ピーラーは大量の皮むきには便利だけれど、私たちのちまちました自炊には包丁が1本あれば十分。包丁は危ないといわれますが、包丁を使えずに大人になって、冷食や総菜や弁当に頼る暮らしのほうが健康的によほど危険だと思います。

■ピーラーは子どもの練習用
ピーラー 貝印のT型ピーラー。大根、ニンジン、ジャガイモなどの皮をむくのが簡単にできます。精悍なデザインもいいですし、オールステンレスの質感もなかなか。ヨーカドーで780円で買いました。

 でも、カラスヒコはこれはぜいたく品だと思っています。なければなくてもいい。なぜなら、包丁が1本あれば皮はむけるからです。そして、皮をむき終わって切るときに、結局包丁がいります。洗いものが一つ増えるだけですね。

 なら、ピーラーは皮をむく作業が早いのか。そうでもないのです。包丁と同じか、やや早い程度。それもむく速度だけですから、トータルな調理と後片づけの時間で相殺されてしまいます。

 ピーラーの唯一の存在価値は、包丁の苦手な人が安全に作業できることです。でも、カラスヒコは苦手な人にピーラーの使用を勧めることはしません。むしろ、包丁をうまく使えるようになったほうがいい。
 ピーラーは、包丁を持たせるには早い子どもに皮むきを手伝わせるときに使いましょう。自転車の補助輪みたいなもの。早めに技術を身に付けて卒業すべき訓練用具です。

■包丁1本で健康人生
 「せっかく便利なものがあるのに旧式の道具にこだわる必要はない」と思われるかもしれません。そう、ほかのことならその通りです。電卓があればそろばんはいりませんし、クルマがあれば乗馬の技術はなくても困りません。

 でも、包丁がうまく使えないと、弁当や総菜を買う頻度が増え、自炊のときでも加工食品や冷凍食品が多くなります。そして、親が包丁が苦手なままだと、その子どもは包丁をまったく使えずに大人になり、外食と配食サービスに頼る可能性が高くなってしまいます。
 それは、大量の油や添加物を摂り込む人生です。健康な食生活を送れるか否かの境い目は、包丁を気軽に使えるかどうかにあるとカラスヒコは思います。

 「サムライごはん」のような最低限の自炊なら、包丁は1本で十分。一人や二人の所帯なら、魚を丸ごと買ってさばく必要もないので出刃包丁など不要。フルーツナイフすら、包丁で代用できます。
 カラスヒコもそうでしたが、不器用な人は最初は怖いものです。でも、心配ご無用。20枚入りのバンドエイドがなくなるころには、自分でも驚くほど腕を上げていますよ。自分の学習能力を信じて飛び込んでみましょう。いろんな人の背中を押しまくりたいカラスヒコです。

 ではまた。