北海道の実家で、認知症の母カラスとの同居生活開始。母は「明日帰るのかい」と毎日20回くらい聞いてきます。今回は違うと言っても分からない。学生時代以来、2~3泊してすぐ発ってきた親不孝がたたっています。ずっとそばにいると信じてもらうまでに何カ月もかかりそう。

明らかに過食の母カラス

到着翌日にケアマネジャーさんと面談して、これまで週3回だったデイサービス通いを火曜・金曜の2回に変更。ヘルパーさんによる週7回の居宅サービスも、それに合わせて火・金の2回に減らして当面様子を見ることにしました。

 

つまり、炊事・掃除・洗濯など舞台裏のマネジメントはカラスヒコが担当し、デイサービスへ送り出す日の替え下着の選択や季節に合わせたアウターの組み合わせなど、ファッションコーディネート的な部分は無粋な息子の手には負えないのでヘルパーさんに任せることに。


  取りあえず野浅漬け (3)菜の浅漬けを一週間分作って冷蔵庫へ放り込み、豆ごはんも、家にあった大豆と金時豆でスタート。おいおい押し麦やアマランサスなども追加していくつもり。みそ汁は、台所にあった茶色の顆粒(化学調味料)を処分して昆布と荒削りのカツオ節を導入。味的には結構好評なのでありがたい。

 

今回あらためて驚いたのは、母がずいぶん太ったこと。去年の秋、ヘルパーさんから、「冬用の替えズボンを送ってください」と電話をもらったとき、「胴周りはLLでないと入りません」と言われ、えっ?と思ったことがありましたが、今回しげしげと見ると確かにアンコ型。ウエストがない!

 

3、4日暮らしてみて、その原因が分かりました。明らかな食べ過ぎ。晩ご飯の後、年寄には水分補給も大切だろうと思って、「お茶入れようか」と気遣ったのが間違いでした。母は「お茶だけだと寂しい」とか言い出して、勝手に菓子パンを出してきてむしゃむしゃ食べ始めたのです。夜の9時ころ。

 

それは山崎製パンの「牛乳パンシュガー」という、ミニサイズのトーストにマーガリンと砂糖をべったり塗ったもの。栄養成分を見るとタンパク、脂質、炭水化物、ナトリウム(つまり精製食塩)のみでミネラルはゼロ。

 

原材料名にも糖類、発酵風味料、乳化剤、香料、イーストフードなど得体の知れないメンツが並んでいます。こっそりゴミ箱あさりをしてみたら、この袋が何枚も出てきてあきれました。

 

こりゃ駄目だと思い、翌日はお茶を入れると同時にカラスヒコ主導で、干し柿と素焼きアーモンドと白菜の浅漬けをずらっと並べてみました。それらも「おいしい、久しぶり」と喜んで食べてくれたのは大変良かった。ところが、終わらない。目の前に食べ物がある限りだらだらと、テレビを見ながらいつまでも食べ続けます。

 

「まだ食べるのかい」と聞くと、「もう終わりだよ。おなかいっぱい」などと言いつつ、2分後にはまた自然に手が伸びる。ぐうたら過食症と記憶障害が重なって満腹ブレーキが効かない状態なのでしょう。アンコ型になるのも当然で、血管があちこち詰まってボケも加速するはず。

 

2年前に要介護1から3へ「特進」した背景には、こうした食習慣の地滑り的な劣化があったようです。たまの、とんぼ返りの帰省では見抜けませんでした。いたく反省。いやはや、どうしたものか。

 

■菓子パンを自然にやめる体

ただ、菓子パンを取り上げたり隠したり、そういう強制的な手段は取るまいと、今回の同居前にカラスヒコは固く誓いました。以前、山の中の個室型の老人ホームに受かった(順番待ちが終わって入所許可が出た)のにキャンセルしたのも、物理的に安全とはいえ、軟禁に近い環境で母が精神の安定を崩すのを恐れたからです。

 

だから健康のためとはいえ、好きな物を食べさせないとか、体にいいからと嫌がる食品を無理強いすることなく、なんとか気持ちの平穏を保ったままエンディングまで行かせてやりたい。

 

できれば、豆ごはんや本物だしのみそ汁・煮物、焼き魚といった、母より一つ上の世代の食パターンに徐々に切り替え、本人が自然に菓子パンを欲しがらないコンディションを取り戻せないものか。カラスヒコ自身が20代の悪食から30代に「更生」したのと原理的には同じと思うからです。

 

認知症でイカレてしまった脳細胞の復活は無理としても、胴周りについた余分な脂肪を食の改善で落とすことで血圧や血糖値を下げられれば、脳梗塞や心筋梗塞、骨粗しょう症など次なるリスクを減らせるのではないか。

 

左の写真は昨日朝食 (54)の朝食、塩サバ焼きと浅漬け。肉好きの母ですが、「焼き魚は久しぶり」と喜んで食べていました。タンパク源を魚やみそ汁や豆に切り替えていけば油漬け生活からは早々に抜けられるでしょうが、問題はサトチューです。

 

丸元淑生レシピのリンゴ蒸しのように天然の甘味が強烈なアイテムを有効に使って、精製砂糖や人工甘味料に持久戦を挑んでいきます。干し柿、ココナツミルク缶、あるいはコーヒーや紅茶に黒糖を入れるなどいろんな手を尽くしてみるつもり。

 

それにしても、毎度食事が終わってカラスヒコが「ごちそうさまでした」と言うと、「お粗末さま」と返してくるのでズルッとコケそうになります。自分で作った気でいますから、やはり要介護3はなかなか手ごわい。気長に構えてじわじわ攻めるしかありませんね。

 

ではまた。