「サムライごはん」de自衛自炊

忙しい人こそ自炊しましょう!料理嫌いのための高栄養で無添加な「ケ」の食の技術を研究するブログです。悪食による人格崩壊から辛くも生還したカラスヒコの経験に基づく学生・単身赴任者・シングルマザー向け貧乏自炊教室にお付き合いくだされ!

煮干し

間食のセルフディフェンス化

 「自衛自炊」の基本は体にヘンな物を入れないことですから、食事の「サムライ化」が軌道に乗ったら、次は間食の改革。菓子パンやスナック菓子を締め出し、煮干し・ドライフルーツ・豆・ナッツ・チーズなど自然食品で固めましょう。太らず、血圧も上がらないおやつ世界へ!

■煮干し・プルーン・大豆
 例えば、左写真の煮干しプルーン大豆手前は煮干しです。どこのスーパーにも売っている片口イワシを煮て干しただけの、200㌘500円ほどの普及品。
 もちろん、煮干しはみそ汁のだしやニャンコめしの具材に使うのがメインですが、これは案外スナック向き。濃厚なうま味と程よい塩味があるからです。

 ポテチなどスナック菓子のうま味は化学調味料ですから強力な後引き感があり、気が付くと一袋を丸ごと食べてしまうこともあります。でも煮干しなら大丈夫。3、4尾も食べると満足します。

 たぶん、必要なカルシウムやタンパクの量を体がセンシングしていて、「はい、これでOK」と満杯サインを脳に出すからでしょう。
 調味料(アミノ酸等)はこのオートストップ・システムをダウンさせ、スナック菓子=油・糖・添のかたまりを際限なく受け入れてしまう結果に。

 煮干しは、袋に入ったままでは面倒ですが、こうやってフタ付き容器に小出しして冷蔵庫に入れておけば便利。1尾ずつ口に放り込んでむしゃむしゃと噛みながら、調理や掃除や着替えができます。

 上写真の左側はドライプルーンで、こちらはビタミン、ミネラルの宝庫。凝縮された甘みがうまいのですが、未精製糖類ですから太る心配はありません。
 ただし、プルーンやレーズンには、たまに「精製植物油」を塗ったアイテムがありますから要注意。艶々した見た目をウリにした商品ですが、成分表示を見れば私たちにも簡単に見分けられます。

 その右側は煮大豆です。大豆をトラディショナルに、つまり一晩水に浸けてから30分間くらいアクを取りながら煮込んで塩を振ったもの。これもうまいです。居酒屋で出てくる枝豆のサヤを除いたようなものですから、間食としてはなかなか豪華。作るのが面倒なのが玉にきずですが。

 大豆は、煎り大豆を買っておけば申し分のないスナックになります。もっとも最近では、小規模なスーパーでは扱わない店舗も増えました。おそらく、煎り大豆の主要客層だった老人たちが硬さや味の薄さを嫌って離れたせいでしょう。
 その結果、若い人には「イリ大豆って、大豆入りバーか何か」だと思っている人もいるようです。ソイジョイかって?

 「豆離れ」は世界的な現象です。タンパク源が、経済発展によって肉へ移行するのは必然みたいにいわれていますから。実際には、アメリカの食料戦略を押し付けられているだけなのですが、このムーブメントはあまりにも強大過ぎて、ちょっと変えようがありません。

 ただカラスヒコは、個人レベルでの「豆回帰」は案外簡単だと思っています。主食の「豆ごはん化」は、コメと一緒にといで炊くだけですから余分な手間はゼロ。煮大豆は多少面倒とはいえ、10日に一度くらい作る常備菜と位置付ければスナック代わりに、あるいはサラダやカレーに混ぜるなどして日常的に食べられますから。

 しかも日本には、みそ・しょうゆ・豆腐・納豆など大豆系の発酵食品が豊富にあるので、調理習慣さえ放棄しなければ豆不足に陥る心配はありません。

■プチ断食かつ糖質オフ
 さて、間食に話を戻しますが、よりスナック・イメージの強いアイテムならナッツ、そしてチーズです。質の良いタンパクを、肉・ハム・ベーコンなどとは違って油脂や添加物抜きで摂れる優れた食材。ウイスキーやバーボンのつまみになる、いわゆる乾き物です。

 ナッナッツツは袋から出して、写真のように空き瓶に入れて並べておくと手軽につまめます。左からアーモンド、クルミ、カシューナッツ。
 このほかにも、ピスタチオ、マカデミアナッツもうまいですね。また、バタピーでない、落花生の殻をむいただけのピーナツも素朴な味でカラスヒコは大好き。

 チーズは、安いアイテムには、ほぼ必ず乳化剤やpH調整剤がが入っています。これらは毒ではありませんから神経質に避ける必要はないでしょう。
 でも、チーズが大好きで、頻繁かつ大量に食べたい人なら、値段が2~4倍するのは覚悟の上で成分表示が「生乳・塩」だけのナチュラルチーズを選ぶほうがベター。

 そうやって、間食をセルフディフェンス化していきましょう。輸入アイテムが豊富なお店、例えば明治屋、成城石井、カルディ、ジュピターあたりで探せばいろいろ見つかります。ただし、ああいうお店はスイーツの宝庫でもありますから、変な衝動買いにはくれぐれもご注意を。

 さて、とはいえ間食は、本当なら一切しないのがベストなはず。食事と食事の間には、きちんと空腹タイムを作って体内の老廃物を燃焼させることが大事です。消化器官が休養することで体に本来備わっている免疫機能が強まる、つまり病気になりにくい体質になるという話も本当らしいので。

 ならば、もう一歩踏み込んで、上に挙げた「良質の間食アイテム」を、小腹を満たすおやつではなく、むしろ「食事の代替」にコンバートする戦略が見えてきます。つまり、1日3食の習慣を2食に減らし、1食分を煮干しやナッツなどに置き替えてしまう手。

 その1食、例えば朝食が、量でいえば0.3食分くらいに減って「プチ断食」状態に近くなり、中身はタンパクやビタミン、ミネラル中心のいわゆる「糖質制限食」。つまり、ある程度の有効性が認められている二つの健食セオリーを同時に採用するトライアルです。

 ただし、1日に最低1食は正規の「サムライごはん」を欠かさず、炭水化物を含めた栄養素を網羅的に摂り込むのが大前提です。ポイントは、栄養バランスを守りつつ炭水化物の量だけを少々減らす。カラスヒコの経験では、これは効きます。体力を落とさずに体が引き締まってくるのが分かります。

 今の崩食社会の問題のコアは、正規の食事がスルーされ、菓子パンやスイーツやスナック菓子に置き換えられることです。その結果、多くの人が栄養不足と油・糖・添過多のダブルパンチに見舞われている。生活習慣病パンデミックの真因は、高齢化でもストレス社会でもなく、食べ方のミスだとカラスヒコは考えています。

 単身ワーカーやワーママさんの場合は、とりわけ体が資本。病気になったらアウトなのですから、くれぐれも「忙しいから簡単に済ませる」というトレンドに乗らないことです。判断力を研ぎ澄ませ、無駄なものを食べない生活をキープしましょう。

 ではまた。

「脱・調アミ」プロジェクト

 調味料(アミノ酸等)にまみれた体をクリーン状態にリセットしましょう。「調アミ」を含む食べ物を一切取らない食生活も、その気になってトライすれば案外簡単なのが分かります。舌を初期化して、トラディショナルな本物だしの味を刷り込んでやりましょう。

■舌を体が裏切る快感
 例えば、写真右昆布とカツオ節のような荒削りタイプのカツオ節2、3片を口に放り込み、日本酒か焼酎のさかなにしてクチャクチャ噛めば、じわっと染み出すだしのうまさが感動ものです。
 豆ごはんに載せて、しょうゆを1、2滴垂らし、焼き海苔で包んでむしゃむしゃと噛みしめてもいい。「脱・調アミ」ライフへの意欲が湧いてくる瞬間です。

 昆布をハサミでひとくちサイズに切り、ガムのように噛んでみても同じです。唾液でだんだんやわらかくなるにつれ、明らかに調アミよりも深くてナチュラルな味が広がり、舌というより体全体が喜ぶ感覚に驚きます。

 煮干しをバリバリかじっても濃厚な天然だしが大量に染み出してきますし、それがワイルド過ぎるというのなら、煮干粉を豆ごはんに振りかけて食べてもしみじみうまい。
 カツオ節、昆布、煮干しは和食の3大だし素材ですから、私たちの舌と体はちゃんとポジティブに反応するのが分かります。

 なのに、それを食習慣に組み込めないのは、世の中に「本物だしをとるのは難しい、面倒だ、素人には大変過ぎる」という思い込みが、広く深く浸透しているからです。だから、私たちのような料理下手で劣等感を抱く人々は、最初からトライもせずに諦めてしまいがち。

 そこを、各自が「脱・調アミ」プロジェクトで突破しましょうというのが今日の話。具体的にやることは次の二つです。まず、成分表示を見て調アミ食品を当分の間は一切食べないと自分に誓います。もう一つは、自分の体を一定期間、強制的に天然だし漬けにしてやります。方法は全く単純ですが確実に効きます。

 例えば、他炊(外食・中食)生活に浸ってアル中ならぬ「アミ中」に堕している学生さんでも、炊飯器でご飯を炊き、カツオ節を気納豆前よくドサッと載せてしょうゆを垂らして食べれば、3、4回で体調がじわじわ好転してくるのが実感できるはずです。

 この局面で、納豆・海苔・梅干し・魚缶を援軍として一気に投入すれば、質実な自炊ライフの基礎があっけないほど簡単に出来上がってしまいます。あれ、家メシってこれでいいんだ、みたいな。頭より先に体が納得するといいますか、アミ中の舌を体が勝手に裏切っていくような、ちょっとミステリアスな快感。

■カツオ節モチベーション
 もちろん、調アミをべたべた塗った味付け海苔や韓国海苔では駄目ですし、梅干しも魚缶も無添加アイテムに絞るべき。でも、注意点はたったのそれだけです。
 当プロジェクトの利点は、本格的にだしを取ったり、面倒な皮むきや下ごしらえなど料理らしいことを一切しなくても、体は確実にV字回復を始めること。

 調アミをしばらく断ち、舌がカツオ節の味に慣れてくると、ある日他炊で、調アミのみそ汁や漬け物を食べたときに「あれっ?」と感じます。なぜか以前ほどうまいと思わないのです。
 その違和感が出てきたらしめたもの。自製だしでみそ汁を作ろうとか、工業生産のタレやソースを使わない蒸し料理にトライしてみようなど「第二期工事」へのモチベーションになりますから。

 根性や掛け声で頑張る自炊計画は必ず頓挫します。また、出来合い総菜や冷凍食品を「賢く利用」するビジュアル的に華やかな自炊も、実は本物の自炊ではなく「外食型お料理キット」の組み立て作業をやっているだけですから、ビタミン、ミネラルの確保はおぼつかず、油・糖・添の排除もできません。ピントが外れているのです。

 調アミには、舌はだまされて喜んでいても、体は困惑しているのかもしれません。というより、本来なら地球上で暮らす生命体の消化器官には入ってくるはずのない合成物質ですから、体はそれを異物の侵入とみなして一生懸命に排出しようと頑張って疲弊していくのかも。

 免疫システムを年中酷使することで、システムの不調や誤作動、すなわち各種アレルギーや過敏症が生じやすくなっているのでは。今の科学では実証困難だとしても、そう仮定すれば辻褄が合いますし、逆に自分の体から調アミその他の合成物質を締め出し、トラディショナルな食事を増やすほど体調がよくなるのも事実。

 だから、怪しいと感じたら、社会がオフィシャルな答を出す前に自分の直感に従って動くべきだとカラスヒコは考えます。豊かで衛生環境も抜群にいい日本の社会で、年寄ばかりか若い人や子どもにまで病人が増え続けるミステリーの解は、各自がトライ&エラーを繰り返しながら見付けていきましょう。検索ではなく。

 さて、カラスヒコは昆布茶を、煮干粉と同様にご飯にかけて食べようと、いろいろ調べたことがありました。でも、昆布茶は駄目です。マニアックに探せばいい製品もあるのでしょうが、スーパーあたりで買えるアイテムのほとんどは、なぜか調アミ入りなのです。
 昔は健康飲料だった昆布茶が今やイメージ優先のフェイク品。そのほうが安く売れるからでしょうが、健康管理が非常に難しい世の中になってきたものです。やれやれ。

 ではまた。

ニャンコめしで健康に投資

 ニャンコめしは自炊の主力メニューになるのです。例えば朝にご飯を炊いて炊き立てをいただき、夕食には冷めた残飯をあつあつのニャンコめしにしてふうふう食べる。味も栄養価も満点。ビジュアル的な偏見を捨て去ることで健康自炊の世界が一気に開けてきます。

■超簡単ナチュラル食
 ニャンコめニャンコめし (15)しは、ご覧の通り見た目がチョー貧相ですから、学生や若い女性なら腰が引けてしまうのかも。おしゃれでカッコいい自炊ライフをイメージしてしまうと、もっとビューティフルで、他人から「いいね!」と言われるメニューを作りたいと思ってしまう。その勘違いが挫折の始まりです。

 水300ccに煮干しをバキバキ折り入れ、みそ汁用にストックしてある野菜をみじん切りして放り込んで煮立てましょう。沸騰したら火を弱め、2~3分煮たらみそを溶き、残飯を入れて混ぜて再び火を強めて再沸騰直前で出来上がり。

 あまりとろとろ煮込んで流動食化しないほうがヘルシーです。トータルの調理時間は10分前後ですから、インスタントやチン食PB総菜と大差ありません。にもかかわらニャンコめし (16)ず無油脂・無添加のナチュラル食。見てくれさえ気にしなければ「本物食」は難しくないことが分かります。

 煮干しは、写真のように太くて全長10㌢もあるような大柄サイズなら2尾くらい、細くて小柄な場合は5、6尾使いましょう。煮干しはニャンコめしの味の決め手ですから、けちけちせずに多めに使うのがポイント。濃厚なうま味が出るのはもちろん、カルシウムなど小魚系ミネラルもたっぷり摂れます。

 煮干しの頭部は骨っぽいですが空洞が多く、親指と人差し指でもむと簡単にすりつぶせます。胴体は硬いので、非力な女子なら無理に折らなくても大丈夫。煮れば歯で噛みつぶニャンコめし (17)せる程度にはやわらかくなります。
 細かく折ったほうがだしが早く濃く出ますが、ニャンコめしの場合は煮干しも具材として食べてしまうので、体に取り込むミネラル量は結局同じですから。

 野菜は、今回は大根、ニンジン、玉ネギを使いましたが、これは何でもOK。長ネギ、パプリカ、生シイタケ、ゴボウ、ジャガイモなどを刻み入れてもうまいです。煮えにくい野菜をより細かく切って、同時に煮え上がるよう工夫します。

 ニャンコめしはそのまま食べても十分にイケますが、上写真のように生卵を、火を止めてから落として2、3分フタをして蒸せば、栄養的に強化されるのはもちろん、半生の黄身を突いてご飯に絡めていただく快感が極上です。仕上げに金煎りゴマや刻みのりでも振りかければ完璧。外食の「丼もの」など目じゃなくなります。

 ニャンコめしのだしは煮干しに限りません。普段みそ汁に使う昆布とカツオだしでも、既存のそばつゆでもおいしくできます。また洋風に、マギーブイヨンで煮て肉や無添加ソーセージを入れれば、肉系のだしも加わってリゾット風のゴージャスなバリエーションになります。

 特にマギーブイヨンを使う場合には、生ショウガ少々を細切りにして野菜と一緒に煮るのがお薦めです。スープ全体にショウガのホットなパワーが広がり、冬には体がしみじみ温まり、夏には爽快な発汗作用があります。

■応用ワザトレに投資しよう!
 健康自炊を目指す者にとって、ニャンコめしは相当に奥深い研究対象だとカラスヒコは思っています。何よりも、毎日の献立を考える苦しみから解放されることが大きい。
 残飯さえあれば肉でも魚でも、野菜でも乾物でも、その日に家にあるものをだしで煮る。それだけで「早い・うまい・安い」+無添加な、しかも飽きの来ない食事が確保できるからです。

 毎日クリエイティブな、わくわくするメニューを作るより、そういう「やっつけ」で「間に合わせ」だけれども、健康への必要十分条件をクリアするようなコンテンツ。それこそが、調理行為が特に好きでも得意でもない私たちが自分や子どもたちのために実行したい自炊スタイルであるはず。

 左のインタビュー日本料理 ▶46-85記事で「分とく山」料理長の野崎洋光さんが、まさにそこを裏付けるコメントを語っています。「日本料理は、家庭料理と料理屋料理とが別のレールで走っているんです。それを一緒にしてしまうから、おかしなことになる」と(日本経済新聞2月15日)。

 つまり、プロの料理人はいろんな「流儀」に基づいて食を演出する一種の「芸事」に励んでいるのであり、それとは別に家庭料理は生活者個々が育てていくべきもの。スターシェフにばかりスポットが当たる今の日本食ブームはどこかおかしいと。

 カラスヒコも全く同感で、プロの華麗な包丁さばきや色彩豊かな3次元盛り付けワザなどは、たまに外食で「おひねり」を投げて堪能させてもらえばいい世界であって、素人がそれを日々の自炊に取り入れようと考えるのは激しくクレージーな話だと思います。

 それは例えば、歌舞伎役者のハレ舞台がカッコいいからと、職場や学校でいちいちカブいて、カッカッカッと大見得を切って暮らすようなもの。憧れるのと成り切るのとは、やはり別にしないといけません。

 「○○シェフ監修の秘伝の味」を量産化した総菜や弁当をありがたがって買って食べるのは、ファン的な投票行動としては○でしょう。けれども、一方で自分オリジナルな食べワザをこっそり磨いておかないと、都度「撒き餌」に群がる肥満バトや密飼い鶏舎のニワトリみたいな食生活に落とされてしまいます。

 いま私たちに必要なのは将来の自分への健康投資です。その中身とは、サプリやトクホや「機能性食品表示」の情報検索に長ずることではなく、ナマの、なるべく自然に近い食材を見立てる経験を積み、忙しい日常の中であまり加工せずに食べる応用ワザトレの確立でしょう。

 野崎さんは、「日本料理が簡単だということを普及させたい」と言っています。カラスヒコも同じ思いで自分のつたない経験を毎度書きちらかしているのですが、残念ながら経験知や体得ワザはコピペできませんから、各自が半信半疑でやってみて「なるほど意外に簡単だ」と体感するしか方法がありません。

 まあ、取りあえずウェブや料理本などの「お手本探し」はほどほどにして自分で豆ごはんを炊き、慣れない包丁をふるってマイニャンコめしを試作しましょう。それを日々改良するプロセスに早めに持ち込んだほうが勝ちです。手を汚すのを面倒がって先送りすると負け!

 ではまた。

煮干し、めざしの完全活用

 理科室のホルマリン漬けではありません。煮干しを広口瓶で冷蔵庫に常備し、皿洗いの合間や気分転換したいときにボリボリとスナック代わりに食べるのです。サトチューの呪縛から自らを解き放ち、こっちの味覚嗜好へ舌と体を持っていく。

■臓物の苦味に快感
 煮干しさんた煮干し (2)ちと、私たちはもっと親しくなるべきだとカラスヒコは思います。頭・骨・臓物まで丸ごといただく無添加の魚介製品で、しかも安くてどこでも買えて長持ちする。タンパク、ミネラル源として結構完璧な食品ですから、私たちのほうからもっと積極的にアタックしてもいいのでは。

 「私たちのほうから」というのは、煮干しさん側からのプロポーザルがほとんど期待できないからです。
 売っている煮干しのパッケージには、ほぼ全品に以下のような「おいしいだしの取り方」が書いてあります。まず頭とはらわたを取り除き、10分以上煮て、浮いたアクを丁寧に取り除いてください、うんぬん。

 これでは「買わないでください」と言っているのと同じです。せっかく製品を手に取った客をビビらせて化学調味料に追いやるようなもの。マーケティングが下手過ぎるのです。
 上記のコピーはたぶんプロ調理師に丸投げしたのでしょう。素材も時間もたっぷり使って家庭では出せない繊細な味を引き出すハレ食テクニック。

 それはそれで結構だとしても、ケの質実食を目指す私たちアマチュアとしては、煮干しを丸ごと活用するシンプルなワザを見付けたい。まずはスナック代わりやビールのつまみとしてそのまま食べる。だしを取るときには、バキバキ折って頭もはらわたも全部煮てしまうのがカラスヒコ的にはお薦めです。

 その場合、アクを取るような上品なことはせず、煮干しを引き上げもせずにみそ汁の具材としてむしゃむしゃと野蛮に食べ尽くします。頭やしっぽの骨っぽい食感や、はらわたの苦味も入り交じったワイルドで濃厚なテイストこそ煮干しの醍醐味(詳細はこちらから)。

 ところで、頭やはらわたを取り除く行為は、コメや小麦の皮や胚芽を削り落として真白く精製するのと同じです。白身部分だけのほうが確かに食べやすくソフィスティケートされた味になるとしても、それは豊富なミネラルをわざわざ捨て去る食べ方。豊かな社会がもたらした嗜好のゆがみ。退廃的な食習慣といえます。

 苦いのを我慢して食べましょうというストイックな話ではありません。苦味のうまさ=快感に舌が慣れ親しんでいくことが大人としての味覚の発達。ミネラルを満遍なく吸収して健康に生きるために備わっているヒトの本能だと思うのです。

■パーソナル自炊領域を確保
 ここ十数年間のビールの販売不振も、苦味のうまさを覚えぬまま育った大人が増えたからかもしれません。もちろんビール離れに健康的なマイナス要素はありませんが、代わりにブトウ糖果糖液糖入りの甘ったるい缶酎ハイ嗜好に走るのは激しく不健全。

 さて、左写朝食 (73)真はめざし焼き定食です。煮干しと同様に全身丸ごと食べられる魚として、めざしにも熱くアタックしたいところですが、最近の外食・中食シーンではめざしとの出会いが減ったと感じませんか。
 ファミレス、コンビニ、FF店はもちろん、いわゆる定食屋でもサバ、サンマ、サケなど大きくてポピュラーな魚ばかりでイワシ系は非常に少ない。

 イワシの漁獲量が減ったわけではなく、めざしが安過ぎて定食として利幅の取れる商品設計がしづらいからでしょう。
 スーパーで1尾25円程度ですから、3尾で75円。これに大根おろしなどを添えても200円以上の一皿単価は付けにくい。ご飯とみそ汁を併せて400円前後の定食では人件費も出ません。かといって600円では誰も注文しないでしょうし。

 外食の魚メニューは、あるいはそのテイクアウト版である中食総菜パックは、見栄えが良くて食べやすい「精製」された切り身をメーンに、特製のタレやソースで高級感・スペシャル感を演出して単価アップを図ってきます。そうしないと他炊産業は人口減少マーケットで生き残れませんから。

 逆に、私たち自炊派にとってのアドバンテージは、まさにめざしのような「定食商品」には仕立てにくい「雑魚」の活用にあります。完全なナマものではなく半干し製品ですから冷蔵庫で3、4日は持ち、8尾や12尾パックでも食べ切れます。煮干しなら完干し製品ですから何カ月も持ちますし。

 「サムライごはん」が目指すところはおしゃれで楽しい自炊ライフではありません。カレシ・カノジョにウケる食事ではなく、まして子どもを喜ばせるキャラ弁作りでもない。私たちの目標は、そうした趣味や遊びの世界とは別種のパーソナルな自炊領域を自力で切り開くことです。

 私たちが真に望む食生活とは、長時間働くために他炊を上手に活用することではなく、あるいは現政府が推奨する、輝くために家事も育児も全部外注する勤労挺身隊的な成長路線とも違うはず。
 まずは日々の食事を内製化した上で時短ワザを磨く。そして志を同じくする仲間とSNSを介してつながり、自分と子どもを守るために一緒に戦うことでしょう。

 その第一歩として煮干し、めざしと仲良くなりましょう。煮干しの硬さに抵抗感がある方グリル網にティシュには取りあえず煮干粉の活用をお薦めします。時間をかけて舌や歯を自然食に慣らしていけばいいのです。

 めざしを焼いた後のグリル洗いが大変だという方は、左写真のように網にペーパータオルかティシュを1枚かけて水を垂らしてみてください。焦げ付き部分を湿らせておけばスポンジで軽くこするだけで簡単に落ちます。

 ではまた。

マグロ血合い蒸しを拡散せよ

 マグロ血合い部分を含む分厚い身肉を斜めに薄くそぎ、玉ネギと一緒に酒蒸しにするところ。これはうまいです。他炊(外食・中食)ではあり得ない無添加自炊のだいご味。約4分間で出来上がる忙しい人向きのメニューですから、学生やワーママさんにぜひ拡散・推奨したいのです。

■1パックを食べ切る
 生の血合いマグロ血合い部分は見た目が真っ黒なので、食べ慣れた人でなければ全然おいしそうには見えません。だからスーパーでも、売れ残ってロスにならないように極端な安値を付けて「持ってけ泥棒」みたいな、ほぼ投げ売りされることもしばしば。

 要するに、食べ方さえ覚えてしまえば超お買い得アイテムなのです。先に4分間と書きましたが、時短ばかりの問題ではありません。酒蒸しは飽きが来ない素朴な味付けですから、例えば血合い1パックが300㌘の大容量で、長さが25㌢もあっても3、4回に分けて連食できるのです。

 つまり、「ファミリー向け」の1パックを一人か二人の所帯でおいしく、賞味期限内に食べ切れるのが酒蒸しという調理法。「一回食べ切り」がキャッチフレーズの個食パックされた、割高でしばしば高添加なPB総菜のお世話にならずに済むわけです。

 蒸し方は、先日ここでご紹介したショウガ焼きと同じ。酒の蒸気がうまくこもってホクホクに蒸し上がります。魚を皿に取り出した後、強火にして玉ネギを炒めて添えます。煮詰まった蒸し汁をたらたらと絡めてやれば、もう絶品。

 カラスヒコも以前は血合いに手こずり、こんなふうに手間をかけてグリルで塩焼きにしていましたが、最近はもっぱら酒蒸しにハマっています。厚手で、重めのフタがぴったり閉じるフライパン、またはビタクラフトのようなステンレス多重構造鍋があればこの種の蒸し料理が簡単にできます。

 そういう調理器具は、値段は高いけれども私たちにとって一生ものの「武器」になります。なぜなら酒蒸しは、あるいはその洋風バージョンである「ワイン蒸し」は豚肉や牛肉でも、エビやホタテなど魚介類でも、さらにこんなふうに野菜だけでも非常に簡単でおいしく作れるからです。

 酒蒸し系の調理をマスターすれば、他炊(外食・中食)モデルとは別次元の自炊ワールドが目の前にぱーっと開けてくるのが実感できます。膨大な料理本やレシピサイトの迫力にビビッて「私には自炊なんて無理」と無条件降伏し、不本意な他炊生活に甘んじている学生やワーママさんにはお薦めのワザ。

■実体験を拡散しよう
 カラスヒコがいつも学生、ワーママ、単身赴任者の3者を自炊の同志と思っているのは、その3者なら新しいタイプの自炊食パターンを切り開く動機を持っているはずだからです。

 学生なら、今の崩食社会を客観視できると思うのです。大人たちが作り上げた効率的な量産・流通システムのせいで、自分たちがいかに天然とはかけ離れたものを食べさせられて育ってきたのかを理解できるはず。大人たちのメタボや生活習慣病の実態を観察すれば、自分の将来に危機感も覚えるでしょう。

 ワーママには、愛する子どもと、そのために頑張る自分とを守るために何を食べるべきかを真剣に悩んでいる人が多いはず。単なる「簡単便利」な食事では親子ともども駄目になることを、母親なら本能的に感じているかもしれません。

 そして単身赴任者の場合は、弁当や居酒屋など好き勝手な食生活を謳歌しながらも、自分の体重や血圧や血糖値の上昇を把握しているはず。さらに、自分の親の認知症やうつや骨粗しょう症の発症が現実問題として視野に入っているのではありませんか。親の介護のためにも自分が壊れるわけにはいかないと。

 カラスヒコは、そんな3者と力を合わせてニュータイプの手抜き自炊食を模索したいと考えます。天然に近い素材を自分で加工し、栄養を壊さず無添加で食べる。世の中の食習慣が今後どれだけ荒廃しようとも、自分と家族だけは守り切るワザを積み上げたいのです。

 みんな忙しいですから、掃除はアイロボット社のルンバに任せてもいいし、洗濯は干す手間の省ける洗濯乾燥機や外注サービスに投げても構わない。けれども、体内で化学反応して血や肉になる食事だけは外注しない。その一線にこだわる人たちと強くつながり、情報交換して自衛したい。

 手抜き自炊は、上記の煮干し酒蒸しに限らずちっとも難しい技術ではありません。例えば左写真のように、煮干しをバキバキ折って3分間煮出す濃厚なだし(詳細はこちら)もそうです。インスタントと大して変わりない手間で天然だしが素人にも取れてしまう。

 そうした実体験に基づく目からウロコ的な情報を一緒に拡散して共有しましょう。忙しい人の真のニーズは「簡単便利」な加工食品や配食サービスにあるのではなく、伝統食材の活用スキルにあるとカラスヒコは確信しています。

 血合いや煮干しなど、20代の頃には縁もゆかりもない食材だとカラスヒコ自身も思っていましたが、いやいや、奥深い別世界がちゃんとありましたよ。

 ではまた。

マイ漬け物で悪食をスルー

 煮干しと漬け物の「一汁二菜」こそ自衛自炊の原点。毎日これを食べていれば取りあえず大丈夫な、いわば健康の安全保障ラインといいますか。煮干しは冷蔵庫保管すれば余裕で使い切れるし、漬け物の自製も案外簡単。世の悪食と戦うパワフルな武器にしましょう。

■漬け物はスーパーウェポン
 今年も手抜朝食 (51)き型ヘルシー自炊のノウハウを、トライ&エラーしながらマニアックに探究していきましょう!「サムライごはん」は百人百色。現代の食トレンドに疑念や危機感を抱く各自が、それぞれ勝手気ままに開発する姿勢が大事。

 不肖カラスヒコのいい加減な食べ方も、恥も外聞もなくさらけ出しますので、まあ「他山の石」にしていただければ超幸い。本年もよろしく!

 さて、学生・単身赴任者・シングルマザー、つまり忙しくて調理するのが面倒くさい人々がヘルシーに暮らすために、そして、子どもに変な食習慣を心ならずも刷り込んでしまわないためにも、煮干し+漬け物のベースを確保しましょう。煮干しは店で買えばいいのですが、漬け物を自製するのはややハードルが高いと感じる人が多いかも。

 いや、それ以前に大きな問題があります。今の世の中、漬け物がちゃんとしたおかずの一品と認められなくなりました。定食や丼物のアクセサリーのような、色合いを添える役目、あるいはさっぱりとした食感で脂濃い主菜の口直し、箸休め的なチョイ役に成り下がっているのです。

 だから、安くて見栄えと口当たりさえ良ければOKという流れになり、工場で大量生産して不気味にビビッドなタール系色素や酸味料・甘味料・調味料(アミノ酸等)をたっぷり使うのがトレンドになりました。まあ、成分表示を見ずに買う客も悪いし、見ても気にしない無防備な客も多くて、皆で漬け物を葬り去ってしまったような。

 カラスヒコ漬け物 (4)は、漬け物の自製が学生・単赴・シンママが生野菜を楽に、安定的に摂るための強力な武器になると思っています。おいしくて、時短・高栄養・無添加、そして激安ではないがそこそこ安い、五拍子そろったスーパーウェポンとして使いこなすべきだと。

 写真は、左上から時計回りに白菜、小松菜、キュウリ、赤ピーマン、セロリの5品。それぞれ食べやすい大きさに切って、塩を振ってもんだだけ。小松菜だけは熱湯で2秒ほど湯通ししました。おひたしのときと同じです。

 この状態のまま食べるのが「浅漬け」で、フレッシュなサクサクした歯応え。下の写真のように、ピクレで加圧すれば「本漬け」、いずれも立派な野菜のおかずになります(具体的な作り方はこちらをご参照ください)。

■開け!マイ漬け物ワールドピクレ
 自炊が長続きしないのは、決して私たちの意思が弱いからでも、料理の才能がないからでもありません。毎日おかずを考えるのが面倒だったり、素材を食べ切れずに腐らせて懲りて、これじゃ時間も資源も無駄だ、外食・中食のほうが合理的と一気に引いてしまうからです。20代のカラスヒコもそうでした。

 ところが、真実はその先にあったのです。生野菜を、例えば白菜4分の1個、小松菜1袋などスーパーで売っている最小パックで買ってきて、塩を振って一度漬ければ、5種類の野菜を一週間以上、毎日飽きずに食べられて無駄も出ない。
 こんな簡単なことをなぜ親も学校も教えてくれなかったの、と激しくツッコミを入れたくなるほどの、目の覚めるような気付き感でした。

 ピクレにいっぱいに漬けて圧縮し、入り切らない分をタッパーに詰めてそっちを先に3日間くらいで食べ切り、その後ピクレに食べ進むのがお薦めコース。5日目くらいから乳酸発酵が始まり、毎日味が変化していくのがとても感動的で、何より体調がじわじわ良くなる実感もうれしい。

 塩だけのストレート味の漬け物も素晴らしいのですが、輪切り唐辛子を入れたり、スライスニンニク、昆布片、生ショウガ細切りなどを層の間に挟み込んで味のバリエーションを広げてやれば、まさにマイ漬け物ワールドが開けてきます。作り込みの世界です。

 中途半端な自炊をしている学・単・シンなら、よく「私は野菜不足」という強迫観念にかられがちですが、野菜は葉物、根菜、緑黄色の3系統をそこそこバランスよく食べていれば大丈夫。上の漬け物では根菜が欠落気味ですが、カラスヒコの場合は切干大根がみそ汁の定番具材、割干大根は酢漬けの常備菜、ニンジンはリンゴと一緒にジュースにして飲むパターンにしています。

 自分流の組み合わせでいいのです。大根、ニンジン、カブなどは薄切りにして漬け込んでも非常にうまい。また大根、ニンジンを細切りにして塩でもみ、酢を適量絡めれば爽やかヘルシーな「紅白なます」風の常備菜が7、8分で出来てしまいます。これも食欲をそそる自炊向きの一品。

 普段はマイ漬け物と煮干しあたりを質実に食べ、高度で面倒なメニューはお気に入りの外食店で楽しんで食べる。「他炊」にどっぷり依存せずに「自炊率」7割くらいを目指していきましょう。学・単・シンが悪食をスルーする具体策はそれしかない環境になってきたからです。

 ではまた。

ニャンコめしを一人鍋化する

 鍋物はなぜうまいのか。それは天然だしで素朴に煮るからです。体が一番喜ぶパターン。イモでも豆でも、肉でも野菜でもどんどん放り込めば栄養バランスも良し。だから鍋物を日常化させましょう。ニャンコめしを「一人鍋」化するのが一番の近道です。

■いい意味の即席ワザを極める
 寒い冬にはこれニャンコめし (13)が最高です。豆ごはんの残飯を使ういつものニャンコめしに、サツマイモと勝山館の無添加ウインナーを入れたのが写真の左下。これはしみじみうまい。
 もちろん、刻み玉ネギをどっさり入れ、常連の乾物チーム、つまり干しワカメ、いもがら、干瓢、乾燥シメジなども投入したごった煮。金煎りゴマと刻みのりをたっぷりかけていただきました。

 味のベースは無添加マギーブイヨン+手で砕いた煮干し数尾です。これにウインナーから染み出す肉系だしが加わって味が濃厚になりますから、水を通常よりやや多めにして「つゆだく」気味でちょうどよい感じ。スープたっぷりの雑炊スタイル。

 サツマイモは厚さ1㌢以下の輪切りを2、3枚、四つ割りのイチョウ形にカットしました。こうすれば煮立っただし汁で2、3分間煮込めばやわらかくなりますから、そのタイミングで冷や飯と玉ネギ、乾物チームを放り込みます。
 中火で加熱を続け、再沸騰してきたら出来上がりです。お粥ではないのでぐつぐつ煮ません。温まればOK。調理時間は10分程度です。

 サツマイモは1本のまま買って流水で表面をスポンジ洗いして、都度少しずつ切って使います。みそ汁に入れたり、グリル焼き、ビタクラフト鍋で蒸し焼きにするなどいろいろ使い回します。残りはラッピングして、真夏でなければ冷蔵もせず、そのへんに放っておいても全然大丈夫。切り口が多少乾燥しても煮ればノープロブレムです。

 こんな風に農産品を丸ごと買って、洗って切って、残さず食べ切る生活習慣といいますか、ベーシックな家事ワザを学生も単身赴任者も、シングルマザーも皆が意識して磨き始めると、いろんな問題がいいほうへ向かうのだろうとカラスヒコは考えています。

 個人レベルの健康改善ばかりではなく、例えば自営農家や地場の中小乾物加工業、個人経営の青果店や定食食堂などのサバイバルを支援する具体的なアクションになるからです。「地産地消」がいいと、皆がお題目のように言う割には、やっていることが見事に真逆だなあと、こんなごった煮を食べるとしみじみ実感できます。

■煮干し2倍でオーバーホール
 私たちは日々の忙しさに追われて、先行世代が無謀にも推し進めてきた「食の即席化」を心ならずも支持してきましたが、そろそろデッドエンド。やや嫌みな言い方をあえてすれば、親世代が体を壊して苦しみ、国の医療・介護制度にぶら下がって破綻させるのは自業自得だとしても、私たちまでおとなしく付き合う必要がありますかという話。

 やるべきことは見えています。ニャンコめしを一人鍋化して「ケ食」のベースに据える。つまり、昔のニャンコに私たちがなればいい。ウェット&ドライの便利な保存食に頼るのは緊急時のみに限り、素朴な低加工食へと舵を切って先祖返りを目指します。先行世代による無責任な暴走をリセットする、社会的に正しい行為。

 煮干しを煮て、酒としょうゆで調味して、みそで味付けするのがニャンコめしの標準だしパターン(初めての方はぜひこちらから)です。舌が調アミかぶれになっていて、天然だしのうまさがいまいちピンと来ないという人なら、例えば煮干しの量を2倍にしてみてください。さすがに、おおっ!と感動する味になりますよ。

 そうやって自分のなまった舌を、やや暴力的に覚醒させる荒治療も必要なのです。昆布とカツオ節のだしでも同じで、この倍増策はてきめんに効きます。自分の味覚、つまり安全・快適に生きるためのセンサーをオーバーホールしましょう。やがて本来の味覚が目覚めてきたら煮干しの量を徐々に適量まで減らしていけばいいのです。

 最近カラスヒコが、やや引っ掛かりを覚えている記事が、「食物アレルギーどうすれば…」(日本経済新聞11月26日)など。有名ホテル、レストランで続々発覚する偽装表示メニューがアレルギーを持つ子どもへの脅威になっている。それは事実で、きちんと取り組まなければならないのですが、この種の記事では、どれもある重要な視点が共通して欠けています。

 つまり、子どもばかりか大人にも食物アレルギーを持つ人が激増しているのはなぜなのか、増やさないためにどうすべきかの議論が封印状態なのです。アレルゲンの表示義務や仕入れ先への監視、エピペン注射など緊急対応のマニュアル化、違反や不徹底への罰則強化など制度化・厳罰化で乗り切ろうという話ばかり。

 アレルギーがほとんどなかった時代の食を見直そうという議論にならないのは、おそらくフード&ケミカル資本がもうからなくなるからでしょう。そこからスポンサードを受けているメディアが取り上げないのも当然。メジャーな報道を当てにせず、個々のニャンコめしのバリエーションをこつこつと広げていくしかありませんね。

 ではまた。

カッコ悪い食習慣のススメ

 レシピサイトがその日に提案するメニューの材料を小売店がそろえて電子チラシに載せて配信して、それを客が買い求めて、レシピ通り作って食べるなんてバカみたい。これでは客はスキルアップしません。指示通りに作業するならバイト仕事とおんなじではありませんか。

■地元にカネを落とす食べ方
 自炊のいい点は、失敗しながらでもやり続けるうちに上達し、レシピがなくても手持ちの材料だけで、とにかく何かおいしい食事を臨機応変に作れるようになることです。野菜や魚の鮮度の見立ても、火加減や塩加減も自然に身に付く。応用力の問題。

 レシピ通りに作るのは、たまになら勉強の意味でいいとしても結局は「他人任せ」の食事になってしまいます。プラモデルを買ってきて設計図通りに組み立てるのと似て、手先の器用さや処理スピード的な上達はあるとしても、自分の中に考える力や工夫を重ねる経験知が積み上がっていかないのです。

 そういう人がメジャーな社会になってきたからコンビニ弁当やPB総菜パックが売上を伸ばし、ワタミ配食が全国を席巻するわけでしょう。まごころ弁当とか、ふれあい宅配などと美しくて歯の浮きそうな形容詞で飾られていても、その実態は炊事放棄。すぐ食べられる餌をもらわないと生きていけない金魚のような。まあ、ちょっと言い過ぎだとしてもです。

 今日の朝ご飯ワイン蒸し (8)はみそ味のニャンコめし+野菜の酒蒸しソーセージ添え。実にカッコ悪いメニューで、ニャンコめしには干瓢、いもがら、ワカメが浮いています。これに刻みのりを散らして、右上の煮干しをバリバリかじりながらいただきました。なんだか貧乏長屋の熊さん八っつぁんの粗食みたいですが、味は昆布とカツオだしが効いていて最高!

 右の酒蒸しは、玉ネギ、パプリカ、ブロッコリー、ゆき菜、生シイタケ、それに勝山館の無添加ソーセージ。料理酒としょうゆを垂らして厚フライパンで蒸したものです。これも見た目はパッとしませんが、野菜の味が強く出てうまい。

 こういうシブい献立は自衛自炊ならではです。「安い・早い・うまい」のはもちろん、材料の産地や成分表示をチェックして選べば、外で食べるより安全な食事であるのが分かります。習慣的にチェックしていれば添加物の知識も積み上がり、品質と価格の関係も知らず知らずに覚えていけます。

 さらに、自分のためばかりではなく、例えば地元周辺で穫れた野菜や、地場の乾物メーカーの製品をなるべく選んで買うポリシーを貫けば、自分の使ったお金が地元に落ちて回りますから地場経済に貢献できるメリットもあります。中央資本に地元利益を吸い出されたり外国の農民に貢ぐくらいなら、地産地消に一票を入れるほうがずっといい。

■要塞で過疎化する誤判断
 自分と地場の社会を守るといえば、先日こんなニュースを見て考えさせられました。秋田県が、日本海を震源とする巨大地震が発生した場合、能代市やにかほ市などに最大14㍍の津波が来て死者が1万2600人に達するとのシミュレーション結果を発表したのです(河北新報9月24日)。

 県は、「県民の防災意識を高めるために想定外を作らず、最大級を想定した」と説明。近くに高台のない沿岸部各都市では大騒ぎになって、「無責任な数字を出すな」とか、「避難の方法まで明示するのが県の義務だろう」みたいな抗議が百出したようです。

 まあ、秋田のことは秋田の人が決めればいいのでカラスヒコは関与しませんが、でも気持ち的には県の発表で全然構わないと思います。発生確率が非常に低い、あるいはそんなに大きな津波が来るはずがないと考える人は笑って無視すればいいだけのことですから。

 そして、ちらっとでも「あり得るかも」と思った人が、自分や家族の生き残り作戦を個々に勝手に立てればいいのです。国や県に「なんとかしろ」と詰め寄っても、ここ宮城県の沿岸のように高さ十数㍍の要塞に囲われるのが落ち。
 安心できたとしても観光客は寄りつかず、地場産業もなくなって若い人の流出を招くだけですから。復興特別予算で万里の長城を作って過疎化を促進しているような、結構歴史的スケールの判断ミス。

 必要なのは堤防ではなく私たち個々人の判断力でしょう。津波の一撃なら堤防でかわせるかもしれませんが、竜巻や新型インフルエンザや、原発事故やテロなどには効果ゼロ。いろんなリスク対策をいちいち行政の土木事業に頼っていては予算がいくらあっても足りないでしょう。臨機応変に各自が判断して逃げて自分の身を守るのが現実的。

 食事も同じです。皆が安心の保証を求めれば、行政は予算がないので、あれもこれも全部大丈夫だと保証してくれるから困るのです。行政にやらせるべきは、産地や成分を正確・詳細に表示することだけ。食べる食べないの判断は各自に任せてもらいましょう。
 きれいなレシピをお手軽に利用するより、カッコ悪いオリジナル自炊を重ねて無事に逃げ延びる判断力を磨くべしです。

 ではまた。

玉ネギ、煮干しで崩食と戦う

 漬け物など常備菜を切らし、ワイン蒸しを作る野菜も買いに行けない日は、玉ネギスライスでも立派なおかず。材料がそろわないから自炊ができないではなく、手持ちの材料でどうにか格好をつけていく。パーツ・アッセンボリー発想を乗り越えて前へ!

■葉野菜ばかりが野菜じゃない
 玉ネギ4分の1個を朝食 (38)薄切りし、削り節をかけてしょうゆを垂らしただけ(左上)。そして煮干し(中央)。このパターンがずっと続くと惨めかもしれませんが、2日や3日なら全然OK。むしろ、玉ネギの清浄な辛みで身が引き締まるような充実した食後感があります。

 野菜不足に陥る心配もありません。みそ汁にゴボウ、切干大根、乾燥ニンジンやキャベツを放り込んであるからです。乾燥野菜では量が少ない?いや、それはボウルにどっさり盛られた生の葉野菜サラダと、無意識に見た目を比べてしまうからです。

 「生野菜をたっぷり」のうたい文句は、某マヨネーズ会社やドレッシング屋さんによる呪文かもしれないとカラスヒコは疑っています。野菜を多く取ることには賛成ですが、葉野菜ばかりの袋入りやパックサラダに偏ってはいけません。

 特に学生さん、ミスリードされないようご用心です。親も先生も、コマーシャルも栄養学の専門家も皆、「生野菜をたっぷり」と言います。それが間違いではないとしても、大根やニンジンや、ゴボウやカブなどの根菜類は、まとめてスルーされてはいませんか。調理が面倒だからでしょう。

 アスパラやブロッコリーや、ピーマンやカボチャなど緑黄色系といわれるジャンルも案外軽視されがち。パック入りの葉野菜サラダに赤や黄色のパプリカ細切りが2、3本乗っている程度。かなりふざけた飾り的な扱いで、栄養素の足しにはならないでしょう。ソーメンの赤・青と同じ。

 リーフレタスやルッコラや、ベビーリーフや水菜といった口当たりのいい葉野菜に、マヨネーズやドレッシングをかけて毎日たっぷり食べることを、本当に私たちの体が求めているのでしょうか。同じ葉野菜でも、もっと味が濃くて多少の苦みがあり、ややごわごわした食感のモロヘイヤや春菊や、大根の葉など、トラディショナルな野菜をノンオイル、ノン調アミで食べる方法を見付けていきたいと思うのです。

 そう考えたとき、力強い味方になるのが生の玉ネギや長ネギ、大根やゴボウなど冷蔵庫で長持ちする根菜、そして乾燥野菜です。切るだけ、湯がくだけ、みそ汁に放り込むだけの手間で自炊がスピードアップし、栄養レベルも確実に上がるからです。

■誰も子どもの食事を作らない
 忙しい現代人こ給食途上県そ、そういう食のルネッサンスを目指すべきだと思うのですが、それに関して、やや気になる記事がありました。大阪府と神奈川県が中学校の給食実施率を高める方針を打ち出したと(日本経済新聞4月19日)。

 公立中学の給食実施率の全国平均は82.4%と高いのですが、大阪は10.5%、神奈川が16.4%で断トツのワースト2(2010年5月時点)。両府県では最近、共働き家庭の保護者から要望が急増したので、給食の実施に踏み出す学校が多いようです。

 給食が始まると、保護者からの反響は、「弁当作りの負担が減った」「栄養バランスの配慮が行き届く」と好評らしい。昼食を学校に外注して、栄養バランスが自分が作る食事よりもいいのなら、親にとっては確かにメリットは大きいのでしょう。まあ、親がそれでいいのかという問題は別として。

 その一方で、子どもには味が不評。アンケートでは、「おいしくない」が約半数。空揚げや肉料理は人気が高いのに、魚や野菜のおかずの日には申し込みが減るのだそうです。給食は多くの場合、外部業者に委託する「デリバリー方式」なので、子どもは嫌いなメニューの日は食べない、つまり買わない。売店で菓子パンでも買うのでしょうか。

 子どもたちは、塩分や脂肪分を抑えたヘルシーメニューには「味が薄い」、食中毒を防ぐための低温保存には「おかずが冷たい」との声を浴びせると。なんだか、わがままな高齢の入院患者みたいで、思わず失笑してしまいます。

 結局、業者側も売れないと困るので、竜田揚げ、みそカツなど肉系やラーメン、カレーなど人気アイテムの比率を上げていく。こうなると毎日外食を食べ歩くサラリーマンの食習慣に近付いてきて、児童生徒の健全なる発育うんぬんどころではなくなってきている状況が、この記事を読むとよく分かります。

 さて、しかし、これは誰が悪いのか。誰も悪くないから怖いのです。保護者は仕事で忙しいから学校に金を払って給食を頼みたい。学校も自前でやるほど予算がないから業者に投げる。業者も、人気メニューで生徒の気を引かないと死活問題ですから真剣です。

 たぶん、大阪や神奈川に限らないはず。誰もが食事を作る損な役割を引き受けたくない社会になりました。トランプのババ抜きのように他人にジョーカーを、つまり子どもの健康管理や食べ方教育を押し付ける。にもかかわらず、誰も悪くはないとされる社会。

 だから、子ども自身がその罠を見破り、各自が自衛する食べ方を身に付けて戦うしかないとカラスヒコは思います。玄米や豆で重武装すれば、玉ネギをスライスして煮干しをかじる程度のおかずでも、結構無敵に戦えるのです。できれば学生のうちから食事をサムライ化して、崩食の魔界へ斬り込む覚悟を固めましょう。

 ではまた。

イオンエクスプレスの衝撃

 自炊の目的は、超大ざっぱに言えばビタミン、ミネラルの安定補給です。外食・中食生活や加工食品ベースのチン料理ではそれが難しい。だから下手でも面倒でも自炊こそが生命線。続けていればだんだんうまくなります。才能でもセンスでもなく、慣れ。

■生鮮3品なしのスーパー
 料理教室やマニュアル本で覚えるクッキング・テクは、ちょっと方向性が違うなとカラスヒコは思っています。もちろん、メニューをたくさん覚えて楽しく調理するのは結構なことなのですが、特に調理好きでもない私たちが、忙しさに負けない健康をキープしたいのなら、もっと粗野で実戦的な調理の形があるはずだと。

 しかし、世の中の流れは過激で、調理行為そのものをスルーする買い食い指向へ。あるいはせいぜいチンするだけで食べる加熱オンリー型が主流。先週オープンしたミニスーパー、イオンエクスプレス仙台荒町店を見てあらためて愕然としました。

 イオンが、この春に仙台に小型スーパーを出す話はかなり以前から聞いていました。カラスヒコは、たぶん「まいばすけっと」が仙台に進出してくるのだろうと思っていたら全然違いました。このお店にはイオンエクスプレス荒町 (2)生鮮3品がほとんどないのです。

 コンビニ2軒分くらいの売り場なのに青果は3尺棚3本、あとは袋入りカット野菜です。肉・魚は全て少量パック品で、わずか8尺ほどの冷蔵ケースに収まっているのみ
 それ以外のスペースは全部、弁当・総菜・日配・加食・冷食・飲料・菓子。要する
に調理をしない客に食事そのものを売る店、配食所のような機能に絞り込んであるのです

 生鮮3品をほぼ切り捨てたことで、おそらくコンビニ並みのローコス
ト運営ができるはず。日常のオペレーションならバイトだけでも回せそうです。食材を売るのではなく、食事を売る店ですから、もはやスーパーとは呼べないかもしれません。あまりにもプログレッシブ。

 これが実験店舗だったとしても、少なくとも日本一のスーパー屋さんであるイオンが、「このタイプの店がいけそうだ」とふんでいることが衝撃的なのです。調理離れのトレンドが若い人や一部の高齢者だけではなく、老若男女全般を巻き込むメーンストリームになってきたと分析しているからでしょう。

■煮干しご飯の戦略目標
 買い食いする食事ではミネラルが十分補給できないといわれています。材料が精製したコメやパン、水煮された野菜、臓物や骨を取り去った肉や魚であることが多いので、当然といえば当然。
 コストを追求して製造ラインを機械化し、調理師をパート・バイトに置き換えたマニュアル化が進むほど、ユーザーのミネラル不足は今後も加速させられるはずです。

 しかも、出来合いの食事にはリン酸塩などの添加物が多いので、少ないミネラルがさらに吸着されて体の外に排出されてしまう。そのため欠乏に拍車が掛かり、結局私たちの体は、日々の消化メカニズムに必要なミネラルを自らの骨から吸い出して使う羽目になるというホラーな話もあります。骨粗しょう症の原因の一つ。

 このあたりは、小若順一さんが著書『最新・食べるな危険』の中で、いかにも氏らしくズバズバ指摘しています。近々この場でも詳しくご紹介するつもりですが、いずれにしても、私たちはミネラルの自給体制を自前で確保することが急務。自分を守るためにです。

 な朝食 (36)あに、難しいことではありません。取りあえず一番重要なカルシウムについては、煮干しを食べる習慣をつければいいのです。数匹の煮干し(写真の右上)をおかずにしてご飯を食べるだけ。

 または、みそ汁のだしを煮干しで取り、そのまま具として食べてしまうのも実戦的です。もっと簡単なのは、煮干粉(煮干しを丸ごと粉砕したもの)をご飯にかけたり、みそ汁に溶き入れていただく方法。

 これらを並行して全部やる必要はありません。このうちのどれか1つでも、1週間続ければ指の爪が明らかに弾力を増し、艶も出てくるのが実感できます。

 煮干しのパッケージには、たいてい「だしを取るときは苦みが出ないよう、はらわた部分を手で折って除く」などと、面倒くさいことが書いてあります。これはプロの調理人向けに、澄んだ上品な味を出すための注意書きなのですが、無視して構いません。

 なぜなら、ミネラルの宝庫であるはらわたの雑味も含めた煮干しを丸ごと食べるのが、崩食社会を生き抜こうとする私たちの戦略目標だからです。取り除かないほうが濃くてパンチの利いただし汁になりますよ。

 カルシウム効果を体得したら、次には、みそ汁にワカメやふのりなど海藻を入れ、ご飯を焼きのりで食べ、ご飯に豆を併せ炊きするなど、カリウムその他のミネラルが多いといわれる食品を順次取り入れていきましょう。このときは、味付けのりや煮豆パックなど加工された商品は避け、乾燥させただけのシンプル素材を選ぶのが大事。

 いま現在、調理経験がゼロな人でも、ご飯とみそ汁ベース+煮干しのような路線をキープしてマニュアルに頼らないリサーチを続ければ、取りあえず健康を崩さないクッキング・テクは必ず身に付けられます。20代の外食・中食依存から、かろうじて生還したカラスヒコの実感。早くテイクオフして慣れるのが最短距離です。

 ではまた。
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    ■「サムライごはん」とは・・・
     超多忙で料理が嫌いな人が、健康を自衛するためにつくる「最短時間で、栄養十分、かつ無添加」な食事。いまの時代を生き抜くために、男女を問わず一人一人が身に付けるべき「武芸」のようなもの。外食や加工食品がまだほとんどなかった1955年以前の日本の家庭食がモデルです。
    ■「自衛自炊」とは・・・
     趣味やライフスタイル的自炊ではなく、将来病気にならないための先行投資、あるいは保険目的の調理技術です。「忙しい」という理由で食事を外注せず、自炊スキルを身に付けて、自分と子どもの健康を守るのが狙いです。
    ■外食メニューをまねない自炊
     料理本に載っているのはたいてい外食メニューのつくり方です。それを覚えても、味でもコストでも外食にはかないません。「サムライごはん」では、見た目は地味でも、栄養価が高く無添加な、自炊ならではのメニューを研究していきます。
    ■油・糖・添(ゆとうてん)を締め出す自炊
     「サムライごはん」は、余分な油脂・糖分・添加物を極力排除した食事を目指します。 そのために加工食品や調理済み総菜を使わず、生の素材を最少限度の加工で食べることが目標。 成分表示をしっかり見ながら、油・糖・添を慎重に避けていきます。
    ■サトチュー(砂糖中毒)との戦い
     動脈硬化や高血圧などで健康を損ねる人の多くは砂糖を摂り過ぎています。菓子や清涼飲料水ばかりではなく、現代では総菜や加工食品などご飯のおかずにまで砂糖がこっそり使われているからです。サトチューとの戦いも「サムライごはん」の主要なテーマです(▶100918)。
    ■「豆ごはん」は最強の主食
     玄米と等量の白米、そして5種類の豆(大豆、青大豆、ガルバンゾー、金時豆、黒豆)を一緒に炊く「サムライごはん」の主食です。これに押麦、アマランサスも加えると栄養バランスが完璧に近くなります。冷めてから食べても非常においしく、おにぎりにも最適です(▶130409)。
    ■「ニャンコめし」は夕食の定番
     「サムライごはん」夕食の定番。煮干しでだしを取ってみそを溶き、朝の残りの豆ごはんを入れます。煮立ったら生卵を落として火を止め、ふたをして3分蒸らせば出来上がり。煮干しも具としていただく高栄養・無添加で、すぐにできる晩ご飯です。鍋料理の締めの雑炊のようなおいしさです(▶100226)。
    ■日替わりから週替わりへ
     野菜メニューは日替わりでは続きません。浅漬け、ワイン蒸しなどまとめ作りのメニューを取り入れて、週替わりのローテーションに切り替えましょう。材料を無駄なく食べ切り、買い物頻度も減らせる自衛自炊ならではのテクニックです(▶111118)。
    ■おにぎりは自分で握る
     豆ごはんおにぎりを自製する習慣をつけましょう。ランチを無添加で切り抜ける数少ない選択肢だからです。手を濡らして握ればくっ付かず、熱くもありません。コンビニで買うおにぎりは添加物と油脂まみれ。老若男女にかかわらず、おにぎりは自製あるのみ(▶100821)。
    ■我流みそ汁だしのススメ
     昆布と削り節を3分間煮出せば、誰にでもうまいだしが取れます。安易に化学調味料に依存せず、我流の本物だしを研究すべき。それをサボった1、2世代上の年寄りたちが、いま生活習慣病で薬漬けになっている実態をしっかり見ていきましょう(▶100926)。
    ■二十歳を過ぎたらニキビじゃない
     ニキビ世代をとっくに過ぎているのに吹き出物が止まらないのは、体が拒否するものを食べ続けている証拠。油・糖・添を摂り過ぎていないか、食生活を見直すきっかけにしましょう(▶111126)。
    ■エコ&粗野な食習慣へ
     だしを取った後の昆布や削り節は捨てずに、常備菜に加工して食べ切ります。煮干もみそ汁の具としてバリバリ食べる。そんなエコで粗野な食習慣に回帰するのも「サムライごはん」のスタンスです(▶120722)。
    ■「ご飯は太る」は本当か?
     コメ離れが進んでいますが、カラスヒコは「ご飯は太る」という通説はウソだと思っています。むしろ実態は、パン食による油脂、タンパク、精製穀物の過剰、さらに甘い飲料、間食が原因なのでしょう。「サムライごはん」では、玄米や豆類主食への回帰によってビタミン、ミネラルを確保し、スリムで健康的な肉体を取り戻していきます(▶100527)。
    ■残業食をコントロールしよう
     残業時間中にスナック菓子などで中途半端に空腹を満たす習慣は危険。油・糖・添まみれなのはもちろん、寝る前のドカ食いを招く原因にも。むしろクラコットやドライフルーツなど、きれいな食材をしっかり取るのがお薦めです(▶110609)。
    ■失敗しないゆで卵
     殻がつるりんと気持ち良くむけて、半熟・全熟を自在にコントロールできるようになれば、ゆで卵は頼れる常備菜になります。ポイントは湯が沸騰してから卵を入れ、再沸騰してからのゆで時間。意外に簡単です(▶110130)。
    ■学生・単赴・シンママにチャンス!
     「サムライごはん」の質実剛健な味が家族の反発を招くこともあります。いまや化学調味料や添加物を気にしない人がマジョリティーな時代ですから。むしろ一人暮らしの単身赴任者や、舌が染まっていない幼子を持つシングルマザーにこそ、いろんなトライ&エラーができるチャンスがあります。学生も社会に出る前に自炊技術を身に付けたほうが勝ち(▶120305)。
    ■「ワイン蒸し」で野菜たっぷり自炊
     「あなたは野菜不足」とCMに脅かされてサプリに飛びつく人が多過ぎます。ワイン蒸しや酒蒸しは、数種類の野菜を毎日飽きずに食べ続けられる自炊独自の加工ワザ。油脂も添加物も使わない簡単野菜メニューで武装しましょう(▶120922)。
    ■糖尿病を知り、真剣に予防しよう
     糖尿病や腎不全は「不治の病」です。新しい薬品や治療法が開発されても、高いお金と引き換えに苦痛を和らげる程度。だから発病しないように若いうちから食生活を立て直すのが唯一の正解です。できなければ自己責任で、メディカル資本にたかられる「いいお客さま」になってしまいます(▶111107)。
    ■外食は低加工なそば or 海鮮系を
     朝夕の食事を「サムライ化」すれば、ランチは少々ジャンクなメニューでも大丈夫。でも、可能な限りはそば系・海鮮系など加工度の低い献立を選ぶのが正解。日々の「油・糖・添」締め出しこそ確実な生命保険なのです(▶100326)。
    ■浅漬けが自炊を軌道に
    白菜、キュウリ、大根、パプリカなどを適当に切り、塩をまぶしてタッパーに入れておくだけで自製の浅漬けができます。翌日から5~6日間食べられる常備菜ですから野菜不足はほぼ解消。面倒に思えた自炊が一気に軌道に乗ってきます(▶120608)。
    ■ピクレで自製漬け物を
    乳酸発酵する本物の漬け物を自分で漬けるなど、多くの人にとって想像を絶する事態でしょうが、実は簡単。「ピクレ」があれば、冷蔵庫の中で勝手に発酵してくれるからです。化学物質にまみれた出来合いの漬け物におさらばできます(▶120805)。
    ■ヒジキはそばつゆで煮る
    カルシウム豊富なヒジキを切干大根、こうや豆腐、干しシイタケと一緒にそばつゆで煮てしまう。甘じょっぱくしない、本来の素朴な煮物が素人の手抜きレシピで作れることに驚きます。上の世代が放棄してきた健食習慣を取り戻しましょう(▶121204)。
    ■乾物をだし汁で戻す手抜き
    車麩、こうや豆腐、湯がき大根など乾物は水で戻さず、いきなりだし汁に浸します。戻し工程と味付けをいっぺんに行う手抜きワザ。素朴な味わいの常備菜になります。だし汁が食材に吸われて減ったら、ひたひたまで注ぎ足すのがポイントです(▶130412)。
    ■瞬間加熱の温野菜サラダ
    ブロッコリー、アスパラ、パプリカ、きぬさやなどを100℃のお湯で3~5秒。少量ずつ加熱して網ジャクシでさっと取り出すのがコツ。丸元淑生さん式の温野菜サラダは目からウロコです。自炊が俄然充実してきます(▶ 100307)。
    ■夜食なら粉吹きイモ
    夜におなかが減ったら、即席麺やコンビニおにぎりを食べるより自分でイモをゆでましょう。ジャガイモやサツマイモのおいしさを再発見して感激します。未精製の炭水化物で太らず、もちろん添加物もゼロ(▶ 100104)。
    ■ニンジンの合理的摂取法
    石原結實さん式ジュースなら朝にニンジン、リンゴ、レモンが各1個ずつ摂れてしまいます。そのためだけに1万円以上のジューサーを買う価値もあるでしょう。これを飲む習慣ができれば、合成着色飲料とは永遠におさらばできるからです(▶ 100407)。
    ■ラタトゥイユで自炊に自信
    まさか自分にこんな料理が作れるとは!驚きと感動で自炊に弾みがつく丸元淑生さんのレシピです。野菜6種のシンプルな無水蒸しなのに素人でも絶妙の味が出せて病みつきになります。ポイントはトマトと玉ネギの比率だけ(▶ 101008)。
    ■小型密封容器をそろえよう
    おかかやショウガ酢漬けなどの常備菜を小型の密封容器で冷蔵庫内に整然と積み上げるのが「サムライごはん」の大事なノウハウ。容器は都度バラバラと買い足さず、スタックできる同型をまとめ買いしましょう(▶ 101224)。
    ■自炊 vs 外食、どっちが安い?
     実際の支出額はおそらく同程度で、それなら手間なしの外食が合理的と考えがち。しかし、金額当たりの栄養価に大差があり、外食ライフでは将来の健康崩壊リスクが高まります。自炊食の原価計算から中長期の健康戦略が見えてきます(▶120627)。
    ■ダイエットで感じた10のこと
     本物のダイエットなら、減量よりもまず肌の色つやが良くなり、原因不明のかゆみや爪の黒ずみなどが消えていきます。見た目のスリミング効果はおまけで、当然リバウンドも来ません。体の排せつ力を高める食べ方を研究しましょう(▶120926)。
    ■豆類はペットボトルで管理
     豆類は袋から出し、ペットボトルに移して「見える化」しましょう。作業フローがシンプルになり、在庫量も一目で分かります。調理テクの上達やレパートリー拡大より、整理力と段取り改善でスピードアップを図るのが「サムごは」的アプローチ(▶130915)。
    ■野菜はバスケット管理する
     みそ汁用、サラダ用など用途別バスケットに分類して冷蔵。バスケット単位で取り出し、使う分だけを切り出して再格納します。数種類の野菜を毎日コンスタントに食べるにはこの手が一番。使いかけ野菜を冷蔵庫の奥で腐らせる心配もありません(▶100924)。
    ■「糖質制限」はいいとこ取りで
     速攻スリミングには効果的。でも全面的な糖質制限では穀物の豊富なミネラルを摂り損ないます。朝だけとか隔日とか、自分の調子よさの範囲で慎重に採り入れましょう。ハムやベーコンの添加物や、肉や卵を焼くときの精製油脂にも要警戒(▶140805)。
    ■洋食派はパンよりシリアル主食
     ミューズリー+オートミールの「未精製」穀物に小麦ふすまを振りかけるなど、シリアルのカスタム化にトライ。パン主食では難しい油・糖・添フリー&高ミネラルな洋食体系を設計します。「朝食=パン」の固定観念を疑いましょう(▶141101)。
    ■昆布は1回分サイズにカット
     昆布を買ってきたら、全部をみそ汁一杯分サイズに切り分けて密封容器で保管します。「調味料(アミノ酸等)」ではなく本物昆布使用にこだわりつつ、調理アクティビティー削減を狙います。合成だしでは必要なミネラルが不足するからです(▶121208)。
    ■包丁研ぎは我流で覚える
     調理人のような華麗な包丁さばきなど自炊には不要です。我流でも日々使えば、大根皮むきやネギ刻みは身に付くもの。砥石は「中砥」一種類の我流使いで包丁の切れ味が十分に戻ります。プロのまねをせず、不格好でも自分ワザを磨くことが大事(▶120124)。
    ■包丁使いの自主トレ入門
     手先超ブキなカラスヒコでも、リンゴの皮むきが支障なくできるようになりました。リンゴ皮の裏側から、包丁の刃を親指のはらに押し付けるように果肉をそぐのがコツ。遅くてもきれいにむくことに集中すれば、だんだん早くなってきます(▶150123)。
    ■丸元淑生式「蒸しリンゴ」のうまさ!
     皮をむいたリンゴを適当にスライスして、ビタクラフト鍋で弱火蒸しするだけで、シュガーレス極甘ヘルシーデザートの出来上がり。小分け冷蔵して毎日食べられるフルーツ系常備菜です。無糖ヨーグルトにトッピングするのもおしゃれ(▶100114)。
    ■「油糖抜き」スクランブルエッグ
     肉野菜ワイン蒸しを作った後、蒸し汁を有効活用します。生卵を落として混ぜて弱火蒸し。卵そのものの粗野で力強い味に驚きます。自炊のスクランブルエッグでは、砂糖を加えて精製油脂で焼く外食レシピの常識を疑ってかかるのが正解(▶150623)。
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