■ 本学 【 高根ブログの解説 】
平成22年度 “真儒の集い” 特別講演
“『グリム童話』 と 儒学 ―― 現代日本を“中す”一つの試論 ―― ”。 (高根秀人年)
レジュメを欠席者・新参加者のために要説いたしました。
また、ブログ 【儒灯】 (儒学からの言霊)
―― 黄門さまの“虎変” と 「伯夷伝」 ―― を解説いたしました。
■ 易経 ( 『易経』 64卦暗記法 ― 卦の順番/卦の番号 ― )
『易経』 64卦暗記法
――― 卦の順番/卦の番号 ―――
高根 秀人年
『易経』 は、乾・坤に始まり、既済・未済に至る、64卦の循環で、世界・人生を象〔かたどっ〕ています。したがって、その順番には、一定の理〔ことわり〕にもとずく順序があります。それを説いたものが、『十翼』 の「序卦伝」 です。
例えば、始まりは“乾・坤” 2卦のペアです。
NO.1 が“乾=天”で、次にNO.2 “坤=地” があります。
『聖書』 の「天地創造」でも、『古事記』などの神話でも同じですね。
終わりは、“既済・未済” 2卦のペアです。
NO.63 “既済=完成”があって最終卦NO.64 “未済=未完成”があります。
この順番によってこそ、無限に循環いたします。無始無終・無終の道が実現するのです。
さて、『易経』 の配列は、この順番に定まっているわけですから、
NO.1 〜 NO.64 の序列・順番を理解し、暗記すると同時に、何番の卦かということも暗記するのがベストです。
そこで、その順番と何番の卦であるかの暗記法を、先人のアイデアも参考にしながら考案し、まとめあげました。
――― がんばって、口ずさみながら覚えましょう。コツコツと、努力あるのみです!
§.64卦暗記法―― (1)卦の順番
§.64卦暗記法 ―― (2)卦の番号
《 上 経 》
1. 乾 ※ 乾 「元亨利貞(げんこうりてい)」 ・ 「自強不息(じきょうふそく)」
2. 坤 ※ 坤 「厚徳載物(こうとくたいぶつ)」
3. 屯 「お産」の苦しみ、水雷屯
4. 蒙 「視界(四海)」もうろう、山水蒙
5. 需 「五本」の指折り数え求め待つ、水天需
6. 訟 「六法全書」片手に“訴えてやる!”、天水訟
7. 師 「七転八倒(起)」戦〔いくさ〕の卦、地水師
8. 比 「八方美人」みんなに親しむ、水地比
9. 小畜 「苦労」して少しく蓄〔たくわ〕える、風天小畜
10. 履 「テン(10)」で、天〔テン〕沢履
11. 泰 「イイ感じ」で男女和合し、地天泰
12. 否 「十二ケ月」で一年塞〔ふさ〕がり終わる、天地否
13. 同人 「勇ん(遺産)」で集まる、天火同人
14. 大有 「意志」が天に通じて天祐あり、火天大有
15. 謙 「以後もよろしくお願いします」とお辞儀する、地山謙
16. 予 「いろんな」準備楽しく、雷地予
17. 随 「柔軟」に随〔したが〕う、沢雷随
18. 蠱 「娘十八」“虫”が三匹、山風蠱
19. 臨 「行くぞ」船出だ咸臨丸〔かんりんまる〕、地沢臨
20. 観 「二十面観音」人生の洞察/「二十〔はたち〕」で観光旅行、風地観
21. 噬コウ 「フイ」に歯にはさまる、火雷噬コウ
22. 賁 「夫婦」仲良く高齢社会、山火賁
23. 剥 「ふさぎ込む」身心の剥がれ、山地剥
24. 復 「西」からもどる太陽、地雷復
25. 无妄 “おんにこにこ 腹立つまいぞや そはか”、天雷无妄
( 腹を立てぬ呪文/ )
26. 大畜 「二郎」は大いに蓄え、山天大畜
27. 頤 「フナ寿司」食べて食養生、山雷頤
28. 大過 「双葉」も大いに過ぎて棟木〔むなぎ〕となる、沢風大過
29. 坎 「憎まれ者」の三難卦、坎為水
30. 離 「三十女」・中女で、離為火
《 下 経 》
31. 咸 「さあ いこう!」船出だ、/ 「幸先よし」、沢山咸
32. 恒 親子「三人」でいつも変らぬ愛情、雷風恒
33. 遯 「ミミっちくなく」・「サッサと」引退、天山遯
34. 大壮 「ミシミシ」と音立てたいそう〔体操〕、雷天大壮
35. 晋 「三十五」は人生のまっ盛り、火地晋
36. 明夷 「三浪」は “暗黒時代”、地火明夷
37. 家人 「み(ん)な」そろって家庭円満、風火家人
38. ケイ 「見渡せば」女同士の反目、火沢ケイ
39. 蹇 「惨苦〔ざんく・さんく〕/残酷」な足止め、水山蹇
40. 解 「四十」にして惑わずで解決、雷水解
41. 損 「よい投資」で “損して得とれ”、山沢損
42. 益 利益は「世に」還元すべし、風雷益
43. 夬 しっかり「試算」して大決心/「予算」オーバー、沢天夬
44. コウ 「夜夜〔よよ〕」の思わぬ出合い、天風コウ
45. 萃 「しごいた」網に魚がいっぱい、沢地萃
46. 升 「白丸」つづきでスピード昇進、地風升
47. 困 「至難」だ困った/赤穂〔あこう〕「四十七士」、沢水困
48. 井 「世渡りじょうず」が集まる井戸端会議、水風井
49. 革 「良くなれ」と改革、沢火革
50. 鼎 「五十」にして安定・三角関係、火風鼎
51. 震 「強引〔ごういん〕」な地震・雷、震為雷
52. 艮 「ゴンに山」は、艮為山
53. 漸 「イッツ ミー (It‘s me:それが私です)」、縁談 OK!、風山漸
54. 帰妹 「御用」があれば、と妹もいっしょ、雷沢帰妹
55. 豊 「GO!GO!(ゴー!ゴー!)」/「午後」の豊かな太陽、雷火豊
56. 旅 「ころあい」をはかって一人旅に出る、火山旅
57. 巽 「粉」が風にしたがって舞う、巽為風 cf. 白粉〔おしろい〕
58. 兌 「こわ〜い」のは口の災い、兌為沢
59. 渙 「ゴクン」と飲んだ水汗と散る、風水渙
60. 節 「六十」の還暦(耳順〔じじゅん〕)は人生の節目、水沢節
61. 中孚 「無為自然」でからっぽ、風沢中孚
62. 小過 「無理に」やらぬこと、雷山小過
63. 既済 ※ 「既済は定まるなり。」
64. 未済 ※ 「未済は男の窮まるなり。
【 卦の番号 暗記法 / 解 説 】
《 上 経 》
1. 乾 ※ 乾 「元亨利貞(げんこうりてい)」 ・ 「自強不息(じきょうふそく)」
2. 坤 ※ 坤 「厚徳載物(こうとくたいぶつ)」
( 乾は、全陽〔純陽・老陽・男性〕 ・・・ 分化発展の原則、乾=健の意、
天の運行・剛健、龍(ドラゴン) ・「元亨利貞」(卦辞)
※ 乾の四徳 ・・・ 循環連続性 ・「自強不息」(大象);
「天行は健なり。君子以て自ら強〔つと〕めて息〔や〕まず。」 )
( 坤は、全陰〔純陰・老陰・女性〕 ・・・ 統一含蓄の原則、母なる大地、
牝牛横たわり草を喰むイメージ、“柔順の貞”・“女性の貞”、 ・ 「厚徳載物」(大象)
;「地勢は坤、君子以て徳を厚くし以てものを戴〔の/たい〕す。」 )
3. 屯 「お産」の苦しみ、水雷屯
(*4難卦; 創造・生み=産み の苦しみ、天下草創 )
4. 蒙 「視界(四海)」もうろう、山水蒙
( 頭の中が蒙〔くら〕い、山の下に水でモヤ → 視界がモヤ〜としている )
5. 需 「五本」の指折り数え求め待つ、水天需
( 需〔もと〕め待つ、“密雲すれども雨ふらず” 、5は東洋の代表数 )
6. 訟 「六法全書」片手に“訴えてやる!”、天水訟
( 訴える・訴訟、男性同士・表立った〔陽と陽〕背反、「行列のできる相談室」 )
7. 師 「七転八倒(起)」戦〔いくさ〕の卦、地水師
( 戦〔いくさ〕・苦しい時、戦の軍師 → 先生 )
8. 比 「八方美人」みんなに親しむ、水地比
( したしむ、「八方美人」 は誰にでも愛想が良い人、
*「八頭身美人」と間違えないように )
9. 小畜 「苦労」して少しく蓄〔たくわ〕える、風天小畜
( 畜=蓄、1)留〔とど〕め・ 2)貯〔たくわ〕え・ 3)養う )
10. 履 「テン(10)」で、天〔テン〕沢履
( ふみ行う、英語のテンと天のゴロ合わせ・・・10番目のくくりで覚えましょう )
11. 泰 「イイ感じ」で男女和合し、地天泰
( “泰否の基本ペア卦”。天地交流・男女和合、
地は下に天は上に行こうとして交流、合体融合の象 )
12. 否 「十二ケ月」で一年塞〔ふさ〕がり終わる、天地否
( 泰と反対に八方塞がり、天地交流せず男女和合せず )
13. 同人 「勇ん(遺産)」で人が集まる、天火同人
( 志を同じくして多くの人が集まる、同士が勇んで /遺産相続をアテにして )
14. 大有 「意志」が天に通じて天祐あり、火天大有
(*3大上爻;高根 日の4〔5〕卦;大いに有〔たも〕つ、中天の太陽、天佑あり )
15. 謙 「以後もよろしくお願いします」とお辞儀する、地山謙
( へりくだる、謙虚・謙遜、“稔ほど頭をたれる稲穂かな” )
16. 予 「いろんな」準備楽しく、雷地予
(*“時”・時宜5卦; 1.あらかじめ 2.遊び楽しむ 3.怠る )
17. 随 「柔軟」に随〔したが〕う、沢雷随
(*“時”・時宜5卦; つきしたがう、“時にしたがい、事にしたがい、人にしたがう”、
「臨機応変」、柔軟な姿勢が大切・・・ )
18. 蠱 「娘十八」“虫”が三匹、山風蠱
( 皿の上に虫が3匹〔木皿の中の虫〕、蛇も 18はお年頃 悪い虫に要注意 )
19. 臨 「行くぞ」船出だ咸臨丸〔かんりんまる〕、地沢臨
( 春たけなわ・スタート、1860 勝海舟 「咸臨丸」にて太平洋をわたる )
20. 観 「二十面観音」人生の洞察/「二十〔はたち〕」で観光旅行、風地観
(*精神性3卦; 精神性重視、観世音(観音・観自在)菩薩・・・精神の高められた心でみる
/心眼で深く観る、“観光”の語源・4爻辞 「国の光を観る」 )
21. 噬コウ 「フイ」に歯にはさまる、火雷噬コウ
( 噛〔か〕み合わせる。口の中の障害物・・・口中に4爻の1陽があるのがこの象。
好事〔こうず〕魔多し )
22. 賁 「夫婦」仲良く高齢社会、山火賁
(*高根 日の4〔5〕卦;かざる・あや。沈みゆく太陽・晩年・夕日・高齢社会の卦 )
23. 剥 「ふさぎ込む」身心の剥がれ、山地剥
( 身心のはがれ、“退勢の極致”、1陽崩壊寸前にて男性苦労の象 )
24. 復 「西」からもどる太陽、地雷復
( 「復」=ルネサンス (仏・英) Renaissance 、再生・復活、
“復は反〔もど〕るなり”(雑卦伝) ・・・ 西に沈んだ太陽が戻る )
25. 无妄 “おんにこにこ 腹立つまいぞや そはか”、天雷无妄
(*精神性3卦; うそ・いつわりのないこと。无は無で 妄〔みだ〕り無いの意。至誠。
“おんにこにこ ・・・ ”は腹を立てぬ呪文との連想 )
26. 大畜 「二郎」は大いに蓄え、山天大畜
(*3大上爻; 大いにとどめ・蓄えること。「二郎」は単なるゴロあわせ )
27. 頤 「フナ寿司」食べて食養生、山雷頤
( あご・おとがい。身心ともに養う。
琵琶湖の「フナ寿司」伝統的珍味で単なるゴロあわせ )
28.大過 「双葉」も大いに過ぎて棟木〔むなぎ〕となる、沢風大過
(*4(3)難卦; 大(陽)が過ぎる。
「棟撓〔むなぎたわ〕む」(卦辞)・・・棟木は屋根を支える横木 )
29.坎 「憎まれ者」の三難卦、坎為水
(*4(3)難卦; 習坎・水また水、水はなやみ、険難重なる象。 )
30.離 「三十女」・中女で、離為火
( 離為火 は、麗〔り〕。中女・・少女と大女の間、魅力的な「三十女」を連想 )
《 下 経 》
31.咸 「さあ いこう!」船出だ、/ 「幸先よし」、沢山咸
(*愛情 4卦; 「咸臨丸」スタート;咸卦と臨卦から名づけました。感応の卦、
恋愛・愛情の始まり )
32.恒 親子「三人」でいつも変らぬ愛情、雷風恒
(*愛情 4卦; 恒は、恒常・久しい。夫婦・親子の幾久しく変らぬ愛情 )
33.遯 「ミミっちくなく」・「サッサと」引退、天山遯
(*精神性3卦;“時”・時宜5卦; 遯は、逃れ退く。隠居・引退の卦。
解脱・達観。 ・・・ 人は引き際が大切です )
34・大壮 「ミシミシ」と音立てたいそう〔体操〕、雷天大壮
( 大壮は、陽(大)気 壮〔さかん〕なりです。「体操」 と“かけ”ました )
35.晋 「三十五」は人生のまっ盛り、火地晋
(*3吉卦; 高根 日の4〔5〕卦; 晋=進ですすむ、地上(真上)の太陽。
人生でいえば中年壮年、まっ盛りです )
36.明夷 「三浪」は “暗黒時代”、地火明夷
(*高根 日の4〔5〕卦; 地中の太陽、明らかなもの・明るいもののやぶれること。真っ暗 )
37.家人 「み(ん)な」そろって家庭円満、風火家人
( 家庭の平和・調和、家を斉〔ととの〕える道 )
38.ケイ 「見渡せば」女同士の反目、火沢�露
( そむく・異なる。 火=離女・中女 と 沢=兌女・少女の二女反目 )
39.蹇 「惨苦〔ざんく・さんく〕/残酷」な足止め、水山蹇
(*4(3)難卦; 寒さに足が凍えて進めない字義、足止めストップ )
40.解 「四十」にして惑わずで解決、雷水解
( とける・ちらす、問題解決、氷解。「四十」不惑は『論語』からの連想 )
41.損 「よい投資」で “損して得とれ”、山沢損
( “損益のペア卦” “ Give and Take ” 正しい投資は利益を生む )
42.益 利益は「世に」還元すべし、風雷益
( 損(正しい投資)があって益あり、益=易のあるべき姿は社会貢献 )
43.夬 しっかり「試算」して大決心/「予算」オーバー、沢天夬
( 夬=決。よほどの決心・決定〔勇断果決〕、堤防決壊〔ぶちこわし〕 )
44.コウ 「夜夜〔よよ〕」の思わぬ出合い、天風コウ
(*“時”・時宜5卦;愛情 5卦; 男性は夜の仕事の女性との出会い、
女性は玉の輿、女性との出会いで発展〔男女とも〕 )
45.萃 「しごいた」網に魚がいっぱい、沢地萃
( あつまる。人やモノがあつまる、 選挙吉 )
46.升 「白丸」つづきでスピード昇進、地風升
(*3吉卦; 高根 日の4〔5〕卦; 順を追って昇り進む、高位に昇る〔出世〕 )
47.困 「至難」だ困った/赤穂〔あこう〕「四十七士」、沢水困
(*4〔3〕難卦; 行き詰まって困り、苦しく悩む。/赤穂浪士「四十七士」の打ち入りも
至難・困難と連想 )
48.井 「世渡りじょうず」が集まる井戸端会議、水風井
( 恵みの井戸、「世渡りじょうず」な“オピニオン・リーダー”を連想 )
49.革 「良くなれ」と改革、沢火革
( あらたまる、かわる。改革・革新・革命 Revolution の革 )
50.鼎 「五十」にして安定・三角関係、火風鼎
( 鼎は、かなえ、古代中国の三本足の煮炊きする器。
三脚で安定。『論語』にいう知命「五十」は人生安定、三角関係も安定の時? )
51.震 「強引〔ごういん〕」な地震・雷、震為雷
( 震は激しく・「強引」に動く。天にあっては雷、地にあっては地雷。)
52.艮 「ゴンに山」は、艮為山
( 艮は坤と区別して「ゴン」と発音、その象意は「山」、
ゴンイザン ⇒ ゴン ニ サン のゴロあわせ )
53.漸 「イッツ ミー (It‘s me:それが私です)」、縁談 OK!、風山漸
(*3大上爻;3吉卦;愛情 4卦; 正婚・結婚の卦。
※お見合いの場面の連想で、見合い写真をみて「それは、私です!」 )
54.帰妹 「御用」があれば、と妹もいっしょ、雷沢帰妹
( 自由恋愛・副妻・愛人、恋愛ご注意の卦。
※古代中国では、姉の貴人との結婚には妹を伴いました )
55.豊 「GO!GO!(ゴー!ゴー!)」/「午後」の豊かな太陽、雷火豊
(豊かに盛大の意「いけ!いけ! どんどん」/「午後」太陽と豊大の連想 )
56.旅 「ころあい」をはかって一人旅に出る、火山旅
(*“時”・時宜5卦; 旅卦は孤独な一人旅、修行の旅、行かねばならぬ旅。
―― 「ころあい」をはかって出発しよう )
57.巽 「粉」が風にしたがって舞う、巽為風 cf. 白粉〔おしろい〕
( 巽は 風、風にただよう。風のように従い従って〔巽順〕吉。 )
58.兌 「こわ〜い」のは口の災い、兌為沢
( 兌の象意は、口。口禍・失言には要注意 )
59.渙 「ゴクン」と飲んだ水汗と散る、風水渙
( 水上の風、風により水が散ってしまうの象意 )
60.節 「六十」の還暦(耳順〔じじゅん〕)は人生の節目、水沢節
( 竹のふし、人生の節目。還暦〔『論語』でいう耳順〕は、
満60〔数え61〕歳で干支〔えと/かんし〕の暦が一巡して
生まれた時の干支に戻ることです )
61.中孚 「無為自然」でからっぽ、風沢中孚
( まこと・愛情・、また中がからっぽ〔空虚〕・タマゴの殻。
風と水という自然の相応は 人の虚心な信〔まこと〕で、
老荘思想の「無為自然」を連想 )
62.小過 「無理に」やらぬこと、雷山小過
( 少しく〔陰に〕過ぎる。「無理に」やること=大禍 は禁物というもの )
63.既済 ※ 「既済は定まるなり。」
64.未済 ※ 「未済は男の窮まるなり。」
( 既済は、すでに成る、ととのう。64卦 最終卦のひとつ前の卦。
“有終の道(美)”、成就・完成、ジ・エンド 〔THE END〕、 不良。 )
※ 既済は、1)すべてが、完成・成就したの意。それで安定している。
2) 3陰3陽 の 6つの爻すべてが正位を得ているから安定している。
(未済は、未完成。 64卦 最終の卦=人生に完成はない、 無終の道=循環・無始無終。 )
※ 未済は、1)未完成、いまだことが成就しないの意。つまり、男の道=君子の道がいまだ定まっていないの意。
2) 3陰3陽 の 6つの爻すべてが不正位。3つの陽爻(男)が位を得ていないので、男の身の行き詰まりです。 3陰爻が、それぞれ陽爻の下にあって陽爻を承〔う〕けています。女(陰)が行き詰まることはないので、男(陽)の行き詰まりといえます。
3)全爻、不正位に加えて、2爻が坎険の中から出られないので、「男の窮する」の意。
● 人類の歴史は行き詰まることなく、再び始まります。 「終始」 = 終りて始まる、
という悠なる易学の循環の理がここに示されているのです。
( 完 )
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