから、ビタミン、ミネラル、食物繊維がどっさり摂れてしまいます。さらに大豆など豆類5種も混ぜ炊きすることでタンパクも強化されるのが「豆ごはん」。

 豆ごはんを食べ始めるとウエスト周りの脂が落ち、肌の艶が良くなり、ビローな話で恐縮ですが、大●も質量共に立派になる。つまり、体が喜んで食性の変化についてくるのが分かります。問題は、私たちの頭がその因果関係をきちんと把握できるかどうかです。

 例えば子供が、豆ごはんをひと口食べて「硬い、嫌い、いつものご飯じゃなきゃイヤ」と拒絶したとき、はい、そうですかと白米に戻してしまうと、これは完敗です。根気よく、あの手この手を繰り出して目的に誘導する作戦が必要なはずです。

 うちのアルツハイマー老母も、メンタル的にはすっかり幼児退行しましたから、嫌いな物は一切食べません。険しい表情をして箸でこねくり回して遊んでから、ふん!と鼻を鳴らして皿ごとこっちへ突き返してきます。なんともかわいくない婆さん。上写真でいえば、豆ごはんに載せたショウガ酢漬けは大嫌いなアイテムでした。

 息子はショウガを細切りにして、最初は2、3本をご飯に埋めました。察知されぬよう偽装して徐々に数を増やした結果、今ではご覧のように、表面にどさっと載せても平気で食べています。知らぬ間に食べ続けたことで、体がショウガや酢の価値を正しく評価して受け入れたからでしょう。

 好きな物だけを与えていると子供も老人もずるずると生活習慣病のアリ地獄にハマります。だから、保護者がコントロールしないといけません。コントローラーのいない一人暮らしの学生やシングルワーカーはセルフコントロールあるのみです。

■「科学的」 vs 「化学的」
 さて、機能性表示食品機能性表示食品の制度が始まってから約1年がたちました。4月時点で、加工食品やサプリを中心に282品がマーケットに出ているそうですが、左の記事によれば、消費者から「分かりにくい」「難しい」との声が多く寄せられていると(日本経済新聞4月14日)。

 この制度で許された表示の中身とは、例えば「内臓脂肪が減る」とか「おなかの調子を整える」などですが、これで分かりにくいとなると、消費者が求めるのはもっとストレートな表現なのでしょうか。
 例えば、「これを食べると腹がへこむ」「血圧が下がる」「やせる」「素肌が若返る」みたいな劇的な薬効?

 不調の原因を究明して一つずつつぶしていくのが「科学的手法」だとしたら、機能性表示食品は「化学的手法」。つまり、本人は何もせずに「魔法の力で治してください、お金は払いますから」みたいな態度に近そうです。処方箋をもらって薬を受け取りに行くのに似た他人任せ。

 消費者は、生活習慣病の原因が食事の質や運動の量に関係しているのを知りながら、原因には手を付けぬまま、いい結果が出る薬を欲しがっているように見えます。なんだか、練習をせずに強く・速くなりたいドーピング・マインドとそっくりです。

 結局、ここは本気度の問題だと思うのです。自分の健康を守る手立てとして国のお墨付きをもらいたい、あるいはどこかのメーカーが探してきた学術論文を信用したい。本当にそれでいいのかという話です。
 結果が悪かったら、国やメーカーでは誰かが責任を取って辞めるだけ。被害者は何年も待たされた挙句、多少の見舞金や治療費補助をもらえる程度です、たいていは。

 それよりも、自分で薬害や合成物質中毒を遠ざける安全策を取るべきです。食事なら、体に必要な栄養成分は、冒頭写真のように穀物、動物性タンパク、野菜、海藻を並べればだいたいOKだからです。ご飯にゴマ、煮干粉、小麦ふすまなどを振りかければほぼ完璧。

 忙しくても食事を効率化しないことが大事です。「機能」が多そうでも工業的な食品には手を出さず、コンサバな食材ベースの「サムライごはん」でいきましょう。最初は豆ごはんさえ炊けば、おかずは煮干しをかじっても、海苔と梅干しでもサンマ缶でも大丈夫。とにかく始めれば、体はすぐについてきます。

 ではまた。

『完全なるチェックメイト』 天才によるイノベーション

 映画『完全なるチェックメイト』は、世界が動くには、つまり新たなステージに突き抜けるには「神の一手」が必要で、それを打てるのはアスペルガー的超変人の天才だけと言っているようです。私たち凡人の合議や利害調整とは別次元の「狂気」がいるのだと。

■天才に「資本」を集める
 1972年、アイスラ完全なるチェックメイトンドで開催されたチェス世界王座決定戦で、アメリカのボビー・フィッシャー(トビー・マグワイア)はソ連の王者、ボリス・スパスキー(リーブ・シュレイバー)を「信じられない神の一手」で破って歴史を変えました。

 この映画は、表面的には変人でチェス狂いの、わがままで被害妄想な天才少年が栄光をつかむサクセス物語。そこに当時の米ソ代理戦争を引っ掛けて描いています。
 しかしもう一歩踏み込んで見れば、天才ボビーにダブってアメリカの金融資本主義の姿が浮き出てきます。

 病的に神経質なボビーは、自分が不安を覚える環境、つまり雑音を発する観客やカメラなどを「不公正」と拒絶し、自分が集中できる快適さを「公正」として周囲にも要求します。社会は天才のルールに従うべきと。

 普通は、世の中のほとんどの天才少年は単なる「変人」で一生を終えます。天賦の才能も社会に埋もれる、あるいはつぶされる。けれども、天才に「資本」が集まれば、彼は化けるのです。映画の中の言葉を借りれば、「ボビーは決してつぶれない、爆発するんだ」

 そのセリフを吐くのは弁護士ポール(マイケル・スタールバーグ)という、ちょっと怪しげな男。彼は腕利きのプロデューサー兼マネジャーとしてボビーを売り込み、ボビーという「銘柄」に投資家を集め、キッシンジャーやニクソンなど国家の政治中枢にまでコネクションをつけていきます。

 ボビーは勝ち進み、力(=カネと名声)があれば世界は自分に従うことを知り、成功をテコに要求をエスカレートさせて帝国を築き上げます。この仕組みがたぶん、1972年以降のアメリカの「新経済モデル」のコア・スキーム。

 例えば、ルールを変えてレバレッジを効かせた金融商品を流通させたり、自国のルールがフェアで、関税などの規制は不公正だとして市場開放を周囲に迫るような。
 つまり、天才が強大な力を得て自らに快適な世界に作り変えるダイナミズムを肯定するのがアメリカの強さです。その実態が「弱肉強食」だとしても。

 確かに、日本のように多数の利害を調整しながら「先例と合意」でまとめる社会では、神の一手、すなわちイノベーションは生まれにくい。だから、中曽根→小泉→安倍ら歴代の親米派首相らが経済構造をアメリカモデルに作り変えようとしてきたのだとカラスヒコはみています。

 逆に、先日すったもんだした(ように見えた)セブン&アイの跡目問題は、天才型指導者をスポイルする「帝国への逆襲」だったのかも。糸を引いたのがアメリカの投資ファンドで、イトーヨーカドーなどを切り捨ててセブンイレブン銘柄の収益率を高める目的だったとしたら、この映画のストーリーとよく似ているのが分かります。

■天才の大量輩出態勢
 さて、ボビーはIQ187の大天才なのですが、外見は単なるチェス依存症の変人です。他人の気持ちが理解できず、自分の意思も伝えられずに日々キレっ放し。たまたま、親身に世話を焼いてくれるロンバーディ神父(ピーター・サースガード)や、下心のあるポール弁護士にめぐり会えたから成功できたようなものです。

 ところで、私たちの周りにもボビーほど極端ではなくても、他人とのコミュニケを嫌う、あるいは面倒くさがる人が最近増えてきた気がしませんか、老若男女を問わずにです。

 例えば左は、ドーナツセブンイレブンのカウンター横で販売するドーナツの販促に関する記事ですが、「口頭で注文するのが煩わしいとの声があるため、カードでも注文できるようにした」との記述があります(北海道新聞1月19日)。

 次の記事は「ミアリティ」という、洋服のサイズを試着せずに合わせられる3D測定装置ミアリティ。着替える客の手間を省き、サイズ違いによる返品も減らすのが導入目的とのこと。
 試着された商品の劣化や、それを畳み直すスタッフのアクティビティーを減らせる効果もあるでしょう(日本経済新聞10月24日)。

 これらのサービスの利点は便利で早いことですが、それ以上に、こうした「ノータッチ型」の扱いを喜ぶボビー型人間が増えているようにカラスヒコは感じています。

 会話や表情や生身のボディアクションを避け、記号や数値のやりとり、あるいは「YES or NO」のシンプル・リアクションだけで買い物をしたがる、デジタルでシステマチック志向な人の増殖。生身のヒトに対してよりも機械系と親和性が高いタイプかもです。

 同様に、回転寿司や自動販売機の普及、さらに最近の居酒屋離れやネット通販の隆盛もそうでしょう。店員とのリアルな接触はもとより、即興性を伴うやりとりをパスして、自分が快適と感じる空間にひきこもって消費するスタイルが見えてきます。

 たぶん、ボビー少年タイプがじわじわとメジャーになりつつある。今に始まったことではありません。カラスヒコは、電子メールが普及し始めた90年代中ごろから、電話すれば3分で片付く要件を10分もかけてメールを打つ人が増えてきて気になっていました。

 翌日、現場からせっつかれると「申し入れてありますが、まだ先方から返答がありませんので」と、けろっと答えます。これってかなり「ボット的」対応です。相手が海外出張中だったり、病気で休んでいたら自社の現場担当が困るだろうとの察しや手回しがない。でも、そういう人がすごく仕事ができたりもします。

 さて、ここからは勝手な予測ですが、周囲への察しや思いやりのないひきこもり型の人の中に、「神の一手」を打てる天才がいるのかもしれないということ。
 ボビー型が急増しているとしたら、それは人類が新たなステージに飛躍するために、人工知能と相互補完的に歩んでいける天才を大量輩出する態勢にシフトしたのかもしれません。眠っていた進化のDNAにスイッチが入った? 

 もっとも、人類の大半には、悪食による退化スイッチが入っているみたいです。「悪玉DNA」みたいなものがあるのかしらん。

 ではまた。

※『完全なるチェックメイト』 Pawn Sacrifice/2015年/アメリカ/カラー/115分/エドワード・ズウィック監督

酒蒸しテンプレートの威力

 自炊が続かないと悩む学生さんやワーママさんなら、トマトと玉ネギの常備が突破口になるかもです。薄切りにして、豚肉細切れと一緒にワイン蒸しにすれば早くてうまく、かつ無添加。味付けは塩とブラペのみ。凝らないレシピこそ自炊定着の秘訣です。

■塩加減は「イメージ振り」で
 小ぶりのトマト1個と玉ネギを4分の1。豚肉の代ワイン蒸し (19)わりに無添加ソーセージを使ってもOKです。ソーセージは斜めに薄切りします。
 トマトと玉ネギも、薄切りならどんな切り方でも構いません。何でも薄く切るのは火の通りを早めるため。手抜き自炊のサボりテクなのです。

 切った材料を厚手フライパンに入れますが、順番はどうでも構いません。フタをして弱火で蒸すので、ワインが蒸気化して全体に回って均等に加熱されるからです。
 写真でトマトが上に載っているのは、トマトを切るとまな板が果汁で濡れてしまうので最後にワイン蒸し (20)切ったまでのこと。

 味付けは塩とブラックペッパーでシンプルにいきます。この素っ気ない味をバカにしてはいけません。外食や総菜調味料のビビッド味に慣らされ、調アミ依存症になってしまった舌と体を、素朴で野性的な味覚に更生させることも自衛自炊の重点テーマだからです。

 学生さんは、よく塩の加減が分からないと言ってネットで検索したがりますが、それは無駄。トマトや玉ネギの大きさは都度違いますし、肉の量も日々変わりますから、正解は見つかりっこありません。

 正解は自分の目と舌で決めましょう。例えば肉を、フライパンの中央にごそっと盛らず、なるべく重ならぬよう平たく並べて、食べるときの味をイメージしながら塩やコショウを一様に、満遍なく振ればちょうどよい味にまとまります。

 玉ネギもトマトも、それぞれ載せたときに、そのぶんだけの塩を振ります。この「イメージ振り」を3度も繰り返せば、以後は超テキトーに振りかけても大きくは外さないようになれる。調理はアナログ経験を積み上げたほうが、デジタルでオンデマンドに調べるよりも早く身に尽きます。

 さて、加熱時間は何分くらいが正解か。それもアナログです。肉の色が変わってから少したてばOK。つまり、薄切り肉は表面の赤みが消えると、その直後に中まで火が通るからです。
 豚バラ肉や細切れなら、肉を途中でひっくり返す手間もいらないほど。これも2、3回の経験で分かることです。

 このとき、野菜への火の通り具合は全く気に掛けなくても大丈夫。温まってしなっとなれば十分においしい。特にトマトと玉ネギは名コンビですから、こんなふうに生のままでもイケますし、トロトロに形崩れしても素晴らしくうまい。どのワイン蒸し (21)段階で火を止めても大丈夫だと分かります。

 左写真は、ワインの湯気が出始めてから5分ほどで完成にした状態。ここではソーセージを使ったので、ソーセージに含まれる塩分を勘案して塩の量を抑えてちょうどよい感じでした。

■「何でも蒸してやる」
 このワイン蒸しレシピを一種のテンプレートに使い、材料や味付けを差し替えていけば自炊は案外軌道に乗りやすい。なぜなら、自炊が続かない最大の原因は、調理そのものの面倒くささよりも、日々献立を考えその材料を買い回るしんどさにあるからです。

 例えば、今日は冷蔵庫に玉ネギしかないと分かっている日は、仕事帰りに生肉かソーセージ、そして玉ネギに合いそうな野菜を1、2品買います。パプリカとかキャベツとか。何でも薄切りにして蒸してやる、そう考えれば気持ち的に超ラクになります。

 野菜が白菜やモヤシなど、いわゆる和食系しか買えなかった日は、ワインと塩ではなく、料理酒としょうゆで蒸せばいい。酒蒸しです。酒蒸しの場合は、生シイタケやマイタケなどキノコ類も一緒に蒸せば超おいしいのが分かり、これは結構ハマるメニュー。

 玉ネギを食べ切ったら、翌日には長ネギを買ってきて、斜めにブツ切りして残った白菜などと併せて蒸します。そうやって、なくなった野菜から順に別な野菜で補充するシステムに持っていけば、いろんな野菜が自然にローテーションするので栄養バランス的にも good。

 野菜が半端に余ったら、細切りにしてその日のみそ汁に放り込んでしまいましょう。そうすれば野菜ロスをほぼゼロにできます。みそ汁は、ここでご紹介したように酒蒸し・ワイン蒸しには向かない根菜、つまり大根、ニンジン、ゴボウなどがメインなのでダブりません。

 さて、現代は「調理総菜離れ」の時代。私たちの自炊モチベーションなどは、もはやアナクロなのでしょうか。
 左記事のように、スーパーが弁当・総菜を増産して忙しい人や買い物に行けない人を助けてくれる「便利で優しい」世の中になりました(日本経済新聞3月2日)。

 調理離れの客が増えたから出来合い総菜ニーズが急伸しています。だからスーパーは、バックヤードでパートさんにちまちまと作らせるより、加工センターを建てて機械化して効率よく作るわけです。人手不足解消の狙いもありそう。

 そこで心配なのは、コンビニも巻き込んだ総菜の安売り競争がエスカレートしてくれば、当然コストダウンによる質の劣化が起こることです。仮に、衛生面や産地・表示偽装の心配が全くないとしても、総菜の精製度や添加度は確実に高まるはず。

 しかし私たちは、豆ごはんや酒蒸し・ワイン蒸しのような拙い技能さえ身に付けてしまえば、穀物を未精製で、肉や野菜を無添加で食べ続けられることを知ってます。だから、いろんなテンプレートを開発し、快食快●の気持ちいい暮らしを守りましょう。アナクロ同志でこそこそと情報交換しながら。

 ではまた。

『あやしい彼女』のSWOT分析

 『あやしい彼女』は愉快なファンタジー映画ですが、結構マジな部分も。老人が若者に説教を垂れたがる焦燥感がよく理解できます。でも、説教では苦労や体験を次世代に継承するのが無理なことにも納得。老人の経験知をどう盗み取るかを考えなくては。

■老人は若者の敵か
あやしい彼女 瀬山カツ73歳(倍賞美津子)が、老人のメンタルを持ったまま若返った大鳥節子20歳(多部未華子)。オードリー・ヘップバーンと原節子の名前を合わせたような彼女が周囲に説教を垂れまくります。

 パンクバンド狂いの孫の翼(北村匠海)には、「こんな音楽は騒音だ、公害だ」とこき下ろし、音楽プロデューサー小林(要潤)には「いい男なのになぜ結婚しない」と詰め寄ります。かわいい顔なのにこすからい世話焼きババア。男は所帯を持って一人前と。

 カツは戦災孤児。若い頃夫に先立たれ、戦後の極貧の中を女手一つで娘(小林聡美)を立派に育て上げたことにプライドを持っています。でも、そのぶん自分には青春がなかったと悔いてもいる。若い世代への嫉妬や羨望もあるようです。

 だから、老後は好き勝手に生きてやると、若い肉体を得たカツ→節子は無敵のスーパー女子になりました。孫のバンドのヴォーカルになってロックフェスで大ブレイク。イケメン・プロデューサーとの❤もかなえて第二の青春を爆走します。

 軽いノリの娯楽映画とはいえ、このストーリーの背景には「老人 vs 若者」という、まさに今的な対立構造が見えています。例えば、老人への手厚い社会保障を大胆に削って若者に回さない限りこの国の未来はないのに、それが遅々として進まない現実とか。

 本来ならその利害対立を解消すべき政治は、若者の不満の矛先を老人に誘導することで批判をかわそうとしているようにも見えます。若者が、そんなトリッキーな世の中で本当の敵を見極め、そして自分はどんな戦略で老後に備えるべきかを考えるとき、この映画は格好のテキストになりそうなのです。

 そこで、映画に出てくるキャラクターを、企業の戦略策定によく使われる「SWOT分析」(Strength:強み、Weakness:弱み、Opportunities:機会、Threats:脅威)に当てはめて考えてみます。

 老人の若者に対する「強み」は、言うまでもなく経験知の量。73歳のカツは孫たちより3倍以上も長く生きています。その結果、節子が歌う『悲しくてやりきれない』には、極貧時代にリンゴを盗んで食べた経験や、幼子を背負って雪の中で一升瓶の玄米を突いたつらい記憶がにじみ、すさまじい説得力で聞く人の心を打つわけです。表現のバックボーンの厚みと言いますか、実体験ならではの迫力。

 逆に今の若者が、例えばプレゼンテーションをするときに、リアルな実績が少ないからと借り物データやコピペ事例をいくら盛り込んでも説得力が出てこない原因はこれ。若者は話を横へ広げず、たとえ少なくてもリアル体験とオリジナル・アイデアだけを掘り下げて勝負すべきだということがよく分かるシークエンスです。

 老人の「弱み」はもちろん、ITなどデジタル情報や技術に弱く、自己表現できるシチュエーションが限られること。そして頑固だから孤立しがちなことです。カツは気丈な悪たれババアですが、娘から疎まれ、地元商店街でもうさんくさがられて居心地の悪さを募らせていました。

 でもカツは、孫に小遣いをやって手なずけ、節子に変身した後は、幼なじみの次郎(志賀廣太郎)の人の良さに付け込んで居場所を確保します。つまり、老人カツは自分の弱みをよく知り、それをカバーする手を打っているのが分かります。老人のアグレッシブな生き残り戦略。

■「暑苦しさ」に慣れる
 さて、カラスヒコが最も興味を覚えたのは老人にとっての「機会」です。それは二つあり、一つは、老人は濃密な人間関係に耐えられること。例えば、節子はショッピングセンターで子供を大声で叱る母親を見つけます。
 「幼児虐待かも」と周囲の通行人が退く中で節子は親子に歩み寄り、「二人とも、つらいのによく頑張ってるねえ」と褒めてハグ。母親は感極まって泣き出してしまいます。

 一見、おせっかいで厚かましい行為ですが、これは「子育て(しつけ)と虐待は紙一重」という真理を突いてもいます。若い母親にはなかなかまねができないかもしれませんが、子育てのつらさも喜びも知る老人の年の功なのでしょう。

 老人の「機会」のもう一つは競争を恐れないこと。孫がいい曲を書けなくてプロデューサーからダメ出しをされ、「他の人に作ってもらうかい」とナメられたとき、孫は「よろしくお願いします」と素直に頭を下げてしまいます。
 それを見た節子は激怒し、いきなり孫の股間をつかんで「おめえ、大事なモン付いてんのか」と食ってかかります。

 孫は、べつに弱気なわけではなく、たぶん、僕より才能のある人が書いたほうが早くていい曲ができるだろうと「客観的・合理的」に判断したのでしょうが、節子が言うのは「根性を見せろ」という話。
 つまり、死にもの狂いで競争して、実力以上のパワーを出してみろと。老人と若者の話が常にかみ合わない典型事例です。

 カラスヒコは、この二つが、若者が老人から学ぶべきスキルだと考えます。つまり、人間関係や競争環境の「暑苦しさ」に慣れること。なぜならこの二つこそ、私たちがこれからAIや移民労働者と職をめぐって戦うときに不可欠な武器だからです。

 便利なマニュアルやアプリを駆使し、他人と適度な距離を保って快適に暮らせるのは、豊かな先進国で育った私たちには当たり前の環境。けれども、グローバル時代とその後に必ず訪れる動乱の社会では、「理より情、データより肉体」みたいなシチュエーションがきっと出てくるはずです。ならば、それに備えるのが戦略的合理性。

 老人にとっての「脅威」は、もちろん肉体の衰え=持ち時間の少なさです。つまり新しい投資をしてリターンを待てない。でも若者にはそれができるのです。
 だから、カツのようなしたたかな年寄モデルをベンチマークし、いいところを盗み取るのが正解。アホでも不細工でも貧乏でも、トライ&エラーする時間だけは私たちに平等に与えられた資産だからです。

 ただ、それには重要な条件が一つあります。頭がクリアで体がピンピンしたまま年を重ねていくこと。映画の冒頭で『東京ブギウギ』を歌いながら商店街を闊歩するカツのように、肉体の衰えをできるだけ遅らせたまま経験知を積み上げる。そんな「あやしい中高年」こそ私たちのワナビーです。

 ではまた。

※『あやしい彼女』 2016年/日本/カラー/125分/水田伸生監督
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    ■「サムライごはん」とは・・・
     超多忙で料理が嫌いな人が、健康を自衛するためにつくる「最短時間で、栄養十分、かつ無添加」な食事。いまの時代を生き抜くために、男女を問わず一人一人が身に付けるべき「武芸」のようなもの。外食や加工食品がまだほとんどなかった1955年以前の日本の家庭食がモデルです。
    ■「自衛自炊」とは・・・
     趣味やライフスタイル的自炊ではなく、将来病気にならないための先行投資、あるいは保険目的の調理技術です。「忙しい」という理由で食事を外注せず、自炊スキルを身に付けて、自分と子どもの健康を守るのが狙いです。
    ■外食メニューをまねない自炊
     料理本に載っているのはたいてい外食メニューのつくり方です。それを覚えても、味でもコストでも外食にはかないません。「サムライごはん」では、見た目は地味でも、栄養価が高く無添加な、自炊ならではのメニューを研究していきます。
    ■油・糖・添(ゆとうてん)を締め出す自炊
     「サムライごはん」は、余分な油脂・糖分・添加物を極力排除した食事を目指します。 そのために加工食品や調理済み総菜を使わず、生の素材を最少限度の加工で食べることが目標。 成分表示をしっかり見ながら、油・糖・添を慎重に避けていきます。
    ■サトチュー(砂糖中毒)との戦い
     動脈硬化や高血圧などで健康を損ねる人の多くは砂糖を摂り過ぎています。菓子や清涼飲料水ばかりではなく、現代では総菜や加工食品などご飯のおかずにまで砂糖がこっそり使われているからです。サトチューとの戦いも「サムライごはん」の主要なテーマです(▶100918)。
    ■「豆ごはん」は最強の主食
     玄米と等量の白米、そして5種類の豆(大豆、青大豆、ガルバンゾー、金時豆、黒豆)を一緒に炊く「サムライごはん」の主食です。これに押麦、アマランサスも加えると栄養バランスが完璧に近くなります。冷めてから食べても非常においしく、おにぎりにも最適です(▶130409)。
    ■「ニャンコめし」は夕食の定番
     「サムライごはん」夕食の定番。煮干しでだしを取ってみそを溶き、朝の残りの豆ごはんを入れます。煮立ったら生卵を落として火を止め、ふたをして3分蒸らせば出来上がり。煮干しも具としていただく高栄養・無添加で、すぐにできる晩ご飯です。鍋料理の締めの雑炊のようなおいしさです(▶100226)。
    ■日替わりから週替わりへ
     野菜メニューは日替わりでは続きません。浅漬け、ワイン蒸しなどまとめ作りのメニューを取り入れて、週替わりのローテーションに切り替えましょう。材料を無駄なく食べ切り、買い物頻度も減らせる自衛自炊ならではのテクニックです(▶111118)。
    ■おにぎりは自分で握る
     豆ごはんおにぎりを自製する習慣をつけましょう。ランチを無添加で切り抜ける数少ない選択肢だからです。手を濡らして握ればくっ付かず、熱くもありません。コンビニで買うおにぎりは添加物と油脂まみれ。老若男女にかかわらず、おにぎりは自製あるのみ(▶100821)。
    ■我流みそ汁だしのススメ
     昆布と削り節を3分間煮出せば、誰にでもうまいだしが取れます。安易に化学調味料に依存せず、我流の本物だしを研究すべき。それをサボった1、2世代上の年寄りたちが、いま生活習慣病で薬漬けになっている実態をしっかり見ていきましょう(▶100926)。
    ■二十歳を過ぎたらニキビじゃない
     ニキビ世代をとっくに過ぎているのに吹き出物が止まらないのは、体が拒否するものを食べ続けている証拠。油・糖・添を摂り過ぎていないか、食生活を見直すきっかけにしましょう(▶111126)。
    ■エコ&粗野な食習慣へ
     だしを取った後の昆布や削り節は捨てずに、常備菜に加工して食べ切ります。煮干もみそ汁の具としてバリバリ食べる。そんなエコで粗野な食習慣に回帰するのも「サムライごはん」のスタンスです(▶120722)。
    ■「ご飯は太る」は本当か?
     コメ離れが進んでいますが、カラスヒコは「ご飯は太る」という通説はウソだと思っています。むしろ実態は、パン食による油脂、タンパク、精製穀物の過剰、さらに甘い飲料、間食が原因なのでしょう。「サムライごはん」では、玄米や豆類主食への回帰によってビタミン、ミネラルを確保し、スリムで健康的な肉体を取り戻していきます(▶100527)。
    ■残業食をコントロールしよう
     残業時間中にスナック菓子などで中途半端に空腹を満たす習慣は危険。油・糖・添まみれなのはもちろん、寝る前のドカ食いを招く原因にも。むしろクラコットやドライフルーツなど、きれいな食材をしっかり取るのがお薦めです(▶110609)。
    ■失敗しないゆで卵
     殻がつるりんと気持ち良くむけて、半熟・全熟を自在にコントロールできるようになれば、ゆで卵は頼れる常備菜になります。ポイントは湯が沸騰してから卵を入れ、再沸騰してからのゆで時間。意外に簡単です(▶110130)。
    ■学生・単赴・シンママにチャンス!
     「サムライごはん」の質実剛健な味が家族の反発を招くこともあります。いまや化学調味料や添加物を気にしない人がマジョリティーな時代ですから。むしろ一人暮らしの単身赴任者や、舌が染まっていない幼子を持つシングルマザーにこそ、いろんなトライ&エラーができるチャンスがあります。学生も社会に出る前に自炊技術を身に付けたほうが勝ち(▶120305)。
    ■「ワイン蒸し」で野菜たっぷり自炊
     「あなたは野菜不足」とCMに脅かされてサプリに飛びつく人が多過ぎます。ワイン蒸しや酒蒸しは、数種類の野菜を毎日飽きずに食べ続けられる自炊独自の加工ワザ。油脂も添加物も使わない簡単野菜メニューで武装しましょう(▶120922)。
    ■糖尿病を知り、真剣に予防しよう
     糖尿病や腎不全は「不治の病」です。新しい薬品や治療法が開発されても、高いお金と引き換えに苦痛を和らげる程度。だから発病しないように若いうちから食生活を立て直すのが唯一の正解です。できなければ自己責任で、メディカル資本にたかられる「いいお客さま」になってしまいます(▶111107)。
    ■外食は低加工なそば or 海鮮系を
     朝夕の食事を「サムライ化」すれば、ランチは少々ジャンクなメニューでも大丈夫。でも、可能な限りはそば系・海鮮系など加工度の低い献立を選ぶのが正解。日々の「油・糖・添」締め出しこそ確実な生命保険なのです(▶100326)。
    ■浅漬けが自炊を軌道に
    白菜、キュウリ、大根、パプリカなどを適当に切り、塩をまぶしてタッパーに入れておくだけで自製の浅漬けができます。翌日から5~6日間食べられる常備菜ですから野菜不足はほぼ解消。面倒に思えた自炊が一気に軌道に乗ってきます(▶120608)。
    ■ピクレで自製漬け物を
    乳酸発酵する本物の漬け物を自分で漬けるなど、多くの人にとって想像を絶する事態でしょうが、実は簡単。「ピクレ」があれば、冷蔵庫の中で勝手に発酵してくれるからです。化学物質にまみれた出来合いの漬け物におさらばできます(▶120805)。
    ■ヒジキはそばつゆで煮る
    カルシウム豊富なヒジキを切干大根、こうや豆腐、干しシイタケと一緒にそばつゆで煮てしまう。甘じょっぱくしない、本来の素朴な煮物が素人の手抜きレシピで作れることに驚きます。上の世代が放棄してきた健食習慣を取り戻しましょう(▶121204)。
    ■乾物をだし汁で戻す手抜き
    車麩、こうや豆腐、湯がき大根など乾物は水で戻さず、いきなりだし汁に浸します。戻し工程と味付けをいっぺんに行う手抜きワザ。素朴な味わいの常備菜になります。だし汁が食材に吸われて減ったら、ひたひたまで注ぎ足すのがポイントです(▶130412)。
    ■瞬間加熱の温野菜サラダ
    ブロッコリー、アスパラ、パプリカ、きぬさやなどを100℃のお湯で3~5秒。少量ずつ加熱して網ジャクシでさっと取り出すのがコツ。丸元淑生さん式の温野菜サラダは目からウロコです。自炊が俄然充実してきます(▶ 100307)。
    ■夜食なら粉吹きイモ
    夜におなかが減ったら、即席麺やコンビニおにぎりを食べるより自分でイモをゆでましょう。ジャガイモやサツマイモのおいしさを再発見して感激します。未精製の炭水化物で太らず、もちろん添加物もゼロ(▶ 100104)。
    ■ニンジンの合理的摂取法
    石原結實さん式ジュースなら朝にニンジン、リンゴ、レモンが各1個ずつ摂れてしまいます。そのためだけに1万円以上のジューサーを買う価値もあるでしょう。これを飲む習慣ができれば、合成着色飲料とは永遠におさらばできるからです(▶ 100407)。
    ■ラタトゥイユで自炊に自信
    まさか自分にこんな料理が作れるとは!驚きと感動で自炊に弾みがつく丸元淑生さんのレシピです。野菜6種のシンプルな無水蒸しなのに素人でも絶妙の味が出せて病みつきになります。ポイントはトマトと玉ネギの比率だけ(▶ 101008)。
    ■小型密封容器をそろえよう
    おかかやショウガ酢漬けなどの常備菜を小型の密封容器で冷蔵庫内に整然と積み上げるのが「サムライごはん」の大事なノウハウ。容器は都度バラバラと買い足さず、スタックできる同型をまとめ買いしましょう(▶ 101224)。
    ■自炊 vs 外食、どっちが安い?
     実際の支出額はおそらく同程度で、それなら手間なしの外食が合理的と考えがち。しかし、金額当たりの栄養価に大差があり、外食ライフでは将来の健康崩壊リスクが高まります。自炊食の原価計算から中長期の健康戦略が見えてきます(▶120627)。
    ■ダイエットで感じた10のこと
     本物のダイエットなら、減量よりもまず肌の色つやが良くなり、原因不明のかゆみや爪の黒ずみなどが消えていきます。見た目のスリミング効果はおまけで、当然リバウンドも来ません。体の排せつ力を高める食べ方を研究しましょう(▶120926)。
    ■豆類はペットボトルで管理
     豆類は袋から出し、ペットボトルに移して「見える化」しましょう。作業フローがシンプルになり、在庫量も一目で分かります。調理テクの上達やレパートリー拡大より、整理力と段取り改善でスピードアップを図るのが「サムごは」的アプローチ(▶130915)。
    ■野菜はバスケット管理する
     みそ汁用、サラダ用など用途別バスケットに分類して冷蔵。バスケット単位で取り出し、使う分だけを切り出して再格納します。数種類の野菜を毎日コンスタントに食べるにはこの手が一番。使いかけ野菜を冷蔵庫の奥で腐らせる心配もありません(▶100924)。
    ■「糖質制限」はいいとこ取りで
     速攻スリミングには効果的。でも全面的な糖質制限では穀物の豊富なミネラルを摂り損ないます。朝だけとか隔日とか、自分の調子よさの範囲で慎重に採り入れましょう。ハムやベーコンの添加物や、肉や卵を焼くときの精製油脂にも要警戒(▶140805)。
    ■洋食派はパンよりシリアル主食
     ミューズリー+オートミールの「未精製」穀物に小麦ふすまを振りかけるなど、シリアルのカスタム化にトライ。パン主食では難しい油・糖・添フリー&高ミネラルな洋食体系を設計します。「朝食=パン」の固定観念を疑いましょう(▶141101)。
    ■昆布は1回分サイズにカット
     昆布を買ってきたら、全部をみそ汁一杯分サイズに切り分けて密封容器で保管します。「調味料(アミノ酸等)」ではなく本物昆布使用にこだわりつつ、調理アクティビティー削減を狙います。合成だしでは必要なミネラルが不足するからです(▶121208)。
    ■包丁研ぎは我流で覚える
     調理人のような華麗な包丁さばきなど自炊には不要です。我流でも日々使えば、大根皮むきやネギ刻みは身に付くもの。砥石は「中砥」一種類の我流使いで包丁の切れ味が十分に戻ります。プロのまねをせず、不格好でも自分ワザを磨くことが大事(▶120124)。
    ■包丁使いの自主トレ入門
     手先超ブキなカラスヒコでも、リンゴの皮むきが支障なくできるようになりました。リンゴ皮の裏側から、包丁の刃を親指のはらに押し付けるように果肉をそぐのがコツ。遅くてもきれいにむくことに集中すれば、だんだん早くなってきます(▶150123)。
    ■丸元淑生式「蒸しリンゴ」のうまさ!
     皮をむいたリンゴを適当にスライスして、ビタクラフト鍋で弱火蒸しするだけで、シュガーレス極甘ヘルシーデザートの出来上がり。小分け冷蔵して毎日食べられるフルーツ系常備菜です。無糖ヨーグルトにトッピングするのもおしゃれ(▶100114)。
    ■「油糖抜き」スクランブルエッグ
     肉野菜ワイン蒸しを作った後、蒸し汁を有効活用します。生卵を落として混ぜて弱火蒸し。卵そのものの粗野で力強い味に驚きます。自炊のスクランブルエッグでは、砂糖を加えて精製油脂で焼く外食レシピの常識を疑ってかかるのが正解(▶150623)。
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