「サムライごはん」de自衛自炊

忙しい人こそ自炊しましょう!料理嫌いのための高栄養で無添加な「ケ」の食の技術を研究するブログです。悪食による人格崩壊から辛くも生還したカラスヒコの経験に基づく学生・単身赴任者・シングルマザー向け貧乏自炊教室にお付き合いくだされ!

みそ汁は塩分過多スープか?

  昨夜の刺し身定食です。冷凍輸入の安物サーモンとはいえ、香ばしい焼き海苔(右)を一緒に口に放り込めば魚肉から染み出すオイルとの相性が抜群。左上はキュウリとトマトを切っただけのサラダです。マヨネーズと粉チーズでシンプルに。

■みそ汁は野菜の基本ソフト
 刺夕食 (48)し身で不飽和脂肪酸をたっぷり摂るのが安全な食べ方のコアだと思います。
 もっとも最近は、海に漂うマイクロプラスチックや重金属が食物連鎖で濃縮されていたり、養殖魚にホルモン剤や抗生物質の餌が与えられていたりと、安全性も徐々にジリ貧傾向。

 ただそれでも、安いカツ丼や牛丼や、コンビニ弁当やドーナツのように調アミや精製油脂や砂糖混じりの他炊食(外食中食)をメインに食べていくよりはかなりマシです。

 「五十歩百歩」だと言う人もいますが、何十年間も食べ続けるわけですから、五十歩と百歩の違いはいずれ大差となって表れるはずで、それからでは遅いのです。刺し身は切るだけ。多忙かつ調理嫌いの私たち向きのセーフティー・ファストフードと位置付けましょう。

 それと並んで、野菜をどっさり食べる原点がみそ汁なのです。上の写真は、ネギ、ナス、大根、ニンジン、ゴボウの5野菜を細切りにし、シメジ、乾燥ワカメ、油揚げを加えた8点のごった煮汁。材料によって煮え方が違うから、どの段階で何を投入すればよいか分からないと敬遠する人がいるかもしれません。でも心配はご無用。

 材料を全部、こんな風に薄切りや細切りにしてしまえば1分煮るだけで火が通ります。例の自製だし汁を煮立てて具材をまとめて投入し、再沸騰して1分たったらみそを溶けば出来上がり。粗雑な割には早くてうまくて、栄養と食物繊維がどっさり摂れます。これもセーフティーなワザ。

 「あなたは野菜不足」と、カゴメやキューピーのCMに年中脅されると、ついついドレッシング付カット野菜や香料入り濃縮還元ジュースにすがりたくなりますが、それは短慮です。短期の出張時などは仕方がないとしても、自分の「日常食」はオリジナルに組み立てるべき。

 野菜を日々コンスタントに取る「基本ソフト」はみそ汁だとカラスヒコは確信しています。具材は上の5野菜以外にもキャベツ、白菜、ホウレン草、きぬさや、もやし、玉ネギ、イモなど冷蔵庫内の当日在庫をアトランダムに切り出して放り込めば十分においしくできるからです。 

 生鮮野菜を切らした日には切干大根や干しシイタケ、こうや豆腐など乾物ストックを繰り出せばしみじみうまい。さらに、豚肉やサケやタラの切り身など動物質の具材を一緒に煮てもいい。みそ汁を自製するようになれば、野菜不足とは一生おさらばできます。

■検索社会は安心バブル
 みそ汁作りが普及しない、というより明らかに衰退しつつあるのはなぜなのか。それは「検索万能」社会になったからでしょう。面倒なことは自分で苦労して覚えるより「正解」を探してゲットすればいい。つまり、だし汁や野菜などに含まれるビタミン、ミネラルをサプリなど別の手段で摂れば超簡単。

 自炊ができなくてもコンビニがあれば大丈夫。運動しなくてもトクホ茶を飲めば脂肪が付かない。頭痛・腹痛も大衆薬がどこでも買えるから安心・・・・といわれています。その安心感の裏に潜むリスクについては誰も言わないからたぶん心配ない。これは、安心のバブル状態です。崩壊必至。

 調べものにネット検索を利用することをカラスヒコは否定しませんが、問題は、ネット上にあるのは「楽できる」情報ばかりなこと。こっちの水は甘いぞと客を誘引して誰かがもうかる安っぽい仕掛けの場合が多いのです。
 だから、カネも時間もない私はコンビニ弁当しか選択肢がない、とか思わされてしまう。一種の集団催眠かもとカラスヒコは感じています。

 突破口は、例えばみそ汁の自製です。具体的には、簡単に食べられる調理済みアイテムを探すのではなく、健全な食べ方を検索して見つけます。その後は当然、自力でリアルにナマの食材と格闘することになりますから、慣れるまでにはトライ&エラーが必要。
 でも、その遠回りが将来の自分に必要と見極め、黙々と取り組むのが正しい判断。 いわば先行投資なのです。

 目先のROE(自己資本利益率)や株価上昇を狙って不採算部門をばさばさリストラする「合理的」経営とは正反対。非上場の老舗企業のように、伝統的な価値を受け継ぐ人材を社内でじっくり育成するような地味な経営に近いでしょう。

 みそ汁については、塩分過多のジャンクスープだから具だけ食べて汁は捨てなさいと言う人もいます。でも、いま問題になっている塩分過多は、即席麺や加工総菜やスナック菓子に含まれる精製塩(Nacl)によるものらしい。
 さらに豆類や海藻離れによるカリウム欠乏によって余分な塩分を排出する力が衰え、そのダブルパンチとの説もあります。

 カラスヒコ的にはみそ汁を全部飲み干し、梅干しを毎日食べても血圧が全然上がらず好調なので後者を支持します。情報ではなく、あくまでリアルな体感として。うちのボケ母の高血圧も2年でほぼ解消しましたし。

 ではまた。

アルツ母84歳、趣味は徘徊

 「どこ行くの?」「分かんない、でも行かないと」。アルツ老母の徘徊衝動とは、死期が迫った老ゾウが群れを離れて谷奥へ向かうのと似ているかも。自分の役目を終え、もう居場所がないと悟ったときに起動するDNAプログラムなのかしらん。

■親の発症は「赤紙」か
 頭がクリアな老人は、もちろん徘徊などしません。体が衰えて生産活動に従事できなくなったら共同体の世話になります。経済的には子や孫にぶら下がるとしても、老人の尊厳はきちんと保てます。家族や地域社会の功労者として豊かで平穏な晩年を送れていました、昔は。

 でも今、頭が壊れたアルツ老人は共同体の厄介者。言うことを聞かず、徘徊・暴力・幻覚・不眠を繰り返すので周囲の皆が参ってしまいます。うちの母カラスも過去に3度徘徊しました。町内会の皆さまの緊急連絡網と捜索出動のおかげで無事確保された前科3犯。

 そんな手の認知症 (4)かかる認知症患者がいま全国に500万人近くもいて、9年後の2025年には700万人に、つまり65歳以上の5人に1人にまで急増すると(日本経済新聞3月2日)。
 その需要を見込んだデイサービスやグループホームなどが急成長しています。

 ただカラスヒコは、認知症のケアビジネスがこの国の成長に寄与するというビジョンは非常にうさんくさいと感じています。
 ニーズが増えてカネが動くのは事実かもしれませんが、その収益が介護現場の担い手には十分に還元されず再投資されるからです。資本サイドだけでカネが回り、成長の果実が従業員にはしたたり落ちてこない。

 利用者の側も大変です。親が認知症になると、子はある日突然、無給・無休の強制労働に駆り出されるようなもの。子は壊れた親を自分で世話するか、世話を施設にアウトソーシングしてその費用を捻出するかの二者択一を迫られます。

 自分で世話する場合は仕事の大半を放り出さねばならず、施設に入れても費用ばかりかかって病状はむしろ悪化するらしい。施設で働く人たちも含めて誰も幸せになれないシステムです。介護殺人や心中がしばしば起こるのも無理はないと思います。

 認知症パンデミック社会。これって、一種の戦争状態だと思いませんか。前線で人がばたばた倒れ、銃後では皆が挺身労働で疲弊し、いずれ国家経済の破綻も明らかなのにニュースでは新薬開発や見守り運動で乗り切れます、みたいな大本営発表がまかり通る。71年前とよく似ています。

 いま親が健常な人でも、いつ「赤紙」が来るのか分からないびくびく状態のはずです。5人に1人の確率とはいえ、夫婦なら親が4人いますから8割は当たる。そう考えれば、いま必要なのは原因究明でしょう。なぜ皆が発症するのか。発症しない人はどこが違うのかです。

■アルツ母 vs 野良ネコ
 さて、母カラスの徘徊癖は、息子が毎日付き添う「お散歩=管理徘徊」がガス抜き効果を発揮したのか、最近ではだいぶ収まってきました。「行かねば」という強迫観念が弱まり、日々まったり気分で過ごしているように見えます。

 ところネコ (4)が、ベランダを通りかかる野良ネコを見掛けると突然逆上することがあります。ネコは何も悪さをしていないのだから、かわいがってあげなさいと言っても、「私を見ていたから」と見る見る不安定化します。
 ネコの視線に自分への蔑視を感じるのかそれまでのまったり婆さんが豹変し、まるで大魔神のように怒る。

 「しっ、しっ」と言っても効かないと窓ガラスをがんがんたたき、それでもネコが逃げないと、窓を開けて物をぶつけようとします。もう立派なブチ切れ老人。明らかに加齢によるボケ、つまり記憶の劣化~意欲の減退などとは質が違うのが分かります。

 これは、自閉症っぽいとカラスヒコは思います。自身の情けなさに正面から向き合えず、自分よりも弱い者を見つけて当たり散らすような。駅員やコンビニ店員に「俺さまは客だぞ」と食ってかかる老人や、子供のいじめ、ネトウヨのヘイト行為にも似たキレ方をするからです。

 結論を急げば、おそらく認知症は、加齢が原因の病気ではないはずです。若者や子供も含めて増えてきた自閉症やうつ、すなわち社交力や想像力を欠き、他者に配慮しながら自分に快適な居場所を確保することができない発達障害の一部。それがたまたま老人の場合だけを認知症と呼んでいるのではないのか。

 カラスヒコは母と同世代の老人をたくさん知っていますが、頭と体がシャキッとしている人は皆、独居になってからも自炊をしている。だからスーパーでよく会うのです。
 彼らの話を聞くと、ほぼ一様に調理済み総菜や冷凍食品を避けているのが分かります。面倒だ大変だとぶーたれながらも毎日昔風の調理プロセスをこなしている。

 これは個人的なヒアリングですからデータ的裏付けはありません。でも、彼らの食モデルのほうが正しい気がします。栄養素や添加物の知識などなく、単に昔からの食習慣を続けているだけなのですが、そういう人が5人のうちの4人もいる。先のデータをそう解釈すれば勇気も湧いてきます。

 もっとも、老人は暇で私たちは忙しい。そこを調理にかける手間の工夫で乗り切りましょう。趣味はあくまで散歩やジョギングです、徘徊ではなく。

 ではまた。

ポジティブ「家飲み」の研究

 小松菜おひたし切干大根の梅酢漬け煮干し即蒸し大豆です。家飲みならではのクリーンな常備菜で一杯。単身赴任者は、毎晩の居酒屋通いが唯一無上の喜びだとしても、こんな質素な家飲みをメインにしないと10年先は闇かもです。

■ポジティブ晩酌
 カさかなラスヒコも安い居酒屋は大好きですから悪口を言う気はありません。でも、昨今の激安系チェーンはひど過ぎます。
 冷凍ギョーザをチンして出すのは当たり前。フェイク食品、例えばマグロ中落ちと称してラードにまみれた何の魚か分からないものを出されたりしますから。

 ひと口食べると確かにまずい。しかし、飲んでいるうちにだんだん味はどうでもよくなり、ほろ酔い気分に包まれて、よーし、明日も頑張るぞ!なんて思いつつ沈没。
 ストレス解消とモチベーション維持にはいいとしても、これを続けると数年で体がイカれます。

 格の高い飲み屋に行ける経済状態の人はいいのです。刺し身のしょうゆはタンパク加水分解物など使っていない本物しょうゆで、ワサビもチューブ入りでない本ワサビのおろしたて、または粉末の練りたてが出てくるような。

 そういう飲み屋なら、酒を飲み過ぎて肝臓を壊さぬよう注意すれば毎晩行っても大丈夫です。でも、そうもいかないプアー・ワーカーは、カラスヒコもそうですが「外飲み」を週一、二回に抑え、あとは家飲みに切り替えるのが身のため。 

 いえいえ、貧乏だから我慢するというネガティブ思考ではありません。上のようなクリーンな自製常備菜をつまみながら、将来の健康に積極投資する考え方。ポジティブ晩酌で、明日も頑張ろう!とやるわけです。

 「ポジ酌」を特にお薦めしたいのは、仕事で毎晩帰宅が遅く、寝るまでの時間が短い人。ポジ酌で酒を1~2杯なめてさっさと寝てしまい、早起きして朝食をしっかり食べるパターンに持っていく。「一日2.5食」派への切り替えです。

 したたかに酔いしれたい気持ちはよく分かりますが、それを毎晩やるとアウト。思い切り飲むのは気の置けない大切な仲間との会食や、一人でも、仕事の重要案件が一段落したロンリー打ち上げ会みたいな日に限定しましょう。

 そのへんのセルフコントロールができなくなると、すでに「依存症」に片足を突っ込んだと思わないと。カラスヒコにも覚えがありますが、頭の中でアラームが鳴っていても、胃が痛いとか胸が苦しいとかの自覚症状が出ないうちは、「まだ大丈夫」という声に負けてしまいがち。

■体重と血圧をチェック
 しかし、自覚症状がなくても体重と血圧の変化に注意していれば、体調の悪化は事前予測が可能なのです。
 体重は、標準体重値の±2㌔くらいまでは誤差の範囲だとしても、5㌔もぶれると明らかに異常アラーム。自分自身は絶好調だと感じていてもです。

 スポーツジムなどで時々体重を計れる人以外は、自分専用の体重計を買って週2回くらいは乗るべきです。体脂肪率まで分かるハイテク・デジタル計はいりません。ディスカウントの1000円くらいのバネ式で十分。

 太った場合は食事を、栄養バランスを崩さぬよう注意しながら量を減らします。そして心肺運動の強化。例えばジョギングを、それができない人はインドアで踏み台昇降の時間を延ばせば余分な蓄積脂肪はすぐに落ちます。

 逆に、やせた場合は少々面倒。摂った栄養素をうまく吸収できない何らかの不具合があるわけです。メンタル系の原因かも。自分で思い当たる節がない場合は検査して手を打つべきです。

 一方、血圧は、細かいことは抜きにして収縮期血圧(いわゆる上の値)が130mmHg未満なら問題なし。最近は「147mmHgまでは正常」という説も一部にあって混乱を招いていますが、これは意味が違うとカラスヒコは思います。

 130を超えたら即「高血圧だ、大変だ」と言って降圧剤に走るのは違うでしょうという話。高血圧は病気ではなく生活習慣の結果ですから、薬物でウイルスをたたくような「治療」よりも、食べ方や運動の仕方を変えましょうと。

 極端に高い場合には「強制降圧」が必要だとしても、140台ならまだ軽症。血管内壁にこれ以上コレステロールなどが付着しないように注意して食べ、体をよく動かして血流を活性化してやれば十分に普通の暮らしができますよという意味でしょう。

 カラスヒコが自分の失敗から、特に注意を呼び掛けたいのは20代の健康な男女の皆さんです。悪食によってコレステロールや中性脂肪が着々と蓄積中であっても、20代のうちは自覚症状が出ないのが普通。
 だからといって、「俺は特別だ」などと強気でいると30歳を越えた途端に、あるいは遅くてもアラフォーあたりでガツン!と来ます。体重と血圧のチェックは大事。

 上の写真は晩酌のつまみですが、実はこれに豆ごはんとみそ汁を添えれば立派な朝食モデルになります。煮干し=焼き魚、大豆=納豆と考えれば栄養的にも十分合格なメニュー。時間のない人こそ、自炊食のイメージを大胆に刷新すべきです。

 ではまた。

ショウガでハッピーエンドに

 ショウガの梅酢漬けです。生ショウガを細切りにして塩を満遍なく振って10分間放置。出てきた水をぎゅっと搾り、容器に詰めて梅酢をかけました。これは飽きない。毎日豆ごはんに載せていただく「サムごは常備菜」の年間定番です。

■血色が良くなる
 シショウガ (2)ョウガとニンニクは自然健康食材の両横綱だとカラスヒコは思っています。体温を上げて老廃物を燃やし、血流をよくして体の末端まで活性化させる。
 それは専門家に教わるまでもなく、ショウガやニンニクを食べたとき私たちはリアルな充足感を覚えます。

 肉や魚や野菜の調理に使えば味と香りがよくなり、食欲が進みます。そうやってショウガとニンニクを食べ続けると私たちの体調は改善し、それは血色の良さとして他人から見ても分かるほど。健康目的で自炊をやるなら、これを取り入れない手はありません。

 ただし、その前提条件はやはりコメ主食体制なのです。パン食ではショウガやニンニクをコンスタントに組み込むのが難しい。すりおろしてスープに入れる手がありますが手間が超大変。
 かといって、パウダーや顆粒製品で代用すると単なる調味料になってしまい、栄養的メリットは期待できなくなります。

 ショウガの梅酢漬けのレシピはこちらをご参照ください。このときにはショウガを薄切りで使いましたが、今回はさらに梅漬け細切りにしました。味は同じです。
 上の写真はきれいなピンク色に上がっていますが、それは色の薄い梅酢に加えて、左写真の梅漬けの真っ赤な漬け汁を混ぜたからです。シソの色と香りが出て、なまらウメー。

 一方のニンニクは、単純に串焼きやホイル焼きにして食べるとうまくて栄養満点なのですが、においがキツくてはた迷惑。カラスヒコは独居老人になったらやろうと思って今からわくわくしています。

 当面、はた迷惑にならずにニンニクを生でたっぷり取る食べ方はピクレ漬けでしょう。ここに詳細を書きましたが、生ニンニクと生ショウガを細切りにして混ぜ込んだ白菜メインの自製漬け物です。白菜がおいしい冬場の定番総菜としてお薦めの加工ワザ。

 これを食べつけると、化学調味料たっぷりの漬け物を買うのが心底アホらしくなってきます。自分の舌を天然の味覚に合わせて「調教」し、合成物質に対するセンシング能力を高めることで健康リスクの大半は避けられるとカラスヒコは考えています。

■「デジタル食品」を避ける
 さて、そうやって「悪いものを体に入れない」が「サムライごはん」のコア・テーマなのですが、シャットアウトは到底できないのも残念ながら事実です。どんなに注意をしても防ぎ切れないほど現代の食環境が悪化しているからです。
 
 最近、面白いというか、恐ろしい本を読みました。『デジタル食品の恐怖』(高橋五郎著/新潮新書2016年)。
デジタル食品 (2)
 この本では、食品を独自の4カテゴリーに分類しています。➊自然の農水産物(未加工) ➋プライマリー食品(低加工) ➌モジュール食品(高加工) ➍デジタル食品(完成加工)。
 左の表を無断転載させていただきました(同書18ページ)。これをよく見れば分かるように、加工度が上がるのが単純に悪いという話ではなさそう。

 加工度が上がることで、確かに原材料や産地が見えなくなり、値段が下がり、添加物が増える。それは私たちもよく知っているのですが、同時に重金属汚染が高まる点もこの本では鋭く指摘しています。

 添加物の被害より、そっちのほうが一層危ないのかもしれません。残留農薬成分として有名なカドミウムと水銀、それにヒ素、鉛、六価クロムを加えた5つの重金属がとりわけ健康の脅威であると。

 農地や海川が重金属で汚染されると農作物や水産物にも吸収・蓄積されますから➊でも十分に危険なわけです。それが特に➌➍では十数種類もの材料がミックスされることにより、例えば➊ではカドミウムだけで済んでいたダメージが、知らぬ間に複数の重金属や抗生物質などまでセットで摂らされてしまう。

 しかも著者は、重金属などは食品の「原材料名」として表示されることもなく、安全基準値もないか、あっても大ざっぱで現実的な警鐘にはなっていないと危惧しているわけです。ああ、これは結構大変だ。

 当然、私たちが愛食するコメや大豆、煮干しや切干大根など➊➋食品にも重金属などの汚染が進んでいる可能性があるのでしょう。けれども、カラスヒコはビビッてもしようがないと思いました。放射線や電磁波や、アスベストや遺伝子組み換え食品と同じ環境問題だからです。

 つまり、社会のニーズでそれらがまん延し、個人レベルでは到底ブロックし切れない事実をまず認めるしかありません。その上で防げるもの、例えば砂糖や人工甘味料、添加物や精製油脂などを抑える。シャットアウトできなくても最少失点を狙うのです。
 先の表でいえば➊➋はほぼ問題なし。➌は「原材料名」をよく見て厳しく選別し、➍を締め出す。

 重金属対策としては、この本では最後のほうで体の排せつ力を高ることを勧めています。大根や発酵食品を食べ続けることで重金属の体内での「滞在時間」を減らし、最終的な残留度を下げる可能性に賭けること。

 数値的な裏付けこそ示されないものの、私たちの既知感・体験則には沿っていますから、カラスヒコ的にはこれで行こうと思います。そしてショウガやニンニクでワイルドな血流をキープすればハッピーエンドに、すなわちピンコロ・フィニッシュに持ち込めるでしょう、きっと!

 ではまた。

生ジュース+切り盛り軽食

 忙しい朝は面倒な調理は省略。搾りたて生ジュースと切って盛るだけのキリモリ軽食でいきます。栄養はきっちり摂りかつ無添加。売っている「即食」キットとは一線を画した、やや糖質制限寄りのクリーンな朝ご飯。

■「理論派」も危ない
 左朝食 (103)上は石原結實式ジュース。ニンジン・リンゴ・レモン各一個の搾りたてをいただきます。ダイエットに取り組む人なら、この一杯だけで朝食を終わらせてもいいと思います。
 ジューサーのない人は無添加トマトジュース or 野菜ジュースで代用するのもOK。

 手前はプレーンヨーグルト+ブルーベリー、そしてバナナ、チーズ、ドライプルーンです。冷蔵庫から出して切って盛るだけですから3分で出来上がり。ヨーグルトやチーズに無添加品を選んでおけば毎朝、手抜きでもクリーンな食事が取れます。

 ブルーベリーは「目に効く」とよく言われますが、そういう「効能」を期待して薬を飲む感覚で食べるのはよろしくないとカラスヒコは思います。
 鮮度が良くて砂糖や添加物フリーの果物を、イチゴでも干しブドウでもローテーションで食べ続けるのがいいわけです。常備デザートの「蒸しリンゴ」も、ヨーグルトのトッピングには超お薦めアイテム。

 さて、バナナやプルーンは糖質食品とはいえ、白米や白パンとは違って精製していない糖ですから食後に血糖値が急上昇する心配はありません。だから、仕事がキツくて、バナナなどではエネルギー不足と感じる人は未精製穀物を追加しましょう。オートミールやミューズリーに牛乳をかけるとか。

 一人暮らしの学生やシングルワーカーが「健康不安」に襲われるのは当然だと思います。中高年世代には病人があふれていますし、メディアは健康食品のCMだらけ。これを食べないと病気になるぞと日々脅迫されているようなものですから。

 そのリアクションには二つのトレンドがあるようです。一つは、健康不安に目をつぶる生き方。「自分は健康だから大丈夫」と自己暗示をかけ、好きなもの、簡単で楽なものをどんどん食べる享楽的なスタンス。
 もう一つは「食事で健康を守るのは無理」と考え、トクホ、サプリなど健康食品を勉強してがんがん取り入れる理論派。でも、どっちも問題ありだと思います。

 享楽派は昔のカラスヒコと同じで、30歳を過ぎたあたりで一気にガタが来る恐れがあります。肥満して血圧が上がり、メンタル面でも喜怒哀楽のブレが大きくキレやすいキャラになる。冷静な判断力が擦り切れてくるのです。

 一方、最近増えている理論派は、良いパーツを集めれば良い製品ができるはずみたいな、製造業の品質管理的思考で食べていきます。しかし、栄養成分バランスを数値計算でコントロールするのは極めて困難。
 また添加物が、一成分ごとには安全性が証明されているとしても、複合的に長期間摂取したときのダメージは全く不明という事情もありますから。

 安全策はやはり、添加物など合成物質が食品に混じっていなかった頃、今から50~60年前の食事に戻して様子を見ることです。高度成長が始まる前後。あの頃の高齢者は、普通に呆けてはいても狂暴なうつや認知症はほぼ皆無、糖尿病患者も富裕層の一部だけでしたから。

■ジューサー&グレフル搾り器
 さて、ジューサー生ジュースに戻ります。ペットボトルや紙パックで多彩なジュースが安く買える今、わざわざ高いジューサーを買って自分で搾る必要がなぜあるのかという話です。

 カラスヒコが使っているのはパナソニックのジューサー。写真の機種の古い型です。ミキサー付でないジューサー単体モデルで今は1万円少々。通販や大手家電量販店なら1万円を切る価格もあるようです。

 1万円の出費は重すぎると感じる人もいると思いますが、例えば5年使えば1カ月当たりの使用料は167円。結構いいコスパフォです。
 ただし材料のニンジン、リンゴ、レモンが安くない。品種や季節により変動しますが、だいたい1個ずつ買うと300~400円。毎朝飲むなら材料費のほうがズシッとこたえそう。

 でも例えば、レモンは1個を使いますが、ニンジンとリンゴは半分ずつ搾る手もあります。切り口をラッピングして冷蔵すれば傷みはほぼなし。あるいは一日置きに飲むのもありです。何年も続けて飲むわけですから隔日でも効果は確実、なんちゃって。

 朝の生ジュース習慣を確立すれば、下手な健康食品や生命保険商品にカネをつぎ込むよりはずっと安上がりだとカラスヒコは考えています。

 健康食品の場合はピンからキリまであって効果がいまいち不明。逆に健康被害が出ることもあります。保険も掛け捨て部分が非常に多い。それに対して朝のジューサー習慣は自分の中に健康という財産をリアルに積み上げていく行為です。

 年齢を重ねて同い年の人たちが動脈硬化や高血圧を抱えて薬漬けになっていく中で自分だけが変わらずにいられる。少なくとも衰え方が緩くて済むわけです。その差、いわゆる健康格差は年を取るにしたがってどんどん広がっていきます。

 さて、生ジグレープフルーツュース習慣はジューサーを買わなくても、例えばグレープフルーツ搾り器でもいけます。写真はレーベン販売(横浜市)の「ののじグレフル種取物語 竹姫」で、1728円もしますが、これは優れもの。真ん中の穴に苦い味のする芯部分と種がすっぽり入ってジュースだけが下に落ちる構造です。

 本体はグラスファイバー入りのポリプロピレン樹脂製で丈夫で清潔。底面にはシリコンゴムが付いているので調理台やテーブルの上で滑らず、両手に体重をかけて楽にしっかり搾れます。

 ドームの一部が切り取られて数本の突起が生えていますが、これはグレープフルーツの内袋を破いて搾りやすくする仕掛け。まさに使いやすさを追求した製品ですから値段が高くても大いに納得してしまいます。

 グレープフルーツを愛飲する場合の注意点は、皮表面に塗られているポストハーヴェスト防カビ剤。OPP、TBZ、イマザリルなどが超有名です。搾った後は指や手のひらに付いてしまうので必ず石鹸でよく洗い流しましょう。

 ではまた。

とらや vs 100円羊羹

 羊羹(ようかん)には高級ブランド「とらや」からコンビニの100円羊羹までピンキリ。高級品がお遣い物として喜ばれるのは単に値が張るからだけなのか。安いアイテムは体に悪いのか。考えつつ食べていると「羊羹リテラシー」みたいなものが見えてきます。

■羊羹はご褒美アイコン
 と羊かんらや「夜の梅」(660㌘)は1本の値段が3000円以上します。3000円で計算すれば100㌘当たり455円。
 これに対してスーパーやコンビニで年寄向けによく売っている1回食べ切りサイズの安い羊羹は、例えば某社製150㌘で100円程度ですから、100㌘当たりでは67円。約6.8倍もの開きがあります。この違いって何?

 答は、実はストレートには出てきません。イメージ的には「安い羊羹は添加物だらけ」と考えがちですが、それははっきり違うからです。

 「原材料名」を見ると、とらやは砂糖、小豆、寒天のみ。一方の100円羊羹では砂糖、生飴、水飴、小豆、寒天、還元水飴、食塩、甘味料(ソルビトール)となっています。この中で、水飴も還元水飴も立派な「食品」ですし、食塩は砂糖の甘みを引き立てる目的で使われており、特に問題はありません。

 唯一引っ掛かるのは添加物のソルビトール(ソルビットとも呼ばれます)だけ。ただ、ソルビトールは毒性がほとんどない添加物で、体に害を及ぼすほど摂るのは日常生活では不可能といわれる物質です。ではいったい6.8倍の開きは何なのか?

 結論を急げば、たぶん主原料である砂糖・小豆・寒天の品質の違いのほかに、ブランド演出のためのパッケージコストや広告宣伝費、品質管理や百貨店売場演出などに携わるスタッフの人件費・諸経費であるはず。私たち消費者はそこにグラム当たり6.8倍ものお金を払っているわけです。

 さて、それは無駄なのでしょうかという問題。味は確かに「とらや」のほうがずっといい。舌が肥えていなくても分かる歴然たる違いです。
 では、100円系がまずいのか。そうとも言えません。食べつけていれば100円系でも十分にうまい羊羹でカラスヒコも結構好き。6.8倍の説明にはならないのです。

 問題のキモは羊羹の「希少性」にあるとカラスヒコは思います。疲れたとき極甘の羊羹で心と体が癒やされる。頑張った人に「おめでとう」や「ありがとう」の言葉を添えて羊羹を贈る。羊羹は慰労や感謝を表すアイコンなのです。

 だから、安過ぎてはいけない。安いからと毎日自分を癒やしたり、人を慰労しまくっていては頑張る暇がなくなり、日々心地よくだらーんとした人生になってしまいます。これ、アル中と基本的におんなじ、つまりサトチューな人々。

■羊羹リテラシーのキモ
 羊羹に限らず、砂糖を使った甘い菓子は昔は貴重品でした。殿様や大金持ちしか食べられない。庶民は祝いの席で饅頭(まんじゅう)の「施し」をありがたく頂くみたいな。それがやがて奴隷労働で砂糖が安くなり、最近では技術の進歩も加わって誰もが毎日食べられるようになっただけです。

 羊羹には体に悪い成分はほとんど使われていないのですが、安いからと頻繁に食べてしまうのがいけません。精製砂糖を摂り過ぎると太り、高血圧や糖尿病に陥るリスクが高まるだけ。それは、とらやの羊羹でも同じはずですが、高いのでめったに食べられないからいいわけです。ここ、最重要ポイント。

 安いスイーツが出回るのは技術開発や流通改革、そしてグローバル経済のおかげです。私たちは仕事で生産や流通のコストダウンに奮闘努力し、それは消費者ニーズにも沿った正しい行為ではありますが、同時に砂糖の大量消費をあおるなど社会に病気の原因をばらまいてもいるわけです。

 そうはいっても普通の会社では、わが社のユーザーの健康のために甘さを抑えましょうとか、値上げをしましょうという社内からの提案は通りませんし、社外取締役もそんなことは絶対に言いません。

 企業は、もしも何らかの原因で社会に病気の人が増えているのなら製薬会社や治療施設へも出資して、そちらからも利益を得ようとします。これは全く合法かつ健全な経済活動。病人マーケットこそ戦略的成長分野、と口に出しては言わないだけです。

 ならば、私たち消費者はセルフガードを効かせるしかありません。仕事では一生懸命に売るけれども自分だけはあまり食べない。それってユーザーへの裏切り? 冷徹なようですが、それが「スイーツ・リテラシー」だと思います。

 甘羊かん (3)いものが好きでも、安くて簡単に買えてもあまり買わずに我慢して、例えば「羊羹はとらやしか食べません」と決める。いえ、カラスヒコはべつに、とらやの宣伝工作員ではありません。かなりのファンではありますが。

 これはカラスヒコの地元むかわ町の「むかわ羊羹」。成分は砂糖、小豆、水飴、寒天。100㌘単価は264円。
 下の写真は井村屋「スポーツようかん」。ICI石井スポーツなどアウトドア系の大きなお店で売っている塩分などミネラルも強化したアイテムで100㌘180円。これらミ羊かん (2)ドルクラスの羊羹もなかなか健全かつお買い得な製品なのが分かります。

 とはいえ、スイーツ習慣をセルフコントロールできないとマジヤバです。30歳すぎまで毎日スイーツ・エクスタシーに浸り、今より23㌔も重かったカラスヒコが言うのですから間違いありません。甘味は高めのものをたまに少量、けじめのご褒美としていただくのが一番!

 ではまた。

『シン・ゴジラ』 vs 日本型組織

 『シン・ゴジラ』はすごかった。役者に芝居をさせていない。物語に必要な情報を早口の棒読みで「圧縮送信」させている感じ。これはセリフというよりデータ流。役者たちは良い意味でアイコン化しているように見えます。全く新しい映画表現。素晴らしい!

■本物の能力主義社会だ
シン・ゴジラ (4) リアリティーなど関係ない。この映画はそう言いたいのだと思います。役者たちが個性的で味わい深い演技を見せるドラマっぽい体裁などに構っちゃいられない。今まさに滅びゆく国と、そこで懸命に働く人々の思いを凝縮したら自然にこうなりましたと。興奮します。

 東京湾に突如現れた謎の巨大生物。政府や都庁は情報不足で敵の正体も分からぬまま、避難誘導など矢継ぎ早の対応を迫られ右往左往。市街地で自衛隊に攻撃させていいかの判断もできぬまま被害が拡大していきます。

 カラスヒコが注目したのは、内閣官房副長官の矢口(長谷川博己)をトップとする「巨災対(巨大生物災害対策本部)」が案外すんなりと立ち上がる展開です。

 彼は、アクアラインの海底トンネル崩壊などわずかの情報から未知の巨大生物の存在を確信して意見具申しますが、最初はたたかれます。場の空気を読めみたいな雰囲気で。

 けれども、事態が矢口の読み通りに進み始めると、「おまえに任せる」「好きにやれ」と肩をたたかれ対策本部のトップに祭り上げられます。与党の政調副会長(松尾諭)も「首を斜めに振らん連中を集めて渡すよ」と総力バックアップを約束。

 この素早い立ち上がりは日本らしからぬドラマ展開、と言いますか、むしろ国の意思決定とは本来こうあるべきでしょうとこの映画が主張しているのだと思います。実際には偉い人たちが皆及び腰で、責任逃れのために若い生意気なやつにヤバい仕事を押っ付けているだけだとしてもです。

 しかも、この映画では総理大臣(大杉漣)自身が空気を読まないフリーな発言を推奨しています。
 「上陸はあり得ない、自重でつぶれる」、そんな楽観論が支配する会議の中で、「お言葉ですが、すでに足で自重を支えているように見えます」とぴしゃりと言い切り、上陸を予測する環境省の若手官僚・尾頭(市川実日子)の青白くマニアックな無表情がいい。

 彼女はあとで、「この生物のエネルギー源は核分裂」と見抜きます。それを笑った別のメンバーはのちに、「尾頭さんが正しかった。ごめん」と素直にわびます。対等でストレートなブレーンストーミング。巨災対は各省庁や民間研究機関の異端児、はみ出し者、嫌われ者をかき集めたチームだからそれができたようです。

 そう。この映画は「本来の能力主義社会」を描いて見せている。実際、国が総力を挙げるというのはこういうこと。つまり年齢性別や社会的地位や、協調性やコミュニケ能力などには関係なく、真の実力を持つ者を見抜いて集め、「好きにやらせる」ことだと主張している。

 裏を返せば『シン・ゴジラ』は、私たちを取り巻くリアルな国や自治体や企業、学校などあらゆる組織体が硬直して脆弱だと言っている。事実に基づいた判断ができない、できても遅い。
 この巨災対のように素早く大胆な権限委譲を行わなければ未知の脅威への対処などできるわけがないでしょうと。

 怪獣は迫りくる高齢化社会の脅威であり、労働環境のブラック化や各種依存症の急増で崩壊しつつあるこの国の病理も含めたダークな近未来そのもの。
 今のヤワな日本型組織では太刀打ちできないでしょうみたいな絶望感がひしひし。もう娯楽映画を超えて「マジ・ホラー」です。ああ、やはり激しくエヴァ的な。

■マイ「巨災対」を作れ
 さて、もう一つカラスヒコが注目したい点は、今回のゴジラが持つ遺伝子情報は人間の8倍もあり、一個体だけで進化する生命体だという筋書。これはゴジラをAIに見立てているのだと思います。
 「無生殖の増殖」という言葉が出てくるように、生物よりずっと早く、必要に応じて進化・変態できるAIはそれに当てはまりそう。

 AIなら、人類がうまく使えないエネルギーすなわち放射性廃棄物を食べ、地球が放射能や電磁波にまみれても情報=文明を継承・発展させていける。
 人類は資本主義経済をうまく運営できずに格差を広げ、そうした人間同士の内紛を克服できぬまま、外からは機械系生命体による掃討を受けているの図、だと思います。

 戦争や格差拡大による搾取や虐待は人類の共食い状態です。歴史上に何度もあったことから分かるように、人類は結局そこを乗り越えて次の高みへは昇れない種族。
 ならば、そろそろこの惑星の支配者の地位を降りるべき潮時、みたいな認識がこの映画の背後にはありそうです。

 ラスト近くに、「人類はもはやゴジラと共存していくしかない」というセリフが出てきますが、これはやや甘い認識かもしれません。実際には、『ターミネーター』の1作目の冒頭シーンのように、機械系から逃げ回ってこそこそと生き延びるのがやっとという状態になるのでは。

 映画のラストでは矢口たち巨災対チームが頑張ってゴジラを倒しますが、それはいっときの勝利にすぎないとカラスヒコには見えました。私たちの社会には、これからいろんなゴジラが次々に現れて人を踏みつぶし社会を汚染・破壊していくはずです。失業、貧困、不健康、天変地異、戦争、パンデミック・・・・。

 それを迎え撃つのは、前述のように楽観的で硬直した判断の遅い組織体ですから、あまり頼りにしないほうが賢明でしょう。そうなると、私たちに残された選択肢はたぶん一つ、個々にセルフの「巨災対」を作ること。

 すなわち同じ危機感を共有する少人数の、上下関係がなく自分の頭で考えたことを自由に言い合えるリアルな、あるいはバーチャルな関係を結んでゴジラの群れから賢く逃げ回ることです。踏まれないためのノウハウを磨き合いつつ。

 それにしても、この映画は全くすご過ぎる。ゴジラ・シリーズ最高傑作であるのはもちろん、現代政治社会学テキストとしても第一級だと思います。あと10回くらいは見なければ!

 ではまた。

※『シン・ゴジラ』 2016年/日本/カラー/119分/庵野秀明総監督
※『ターミネーター』 The Terminator/1984年/米英合作/カラー/108分/ジェイムズ・キャメロン監督

「即蒸し大豆」はレトロ食感

 大豆を水で戻さず、いきなり蒸せばスゴうまです。まるで昔の食べ物のように素朴かつ濃厚な味。そして確かな噛み応えがあるのです。気に入った。これが健全なスナックだと思う。小腹埋めにもなり、忙しい朝の代用主食にも向いていそう。

■凝縮された豆くささ
 カラスヒコの大豆の食べ方が「進化」してきました。最初はオーソドックスな「煮大豆」でした。大豆を一晩水に浸してうるけたら煮る。やわらかくなったら火を止めてザルで煮汁を切り、冷まして小分けして冷蔵保管。これでも十分にうまいのです。

 もっとおいしいのが「蒸し大豆」。煮大豆と同様に一晩水に浸してからザルに取り、下から湯気で1時間ほど蒸しました。詳しくはここの後半をご参照。煮るより蒸す方が、過熱時間はかかるけれども味は確実によくなるのが分かって感動しました。

 そして大豆今回の「即蒸し」です。水に浸さない。買ってきた大豆をざっと水洗いした後、硬いままザルにセットしていきなり蒸します。蒸し時間はやはり1時間ほど。
 ご覧のように、蒸した後も大豆が膨らみません。買ってきたときとほぼ同じサイズで、よく見ると皮に若干のシワが寄った程度。

 これ、ほんとに食えるの?みたいな見掛けなのですが、食べて驚き。確かに硬い。でも、生のコチコチ豆と違ってじわっと噛める硬さです。しかも味が深い。
 20~30回噛んですりつぶしていく間に、なんとも豆くさい味が口の中に広がります。あ、これ、昔の食べ物だと直感します。

 昔の人が実際にこれを食べていたかどうかカラスヒコは知りませんが、こうした硬めでややクセのある素朴な味に懐かしさを覚えます。このベーシックなうまさは、大豆の成分が丸ごと残っているからなのでしょう。

 私たちは大豆を体に「豆ごはん」で安定供給しつつ、「即蒸し」を常備スナック的なおやつ、あるいはビールのつまみや代用主食として、煮干しと一緒にむしゃむしゃ食べるようなレトロ&チープなスタイルでいくのがベストじゃないかと思いました。 

 この即蒸し大豆のアイデアを教えてくれた「掟さん」に感謝です。4回前の記事(栄養バランスで「退化」を防げ)にコメントしてくれました。掟さんの20代の娘さんは水戻しせずに蒸してくれとリクエストするのだと。歯や顎が衰えて「口溶け嗜好」派が主流の若い人の中でなかなか頼もしい!

■大豆で脱・呆けモンGO
 さて、左写真は最近朝食 (102)作った朝食の一例です。ご飯を炊けなかった日に、炭水化物をバナナと作り置きの蒸しカボチャで摂る即食モデル。
 ゆで卵も作り置きですから、調理としては玉ネギを刻み「みそマヨーグルト」を作ってかけるだけで一食の出来上がりです。

 中央は黒豆甘煮の缶詰ですが、これを自製の「即蒸し大豆」に差し替えると俄然、充実した食事になる気がします。タンパクもしっかり摂れ、生玉ネギ、蒸しリンゴも含めてほぼ無添加なラインアップだからです。

 正統派の料理マニアからは、こんなもの遠足のおやつかい、みたいに言われそうですが、それは「健食」のイメージの違い。
 私たちは手間をかけておいしく見栄えのいいものを作り込むより、手間を省きつつ合成物質を避けたい。ディフェンスに徹する食べ方を模索していきましょう。

 個人の趣味や味覚嗜好の違いで片付けていい問題ではないはずです。例えば今、ポケモンGOをやりながら道で転んだり、駅のホームから落ちたり、人にぶつかっていちゃもんを付けられたりするユーザーの話題がニュースで多数流れていますが、あれは相当にヤバい退化現象だと思います。

 身に迫る危険を察知できないのは生存本能の衰弱そのもの。一度痛い目に遭っても懲りずに同じ行動を繰り返す子は、経験から学ぶ力も失っているわけですから、かわいそうだけれど、もう救えないでしょう。頭が退化しているという意味でうちのアルツ母と同様に回復の見込みなしです。

 ポケモンGOにハマる若い人に限らず、退化は全世代で同時加速しているように見えます。3・11のときには、認知症ではないのに、「警報は聞いたけど津波が来るとは思わなかった」と言う人がたくさんいました。
 私たちは、ラジオや防災無線や、パソコンやスマホで情報を素早く大量に集められるようになりましたが、集めた情報を分析して自分の生存確率を高める判断力が衰えているようなのです。

 まさに『依存症ビジネス』という本が指摘している通り、スマホは麻薬と変わらないのでしょう。食事もそう。健食情報がこれだけ世にあふれていても、悪食を続けるとヤバいかもという想像力が働かない人が増えている。
 やはり大豆の食べ方などを日夜研究して「呆けモンGO」から逃げおおせる判断力を磨くのが一番!

 ではまた。

『インデペンデンス・デイ リサージェンス』のブチ切れ宇宙人

 『インデペンデンス・デイ リサージェンス』には、コレステロールみたいに善玉と悪玉のエイリアンが出てきます。悪玉を打ち負かした地球人類は善玉種族に認められ、銀河善玉連合会のリーダー格に抜擢されるというお話。なんか軽いなあ。

■むかつきエイリアンの逆襲
 侵インデペンデンス・デイ略戦争をやる理由は、それに伴うリスクやコストを補って余りある利益があるからです。だから、エイリアンが地球に植民するために、あるいは水や植物や鉱物など地球の資源を奪うために先住民が邪魔だから抹殺するという話なら、まっとうな動機として理解できます。

 最近の映画では『フィフス・ウェイブ』がそうでした。地球の環境破壊を最小限度に抑えて人類だけを消し去るために、侵略者(The Others)はⅠからⅤまでの各フェイズを計画的に実行してきた。
 あれは少年少女向きの映画だけれども侵略の動機や手順が理にかなっており、とても教育フィフス・ウェイブ (2)的ないい映画でした。侵略戦争の本質を学べるからです。

 『スカイライン征服』はもっと分かりやすい例。あのエイリアンはたぶん人類を食料にするのが目的でした。「集魚灯」で寄せ集めたヒトを一網打尽。
 人類が魚にやっている行為をスライドさせる表現でリアルな食物連鎖を見せてくれた、かなり粗雑とはいえ結構ためになる映画でした。

 そスカイライン征服れらに比べると、この映画のエイリアンは発想が非常にシンプルと言いますか、低いのです。20年前にコンピュータ・ウイルスでやられたことを根に持ち、今回は地球そのものをぶっ壊したるぞと、まるでうつ系のブチ切れ老人のようなノリで襲ってきます。

 直径1.6㌔㍍のプラズマドリルで地殻を掘り抜き、地球のコアを破壊するのが狙い。地球が欲しいわけではなく粉々の宇宙ゴミに変え、人類を皆殺しにして溜飲を下げるのが目的らしい。むかついたからスカッとしたくてやりました、みたいな身勝手で病的な動機。

 ちょっと映画を離れてリアルな世界を考えてみると、こんな無益な侵略行動はあり得ないのが分かります。ブッシュJr.政権のアフガンやイラクへの侵攻は一見、9・11テロへの感情的なリベンジ戦のように見えました。
 でもその裏には、多国籍企業による武器輸出や中東での農薬・種子支配などの利権が絡み、善しあしはともかく経済的な利益を見込んだ戦争ビズでした。

 80年前の日本やドイツの侵略行動も、失政で国内経済を疲弊させた新興工業国が軍拡という公共投資で他国の資源を奪うためでした。「八紘一宇」「ゲルマン純血」などの聖戦イデオロギーは効率的な動員に向けた宣伝コピーだったのが分かります。

 結局、民族対立や宗教の違いだけでは国家間の戦争は起こり得ないと言いますか、それほど人類はアホではありません。異星人でも文明種族なら同じでしょう。権力者や宗教指導者がトチ狂って感情的な戦争を始めても、犠牲にされる人々が遅かれ早かれトップを引きずり降ろすからです。

■バーチャル種族の落とし穴
 さて、話を映画に戻せば、カラスヒコが一番興味を覚えたのは白い球形のロボット(?)の姿で登場する善玉の宇宙種族です。彼らは悪玉種族に故郷の惑星を破壊され、どこか秘密の星に仲間を集めて反撃の準備をしているようです。「スター・ウォーズ」シリーズの共和国軍に似た立場。

 彼らのすごさは、「自らバーチャル化した種族」であること。つまり、知や情報を全てあの球体に収めて肉体を捨てたのです。

 ここチャッピーで思い出すのは『チャッピー』のラストシーン。ロボットのチャッピーはもちろん、人間の技師であるディオンや、やくざの情婦ヨーランディの知や意識をデータ化してロボットのボディーに転送していました。

 つまり、ITの進歩によってヒトの意思や人格を機械にコピペできるようになった社会です。機械にガタが来たら、より新型に乗り換えることでヒトがデジタル空間で永遠の生命を得られる可能性が描かれていた。一種の不老不死。この球体もそうなのでしょう。

 ただ、ここに重大な落とし穴があると思います。チャッピーなどコンピュータがディープラーニングでヒトの知能を超えてしまえば、もうヒトの意思や人格などいらなくなるからです。

 機械系生命体は、地球が温暖化しようと電磁波や放射能にまみれようと、原子力や太陽光などのエネルギーさえあれば生きられます。次世代もちゃんと「生産」し続けられるのです。ヒトは進化の競争に敗れ、無知な動物たちと同じような脇役に転落していくはずです。

 実際、私たちのリアルな生活シーンでもすでに機械系生命との競合が激化しています。仕事の効率化やマニュアル化トレンドは、プロや職人や正規社員を廃してバイトやハケンに置き換える人件費削減では終わらず無人化レベルまでいくでしょう、特に製造業では。

 企業がいくら利益を挙げても製品やサービスを買う顧客が貧しくなる一方なので、コストを限りなくゼロに近づける必要があるからです。
 最近のトランプ&サンダース現象も英国のEU離脱も、そうした効率追求による格差拡大、弱者切り捨て社会への「No!」が高まってきた結果に違いありません。日本の政府やマスコミはそういう関連付けを避けていますが。

 ならば、いま私たちにとって一番大事なことは、機械やアプリに置き換えられない技能を深めることだと思います。仕事面では対人折衝力、生活面ではやはり自炊力です。いずれも知識・情報より実体験の厚みがものをいう、機械が苦手な分野。

 この映画でいえば、中央アフリカの謎の武装集団がそれをやっていました。外部から孤立したままエイリアンと10年間も肉弾戦を続けた族長は、敵の弱点は背中側の触手と知り、背後から一突きで倒すワザを身に付けていた。
 やや野蛮な例とはいえ、経験の積み上げでハイテクな敵と互角に渡り合う、ああいうツワモノに私たちもなれるはずです。

 左は昨日のお昼、カシリアル (7)スタマイズド・シリアルです。オートミールとミューズリーを2:1で盛り、蒸し大豆と小麦ふすまを散らして熱い牛乳をかけました。なるべく多種の未精製穀物で栄養を幅広く摂っていけば、体力も判断力も大丈夫。

 おかずはワイン蒸し。ソーセージと玉ネギ、トマトをスライスし、ココナツオイルと塩・コショウ味でいただきました。善玉コレステロールを増やして悪玉エイリアンと戦う食事。

ではまた。

※『インデペンデンス・デイ リサージェンス』 Independence Day Resurgence/2016年/アメリカ/カラー/120分/ローランド・エメリッヒ監督
※『フィフス・ウェイブ』 The 5th Wave/2016年/アメリカ/カラー/112分/J・ブレイクソン監督
※『スカイライン征服』 Skyline/2010年/アメリカ/カラー/94分/グレッグ&コリン・ストラウス監督
※『チャッピー』 Chappie/2015年/アメリカ/カラー/120分/ニール・ブロムカンプ監督

エゴ動機で刺し身&煮物フェチ

 今夜は刺し身&煮物定食。刺し身こそ私たちが目指す最少調理の手抜きおかず、かつ最高にヘルシーなごちそうです。1パックの量が多過ぎると思っても迷わず買い、食べ残しは翌日、塩焼き or ワイン蒸しで完食するパターンに慣れましょう。

■ボケ退化 ≒ 魚離れ現象
 魚肉を夕食 (47)、鮮度の高いうちは刺し身で食べ、翌日には油を使わず弱火で過熱し、怪しいタレはかけずにシンプルな塩やコショウ味でいただく。このパターンを確立すれば体は大丈夫で、しかも飽きない味ですからずっと続けられます。

 ひと口大に切ってある刺し身を翌日に焼くとき、グリルの網の間から下に落ちそうならアルミホイルを敷いて焼きます。ホイル焼きのオープン版みたいなノリで。
 1㌢厚くらいの切り身なら、途中で裏返さない片面焼きでも火は十分に通るのが分かります。ワイン蒸しの場合はこちらのレシピをご参照ください。

 世の「魚離れ」トレンドについて、マスコミでは「経済的な必然」みたいな論調がメジャーです。いわく、肉のほうが安いから、あるいは乱獲で国産漁獲量が減り、輸入サーモンなどは増えたものの、ハム・ソーセージなど加工品に押されているからと。 それらの解説はもちろん正しいのでしょう。

 けれども、魚離れの原因のコアは、私たちの「食べスキルの劣化」だとカラスヒコは思います。鮮度を見極められない、包丁が使えない、焼き加減が分からない、骨があるから面倒くさいなど。結局、親が食べないからその子も食べなくなる。つまり、私たちの親世代が伝統技能の継承を放棄した結果なのです。

 もちろん、社会の伝統を守るために頑張って魚を食べる必要などありません。もっとエゴイスティックな動機で構わないのです。健食スキルを身に付けたい人が勝手に魚食フェチになればいいし、そんなマイノリティー同士がつながっておしゃべりや情報交換ができればいいやというのがカラスヒコの基本的立場。

 うちの老母はボケてから刺し身を食べなくなりました。アルツハイマーのせいで嗜好が変わったのかと思っていたのですが、そうではないことが最近分かりました。おそらく、適量のしょうゆを都度付けながら食べる「複雑な工程」がこなせなくなった。

 その証拠に、事前にしょうゆに浸した「づけ」や、アマニ油・酢・ショウガで和えてカルパッチョ風にしてやると喜んで食べるのです。技能を失って幼児状態にまで「退行」し、食べやすいものにしか手を出さなくなったのが実態のよう。

 つまり、アルツ型のボケ退化と、健常者のスキル劣化による魚離れなど「食の簡便化トレンド」は深い部分でつながっているのかもとカラスヒコは疑っています。ならば、調理技能を高めることで血管や脳細胞や腎機能を守り切れば、たぶん将来、私たちはボケを回避できるに違いないと。

■戻し不要のスピードどんこ
 さて、上写真の奥中央は煮物です。どんこ・油揚げ・ニンジン・切干大根のそばつゆ煮。それに蒸し大豆も散らしました。例の桃屋の「無添加つゆ特級」にどんこの天然だしが加わり、その濃厚な煮汁が煮物 (9)油揚げや切干大根を噛むとじわっと染み出てきてこたえられません。

 ものぐさで調理が大嫌いのカラスヒコでも、左写真のように約5日分をまとめて作れば翌日からはもっぱら食べるだけ。しかも出来合い総菜よりはるかにうまくて大満足です。どんこや油揚げは各一袋、ニンジンは一本を丸ごと使いますからロスも出ません。

 まとめ作りした煮物は、下写真のように密封容器を逆さにして冷蔵しておけば、その日に食べる部分に煮汁がよく染みてうまいです。
 容器はわざわざ買いそろえなくても、広口の空き瓶が利用できます。フタがきっちり閉まる瓶を捨てず、いろんなサイズを集めておけば便利で煮物 (10)す。

 そばつゆ煮のレシピはここの後半にまとめておきました。大して面倒ではないのですが、どんこを水戻しする前工程が厄介と言えば厄介。そこで今回はどんこを戻さず、いきなり煮込む実験をしました。
 一袋15個入りのどんこのうち14個はちゃんと水で2時間戻し、1個だけを乾いたコチコチのまま一緒に煮てみたのです。

 結果は上々。水戻ししたどんこと全く同じにやわらかく煮えました。ただ、柄(茎)の根っこ、つまり原木に接触していた部分が硬くて食べられません。柄は十分にやわらかいものの、根との境い目を歯で噛み切れず、やむなく茎をそっくり食べ残してしまいました。実にもったいない。激しく悔しい。

 結局、どんこの水戻し工程は、柄をふやかして根を切り落としやすくする目的で、残念ながら今後とも必要と納得しました。

 しかし仮に、もう一歩踏み込んで考えれば、どんこの生産者の方が乾燥させる前に根を切り落として出荷すれば、「戻さず煮込めるスピードどんこ」みたいな差別化ブランドとして訴求できるはず。
 若い世代を煮物離れから引き戻し、中高年の出来合い甘辛煮物嗜好に「鉄槌を下す」ためのマーケティング戦略としてなかなか良さそうに思うのですけれど。

 その一方で、私たち消費者も、自炊現場のリアルな「食べトライ」を同時多発的に発信・拡散してアグレッシブな生産者とのコンタクトに努めるべきです。各自が個々にネットワークを広げなければSNSは宝の持ち腐れといいますか、大手資本のマーケット操作ツールにされるばかりですから。

 乾物については、『もどさずできる乾物料理』(庄司いずみ著・家の光協会2010年)という素晴らしい本もありました。単に知識の吸収で終わらせず自分の手を汚して取り組んで身に付け、料理嫌いな私たちならではのヘルシー食パターンを確立しましょう。

 ではまた。
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    ■「サムライごはん」とは・・・
     超多忙で料理が嫌いな人が、健康を自衛するためにつくる「最短時間で、栄養十分、かつ無添加」な食事。いまの時代を生き抜くために、男女を問わず一人一人が身に付けるべき「武芸」のようなもの。外食や加工食品がまだほとんどなかった1955年以前の日本の家庭食がモデルです。
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     「サムライごはん」夕食の定番。煮干しでだしを取ってみそを溶き、朝の残りの豆ごはんを入れます。煮立ったら生卵を落として火を止め、ふたをして3分蒸らせば出来上がり。煮干しも具としていただく高栄養・無添加で、すぐにできる晩ご飯です。鍋料理の締めの雑炊のようなおいしさです(▶100226)。
    ■日替わりから週替わりへ
     野菜メニューは日替わりでは続きません。浅漬け、ワイン蒸しなどまとめ作りのメニューを取り入れて、週替わりのローテーションに切り替えましょう。材料を無駄なく食べ切り、買い物頻度も減らせる自衛自炊ならではのテクニックです(▶111118)。
    ■おにぎりは自分で握る
     豆ごはんおにぎりを自製する習慣をつけましょう。ランチを無添加で切り抜ける数少ない選択肢だからです。手を濡らして握ればくっ付かず、熱くもありません。コンビニで買うおにぎりは添加物と油脂まみれ。老若男女にかかわらず、おにぎりは自製あるのみ(▶100821)。
    ■我流みそ汁だしのススメ
     昆布と削り節を3分間煮出せば、誰にでもうまいだしが取れます。安易に化学調味料に依存せず、我流の本物だしを研究すべき。それをサボった1、2世代上の年寄りたちが、いま生活習慣病で薬漬けになっている実態をしっかり見ていきましょう(▶100926)。
    ■二十歳を過ぎたらニキビじゃない
     ニキビ世代をとっくに過ぎているのに吹き出物が止まらないのは、体が拒否するものを食べ続けている証拠。油・糖・添を摂り過ぎていないか、食生活を見直すきっかけにしましょう(▶111126)。
    ■エコ&粗野な食習慣へ
     だしを取った後の昆布や削り節は捨てずに、常備菜に加工して食べ切ります。煮干もみそ汁の具としてバリバリ食べる。そんなエコで粗野な食習慣に回帰するのも「サムライごはん」のスタンスです(▶120722)。
    ■「ご飯は太る」は本当か?
     コメ離れが進んでいますが、カラスヒコは「ご飯は太る」という通説はウソだと思っています。むしろ実態は、パン食による油脂、タンパク、精製穀物の過剰、さらに甘い飲料、間食が原因なのでしょう。「サムライごはん」では、玄米や豆類主食への回帰によってビタミン、ミネラルを確保し、スリムで健康的な肉体を取り戻していきます(▶100527)。
    ■残業食をコントロールしよう
     残業時間中にスナック菓子などで中途半端に空腹を満たす習慣は危険。油・糖・添まみれなのはもちろん、寝る前のドカ食いを招く原因にも。むしろクラコットやドライフルーツなど、きれいな食材をしっかり取るのがお薦めです(▶110609)。
    ■失敗しないゆで卵
     殻がつるりんと気持ち良くむけて、半熟・全熟を自在にコントロールできるようになれば、ゆで卵は頼れる常備菜になります。ポイントは湯が沸騰してから卵を入れ、再沸騰してからのゆで時間。意外に簡単です(▶110130)。
    ■学生・単赴・シンママにチャンス!
     「サムライごはん」の質実剛健な味が家族の反発を招くこともあります。いまや化学調味料や添加物を気にしない人がマジョリティーな時代ですから。むしろ一人暮らしの単身赴任者や、舌が染まっていない幼子を持つシングルマザーにこそ、いろんなトライ&エラーができるチャンスがあります。学生も社会に出る前に自炊技術を身に付けたほうが勝ち(▶120305)。
    ■「ワイン蒸し」で野菜たっぷり自炊
     「あなたは野菜不足」とCMに脅かされてサプリに飛びつく人が多過ぎます。ワイン蒸しや酒蒸しは、数種類の野菜を毎日飽きずに食べ続けられる自炊独自の加工ワザ。油脂も添加物も使わない簡単野菜メニューで武装しましょう(▶120922)。
    ■糖尿病を知り、真剣に予防しよう
     糖尿病や腎不全は「不治の病」です。新しい薬品や治療法が開発されても、高いお金と引き換えに苦痛を和らげる程度。だから発病しないように若いうちから食生活を立て直すのが唯一の正解です。できなければ自己責任で、メディカル資本にたかられる「いいお客さま」になってしまいます(▶111107)。
    ■外食は低加工なそば or 海鮮系を
     朝夕の食事を「サムライ化」すれば、ランチは少々ジャンクなメニューでも大丈夫。でも、可能な限りはそば系・海鮮系など加工度の低い献立を選ぶのが正解。日々の「油・糖・添」締め出しこそ確実な生命保険なのです(▶100326)。
    ■浅漬けが自炊を軌道に
    白菜、キュウリ、大根、パプリカなどを適当に切り、塩をまぶしてタッパーに入れておくだけで自製の浅漬けができます。翌日から5~6日間食べられる常備菜ですから野菜不足はほぼ解消。面倒に思えた自炊が一気に軌道に乗ってきます(▶120608)。
    ■ピクレで自製漬け物を
    乳酸発酵する本物の漬け物を自分で漬けるなど、多くの人にとって想像を絶する事態でしょうが、実は簡単。「ピクレ」があれば、冷蔵庫の中で勝手に発酵してくれるからです。化学物質にまみれた出来合いの漬け物におさらばできます(▶120805)。
    ■ヒジキはそばつゆで煮る
    カルシウム豊富なヒジキを切干大根、こうや豆腐、干しシイタケと一緒にそばつゆで煮てしまう。甘じょっぱくしない、本来の素朴な煮物が素人の手抜きレシピで作れることに驚きます。上の世代が放棄してきた健食習慣を取り戻しましょう(▶121204)。
    ■乾物をだし汁で戻す手抜き
    車麩、こうや豆腐、湯がき大根など乾物は水で戻さず、いきなりだし汁に浸します。戻し工程と味付けをいっぺんに行う手抜きワザ。素朴な味わいの常備菜になります。だし汁が食材に吸われて減ったら、ひたひたまで注ぎ足すのがポイントです(▶130412)。
    ■瞬間加熱の温野菜サラダ
    ブロッコリー、アスパラ、パプリカ、きぬさやなどを100℃のお湯で3~5秒。少量ずつ加熱して網ジャクシでさっと取り出すのがコツ。丸元淑生さん式の温野菜サラダは目からウロコです。自炊が俄然充実してきます(▶ 100307)。
    ■夜食なら粉吹きイモ
    夜におなかが減ったら、即席麺やコンビニおにぎりを食べるより自分でイモをゆでましょう。ジャガイモやサツマイモのおいしさを再発見して感激します。未精製の炭水化物で太らず、もちろん添加物もゼロ(▶ 100104)。
    ■ニンジンの合理的摂取法
    石原結實さん式ジュースなら朝にニンジン、リンゴ、レモンが各1個ずつ摂れてしまいます。そのためだけに1万円以上のジューサーを買う価値もあるでしょう。これを飲む習慣ができれば、合成着色飲料とは永遠におさらばできるからです(▶ 100407)。
    ■ラタトゥイユで自炊に自信
    まさか自分にこんな料理が作れるとは!驚きと感動で自炊に弾みがつく丸元淑生さんのレシピです。野菜6種のシンプルな無水蒸しなのに素人でも絶妙の味が出せて病みつきになります。ポイントはトマトと玉ネギの比率だけ(▶ 101008)。
    ■小型密封容器をそろえよう
    おかかやショウガ酢漬けなどの常備菜を小型の密封容器で冷蔵庫内に整然と積み上げるのが「サムライごはん」の大事なノウハウ。容器は都度バラバラと買い足さず、スタックできる同型をまとめ買いしましょう(▶ 101224)。
    ■自炊 vs 外食、どっちが安い?
     実際の支出額はおそらく同程度で、それなら手間なしの外食が合理的と考えがち。しかし、金額当たりの栄養価に大差があり、外食ライフでは将来の健康崩壊リスクが高まります。自炊食の原価計算から中長期の健康戦略が見えてきます(▶120627)。
    ■ダイエットで感じた10のこと
     本物のダイエットなら、減量よりもまず肌の色つやが良くなり、原因不明のかゆみや爪の黒ずみなどが消えていきます。見た目のスリミング効果はおまけで、当然リバウンドも来ません。体の排せつ力を高める食べ方を研究しましょう(▶120926)。
    ■豆類はペットボトルで管理
     豆類は袋から出し、ペットボトルに移して「見える化」しましょう。作業フローがシンプルになり、在庫量も一目で分かります。調理テクの上達やレパートリー拡大より、整理力と段取り改善でスピードアップを図るのが「サムごは」的アプローチ(▶130915)。
    ■野菜はバスケット管理する
     みそ汁用、サラダ用など用途別バスケットに分類して冷蔵。バスケット単位で取り出し、使う分だけを切り出して再格納します。数種類の野菜を毎日コンスタントに食べるにはこの手が一番。使いかけ野菜を冷蔵庫の奥で腐らせる心配もありません(▶100924)。
    ■「糖質制限」はいいとこ取りで
     速攻スリミングには効果的。でも全面的な糖質制限では穀物の豊富なミネラルを摂り損ないます。朝だけとか隔日とか、自分の調子よさの範囲で慎重に採り入れましょう。ハムやベーコンの添加物や、肉や卵を焼くときの精製油脂にも要警戒(▶140805)。
    ■洋食派はパンよりシリアル主食
     ミューズリー+オートミールの「未精製」穀物に小麦ふすまを振りかけるなど、シリアルのカスタム化にトライ。パン主食では難しい油・糖・添フリー&高ミネラルな洋食体系を設計します。「朝食=パン」の固定観念を疑いましょう(▶141101)。
    ■昆布は1回分サイズにカット
     昆布を買ってきたら、全部をみそ汁一杯分サイズに切り分けて密封容器で保管します。「調味料(アミノ酸等)」ではなく本物昆布使用にこだわりつつ、調理アクティビティー削減を狙います。合成だしでは必要なミネラルが不足するからです(▶121208)。
    ■包丁研ぎは我流で覚える
     調理人のような華麗な包丁さばきなど自炊には不要です。我流でも日々使えば、大根皮むきやネギ刻みは身に付くもの。砥石は「中砥」一種類の我流使いで包丁の切れ味が十分に戻ります。プロのまねをせず、不格好でも自分ワザを磨くことが大事(▶120124)。
    ■包丁使いの自主トレ入門
     手先超ブキなカラスヒコでも、リンゴの皮むきが支障なくできるようになりました。リンゴ皮の裏側から、包丁の刃を親指のはらに押し付けるように果肉をそぐのがコツ。遅くてもきれいにむくことに集中すれば、だんだん早くなってきます(▶150123)。
    ■丸元淑生式「蒸しリンゴ」のうまさ!
     皮をむいたリンゴを適当にスライスして、ビタクラフト鍋で弱火蒸しするだけで、シュガーレス極甘ヘルシーデザートの出来上がり。小分け冷蔵して毎日食べられるフルーツ系常備菜です。無糖ヨーグルトにトッピングするのもおしゃれ(▶100114)。
    ■「油糖抜き」スクランブルエッグ
     肉野菜ワイン蒸しを作った後、蒸し汁を有効活用します。生卵を落として混ぜて弱火蒸し。卵そのものの粗野で力強い味に驚きます。自炊のスクランブルエッグでは、砂糖を加えて精製油脂で焼く外食レシピの常識を疑ってかかるのが正解(▶150623)。
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