生のニシンをだし汁で煮ました。上側の皮に2、3本切れ目を入れ、落しブタを載せて、最後まで裏返しせずに煮るのがポイントなのだと。煮汁が程よく煮詰まり、皿に盛った後にそれを垂らせば、自分で作ったことが信じられないほどの絶品!


■深さ5㍉の切れ目を2、3本

 きょうは多少暇だったので、やや本格的な煮魚に挑戦しました。たまたま新聞で見付けた煮方の通りにやったら大成功!ニシンの白子がぷるぷるになって最高にうまかった。母カラスも「骨が多いね」などと、ぶつぶつ言いながらも味にはいたく満足した様子。


 ベター煮魚 (2)ホーム協会札幌教室が紹介している煮方(北海道新聞2月3日)。これはいい、私たち素人にもできそう。記事の写真は鯛(たい)を使っていますが、ニシンでもカレイでも原理は同じはずですから。


 みそ汁で使ういつものだしを取り、そこにしょうゆとみりんを各大さじ1杯くらい追加して過熱。煮立ってから魚を入れます。だし汁の量は、魚の上半分が露出する程度でOK。煮汁が多過ぎると、うま味が逃げていくのだと。なるほど。


 魚の上面には、包丁で深さ5㍉くらいの切れ目を2、3本入れておき、煮ながらときどきスプーンで煮汁をすくってかけて、上からも味を染みこませる。鍋にフタはせず、落しブタを魚に直接載せて中火で煮ます。


 最後まで裏返さないのが煮魚のポイントなのだそうです。つまり、上半分は蒸される感じです。徐々に煮詰まってくる甘じょっぱい煮汁が適度に染みて絶妙の味になります。みりんの爽やかな甘みが冴えわたります。


 皿に移すときには、箸では身が崩れる恐れがありますから、フライ返しを使いましょう。魚を移した後、残った煮汁で長ネギを太目の斜め切りで半生に煮て魚に添え、十分煮詰まった煮汁をたらたらと魚に垂らせば出来上がり。


 驚きました。カラスヒコのような素人がやっても非常においしくできます。これはかなり立派な献立。来客にも出せそうな感じです。煮る時間が20分前後はかかりますから、確かに多忙な人の日々のゲリラ的自炊とは一線を画すメニューではあります。


 けれども、「サムライごはん」的な自炊装備、つまり鍋、落としブタ、しょうゆ、みりんなどがそろっていれば、チョイ暇な日にはこれが出来てしまう驚き。ルーティンの繰り返しの中から、ある日突然、次のレベルに飛び移る瞬間が訪れるような。


■移民の「規制緩和」に備える
 この写真煮魚のように煮汁が沸き立ち、それをスプーンで魚の皮の切り込みにかけてやる合間にネギを切り、みそ汁を作り、ご飯を盛る。
 そうした幾つかのプロセスをパラレルに、マニュアルに頼らず慣れと段取りで進め、ほぼ一斉にフィニッシュする実務力&マネジメント力が、自炊を続けていると自然に鍛えられるのが分かるのです。


 その逆は、他炊依存の暮らしだと思います。他人に任せてカネを払う生活は、自分の実務技能を退化させるからです。多くの会社の仕事がまさにそう。アウトソーシングが増え、細分化が進み、私たちがどんどん現場から離れて、情報処理とマニュアルトークだけになってきた感じがしませんか。


 そ移民は介護からの意味で、かなりドッキリなのがこの記事です。「移民は介護から?外国人労働者拡大、静かに模索」(日本経済新聞2月5日)。日本政府が間もなく「移民解禁」に動きそうな気配が濃厚です。


 移民受け入れによる社会的影響うんぬんの議論はあえて棚上げしたまま、単純に「人手不足」だからという産業界からの強い要請により、「規制緩和」の一環として移民枠が取り払われそうな気配です。TPPのヒト版といえそうな。


 介護分野に限らず、例えば建設業界は東京五輪や復興事業で人手不足。農業・漁業も慢性的な担い手不足。さらに、拡大を続けるコンビニ・通販など流通分野でも現場の人手は全く足りていません。

 原発や新幹線のテロ対策に追われる警備業界も、自衛隊や関連する軍産業界まで、気が付けばそこらじゅうが人手不足の国。
少子化傾向はまだまだ続くでしょうから、やがてある日突然、移民解禁が断行される可能性が高くなっています。


 解禁の是非はここでは論じませんが、実務的な技能を鍛えていない人が外国人労働者に職を奪われる日が、すぐそこまで来ていると考えるべき。日本語の壁があるから大丈夫?いやいや、AR(拡張現実)とウェアラブル端末の時代ですから、数年中には言葉のハンディはなくなるはずです。


 中高年のお父さん方なら辛うじて逃げ切れるかもしれませんが、移民労働者とガチで競合する今の学生やワーママさんたちにとっては他人事ではありません。自分が言葉の通じない外国に放り出されたとき、ARがどれほどの武器になるかを想像してみてください。

 にもかかわらず、この国の学校教育や企業の人材育成現場はマニュアル指向を強めるばかり。経験や勘を鍛え直して職務技能を高めるという考え方はタブーなのです。肉体技能の価値を著しく軽視しているからでしょう。

 もはや、ヤバいと感じた人がセルフで鍛えるしかありません。変人と思われないように、こっそり隠れるように。

 煮魚などを日々作りながら創意工夫を重ね、いろんな生活技能を自主的に積み上げていきましょう。既存の資格で武装するより、イレギュラーに機転が利く自分をつくるには自炊習慣が案外効きます。おいしいものが作れれば日々の活力にもなりますし!

 ではまた。