実話にもとづいています。

かなり前の事ではありますが、小学教諭が話して下さいました。

ある生徒が、体育の前後の教室で、他の人の物を盗むという事件が起きました。
その生徒だと解っている(目撃者あり)のですが、A君は「自分じゃない」と言い張ります。
担任が「あなたでしょ」と問い詰めたけれど、返事は変わりませんでした。

そこで、主任であった教諭がA君に問いかけました。
「これからどうしていくんだい?」と優しい口調で。
A君は、かなりの沈黙のあと、「謝りたいけど謝れない。返したいけど返せない。もうしません。」と。

この教諭は「僕に手伝える事はある?」と聴きました。
まず「お母さんに話す時に先生、居て下さい。」と言われ、二人は一緒に母親の元に行き、話したそうです。

その後、御母様と共に、返せるものは返し、皆の前で謝り、二度としないと誓いました。

責任を「問い詰める」事だけが、責任の所在をハッキリさせることではないんだなとその教諭から学びました。
コーチングでも、未来に向けた質問をしていくという事をしますが、まさにこの教諭はそのことを以前からされていたのでしょうね。