道産子のカラスヒコはジンギスカン大好きなのですが、既成のタレは添加物だらけ。やむなく自製に初トライしたら感動的においしく出来ました!主成分はしょうゆ+リンゴと玉ネギのすりおろし。どろりとした見掛けでも味はサッパリ系。サラドレにもイケます。
■一晩寝かせて化ける味
超面倒くさがりのカラスヒコですから、おろし金を使うのは数年ぶり。でも、これは手間を超えたうまさ、コスパフォ抜群です。すりおろすブツは4種。リンゴ、玉ネギ、生ニンニク、生ショウガ。
量は大ざっぱでいいのです。リンゴと玉ネギは小サイズなら各1個、大なら半分ずつくらい。ニンニクは1片、ショウガはそれと同じくらいのサイズ。家庭食ですから味が都度ブレても気にしない、というより変化を楽しむスタンスでいきましょう。
すりおろし組の全量と等量くらいのしょうゆをどぼどぼ注ぎ、レモン1個を搾って混ぜ、煮きり酒を少々、まあコップ3分の1くらいでしょうか。
煮きり酒は、いちいち火を付けて燃やさなくても、料理酒を小鍋で30秒ほどぐらぐら煮立ててアルコール分を飛ばせば十分おいしく使えます。ただし、冷ましてから。冷ます時間がないときは強制冷却あるのみ。ここの最後の部分をご参照ください。
あとはコショウを適当に振り、フタをしてシェーカーのごとくシャカシャカ振り回せば出来上がり。所要時間は約10分でした。
すぐに味見をすると、生の玉ネギやリンゴの味が個々に強過ぎて、やや角が立つような無骨な味なのですが、これを冷蔵庫で1日寝かせると程よくなじむと言いますか、化けます!一瞬、何が材料だったか作った本人が思い出せないほど別物の味に、まさに市販のジンギスカンのタレの味になるのです。
市販のタレは、最近スーパーで7種類ほど成分リサーチをしましたが、どれも調アミ、カラメル色素、増粘多糖類の三点セットが漏れなく入ってお買い毒(!?)。それらとほぼ同じ味を無添加で作れると分かって、カラスヒコは大いに感動しました。
ただし、自製タレは商品にはなり得ません。なぜなら風味が、おそらく冷蔵庫で4、5日しか持たないはずですから。市販品のように常温で1年以上、味も色も変わらない便利な使い勝手はなし。まあ、どちらに価値を見出すかの問題でしょう。
レシピサイトをいろいろ見ると、ジンギスカンのタレには実に多彩なバリエーションがありました。上記のベーシック材料8品に加えて砂糖を入れる、すりゴマを混ぜる、ハチミツを垂らす、唐辛子、生柿、みそ、みかん汁、トマトケチャップなどなど。まあ、手間暇との兼ね合いでマイダレを楽しくR&Dする余地がたっぷりありそうです。
■肉タレはサラドレにも使える
さて、ここからは応用編。自製ジンギスカンのタレはかなり汎用性が高い、つまり自炊で幅広く使い回しが利きそうなのです。豚肉にかけても結構イケました。
写真の右皿は豚肉薄切りをレンジの網で、余分な油を下に垂らしながら焼き、レタス、湯がきブロッコリー、生玉ネギスライスと一緒に盛り付けた例。
自製タレをスプーンで多めにかけてやると、肉ばかりか野菜も非常においしい。肉用に作った自製タレが生野菜用ドレッシングとしても十分に使えるのが分かります。
玉ネギやコショウでスパイシーな味が出る上に、ニンニクとショウガで味に重厚感が加わり、リンゴの甘み、レモンの酸味が実に爽やか。
いわゆるサラダドレッシングの基幹成分は塩と酢と油ですが、この自製タレでは、塩の代わりをしょうゆ、酢の代わりをレモン汁が務めています。足りないのは油だけ。
そして油の機能とは、丸元淑生さんの言葉を借りれば、葉野菜の表面をコーティングしてシャリ感を守ると同時に、付加する味つまり塩と酢が滑らかに、サラダ全体に均等に回るようにする、文字通りの「潤滑油」なのだと。
大きなボウルにちぎり入れた葉野菜に、質の良い油、例えば亜麻仁油などを少量かけて何度も「トス」する。つまり木製フォークなどで優しく持ち上げて落とすようにしながら全体に油を薄く行き渡らせ、その後に塩や酢を「走らせる」のが本物の「トスドサラダ」であると。
だとすれば、私たちの小規模なケの自炊現場では、油は使わなくとも、塩(またはしょうゆ)と、酢(またはレモン汁)を、すりおろしてどろどろになったリンゴや玉ネギと一緒に適量ずつ野菜に絡めて箸で食べるスタイルも、本来のトスドサラダに、コンセプト的に案外近いのではないかと思ったわけです。
すなわち、週一回自製タレを作れば、安いサラダ油や化学調味料や増粘系添加物にまみれた既成ドレッシングをわざわざ買わなくても、肉も野菜もおいしく食べられる。野菜不足の不安感をあおるCMでサラドレ常習者に追い込まれる食生活から逃げられる。自製タレは自炊の大きなインセンティブになるのです。
このタレは栄養価も高いので、4、5日たって風味が飛びそうになったら日本酒や焼酎のさかなにして食べ切るのもお薦め。また、上記材料のリンゴを大根に替えれば、かなり本格派の牛ステーキ用ソースになります。甘みが消えて大根らしいフレッシュな辛みが際立ち、これはビーフによく合うからです。
さて、すりおろしグループの、おろし切れない残り部分は、4品をまな板の上にまとめて、包丁でたたいて細かくしてタレに混ぜてしまえばロスが出ません。適度な歯触りと不均一な手作り食感もまた自製タレの醍醐味(だいごみ)です。
ではまた。
■一晩寝かせて化ける味
超面倒くさがりのカラスヒコですから、おろし金を使うのは数年ぶり。でも、これは手間を超えたうまさ、コスパフォ抜群です。すりおろすブツは4種。リンゴ、玉ネギ、生ニンニク、生ショウガ。
量は大ざっぱでいいのです。リンゴと玉ネギは小サイズなら各1個、大なら半分ずつくらい。ニンニクは1片、ショウガはそれと同じくらいのサイズ。家庭食ですから味が都度ブレても気にしない、というより変化を楽しむスタンスでいきましょう。
すりおろし組の全量と等量くらいのしょうゆをどぼどぼ注ぎ、レモン1個を搾って混ぜ、煮きり酒を少々、まあコップ3分の1くらいでしょうか。
煮きり酒は、いちいち火を付けて燃やさなくても、料理酒を小鍋で30秒ほどぐらぐら煮立ててアルコール分を飛ばせば十分おいしく使えます。ただし、冷ましてから。冷ます時間がないときは強制冷却あるのみ。ここの最後の部分をご参照ください。
あとはコショウを適当に振り、フタをしてシェーカーのごとくシャカシャカ振り回せば出来上がり。所要時間は約10分でした。
すぐに味見をすると、生の玉ネギやリンゴの味が個々に強過ぎて、やや角が立つような無骨な味なのですが、これを冷蔵庫で1日寝かせると程よくなじむと言いますか、化けます!一瞬、何が材料だったか作った本人が思い出せないほど別物の味に、まさに市販のジンギスカンのタレの味になるのです。
市販のタレは、最近スーパーで7種類ほど成分リサーチをしましたが、どれも調アミ、カラメル色素、増粘多糖類の三点セットが漏れなく入ってお買い毒(!?)。それらとほぼ同じ味を無添加で作れると分かって、カラスヒコは大いに感動しました。
ただし、自製タレは商品にはなり得ません。なぜなら風味が、おそらく冷蔵庫で4、5日しか持たないはずですから。市販品のように常温で1年以上、味も色も変わらない便利な使い勝手はなし。まあ、どちらに価値を見出すかの問題でしょう。
レシピサイトをいろいろ見ると、ジンギスカンのタレには実に多彩なバリエーションがありました。上記のベーシック材料8品に加えて砂糖を入れる、すりゴマを混ぜる、ハチミツを垂らす、唐辛子、生柿、みそ、みかん汁、トマトケチャップなどなど。まあ、手間暇との兼ね合いでマイダレを楽しくR&Dする余地がたっぷりありそうです。
■肉タレはサラドレにも使える
さて、ここからは応用編。自製ジンギスカンのタレはかなり汎用性が高い、つまり自炊で幅広く使い回しが利きそうなのです。豚肉にかけても結構イケました。
写真の右皿は豚肉薄切りをレンジの網で、余分な油を下に垂らしながら焼き、レタス、湯がきブロッコリー、生玉ネギスライスと一緒に盛り付けた例。
自製タレをスプーンで多めにかけてやると、肉ばかりか野菜も非常においしい。肉用に作った自製タレが生野菜用ドレッシングとしても十分に使えるのが分かります。
玉ネギやコショウでスパイシーな味が出る上に、ニンニクとショウガで味に重厚感が加わり、リンゴの甘み、レモンの酸味が実に爽やか。
いわゆるサラダドレッシングの基幹成分は塩と酢と油ですが、この自製タレでは、塩の代わりをしょうゆ、酢の代わりをレモン汁が務めています。足りないのは油だけ。
そして油の機能とは、丸元淑生さんの言葉を借りれば、葉野菜の表面をコーティングしてシャリ感を守ると同時に、付加する味つまり塩と酢が滑らかに、サラダ全体に均等に回るようにする、文字通りの「潤滑油」なのだと。
大きなボウルにちぎり入れた葉野菜に、質の良い油、例えば亜麻仁油などを少量かけて何度も「トス」する。つまり木製フォークなどで優しく持ち上げて落とすようにしながら全体に油を薄く行き渡らせ、その後に塩や酢を「走らせる」のが本物の「トスドサラダ」であると。
だとすれば、私たちの小規模なケの自炊現場では、油は使わなくとも、塩(またはしょうゆ)と、酢(またはレモン汁)を、すりおろしてどろどろになったリンゴや玉ネギと一緒に適量ずつ野菜に絡めて箸で食べるスタイルも、本来のトスドサラダに、コンセプト的に案外近いのではないかと思ったわけです。
すなわち、週一回自製タレを作れば、安いサラダ油や化学調味料や増粘系添加物にまみれた既成ドレッシングをわざわざ買わなくても、肉も野菜もおいしく食べられる。野菜不足の不安感をあおるCMでサラドレ常習者に追い込まれる食生活から逃げられる。自製タレは自炊の大きなインセンティブになるのです。
このタレは栄養価も高いので、4、5日たって風味が飛びそうになったら日本酒や焼酎のさかなにして食べ切るのもお薦め。また、上記材料のリンゴを大根に替えれば、かなり本格派の牛ステーキ用ソースになります。甘みが消えて大根らしいフレッシュな辛みが際立ち、これはビーフによく合うからです。
さて、すりおろしグループの、おろし切れない残り部分は、4品をまな板の上にまとめて、包丁でたたいて細かくしてタレに混ぜてしまえばロスが出ません。適度な歯触りと不均一な手作り食感もまた自製タレの醍醐味(だいごみ)です。
ではまた。