小中学生がスマホでトラブルに巻き込まれるのを防ぐため、親子で使い方のルールを決めましょうという記事です。夜9時以降は駄目、食事中は駄目とか(日本経済新聞3月19日)。うーん、気持ちは分かりますけど、スマホ依存は中毒ですからルールは効かないと思います。

■衝動で動く人が増殖
 サスマホルールッカーやダンスにのめり込んで勉強しないとかいう話なら、親子で話し合ってルールを決めるのは有効でしょう。
 子が自分の将来に危機感を抱き、いま好きなことを我慢するのが必要だと納得すればルールは効く。そういう思考力があればです。

 けれどもスマホ依存症は、子供に限らず大人からも思考力を奪ってしまいます。アル中やヤク中に近い。それなしには精神が安定せず、禁断症状も伴いますからルールなど効きません。

 ルールが効かないという意味では、あおり運転をする人と同じです。事故の危険性が高く、監視カメラやドライブレコーダーも増えた昨今、犯人が特定されやすいことは加害者本人も分かっているはずなのにやってしまう。ムカつくとブチ切れて判断力が飛んでしまうからです。

 飲酒運転が減らないのも、旅客機パイロットまでがアルコール検査をごまかして搭乗するのも根は同じでしょう。自分の失職や他人を巻き込む事故の可能性に考えが及ばない。悪意や雇い主へのあてこすりでもなく、絶望からくるやけくそとも違います。後先を考えずに動くだけ。

 そう。問題のコアは衝動的で思考停止する人が増殖する社会です。学校のいじめや家庭の幼児虐待、DVなどの背景も同じでしょう。ルールと罰則で縛っても衝動で動く人には関係なし。早期発見して捕縛しても、それは取り締まりであって解決にはなりません。

 最近、ピエール瀧さんのヘロイン事件に絡んで「厳罰化よりも治療が大事」という正論をよく聞くようになりました。けれども正論が実現されにくいのが今の社会だと思います。保護してケアして治療する施設・人材にはコストがかかりますが利益を全然生まないからです。

 その結果、依存症など衝動で動く人は社会から排除されてしまう。「役に立たない者」を切り捨てて利益や効率を追求する社会の怖さ。

■依存症を断つ食事
 さ昼食 (12)て、写真は昨日の昼飯です。サケあらの塩焼き、大根ニンジンの煮物、ココナツオイルで焼いた卵。みそ汁の具はネギ、ニンジン、ショウガ、ゴボウ、シメジ、ワカメです。
 この食事がうまいとか、高栄養で無添加とか、今日はそういう話ではありません。

 昭和の高度成長期以来ずっと続いてきた食の簡素化・外食化トレンドにあえて逆行することが自分のネガティブな衝動を抑え、後先を見通す判断力を守る武器になるという話です。

 玄米雑穀をメインにして昆布とカツオ節でだしを取る生活。それは面倒で古くさくてダサいけれども、例えば大豆、ゴマ、ショウガ、ゴボウ、海藻などを毎日おいしく摂れるメリットがあります。それらって、いわゆるサプリの人気成分。

 しかしサプリで摂ろうとすると、例えばゴマのビタミンEやゴボウのイヌリンが自分にどれだけ不足していているのかが分からず、当てずっぽうに飲まざるを得ません。過剰摂取の弊害も結構あると聞きます。

 その点、必須ミネラル群を長期にバランスよく摂り続けられるのがコンサバな食事体系です。先人たちがそれで健康に生きてきた実績がある。それを余分な手間をかけずに作るノウハウが「サムライごはん」です。

 上の写真でいえば、煮物は数日分をまとめ作りする。ご飯に載せるカツオ節ふりかけ昆布はみそ汁のだしを取った残りを煮しめたものです。そんな「作り置き総菜」を増やせば毎日の食事の準備にかける時間が減る。

 そして食材ロスも減らせます。大根を丸ごと1本買っても浅漬けや煮物に加工してしまえば一週間かけて食べ切れる。質実な食事の比率を増やせばスイーツやポテチなどジャンク食品への依存習慣も自然に抜けてくるのが実感できます。

 子供たちがスマホや砂糖など依存的習慣にハマっていく社会の激流はもはや止めようがないでしょう。けれども、自分や自分の子供、友人、恋人など大切な人たちをどう守るのか。具体的な自衛戦術を一つずつ研究していきましょう!

 ではまた。