切干大根を密封容器に入れたところです。容器の深さの半分まで水を入れ、酢としょうゆを適当にかけて冷蔵庫に保管すれば、翌日から一週間以上おいしく食べられます。ほぼ未加工の大根を毎日、皮むきもせずに酢と共に取れる手抜き総菜のエース。

■横着ヘルシーな切干大根
 切切干大根干大根の袋の裏には必ずお薦めの調理例が載っています。でもそれは大抵、「水で15分戻して、水気を絞って、フライパンに油を敷いて炒めて、水で戻したヒジキや湯で油落としをした油揚げを入れ、だし汁を加えて落しブタをして、しょうゆで調味しながら水気がなくなるまで煮る」みたいな話。

 書いた人は親切に、おいしく食べてもらいたくて書いたはず。でも、忙しい私たちはこのレシピを見ただけで退きますよね。結果的に、切干大根というヘルシー食材をわざわざ売れなくしていると思うのです。

 「和食離れ」は、離れた若い世代の罪というより、むしろ新しい和食の形を創意工夫しなかった年寄たちにあるとカラスヒコは考えます。形だけの伝統にこだわり、作るのが面倒だからと出来合い総菜の買い食いに走ったからです。

 しかも、便利さに加えて価格の安さも求めた結果、本来はヘルシーな煮物が砂糖と調アミだらけになり、コロッケなど揚げ物はカラメル色素できれいに着色され、ご飯もののいなり寿司までブトウ糖果糖液糖まみれです。たまにならともかく、常食するのはハイリスク。

 上記の切干大根の「酢じょうゆ和え」は、ご飯のおかずとして大変うまいです。水で戻した乾物ですから大根おろしと同じく無添加で、しかも皮むきやおろす手間がいりません。横着な食べ方なのにおいしくてヘルシー。

 そして、食べ終わった後に容器に残る汁がまたうまいのです。切干から染み出た大根エキスを酢としょうゆで調味したものですから、ひと口ごくんと飲むと充実感がすごい。体が求めていたのはこれだと実感します。人工甘味料で飲みやすくしたドリンク酢などとは別物です。

■大根煮のクリアな甘み
 大大根煮 (2)根といえば、ふろふき大根やおでんの「煮大根」も最高にうまいですね。腕のいい板前さんのいるお店では隠し味の砂糖でさらりとした甘みを出したり、ユズなどかんきつ類でサッパリ感を効かせた煮大根が味わえます。

 でも自炊では超シンプルにいきましょう。写真はカラスヒコがよく作る手抜きの煮大根。皮をむいて切り、だし汁にしょうゆをちょっと加えて中火で煮るだけです。ボリューム感のある円柱型ではなく、ひと口大に切ってから煮るので20分くらいで出来上がります。

 外付けの甘みがないぶん、大根の素朴な甘さがクリアに出てくるのが分かります。飽きが来なくていくらでも食べられる。冷ましてから容器に煮汁ごと入れて冷蔵すれば5日間くらいはうまいです。食べるときに温め直しても、冷たいままでもイケる常備菜。

 さて、話しが少し飛びますが、アメリカで平均寿命の伸びが反転したとのニュースがありました。合成オピオイドの過剰摂取によ平均寿命が反転る働き盛り世代の中毒死、そして若い世代の絶望自殺が増えたと(日本経済新聞12月23日)。

 アメリカでは1970年代からファストフードや炭酸飲料による肥満のまん延が指摘されていたにもかかわらず有効な施策を打てなかった。健康悪化に食事改善で取り組むよりもお手軽なサプリや薬品で症状を抑え込むビジネスを支援してきたのです。

 日本も、今は衛生・医療環境が良くて老人層のボリュームが大きいから世界トップクラスの長寿国ですが、格差拡大が進めば将来は同じことになるのかも。まあ、平均寿命がどうなろうと自分だけはピンピンした年寄になりたいですよね。

 切干大根など低加工な食材をおいしく食べるワザを身に付け、「油・糖・添」を極力ブロックする生活を守りましょう。国の福祉制度は当てにできませんから、自衛自炊でディフェンスを固めるのが正解です。

 ではまた。