この時期、どの業界であろうが大手であろうが雇用の状況には厳しいものがある。雇用の不安のないのは公務員くらいものか。不動産の営業など景気がよくても不安定な雇用状況の職種だが、それだけに転職についてあまりにも安易に考えすぎるきらいがある。どこかに天職があって何れ見つけられると思っているのか。
大手でも3社目くらいなら珍しくもない。賃貸、建売、注文、仲介と、このあとマンションの管理人にでもなれば不動産業界を制覇した感のあるような履歴のものもいる。「ウチに来ないか」と誘われて地場業者へ行ってもまずうまくはいかないものだ。本人は自身のスキルやノウハウや人脈に期待されて誘われたと勝手に解釈するがことはさにあらず。単に人が足りなかったり社長とウマがあっただけで、すぐに現実に引き戻される。
個人の社長からカネをもらうことがどれほどたいへんなことかわかっていない。特別の待遇を受けるわけなどない。大手の会社で管理者が馬鹿でも数字が上がらず給料が安くても担当者がすぐに辞めないのは個人でなく法人に勤めているためだ。小さなものでも組織には意思決定の手続きがあり誤った方針でも正当性がある。個人の社長の下は組織でなく集団だから手前勝手な意思決定を押し付けられれば腹も立つし、気に入らなければ不満が鬱積しやすい。
今、40代の担当者は数字がよくても悪くても皆悩んでいる。次がないからだ。これまでのようにはいかないことは肌で感じている。冷静に考えれば世間で通用するスキルなど何も持ち合わせていない。40代、50代は受難のときだな。
ある管理者など定年まであと数年。毎日店にいて物件も見に行かず若い担当者に同行もせず、他の担当者とも意思の疎通がなく、会議のときだけなにかひとりで喋っている。一種の引き篭り状態だがもし営業担当に降格ということになれば実際クビも同じか。間取りの引き方すら忘れてできないだろう。時代遅れの旧式の機械のようだな。動いても使い道がない。年を重ねるということの恐ろしさを見るようだ。高級官僚のように会社が次をさがしてくれることはない。
ネットのニュースを見ていたら自民党の山崎拓前副総裁が、小泉元首相が定額給付金の補正予算関連法案の衆院再議決時に欠席すると表明したことについて「欠席しても処分しない方がいい。万一離党すると自民党は壊滅的打撃を受ける」などと述べたという。政党政治も地に堕ちた。
組織の正当性も道理もなにもない。旧式の役立たずの機械ばかりだな。小泉元首相という人もやりたい放題だが、スタンドプレーの目立つ老人には用心したい。結局は時勢の熱気に酔って選んだ国民が馬鹿なのだがけっこう潰れる会社の重役に多いタイプではないか。
そういえば先日の中川前財務・金融相がローマで開かれたG7の記者会見で酩酊状態で出席し世界中の物笑いになったこともきっと一連の流れなのだろう。何が風邪薬だ。悪い冗談だな。
時代小説が好きでよく読んでいるが江戸時代なら間違いなく浅野内匠頭よろしく「城地没収のうえ切腹仰せ付けられ候」ものの大事件だが、閣僚辞任だけで醜態を演じたと笑い話で済んでしまった。
除名処分は当然だろう。なんともお気楽な連中ではないか。百年に一度といわれる不況の最中のことではないか。
やはり自分の身は自ら守らねば。あんな閣僚でも野党に比べればまだましなほうだろう。
そんなことより明日はどうする?天職でなくても転職せざるを得ぬものもいるだろう。行く道は行くしかない。そうだ。末路哀れは覚悟の前の稼業だった。不動産の営業担当たちよ。