カット野菜サラダがヘルシーだからとブームになっていますが、あれは葉野菜中心だからカサばかり多くて栄養的には頼りない。自炊派なら、もっと腹にどーんとたまって高栄養なサラダを自製しましょう。キュウリ、トマト、玉ネギを刻んで調味料で混ぜるだけ!
■ベーシック3品を刻む
キュウリ、トマト、玉ネギはまさにベーシック・トリオ。日本じゅうどこでも年中買えて、しかも安い。トマトの酸っぱい汁がカリカリのキュウリに絡み、玉ネギの甘み・辛み、サクサク感とのコンビネーションもいい。
このトリオがレギュラーで、時々パプリカやセロリを混ぜるのもおしゃれです。
野菜を全部刻んで混ぜるこのサラダは、正式には「チョップドサラダ」というそうです。小さく刻むことで、油や調味料が少量でも満遍なく回るから薄味で食べられ、毎日続けても飽きません。だから、野菜を残さず使い切れるという意味でも自炊向き。
刻み方はラフで構いません。カラスヒコは、キュウリなら縦に四つ割りにして、端からトントンといい加減に刻んでいきます。玉ネギは例のみじん切りでキュウリよりはだいぶ小さく刻みます。トマトは、先の二つよりはずっと大きくてもOK。果汁が出てきますが、気にせずざくざく切ります。
ここで、調理のプロの中には、キュウリやトマトの種部分を切り取って捨てると言う人がいます。サラダが水っぽくなって食感が落ちるからと。
でも、私たち横着者のケの自炊サラダでは全部入れてしまいましょう。プロの本格サラダはたまにレストランでいただき、日々の栄養確保やロス減らし、調理のスピードアップを優先したいからです。
同様に、「玉ネギは刻んでからいったん水にさらして辛みを抜くのがコツ」みたいなことを料理番組の先生がよく言いますが、自炊的には全く不要。洗練された上品な味より、横着でもワイルドに栄養を摂りにいくスパイシーなサラダを目指しましょう。
刻んだ野菜を大き目のボウルに放り込んで味付けをします。サラドレの基本比率は「油:酢=3:1」ですから、それを目安にたらたらとかけます。ここで3:1をきっちり量る必要はありません。目見当で十分。少々狂ってもちゃんとおいしく食べられます。
注意するのはかける順番です。先に油をかけていったん混ぜること。「油が各野菜の切断面を薄くコーティングして、その上を酢や塩・コショウが<走る>から少量でも満遍なく行き渡る」とは、丸元淑生さんの言です。なるほど、酢や塩が先では、かけた部分に強く染みて味がまだらになる恐れも。
油は、今日はエクストラバージンのオリーブ油を使いましたが、理想的にはオメガ3系のアマニ油(亜麻仁油)です。アマニ油は、こんな150㌘瓶で900円以上もする高級オイルですが、動脈硬化を防ぐHDL(善玉コレステロール)の宝庫ですから、サラダなど非加熱メニューに和えるならこれが一番。
ちょっと脱線しますが、油は、なるべく小さなボトルで買って早めに使い切るのがお薦めです。自然な油ほど劣化が早いですから、コスパフォよりもあくまで鮮度重視。普通のサラダ油やてんぷら油を安いからと1㍑ボトルで買い込んで延々と使うのは激しくNGです。
■さらば!野菜不足
逆に、酢はほとんど劣化しませんから、いろんな酢をそろえて取っ替えひっ替え楽しむのがいいと思います。今日はちょっと癖のあるバルサミコ酢を使いました。普通の穀物酢や米酢ならあっさりした味になり、白ワインビネガーやレモン汁なら超爽やか。梅酢を使えば独特の甘酸っぱさが楽しめます。
油をかけて混ぜた野菜に、酢・塩・ブラックペッパーを、最初は少なめにかけて混ぜ、味をみながら追加します。カラスヒコの主観では、各調味料はかなり少なめでもおいしい。トマトの酸味や玉ネギのスパイシーな香りがミックスされ、なかなかいい味にまとまるのが実感できます。
この意外なおいしさは、サブウェイでドレッシング抜きのサンドイッチをいただく感覚に似ています。いろんな野菜の味が混じり、わずかな塩と、ピクルスに含まれる酢の風味で素朴かつ飽きの来ない味が出来上がる。このパターンがたぶん、体を汚さないケの野菜の食べ方。自炊サラダはこの路線で行くべきです。
サラダを混ぜるときには、箸やヘラでぐるぐるとかき回すのではなく、写真のように大スプーン2本で底からすくいあげて落とす「対流式洗濯機」みたいにやると、野菜をつぶさずにきれいにできます。
スプーンで食べるので、深めのカップに盛り付け、最後に粉チーズをかければ風味も栄養も完璧。
単身者や学生は「野菜不足」におびえているのが普通です。昔のカラスヒコもそうでしたが、自炊でちゃんと野菜を取る自信がなくて、幕の内弁当とか、野菜炒め定食や野菜ジュースをありがたがり、ファミレスのサラダバーで2回おかわりして「よしっ!」などと悦に入ってみたり。
でも、上のチョップドサラダで3つの野菜を取り、それと並行して、サラダには向かない長ネギやゴボウや、ナスや大根をみそ汁やニャンコめしで食べれば、野菜不足からは案外簡単におさらばできるのが分かります。最初は面倒に思えても、一度始めると体調がみるみる上向き、モチベーションが勝手に上がってくるからです。
さらに常備菜として、週一回作るカボチャの酒蒸し、白菜に生のニンニクとショウガをまぶしたピクレ漬けが加われば、もう無敵。そうやって野菜を、加熱したサラダ油で炒めず、怪しげな○○の素にも絡めず、素朴な自炊メニューで幅広く取り込んでいきましょう。
今は外食・中食ブームですが、大切なのはおいしいものを探すことより、自分で作れる素朴なレシピを増やすこと。味は、プロが監修したメニューが100点とすれば70~80点だったとしても大丈夫。案外飽きないものです。それを続けて自分や家族の体調を100点に持っていくのが狙いです。
カット野菜より高栄養で無添加、かつ安上がりな自製サラダは意外と簡単!
ではまた。
■ベーシック3品を刻む
キュウリ、トマト、玉ネギはまさにベーシック・トリオ。日本じゅうどこでも年中買えて、しかも安い。トマトの酸っぱい汁がカリカリのキュウリに絡み、玉ネギの甘み・辛み、サクサク感とのコンビネーションもいい。
このトリオがレギュラーで、時々パプリカやセロリを混ぜるのもおしゃれです。
野菜を全部刻んで混ぜるこのサラダは、正式には「チョップドサラダ」というそうです。小さく刻むことで、油や調味料が少量でも満遍なく回るから薄味で食べられ、毎日続けても飽きません。だから、野菜を残さず使い切れるという意味でも自炊向き。
刻み方はラフで構いません。カラスヒコは、キュウリなら縦に四つ割りにして、端からトントンといい加減に刻んでいきます。玉ネギは例のみじん切りでキュウリよりはだいぶ小さく刻みます。トマトは、先の二つよりはずっと大きくてもOK。果汁が出てきますが、気にせずざくざく切ります。
ここで、調理のプロの中には、キュウリやトマトの種部分を切り取って捨てると言う人がいます。サラダが水っぽくなって食感が落ちるからと。
でも、私たち横着者のケの自炊サラダでは全部入れてしまいましょう。プロの本格サラダはたまにレストランでいただき、日々の栄養確保やロス減らし、調理のスピードアップを優先したいからです。
同様に、「玉ネギは刻んでからいったん水にさらして辛みを抜くのがコツ」みたいなことを料理番組の先生がよく言いますが、自炊的には全く不要。洗練された上品な味より、横着でもワイルドに栄養を摂りにいくスパイシーなサラダを目指しましょう。
刻んだ野菜を大き目のボウルに放り込んで味付けをします。サラドレの基本比率は「油:酢=3:1」ですから、それを目安にたらたらとかけます。ここで3:1をきっちり量る必要はありません。目見当で十分。少々狂ってもちゃんとおいしく食べられます。
注意するのはかける順番です。先に油をかけていったん混ぜること。「油が各野菜の切断面を薄くコーティングして、その上を酢や塩・コショウが<走る>から少量でも満遍なく行き渡る」とは、丸元淑生さんの言です。なるほど、酢や塩が先では、かけた部分に強く染みて味がまだらになる恐れも。
油は、今日はエクストラバージンのオリーブ油を使いましたが、理想的にはオメガ3系のアマニ油(亜麻仁油)です。アマニ油は、こんな150㌘瓶で900円以上もする高級オイルですが、動脈硬化を防ぐHDL(善玉コレステロール)の宝庫ですから、サラダなど非加熱メニューに和えるならこれが一番。
ちょっと脱線しますが、油は、なるべく小さなボトルで買って早めに使い切るのがお薦めです。自然な油ほど劣化が早いですから、コスパフォよりもあくまで鮮度重視。普通のサラダ油やてんぷら油を安いからと1㍑ボトルで買い込んで延々と使うのは激しくNGです。
■さらば!野菜不足
逆に、酢はほとんど劣化しませんから、いろんな酢をそろえて取っ替えひっ替え楽しむのがいいと思います。今日はちょっと癖のあるバルサミコ酢を使いました。普通の穀物酢や米酢ならあっさりした味になり、白ワインビネガーやレモン汁なら超爽やか。梅酢を使えば独特の甘酸っぱさが楽しめます。
油をかけて混ぜた野菜に、酢・塩・ブラックペッパーを、最初は少なめにかけて混ぜ、味をみながら追加します。カラスヒコの主観では、各調味料はかなり少なめでもおいしい。トマトの酸味や玉ネギのスパイシーな香りがミックスされ、なかなかいい味にまとまるのが実感できます。
この意外なおいしさは、サブウェイでドレッシング抜きのサンドイッチをいただく感覚に似ています。いろんな野菜の味が混じり、わずかな塩と、ピクルスに含まれる酢の風味で素朴かつ飽きの来ない味が出来上がる。このパターンがたぶん、体を汚さないケの野菜の食べ方。自炊サラダはこの路線で行くべきです。
サラダを混ぜるときには、箸やヘラでぐるぐるとかき回すのではなく、写真のように大スプーン2本で底からすくいあげて落とす「対流式洗濯機」みたいにやると、野菜をつぶさずにきれいにできます。
スプーンで食べるので、深めのカップに盛り付け、最後に粉チーズをかければ風味も栄養も完璧。
単身者や学生は「野菜不足」におびえているのが普通です。昔のカラスヒコもそうでしたが、自炊でちゃんと野菜を取る自信がなくて、幕の内弁当とか、野菜炒め定食や野菜ジュースをありがたがり、ファミレスのサラダバーで2回おかわりして「よしっ!」などと悦に入ってみたり。
でも、上のチョップドサラダで3つの野菜を取り、それと並行して、サラダには向かない長ネギやゴボウや、ナスや大根をみそ汁やニャンコめしで食べれば、野菜不足からは案外簡単におさらばできるのが分かります。最初は面倒に思えても、一度始めると体調がみるみる上向き、モチベーションが勝手に上がってくるからです。
さらに常備菜として、週一回作るカボチャの酒蒸し、白菜に生のニンニクとショウガをまぶしたピクレ漬けが加われば、もう無敵。そうやって野菜を、加熱したサラダ油で炒めず、怪しげな○○の素にも絡めず、素朴な自炊メニューで幅広く取り込んでいきましょう。
今は外食・中食ブームですが、大切なのはおいしいものを探すことより、自分で作れる素朴なレシピを増やすこと。味は、プロが監修したメニューが100点とすれば70~80点だったとしても大丈夫。案外飽きないものです。それを続けて自分や家族の体調を100点に持っていくのが狙いです。
カット野菜より高栄養で無添加、かつ安上がりな自製サラダは意外と簡単!
ではまた。