ショウガの梅酢漬けです。生ショウガを細切りにして塩を満遍なく振って10分間放置。出てきた水をぎゅっと搾り、容器に詰めて梅酢をかけました。これは飽きない。毎日豆ごはんに載せていただく「サムごは常備菜」の年間定番です。

■血色が良くなる
 シショウガ (2)ョウガとニンニクは自然健康食材の両横綱だとカラスヒコは思っています。体温を上げて老廃物を燃やし、血流をよくして体の末端まで活性化させる。
 それは専門家に教わるまでもなく、ショウガやニンニクを食べたとき私たちはリアルな充足感を覚えます。

 肉や魚や野菜の調理に使えば味と香りがよくなり、食欲が進みます。そうやってショウガとニンニクを食べ続けると私たちの体調は改善し、それは血色の良さとして他人から見ても分かるほど。健康目的で自炊をやるなら、これを取り入れない手はありません。

 ただし、その前提条件はやはりコメ主食体制なのです。パン食ではショウガやニンニクをコンスタントに組み込むのが難しい。すりおろしてスープに入れる手がありますが手間が超大変。
 かといって、パウダーや顆粒製品で代用すると単なる調味料になってしまい、栄養的メリットは期待できなくなります。

 ショウガの梅酢漬けのレシピはこちらをご参照ください。このときにはショウガを薄切りで使いましたが、今回はさらに梅漬け細切りにしました。味は同じです。
 上の写真はきれいなピンク色に上がっていますが、それは色の薄い梅酢に加えて、左写真の梅漬けの真っ赤な漬け汁を混ぜたからです。シソの色と香りが出て、なまらウメー。

 一方のニンニクは、単純に串焼きやホイル焼きにして食べるとうまくて栄養満点なのですが、においがキツくてはた迷惑。カラスヒコは独居老人になったらやろうと思って今からわくわくしています。

 当面、はた迷惑にならずにニンニクを生でたっぷり取る食べ方はピクレ漬けでしょう。ここに詳細を書きましたが、生ニンニクと生ショウガを細切りにして混ぜ込んだ白菜メインの自製漬け物です。白菜がおいしい冬場の定番総菜としてお薦めの加工ワザ。

 これを食べつけると、化学調味料たっぷりの漬け物を買うのが心底アホらしくなってきます。自分の舌を天然の味覚に合わせて「調教」し、合成物質に対するセンシング能力を高めることで健康リスクの大半は避けられるとカラスヒコは考えています。

■「デジタル食品」を避ける
 さて、そうやって「悪いものを体に入れない」が「サムライごはん」のコア・テーマなのですが、シャットアウトは到底できないのも残念ながら事実です。どんなに注意をしても防ぎ切れないほど現代の食環境が悪化しているからです。
 
 最近、面白いというか、恐ろしい本を読みました。『デジタル食品の恐怖』(高橋五郎著/新潮新書2016年)。
デジタル食品 (2)
 この本では、食品を独自の4カテゴリーに分類しています。➊自然の農水産物(未加工) ➋プライマリー食品(低加工) ➌モジュール食品(高加工) ➍デジタル食品(完成加工)。
 左の表を無断転載させていただきました(同書18ページ)。これをよく見れば分かるように、加工度が上がるのが単純に悪いという話ではなさそう。

 加工度が上がることで、確かに原材料や産地が見えなくなり、値段が下がり、添加物が増える。それは私たちもよく知っているのですが、同時に重金属汚染が高まる点もこの本では鋭く指摘しています。

 添加物の被害より、そっちのほうが一層危ないのかもしれません。残留農薬成分として有名なカドミウムと水銀、それにヒ素、鉛、六価クロムを加えた5つの重金属がとりわけ健康の脅威であると。

 農地や海川が重金属で汚染されると農作物や水産物にも吸収・蓄積されますから➊でも十分に危険なわけです。それが特に➌➍では十数種類もの材料がミックスされることにより、例えば➊ではカドミウムだけで済んでいたダメージが、知らぬ間に複数の重金属や抗生物質などまでセットで摂らされてしまう。

 しかも著者は、重金属などは食品の「原材料名」として表示されることもなく、安全基準値もないか、あっても大ざっぱで現実的な警鐘にはなっていないと危惧しているわけです。ああ、これは結構大変だ。

 当然、私たちが愛食するコメや大豆、煮干しや切干大根など➊➋食品にも重金属などの汚染が進んでいる可能性があるのでしょう。けれども、カラスヒコはビビッてもしようがないと思いました。放射線や電磁波や、アスベストや遺伝子組み換え食品と同じ環境問題だからです。

 つまり、社会のニーズでそれらがまん延し、個人レベルでは到底ブロックし切れない事実をまず認めるしかありません。その上で防げるもの、例えば砂糖や人工甘味料、添加物や精製油脂などを抑える。シャットアウトできなくても最少失点を狙うのです。
 先の表でいえば➊➋はほぼ問題なし。➌は「原材料名」をよく見て厳しく選別し、➍を締め出す。

 重金属対策としては、この本では最後のほうで体の排せつ力を高ることを勧めています。大根や発酵食品を食べ続けることで重金属の体内での「滞在時間」を減らし、最終的な残留度を下げる可能性に賭けること。

 数値的な裏付けこそ示されないものの、私たちの既知感・体験則には沿っていますから、カラスヒコ的にはこれで行こうと思います。そしてショウガやニンニクでワイルドな血流をキープすればハッピーエンドに、すなわちピンコロ・フィニッシュに持ち込めるでしょう、きっと!

 ではまた。