玉ネギ、トマト、ニンジン、ニンニクのみじん切り+豚ひき肉です。これにカレー粉、クミン、ガラムマサラをかけ、トマトジュースを注いで10分間中火で蒸し煮。時々混ぜながらしょうゆ、みりん、ケチャップを加え、牛乳で溶いた片栗粉を回し入れて出来上がりです。ルーなしの無添加時短カレー。これはうまい!

■トマトジュースで蒸しメイン
 生カレー (9)協PBの低添加ルーを活用した家カレーをよく作っていたカラスヒコですが、最近はルーなしカレーにハマり気味。あれと同様、油で炒めないカレーです。

 トマトジュースは少なめ、コップ半分くらいで大丈夫です。多めに刻んだ玉ネギとトマトから水分がじわじわ出てきてコクのあるカレーに仕上がります。キーマカレーに野菜が混じったようなノリ。

 ひき肉とみじん切り野菜ですから熱の通りが早い点が自炊向き。そして具材やカレー粉の量を調節すれば1食分だけを作れるのもメリットです。
 大量に作って3連食、4連食するのもカレーの魅力ですが、1食分をちゃちゃっと作れればレトルトに頼らなくても済むからです。

 野菜は、玉カレー粉ネギとトマトは欠かせませんが、あとは自由。パプリカ、イモ、ナスなど手持ち野菜を何でもみじん切りにして加えればOK。過熱の最終段階で小松菜やホウレン草など青菜系を刻み入れれば栄養的にも充実します。

 クミンやガラムマサラは少量使いがお薦め。カレー粉だけでも十分にうまいですが、少しずつ入れると香りが一層よくなります。

 さて、イオン調理キット2017年にレトルトカレーの売上がカレールーの売上を上回ったそうです。ハウス、エスビーなどカレー大手はレトルトの品ぞろえ拡大に動き、イオンは時短ニーズに応えてミールキット50品を投入すると(日本経済新聞3月16日)。

 ミールキットとは、カット済み野菜や精肉と調味料をセットにしたもの。フライパンなどで加熱するだけで食べられる点が「働き方改革」時代向きだと書いてあります。
 働く時間が減るのなら調理時間を増やせる気もしますが、まあ、そこにツッコミを入れるのはやめておき・・・・。

 カラスヒコが問題だと思うのは、キット商品によって調理力が奪われることです。野菜や肉の量にちょうどいい調味料がセットされ、それを全量使えばベストな味と。何も考えなくても一定レベルの味が出せるのは確かに便利でしょう。即席麺と同じ。

■アナログ目分量で生きる
 けれども、例えば上のカレーで、カレー粉の分量を少々間違えても大した問題は起きません。カレー粉が多過ぎればヒリヒリと辛い。でもそれは失敗というより「激辛」という別のおいしさだとカラスヒコは思います。逆に少な過ぎた場合も、肉や野菜の味がそれぞれ個性を主張し、それもまたうまい。

 無ルーカレーに初トライする人は、まず耳かき1杯くらいのカレー粉をなめてみてください。強烈にパンチのある味。その味を記憶し、肉や野菜の量を見て適量をイメージしましょう。狙った味の7掛けくらいのカレー粉を入れ、途中で味見をして不足なら追加すればいい。

 デジタル的に「何グラム」「小さじ何杯」といった覚え方はやめましょう。食材を見て都度加減するアナログのワザを磨くスタンス。学ぶより慣れろです。応用力も付きやすい。

 家事の手抜き外注のススメ「手抜きと外注」を推奨する記事がありました。「自分で作るのが愛情ではない、作り置きおかずを栄養士資格を持つ人に外注して効率化しましょう」と(日本経済新聞3月9日)。

 外注すればフルタイムで働ける=輝ける、みたいなニュアンスに読めます。時間を金で買うのが間違いとは言えません。でも本当は、作り置きおかずを自製するのが筋だろうとカラスヒコは考えます。

 おいしくて栄養たっぷりの食事なら外注すると高価になります。作り手の人件費が上乗せされる。つまり、優秀な家政婦を雇うのと同じですから裕福な家庭でないと続きません。
 逆にお手頃の価格だとしたら材料が安物で鮮度や栄養価が劣る。あるいは添加物などで味や色艶が粉飾されていないかを疑ってみる必要があります。

 作り置きおかずを自製し、時短カレーなども研究して家事時間を圧縮するのが「良い手抜き」です。他炊(外食・中食)漬けに落ちなければ、自分も子供も体を汚されずに生きていけるという話。自製が愛情ではないとしても、子に健食習慣を刷り込むことは間違いなく深い愛情です。

 ではまた。