「料理下手だから自炊できない」、そう感じている人こそ自衛自炊の素質ありです。インスタ映えする料理ではなく、材料にあまり手をかけずにおいしく食べるノウハウを磨く、つまり地味なアマチュア献立を独自開発する道を行きましょう。添加物もブロックしやすい!

■「料理」をしない自炊の道
 ひき肉を肉そぼろ蒸し買ってきてフライパンにペコッと載せ、箸で適当に崩して料理ワインをかけます。煮るのではなく蒸すのでワインは少量。これに塩とブラペを振り、ソースとケチャップもかけ、香り付けにオリーブ油を垂らします。

 フタをして中弱火で蒸し、肉の下側の色が変わったらスプーンでひっくり返しつつ細かく崩してさらに蒸す。全体に火が通ったらフタを取り、中強火で水気をある程度飛ばして出来上がりです。ややデミグラっぽい、ハヤシライス風の味。ごソース&ケチャップ他飯にもビールやワインにも合います。

 これは「料理」とは呼べないとカラスヒコは思います。肉を単に加熱してコンサバな調味料で味付けしただけ。料理好きの人には笑われそうな献立です。
 でも料理下手で調理嫌いの私たちはこれでいい。簡単でおいしく、栄養が摂れて添加物が少ない食べ方ですから。肉そぼろ蒸し (2)

 肉料理に添える野菜はどうするか。コンビニでカット野菜サラダを買って精製油脂と添加物だらけのドレッシングをかけますか?いえいえ、それよりも自分で玉ネギを刻んでアマニ油とバルサミコ酢を垂らすだけの超手抜きサラダでいきましょう。

 本当ならスライスした玉ネギをボウルに取り、アマニ油を全体にゆき渡らせてから塩・酢・ブラペをまぶすべきなのサラダ (6)でしょうが、一人二人のケのサラダならこんな手抜きで十分。トマトでも添えれば最高です。

 むしゃむしゃと噛みながら、玉ネギの辛み・甘みに、油と酢の味が絡む粗野なおいしさに感動します。キュウリでもセロリでも、何でも薄切り・細切りにして油と酢をかければ即席のサラダになる。料理が苦手な人でも劣等感を抱く必要はないのです。

 むしろ、こんなシンプルなおかずを毎日、豆ごはんや自製だしのみそ汁と一緒に食べていけば肥満せず、血圧も上がらない。それどころか日々体調がよくなり、疲れにくく風邪もひかなるのを実感します。栄養が満遍なく摂れ、添加物など合成物質が体に入ってこないから当然なのです。

■栄養不良で脳が委縮する?
 その逆を行くのが現代社会の食習慣だと理解できます。肉はたいてい精製された植物油脂で焼く、または炒めてしまう。料理マニュアル本の多くでは、肉ジャガや肉そぼろなど和風献立ですら、まず油で炒めてから味付けをする。そのせいで、昔はなかった精製油脂を摂り過ぎてしまうのが今風。

 おまけに、味付け工程が面倒だからと化学調味料を多用し、なんとかドゥーなど合わせ調味料で「楽して老舗の味」みたいなノリ。家メシがすっかり工業製品にすり替わっているのです。それが食事の進化だと言われますが、カラスヒコ的には退化だと思います。

 ちょっと脱線しますが、万引きと摂食障害「摂食障害が万引きの一因」という記事がありました。ストレスや無理なダイエットによる栄養不良で脳が委縮し、善悪の判断力が衰えて万引き衝動を抑えられなくなると(北海道新聞4月13日)。

 これは女性の万引き受刑者に絞った調査ですから母数があまり多くはなさそうです。けれども万引きの動機が金欠や空腹ではなく、衝動をコントロールできないことが原因だとしたら、昨今の通り魔殺傷やあおり運転致死傷害などとも根っこの部分でつながっているのかもです。

 一見普通の人が突然キレて恨みもない他人を襲って「誰でもよかった」式の供述をしたり、「むかついたから殺した」とか言う。ストレスが原因だとしても、無差別殺傷に至るほどのストレスの根底には日々の栄養不良が絡んでいるのでは。

 キレて暴れる人はまだごく少数でしょう。けれども、社会の治安がずるずると崩れていくのはもはや防ぎようがないと思います。刑法の厳罰化や監視カメラによる抑止効果に期待しても、キレて後先を考えずに暴発する人が増えるなら効きません。

 私たちは自分の脳を萎縮させないため、さらには萎縮して衝動に支配された人から上手に逃げて身を守るためにも食べ方を研究していきましょう。料理下手でも最少限度の加工で地味に食べる昔風のメニュー開発を!

 ではまた。